商品情報・ストア Sony's feature Hi-Res 10 songs vol.4 [前編] : ハイレゾ10曲
 

2017.12.20Hi-Res 10 songsvol.4 : 樋口泰人
[前編]
_映画批評家・boid主宰

ハイレゾで、聴きたかった10曲

音楽ライブ用の音響セッティングによって、新しい映画体験を届ける「爆音上映」。映画をより深く、自由に楽しむために、その独自の上映企画を続けているのが、映画批評家の樋口泰人さんです。今回は忘れられないワンシーンとともにある一曲など、映画や爆音上映にまつわる10曲をハイレゾで紹介。まずは、爆音上映を始めるきっかけを与えてくれた存在という、ニール・ヤングの曲から。

そこにしかない空気感や、つくり手の気持ちが伝わる

01/10

Neil Young + Promise of the Real
「Monsanto Years」

from 『The Monsanto Years』

「2015年に、ニール・ヤングが監督した『ヒューマン・ハイウェイ』が日本で初公開されるにあたって、インタビューする機会がありました。その場所に指定されたのが、カリフォルニア州オックスナードにある古い映画館を改装した音楽スタジオ。ちょうどこのアルバムが、そこで収録されたばかりの頃です。ニールさん自身、ハイレゾ対応の音楽プレーヤー(PonoPlayer)をプロデュースしていて、このアルバムは、まさにそのプレーヤーで聴くことを前提としてつくられたもの。ニールさんが大切にしている空気感のようなものは、今回試聴したウォークマン(NW-A45)とヘッドホン(WH-1000XM2)で、しっかり再現されていると思いました」

02/10

Roy Orbison
「Crying」

from 『Crying』

「『マルホランド・ドライブ』の中で、レベッカ・デル・リオという歌手が、スペイン語に訳したこの曲をアカペラで歌うのですが、そのシーンがあまりにすごい。監督のデヴィッド・リンチが、ロイ・オービソンの歌の中のノスタルジックな部分に深く共鳴しつつ、その奥にある暗い闇の部分を肥大させているのだと思います。このオリジナルもハイレゾで聴いてみると、まろやかな声がスーッと入ってきて、すごくよかった。こんなふうに歌える人は、もう二度と現れないでしょうね。この映画に限らず、リンチの映画はロイ・オービソンを聴くためにあるようなものというか(笑)。とにかく、彼の歌を聴いて泣ければいいと。リンチにとってロイ・オービソンとは、それくらいの覚悟をさせてくれる存在なのではないでしょうか」

03/10

Scott Walker
「It's Raining Today」

from 『Scott 3』

「このアルバムは重量盤で再発されたレコードで聴いていたのですが、どこかクリアすぎる印象だったんですね。それがハイレゾでは、違和感なく聴けました。一つひとつの小さな音が際立ちながら、バランスよく混じり合って、ある響きがつくられていくことがよくわかります。スコット・ウォーカーは『ポーラX』や『シークレット・オブ・モンスター』といった映画の音楽を手がけていますが、彼の中には、この音でなければならない、という確固とした論理立てが常にある。それだけに、監督自身や映画そのものが彼の音楽世界に引きずり込まれてしまう、という一面があると思います。そうした常軌を逸した音楽づくりの一端は、この曲も収録された『スコット・ウォーカー 30世紀の男』で楽しめます」

04/10

Creedence Clearwater Revival
「Up Around The Bend」

from 『The Complete Studio Albums』

「これはオリヴィエ・アサイヤス監督の『冷たい水』の中で使われた一曲。高校をドロップアウトした主人公や仲間たちが、夜の森の中、廃墟でパーティーをするのですが、窓を割って持ち出したイスを、みんなでキャンプファイアーにガンガン投げ込むシーンがあって。そこでこの曲がかかるのが、たまらない(笑)。そのシーンのためだけに、映画を見直したくなるくらいです。この曲のハイレゾ音源に関しては、もう少し中音域に厚みが欲しいかなという印象でした。若さ特有のヒリヒリとした感情や、抑えきれないエネルギーを思い出す曲を、大きなスピーカーで、ラフにでかい音で聴いてみるのも面白そうですね」

その曲がかかるシーンのために、見直したくなる映画がある

05/10

Talking Heads
「The Big Country」

from 『More Songs About Buildings And Food』

「マイク・ミルズ監督の『20センチュリー・ウーマン』は、1979年のアメリカ西海岸を舞台にした15歳の息子と母親の物語。母親のドロシアと同居人のウィリアムが、自宅でレコードをかけて踊るシーンがあって、二人ともブラック・フラッグの曲は理解不能だけど、この曲には自然と体が動いてしまう。トーキング・ヘッズの曲がそこで流れると、僕なんかはウッとくる(笑)。いろいろな人が味わったかもしれない人生の物語が、詰め込まれているような映画なんですよ。自らの野生だけで勝負するのではなく、さまざまな個性を取り込みながら、自分たちの音にしていく。トーキング・ヘッズのそうした感性にも、通じている気がします。彼らの曲はリズムに特徴があって、スネア一発でもっていかれるところがありますが、今回聴いたハイレゾでも、タイトなリズムがしっかり再現されていて、足もとからノレる感じでした」

moraでのハイレゾ商品の試聴再生はAAC-LC 320kbpsとなります。
試聴再生は実際のハイレゾ音質とは異なります。

取材時にはハイレゾ対応のウォークマン「NW-A45」、ヘッドホン「WH-1000XM2」で試聴しました。

ウォークマン「NW-A45」についてはこちら

ヘッドホン「WH-1000XM2」についてはこちら

音楽配信サイト「mora」で配信されている曲の中から選曲をしています。

ハイレゾで聴く場合は「mora」で購入する必要があります。

本ページに掲載している情報は2017年12月20日現在のものであり、予告なく変更される場合がございます。

PROFILE

樋口泰人(ひぐち やすひと) 1957年生まれ。山梨県出身。映画批評の執筆活動を続け、『カイエ・デュ・シネマ・ジャポン』の編集委員を務めた後、1998年に自主レーベル「boid」を設立。書籍やCDなどの企画・制作、映画の配給・宣伝、Webマガジンの編集・発行などを手がける。吉祥寺バウスシアターを拠点に、2004年に爆音上映イベントをスタートし、2008年から「爆音映画祭」をプロデュース。2014年に吉祥寺バウスシアターが閉館した後も、「爆音映画祭」をはじめとする爆音上映企画を、全国各地で展開し続けている。著書に『映画は爆音でささやく 99-09』(boid)、共著書に『吉祥寺バウスシアター 映画から船出した映画館』(boid)など。

爆音映画祭 オフィシャルサイト
http://www.bakuon-bb.net/

Edit by EATer / Photography by Kiyotaka Hatanaka(UM) / Design by BROWN:DESIGN


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