ワイコン・テレコンを使った高画質写真と逆光補正効果


ワイドコンバーションレンズ

写真1シャッター速度:1/800秒 | F値:8 | 露出補正:+0.3EV

暑い日差しの砂浜を散歩しているヤドカリくん。この写真はワイドコンバージョンレンズを使い撮影した。ヤドカリを撮るのであれば、普通にズームしたり被写体寄れは簡単に撮ることはできるが、それでは、ヤドカリと白い砂浜だけの写真になってしまう。 せっかく波打ち際だったので、南国の雰囲気を取り入れるために、青い海や空を背景の一部に入るように、ワイドコンバージョンレンズで広めの画角を用い、ローアングルで、ヤドカリにマクロ撮影ギリギリの5cmちょっとまで寄って撮影。近接撮影な為、被写界深度も浅くなり、前後ともに程よいボケ味で、ヤドカリを浮き立たせ、面白い写真を撮ることができた。(写真1)

写真2シャッター速度:1/400秒 | F値:5.6 | 露出補正:+0.0EV

ワイドコンバージョンレンズで撮影の場合、標準画角に比べて主要被写体を画面の中に大きく写しこんでも、思いのほか背景は写り込んでくれる。ハイビスカスの花を画面の半分以上に写しても、その後ろの木々や青空がしっかり写ることによって、強い日差しに伸びるように咲くハイビスカスの花といった雰囲気を演出してくれている。(写真2)

写真3シャッター速度:1/4秒 | F値:2.8 | 露出補正:+0.7EV

日が沈み薄明るさだけが残る中、家の明かりや数少ない外灯が点燈しはじめ、竹富島の集落に静かな時間が流れ始める。竹富集落の中心にある「なごみの塔」からワイドコンバージョンレンズを使い夜景モードで撮影。この青白く神秘的な時間帯の色合いを出すため、ホワイトバランスを太陽光にして撮った。夜景モードで撮影したので、ISO感度が800に設定され、ちょっとザラついた感じもあるが、またそれが、静かな町並みの雰囲気を演出する味になっている。また、暗い中でも有効1360万画素の高画素数により、家の垣根や屋根の細かな部分まで細部にわたり、しっかりと描写してくれている。(写真3)


テレコンバージョンレンズ

写真4シャッター速度:1/160秒 | F値:11 | 露出補正:+0.0EV
写真5シャッター速度:1/500秒 | F値:5.5 | 露出補正:+0.0EV

「ちゅらさん」で有名な小浜島の中央を横断するように伸びる道(通称、さとうきびロード)。ちょうど、さとうきびの収穫時期で、生茂ったさとうきび畑では無かったが、大きな松の木が1本あったのでアクセントに、長く伸びてアップダウンした道を撮影。望遠側の105ミリで撮った(写真4)場合、そもそもが広々とした風景なため、一見ワイドで撮ったかのような写真になってしまった。また、松の木を大きく撮るために木に近づいたのでは、長く伸びた道の感じが無くなってしまう。そこで、テレコンバーションレンズを使い、約273ミリ相当の望遠で撮影(写真5)。アップダウンし長く続く道が、望遠撮影による圧縮効果でグッと迫ってくる感じに、また松の木もちょうど良い大きさに取り入れることができる。

写真6シャッター速度:1/160秒 | F値:5.5 | 露出補正:+0.0EV
写真7シャッター速度:1/160秒 | F値:5.5 | 露出補正:+0.3EV

小浜島や西表島には、河口汽水域の塩性湿地に成立する森林「マングローブ」が多く見られる。しかし、そこは湿地帯なため、中々近くで撮る事が難しく、高台や河口の対岸などからの望遠撮影になる。W300には、画像サイズの設定を小さくすることで、画像劣化を最小限に抑えて撮れる「スマートズーム」機能があり、高倍率での望遠撮影も可能になるが、画素数が少なくなるため、細かい幹や葉が多く密集した細かな描写にはあまり向かない。有効1360万画素の高画素数をフルに使い撮影するために、テレコンバーションレンズでマングローブの風景を切り取った。(写真6)望遠で密集した木々を切り取っても、小さな幹や葉の一枚一枚までしっかりと描写できる。(写真7)手前の水面がら出る根っこや、奥の細かい葉っぱまできれいに描写されている。また、奥の木々も圧縮効果によって大きく写り、木々の密集感を増している。

(写真8)シャッター速度:1/1000秒 | F値:11 | 露出補正:-0.7EV

竹富島の西側にある桟橋。桟橋と言っても、このあたりが遠浅なために大きな船が出入りする場所では無く、地元の漁師が満潮の時に利用する程度で、おもに観光客の夕日を見るスポットになっている場所。私も夕日を撮影に来たのだが、あいにく低い位置に暗い雲があり地平線(海の向こうには西表島があるので海に沈む夕日は見えません)に沈む夕日を撮ることができなかった。しかし、その雲に入る前の日差しが、引潮で浅瀬になった海面を金色に輝かせ、その反射した光が暗い雲を照らし、なんとも幻想的な雰囲気。この風景をテレコンバーションレンズを使い望遠で、画面の手前に桟橋を入れながら、輝きのある海面とうっすら見える西表島と重い感じの雲を切り取った。(写真8)


テレ&ワイドコンバーションレンズ

写真9シャッター速度:1/250秒 | F値:11 | 露出補正:+0.3EV
写真10シャッター速度:1/800秒 | F値:5.6 | 露出補正:+0.0EV

人口より牛の数の方が多い牛の島「黒島」。その黒島の港近くにある海岸「西の浜」は潮の流れが速く、海水浴場にはなっていないため、とてもきれいな海岸。その海岸をテレコンバーションレンズとワイドコンバーションレンズを使いまったく違った雰囲気の写真を撮ってみた。テレコンバーションレンズを使い、浅瀬の波うち際から、深くなるにつれ色が異なっていく、鮮やかなグラデーションの海が広がる風景を切り取った。また、(写真9)ワイドコンバーションレンズで海面ギリギリのカメラ位置から、青い空と白い雲を入れ、波が寄せ付ける海岸をワイド感いっぱいに撮った。(写真10)このように波うち際でファインダーが覗けない状況のシーンでも、液晶画面を見ながら撮影のできるコンパクトカメラなら簡単に撮影ができる。


Dレンジオプティマイザープラス

写真11シャッター速度:1/30秒 | F値:3.2 | 露出補正:+0.0EV
写真12シャッター速度:1/50秒 | F値:3.2 | 露出補正:+0.0EV
写真13シャッター速度:1/30秒 | F値:3.2 | 露出補正:+0.0EV

良く記念写真であるような、人物の居る場所が暗く、背景の景色が明るいといったシーンでもっとも効果を発揮する「Dレンジオプティマイザープラス」。人物が日陰で背景が明るいために、逆光と同じ現象となり人物の顔が暗く写ってしまいます(写真11)。このような場合に今までは、フラッシュを使い日中シンクロといった方法で人物が暗くなるのを補ってきました(写真12)。しかし、フラッシュの光が強く当たるため、どうしても不自然な明るさになってしまいます。新機能「Dレンジオプティマイザープラス」で撮影をすると、人物を明るく写すだけでなく、背景の明るさも考慮して、目で見たときの印象に近い自然な描写で表現してくれます。(写真13)

写真14シャッター速度:1/400秒 | F値:2.8 | 露出補正:+0.3EV
写真15シャッター速度:1/400秒 | F値:2.8 | 露出補正:+0.3EV

西表島の仲間川上流にある樹齢400年とも言われる日本最大のサキシマスオウノキ。薄曇の天気ではあったが、Dレンジオプティマイザー機能をOFFで撮影をすると、空の明るさが逆光状態のようになり、樹木が暗くなってしまった。(写真14)そこで、Dレンジオプティマイザープラスを選択し撮影すると、根にある年輪や樹木に生えたコケなどの細部まではっきりと分かるように、自然な感じの明るさで描写された。(写真15)