初めてハイビジョンを観たとき、自分の目が良くなったと思った

何年前だろう…初めてハイビジョンで映像を見たとき、色の良さ、視覚でみているような感覚に「自分の目がよくなったんじゃないか」と思いました。被写体のディテールはもちろん、空気がパキッとキレイに写っている感じには驚きましたね。

そのとき、撮った映像を今では見られないんです。というのは、当時は弁当箱みたいな大きさのテープで撮影していたので、再生機がもう今ではないんですね。今は家庭でもハイビジョンが楽しめる…いい時代になったと思いますよ。

中野裕之氏のインタビュー画像

僕の映像キャリアはソニーの歴史といってもいいくらい。ソニーの歴史と完全に付き合っている(笑)。1インチやU-matic(4分の3インチ)、ベータマックスから始まって、今があります。今、思い出してみると、ハイビジョンが出たてのころは、撮影が大変でした。妙に緊張もしたし。「こ、これが高画質のハイビジョンだあ、、、」と。そして、今ではとっても気軽にHDVを日常的に使用しています。

今、ネット上の小さな画面から、飛行機の機内の画面、テレビ、スクリーンと、ひとつの作品を作っても楽しみ方は多様です。だからこそ、僕たち映像作家は色々な試行錯誤をします。色の補正から圧縮具合、キレイすぎたら見た感じに近づけるよう色んな工夫をしたり…このさじ加減が、経験がものを言うところなんですね。

ハイビジョンだからこその撮影の楽しみ方

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<1台で何でもできるから感動を全方向から記録>

今、海外などに行くと、ハンディカム(HDR−HC3)を持っているブロガー(ネット上で日記やコラムを掲載する人)が多いですよね。だって、これ1台でなんでもできるんだもん。音声の記録、写真撮影、動画撮影ができれば、他になにも持ち歩かなくてもいいのは大きな魅力。

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例えば、料理を食べに行ったときに携帯で撮ってもよくわからない…ってことありますよね、カメラ自体がいくら300万画素と言ってもレンズが小さいからやっぱりきれいじゃないからね。でも、HC3で動画で回しておくと「美味しいね」という声も入っているし、気に入った瞬間を静止画として切り出せばプリントアウトも可能。僕の場合、これ(HDR−HC3)1つで全部済ませ、静止画像もフルスぺックハイビジョンで見ています。

また、撮った映像をBRAVIAのようなデジタルテレビの大画面で見れるのはすばらしいことだよね。例えば、子供の手のひらだけ撮影すると、その細かな毛や細部の特徴にいたるまできっちりハイビジョンは残せる。大画面に小さな手のひらがバーンと映ったら、それだけで感動しちゃうよね。被写体が動いて、音声もついて、キレイな映像で残せるから、時間が経って見ると、本当に感動するし、いろんなことを思い出すはずです。その日の温度や、部屋のレイアウトや、ああいうもので子供達は遊んでいたなとかが記録されているという事です。思い出のタイムマシーンみたいですよね。動画ってだから大好き。

<感動結婚式&ステキな花嫁さんが撮れる撮影のススメ>

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『HDR‐HC3』はこんなに小さいのに、すごく綺麗に撮れます。あちこち持ち歩くより、ある場所に三脚を立てて、ずっとそこから撮影していると、結構いいのが撮れていたりします。旅行先でいろんなところを見たいときに、カメラをこっち方向とろしく!というように置いておいて「風景はこいつ(カメラ)に任せた!」と頼めてしまえる(笑)。それで帰って見ると「へぇ〜」と思う映像が撮れています。そうしないと、生を見ずに小さいモニター見てる事になるのですよ。生を見て楽しみ、帰ってテレビでもっと楽しむ。ですね!

あと、結婚式。寄ったり引いたり、いろんな場面を写したいとき、これを置いて撮りっぱなしにしておくだけでいいという方法もあります。花嫁花婿の2ショットの正面にカメラを置いて、定点からの映像を、あとで編集の時点で寄り引きするんです。

そうすると毛穴、クスミ、シワなどが見えなくなっていて、花嫁の肌がとってもキレイに写っている。つまり「肉眼」に見ているときと近いんですね。もちろんそれでシャープな映像ではなくなるんですが、それは実は映画っぽくて、しっとりとした結婚式映像が残せますよ。ちなみにこれは仕事でも実際によくやっていて、女優さんをきれいに撮るテクニックです。だってきれいな顔は撮りたいけど毛穴までみたくないもん。

<常にバックアップはしておきましょう>

撮影した素材を編集機などに取り込む訳ですけど、1テラバイトぐらいハードデイスクがぶっ飛んでしまって1年分の家族のビデオが全部なくなったりして…。あれは目の前が真っ白になりますね(笑)。なので、常にバックアップはしておきましょうね、みなさん。ブルーレイに保存しましょう!

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ハイビジョンだからこその映画の楽しみ方

今までの映画ビデオやDVDはストーリーと雰囲気を堪能すれば、1回見て終わりでした。でも、ハイビジョンになると情報量が膨大になるので、楽しみ方も変わってきます。1回目に作品全体を楽しんだら、2回目に同じものを見て、主人公のファッションに注目するとか、インテリアに注目するとか。このように視点を変えてみると、様々な発見があるはず。それは、静止画にしたら、特によくわかりますけど、情報が多いハイビジョンだと高画質のデジカメの写真くらいに見えたりしますからね。

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あと、さらに『ブルーレイ』のソフトで見ると質感までよくわかりますね。服はもちろん、登場人物がつけているアクセサリーのブランドまでわかる。だから、今まで視点的に存在しなかったものが2回目、3回目を見たときに見えてくるんですね。物語を知って、余裕で今度は、そこに見える世界を自分流に楽しめるのはハイビジョンだからこそだと思いますよ。

これからのハイビジョンカメラは「肉眼」で見たままを再現してほしい

長年、映像を作ってきて思うのは、「被写体の色をそのまま映像化したい」ということ。機種、フィルムなどの組み合わせによっては、どうしても赤みが強くなったり、白が飛んじゃったり…。究極の理想は、肉眼で見たままを再現できるカメラの登場ですかね。

プロフィール

中野裕之氏のプロフィール画像

なかの・ひろゆき/映像作家。1958年広島県生まれ。
「SF・サムライ・フィクション」をはじめとする長編映画と「SF・ShortFilms」以来短編も多く製作。Deeelite、リタ・ミツコ、布袋寅泰など、多数のミュージシャンのPVを手がける他、CM演出など、その活動は多岐にわたる。屋久島で撮りためた透明な水をまとめた「水water」や、和める癒し系のイルカのビデオ”ピース・ブルー”など自然映像のDVDを発表するなど、ピースな作品も多い。その他、ピースな活動家のインタビュー集「Opinions」をはじめ、2005年度愛地球博にて上映されたショートフィルム「RE:サイクル」等がある。ショートフィルム作品「アイロン」はカンヌ映画祭批評家週間部門/ヤング批評家賞を受賞。常に見る人をなんだか気持ち良くするピースな映像づくりを心掛けている。

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