商品情報・ストアICレコーダー/集音器 ハイレゾの音の良さにびっくり! TSUKEMENが体験するICレコーダーの最新アイテム<ソニー ハイレゾICレコーダー「ICD-SX2000」>
ハイレゾの感動をもっと身近にする新コンセプトスピーカー「CAS-1」 ハイレゾの感動をもっと身近にする新コンセプトスピーカー「CAS-1」

本ページは「BARKS」の転載記事です

2010年3月にアルバム『BASARA』でメジャーデビューして以来、リリースした作品はすべてクラシックチャートで1位を獲得してきた、3人組のアコースティック・インストゥルメンタル・ユニット、TSUKEMEN。2本のヴァイオリンとピアノというクラシックの楽器を使いながらも、彼らのレパートリーはクラシックにとどまらず、映画音楽、ジャズ、アニメソング、ゲーム音楽、そしてオリジナル楽曲と実にボーダーレスだ。ジャンルを超えて音楽ファンを楽しませてくれる彼らの真骨頂がもっとも発揮されるのはライヴ。ステージでは、音響装置を使わず、楽器本来が持つ倍音のダイナミクスを伝える。そんな「生音」にこだわり抜く彼らに、ソニーのハイレゾICレコーダー「ICD-SX2000」を体験してもらい、その使用感を伺った。

TSUKEMENのライブをICレコーダー「ICD-SX2000」で録音音の輪郭がはっきり聞こえるハイレゾの魅力に驚き TSUKEMENのライブをICレコーダー「ICD-SX2000」で録音音の輪郭がはっきり聞こえるハイレゾの魅力に驚き

アーティストにとって、録音機材は必需品である。ライヴのリハーサルや本番の模様を録音して自分の演奏のチェックをしたり、フッと浮かんできたメロディを録音したり。TSUKEMENの三人は、「スマートフォンを使うようになってからは専用の録音機材ではなく、ボイスメモ機能で録音することがほとんど」という。確かに、スマホのボイスメモ機能は手軽で便利だ。しかし、音質もそれなり。耳の良い彼らは、当然、そのことは十分承知で使っている。リハーサルやライヴなどをスマホで録音して聴く時もそれを考慮し、「この狭いスタジオだったらこれくらいだろう」と、自分の耳で補完して聴いてるのだそう。

そこで、ソニーのハイレゾICレコーダー「ICD-SX2000」と使い比べてもらおうと、取材の数日前に「ICD-SX2000」を渡し、実際に使ってもらった。彼らが「ICD-SX2000」でまず録音したのは自分たちのライヴの模様。早速、その音源を取材場所のスタジオのスピーカーで再生してみると、その音は会場の空気をそのまま再現しているかのような臨場感で室内に広がった。メンバーも驚きの表情を見せる

TSUKEMEN

TAIRIKUこういう風に塊で飛んでくる音を普通のレコーダーで拾うと、音が団子みたいになっちゃうんです。でも、「ICD-SX2000」はピアノの中音域も聴き取れる。音の輪郭がシャープに聞こえてきますね。普通のレコーダーだと、音が圧縮された感じがするんですけど、そういう感覚はまったくなく、音の輪郭とか音像がハッキリしていて驚きました。スマホで録ると、空間があまりうまく使えていない感じになってしまうので、良い意味での臨場感が生まれない。素人臭くなっちゃう感じがしちゃうと思うんですけど、そういうところがすごくちゃんとして聞こえますね。

この音源を録音した場所をたずねると、コンサートホールの上手脇にある花道のようなところだという。決して録音に最適な場所とは言えない環境だ。

SUGURUあんな端っこで録った音がこんな風に聞こえるなんてすごい! 演奏って、ホールで聴くと上手く聞こえるというライヴマジックのようなものがあると思うんですけど、真正面から録っていないのにそれをちゃんと拾ってくれて、うまく録音されていますね。上の音域ばかりが録れて、下はカットされてしまう録音器が多い中、低音までしっかり録れているのはすごい。

KENTA このホールは千人以上が入るホールなので、ステージとの距離感はどうしてもあるけど、その空間は感じつつも音が近く感じますね。それがちょっと不思議。聴きやすいですね

ハイレゾ録音だけではなくハイレゾ音源の再生力にも長けている ハイレゾ録音だけではなくハイレゾ音源の再生力にも長けている

自分たちのライヴを録音した音のクオリティに感嘆しきりの三人に、今度はハイレゾ対応のヘッドフォンを使い、「ICD-SX2000」にあらかじめ保存してあったハイレゾ音源を聴いてもらう。視聴したのは、弦楽器の繊細な旋律が特徴的なヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲「四季」より「春」だ。再生された途端にその音に引き込まれる三人。

KENTAなるほど……。僕は、音質にこだわっていない音源は無意識に俯瞰して聴いてしまうんです。でも、「ICD-SX2000」で聴くとグッと主観的になって引き込まれる。少し大げさかもしれないですけど、人の感情って年齢を重ねると鈍くなってきます。でも、こういう良い音を聴けば、細胞が生き返る可能性があるかもしれないですね。感動が手ごろに手に入る。コンサート会場にワープしたような気持ちになります。

TAIRIKUその理由は……人間の感覚って結構鋭いので、一度生の音を聴いてしまうと、録音したものとの間に臨場感の隔たりを感じてしまいがちだと思うんです。「ICD-SX2000」で聴くと、自分が覚えている生で聴いた時と近い感覚で聴けるので、その場で聴いているような錯覚をしてしまうんでしょうね。チェロの人が外した音までも拾えてしまうくらいクリアに聞こえました。ミスもクリアにわかってしまうような精密さがある。

三人ともポータブルプレイヤーで音楽を持ち出すことはあまりしないという。TAIRIKUのみが唯一、移動中にスマホで音楽を聴くことがあるとのことだが、ハイレゾ音源を意識的にダウンロードして聴いたことはない。しかし、「ICD-SX2000」で再生された音を聴き、自らが初めてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(世界最高のオーケストラと評される)演奏を聴いた時に受けた時に衝撃と同じ感覚になったという。

TAIRIKUどんなオーケストラでも、曲の中で勢いのあるところはすごく迫力があるんですけど、ベルリンフィルの場合は迫力だけでなく、ピアニッシモの音や繊細な部分がズバ抜けて良いという印象があるんです。同様に「ICD-SX2000」も、他のレコーダーと比べて、感度とかちょっとした繊細な部分がズバ抜けていますね。ヴァイオリン弾きでも、普通の人と超一流の本当にすごい人って、何が違うんだろうなと思うことがあるんです。それは、ほんのちょっとしたフレーズの納め方だったり、丁寧さなんです。超一流の演奏家の場合、そういう部分が素晴らしい。音が移り変わっていくんですよね。「ICD-SX2000」でハイレゾ音源を聴けば、そういう微細な変化も逃さず聴くことができそうですね。

また、SUGURUは、1年ほど前にイスラエル出身の世界的な名ヴァイオリニストであるイツァーク・パールマンの演奏を聴いてヴァイオリンの音色に開眼。それ以来、自身の担当楽器はピアノでありながら、ヴァイオリンの音色にはこだわりがあるという。そんな彼の耳にも「ICD-SX2000」で聴いたサウンドは心地よく響いたようだ。

SUGURU低音が音量の大きさで浮き出るのではなく、ちゃんとクリアに聞こえる。ひと味違いますね。しかも、普通にエアーを通して聴くよりもそばで演奏しているような感じがします

実際に「ICD-SX2000」を使ってスタジオでの演奏を録音
TSUKEMENの演奏はどれくらいの精細さで録音できたか 高実際に「ICD-SX2000」を使ってスタジオでの演奏を録音
TSUKEMENの演奏はどれくらいの精細さで録音できたか

「ICD-SX2000」で再生されたハイレゾ録音を聴いたSUGURUが「こういうスタジオでのリハーサルを「ICD-SX2000」のような良い機材で録ったらどうなるのか、僕らもぜひ試してみたくなりました」と、音楽家らしい好奇心を口にした。KENTAもこう続ける。

KENTA音がクリアで誰が何をやってるのかというのがすごく聴き取りやすいので、リハーサルの様子を録音したら、自分がどこに注力すべきかがわかりやすいと思うんです。その後の作業にもすんなりと入れそうですよね。例えばこういうスタジオのようなデッドな空間で録ると、広いところで弾くよりも音色がザラついたりすることがあって、気分が乗らなくなってしまうことがあるんですよ。そういうことを感じにくそうですね。狭い場所でも高音質で録音できるので、演奏している人の気分も良いと思いました。悪いところもハッキリ聞こえると思うけど、良いところも消えないんじゃないかな。

「ICD-SX2000」は、最高音質の96kHz/24bitでも最長6時間35分の録音が可能。SDカードでメモリを追加することもできるので、容量としてはリハーサルやライヴの録音には十分だろう。ハイレゾ品質での録音なので、音の繊細な機微もしっかりと拾ってくれる。その秘密の一つが、マイク性能の高さとその構造。マイクの向きが変えられる可動式になっているので、小さなスタジオはもちろん、より広いステージから野外まで立体感のある音の録音が可能。シチュエーションに合わせた使い方ができる。

TAIRIKU良い音で録れて、出力するにも良い音で聴けるICレコーダーとしては、あまりないタイプなんですね。まだスマホのボイスメモがなかった時代に、僕自身、これよりももう少し大きい、マイクが可変式のものを使っていました。それでもとんでもなく良い音で録れたのでかなりビックリしたんですよ。当時よりもさらに技術力が上がっているんですね。

今回の体験取材は16畳ほどのスタジオなので、2つのマイクを内側に向けたX-Yポジションと呼ばれる角度にセッティング。音源から1mほど離したバージョンと、30cmほどの近いバージョンを録ることにした。「ICD-SX2000」本体には、三脚穴が標準装備されているので、カメラ用の三脚を装着し、高さを調節。スマホに「ICD-SX2000」専用アプリを入れておけば、手元のスマホで録音の開始、停止、レベルチェックや各種設定も手元で行える。

SUGURU低音が音量の大きさで浮き出るのではなく、ちゃんとクリアに聞こえる。ひと味違いますね。しかも、普通にエアーを通して聴くよりもそばで演奏しているような感じがします。

TAIRIKUとKENTAが「AKATSUKI」のはじまりの1フレーズを奏で、何度か録音して聴き比べてみた。

TAIRIKU普通だったら、近くと遠くの差は出るかもしれないんですけど、受けた印象としては、どっちにしても二人の音色をクリアに聴き分けられますし、すごくクリアに距離感が出ていますね。

KENTA近くで弾いたものを聴いた時に、嫌な音じゃないっていうのが第一印象。弦楽器を近くで録ると、音がザラついたり、だいたい嫌な音で録れるんですよ。それが嫌な感じじゃなかった。音のザラつきが嫌な感じで録音されないというのは、今までの録音機器で感じられなかった良いところですね。弦楽器って、近くで録音すると聴けたものじゃないっていう感じになるんですよ。そういうことがなかった。

2つのマイクをX-Yポジションにし、近距離から録音。

2つのマイクをX-Yポジションにし、近距離から録音。

さらにTAIRIKUが「松ヤニがこすれる音までも聞こえてびっくりした」と付け加える。

TAIRIKUヴァイオリンって、弓をそのまま弦にこすっただけでは音が出ないんです。だから、松ヤニを弓に塗ってザラザラさせて、その状態でこすることで振動して、ヴァイオリンの音が鳴るようになっているんです。弾いている本人やすごく近くにいる人にはその音は聴き取れると思うんですけど、普通の録音機器には入らないし、ホールのような場所での演奏では2〜3m離れたら聞こえないような音なんです。だから、その音がかなりクリアに入っていたので、「そこまで拾うのか!」と。驚きましたね。自分でもびっくりな近さです。僕が耳元で聴いている音よりもクリアに入っている気がしました。僕の主観と好みなんですけど、さっきKENTAも言ったように嫌な音じゃなかったというのは、これだけ明瞭にいろんな成分が録れる機器だと、もうちょっと耳をつんざくような、ヒステリックな音でヴァイオリンの音を広いがちなんです。でも、ヴァイオリンの音色が持っているウッディさがそのまま収録されていて良かったと思います。弦楽器にはかなり向いているんじゃないでしょうか

KENTAここをもっと良く弾きたいって思うと、音に乗らなくても体が力んで空回りしてしまうことがあるんです。でも、「ICD-SX2000」で録れた音からはニュアンスみたいなものも明確に聞こえるので、練習で聴いた時に、変に気張ったことをしなくても良くなりそうだなと思いました。そういう意味で、こういう音で録れると冷静になれますよね。ちゃんと聞こえてくるから。

今回はヴァイオリンのみの演奏となり、出番がなかったSUGURUだが、二人の演奏を客観的に聴いて、こんなコメントをくれた。

SUGURU僕は今、二人が演奏しているのを真横で演奏していたのを覚えておきつつ、録音したものを聴かせてもらったんですけど、ほぼそのまましっかり入っていて、こんなにちゃんと再現されているのかと。「ICD-SX2000」を使って音に広がりをつけると、いろんなことができそうだなと思いました。これだけ明瞭に生で弾いているように拾ってくれるというのは演奏家としてもありがたいことですよね。バンドにも大会があるように、僕らも音楽コンクールがあります。当時はカセットテープで大丈夫でしたけど、最近は、そもそもが良い音質じゃないと応募作品を聴いてすらもらえないという時代になってきている。「ICD-SX2000」で録った音源なら、コンクールのテープ審査に出しても恥ずかしくないし、かなり使えるんじゃないかな。

「ICD-SX2000」で録音した音源は、内蔵のスライド式USB端子を経由して、USBケーブルなしてパソコンに直結、保存が可能。このUSB端子にはモバイル用バッテリーもつなげるので、本体の充電残量が心配な時も、録音を止めることなく長時間の録音に対応できる。また、スピーカーも内蔵されているため、イヤホンを忘れても録音内容の確認をするのに便利だ。このクオリティと機能なのに購入しやすい値段であることを伝えると、三人がさらに驚いた。

TAIRIKUちょっとこれは欲しくなりますね(笑)。ほとんどすべての機能を網羅していると言っても過言ではないのに。素晴らしい音で録れて、素晴らしい音で出力できるということを考えるとむしろリーズナブルなくらい。

2メートルほど離れたポイントから録音。

2メートルほど離れたポイントから録音。

こういうクオリティの高いもので録音してそれを聴いてまた練習するというのが上達への第一歩なんじゃないかな こういうクオリティの高いもので録音してそれを聴いてまた練習するというのが上達への第一歩なんじゃないかな

「デザインにもこだわっている感じがするし、このフォルムもかっこいい」と、その見た目も絶賛するTAIRIKU。その言葉の通り、「ICD-SX2000」は、スマホよりもコンパクトでありながら、大きめの操作ボタンが使いやすく、黒を基調としたシンプルなデザインも魅力だ。そして、さらに「ICD-SX2000」を賞賛する一言が飛び出した。

TAIRIKUヴァイオリンにもピンからキリまでありますが、良いヴァイオリンとすごく似ているなと思いました。ヴァイオリンは会場で弾いた時に、そこそこの楽器だと途中で音が沈んだり、失速しちゃったりするんです。でも、本当に良い楽器だと最後までピーンと通って行くんですよ。これで録ったライヴ録音を聴いた時に、結構遠いところからマネジャーが録っていたのに、スタジオで近くで録った時と同じような音の拾い方をしているんですよね。クリアさが遠くで録っても失われていない。高級ヴァイオリンの音の特徴と同じような聞こえ方がするんです。

TSUKEMEN

音の専門家だけでなく、会議やインタビュー、自然集音など、仕事の場や趣味など、さまざまな場所で活躍しそうな「ICD-SX2000」。その中でも、特に音楽の道でプロを目指す人に対して、TSUKEMENの三人から「ICD-SX2000」がおすすめな理由を最後に話してもらった。

KENTA音楽っていろんなパートが出している音にそれぞれ意味があります。だから、どこかのパートが聞こえないと、その音に込めた意味が消えてしまう。それがすごくイヤなんですね。三人の感覚で、全部が綺麗に響くところを探して作っている。それはどのジャンルでも一緒だと思うんです。そういう意味では、グレードの高くない録音機材で録った音だと、どうしても聞こえなくなる音があるんです。「ICD-SX2000」の場合、それがないというのが画期的だと思いました。出てきた音を聴いた時に、ハイグレードなイヤフォンを買った時のような印象がありました。音像もハッキリしていて、いろんな音の成分を聴き分けられるので。音楽をこれからやる人にとっては、「ICD-SX2000」のような良い機材があるとすごく助けになるんじゃないかと思います。

SUGURUどんな楽器でも、自分の主観で弾いていると、どれだけ上手く弾けていても、客観的に見るというところから始めないと絶対にうまくなっていかないので、毎回絶対、自分の音は聴かなきゃいけないと思うんです。でも、自分の音って同時に外からは聴けないから、その中でもこういうクオリティの高いもので、かつ値段も手ごろなもので録音して、それを聴いてまた練習するというのが上達への第一歩なんじゃないかと思います。ちょっとずつ自分の実力を高めて行くということが大事だと思います。繊細な音も拾うから、嘘をつかないので、自分を鏡で見たような音が確認できると思うんです。僕たちも「ICD-SX2000」を使って練習したいと思います。作曲するにも良さそう。

TAIRIKU確かに。これだったら、人前で恥ずかしいような状況でも、めっちゃ小さい声で歌っても拾ってくれそう。忘れないうちに録音できそう。音大の学生さんとか、録音して自分の音を聴く機会が多い人っていうのは、普段も録音してると思うんですけど、並みの録音機器だと、それこそタイミングとかピッチとか、それくらいのことしか測れないと思うんです。でも、こういう良いもので録音したら、例えば、「音色の変化がちゃんとできているのかな?」っていう、そういうところまで神経がいくようになると思うんです。一歩レベルの高いセルフプロデュースができるようになる気がしますね。

TSUKEMEN プロフィール

2ヴァイオリンとピアノのインストゥルメンタル・ユニット。 マイク・スピーカーなどの音響装置(PA)を通さずに楽器本来のもつ「生音」にこだわったLIVE を展開、年間100 本に迫る公演を開催している。メンバーの全員が音楽大学出身で、またそれぞれが作曲を手掛ける。そのオリジナル曲を始め、クラシックはもちろん、映画音楽・ジャズ・ゲーム音楽からアニメ曲まで多彩な楽曲で魅了する。ジャンルレスであり、どこにも属さないそのステージは新たな楽曲を生み出す。クラシックでもない、ポピュラーでもない、TSUKEMENという音楽がそこにはある。

最新アルバム『TSUKEMEN CINEMAS』発売中
KICC-1247 ¥2,778+税

TSUKEMEN

ICD-SX2000特集、機能編

ハイレゾプレーヤーとしても使えるオールラウンダーなICレコーダー
ハイレゾプレーヤーとしても使えるオールラウンダーなICレコーダー

録音した音が、目の前で演奏されていた時と同じように聞こえる。それがソニーのICレコーダー「ICD-SX2000」の魅力だ。今回、TSUKEMENのKENTA、TAIRIKU、2人のヴァイオリンをスタジオで収録、後日あらためてリプレイして持ったのはそんな感想だった。「ICD-SX2000」は、会議録や講演の収録などに使われる「ICレコーダー」という商品ジャンルに属するが、シリーズの中でも高級機に当たるモデル。アコースティック楽器をはじめとした音楽の録音にもバッチリ対応できる実力を持っている

録音・再生ともにハイレゾ対応
録音・再生ともにハイレゾ対応

「ICD-SX2000」は手のひらに載るコンパクトサイズながら、96kHz/24bitのハイレゾ録音(非圧縮のリニアPCM)が可能。再生は192kHz/24bit(リニアPCMおよび可逆圧縮のFLAC)に対応する。本体には16GBのメモリーを内蔵。96kHz/24bitの最高音質でも6時間35分、CD音質なら21時間35分、MP3 192kbpsなら159時間の録音が可能。microSDHC/microSDXCカードを使用してより長時間の録音も行える。

CDや本機で使われるPCM方式の記録は、アナログ信号の連続的ななめらかな曲線を、細かい方眼紙のマス目に割り当てて記録するようなもの。録音時の96kHz/24bitというスペックは、音楽CDの44.1kHz/16bitと比べると、マス目の細かさは時間軸方向で約2倍、音量を表す縦方向で256倍の細かさとなる。マス目が細かければ細かいほど、原音の再現性も高くなる。データ量では約3.2倍だが、マス目の細かさは横×縦で約557倍となる。もちろん、両者を比較して「音が3倍いい」とか「557倍よくなった」と感じられるものではないが、音の良さは誰もが実感できるはず。インタビューパートでTSUKEMENの3人が語っているとおりだ。

ICD-SX2000

おもな操作ボタンが正面に配置されるため使いやすいのが特徴。左側面は外部マイクとmicroSDカードスロット、右側面は電源・ホールドスイッチと音量ボタン、USBコネクタを出すスライド式のつまみを配置。裏面にはカメラ用三脚に固定するためのネジ穴がある。正面の上に並ぶ3つのボタンの左右はメニュー操作と設定項目選択のためのボタン。真ん中が録音データにマーカーを付けるトラックマークボタン。ヘッドホン端子は手前(写真の下)にある。

可動式マイクでさまざまな録音シーンに対応
可動式マイクでさまざまな録音シーンに対応
角度が変えられる2つのマイクは剛性の高いバンパーでしっかり守られている(左)。写真右は上から見た様子。上がワイドステレオポジション、下がX-Yポジション

角度が変えられる2つのマイクは剛性の高いバンパーでしっかり守られている(左)。写真右は上から見た様子。上がワイドステレオポジション、下がX-Yポジション

2つのマイクを内蔵し、シチュエーションに合わせてその角度を変えられるのも「ICD-SX2000」の大きな特徴だ。

マイクは平行・外側・内側にセッティング可能。講演会の話者を狙うなら平行にしたズームポジションで、複数人の発言を残したい会議や大編成のオーケストラのステージは外側90度に開いたワイドステレオポジションで、そして自宅やスタジオでの楽器演奏は内側90度に向けたX-Yポジションを使ってセンターの音も漏らさず収録、といった具合。また、野鳥の声を録りたいフィールドレコーディングでは、木の枝に止まっている鳥をピンポイントで狙うならズームポジション、より広い範囲の鳥の声に木や風の音も録りたいならワイドステレオポジションと、いろいろ使い分けができる。普段から録音を楽しんでいる人なら、いろんなマイクセッティングを試したくなることうけあいだ。

3つのマイクポジション。ソニーのサイトの製品ページで紹介されている使用例。

3つのマイクポジション。ソニーのサイトの製品ページで紹介されている使用例。

可動式マイクの搭載は、本体サイズの大きいリニアPCMレコーダー製品では珍しくないが、このサイズのレコーダーではほかに例を知らない。これだけでも大きなアドバンテージになるはず。マイクの角度を変えるのには力はさほど要らず、マイクの周りのバンパーには金属が内蔵されているためなので持ち運び時の不安もない。そして、見た目のスマートさも大きなポイントだ。

録音時の設定では、人の声以外の周波数を低減することでインタビューなどに効果的な「ノイズカットフィルター」、エアコンやプロジェクターのファンノイズなどを低減する「ローカットフィルター」、マイク感度を自動で設定する「おまかせボイス」など、会話や講義録音向けの機能も多数用意する。

ぜひ使いこなしたいのが、録音モードやマイク感度などの項目を一括でオススメの設定に切り替えられる「シーンセレクト」。「おまかせボイス」「会議」「講演」「ボイスメモ」「インタビュー」「歌・音楽」「バンド(大音量)」に加え、ユーザーが設定を記録できる「Myシーン1」、「Myシーン2」をプリセット。まずはシチュエーションに合ったシーンを選んでおいて、録音モードのみMP3から96kHz/24bitに変えるといった、一部項目だけを変更する使い方も可能。気に入った設定の組み合わせをMyシーンに登録すれば、いつでもその設定を一発で再現、すぐに録音を開始することができる。

スマホをリモコンに、タッチノイズも回避
スマホをリモコンに、タッチノイズも回避
専用アプリ「REC Remote」はiOS版とAndroid版

専用アプリ「REC Remote」はiOS版とAndroid版を用意(いずれも無償ダウンロード)。各種設定項目の現在の状態が一画面に収まるのもアプリのアドバンテージだ。画面はiOS版だが、Android版も画面構成は同じ。

楽器録音に使いたいという人にオススメなのが、スマホをリモコン代わりに使うワイヤレス操作だ。専用アプリを使って、iPhoneやAndroidから録音・停止の操作や各種設定の変更が行える。通信に使われているのはBluetooth。初回利用時はペアリング操作が必要だが、NFC対応のAndroidならスマホをかざすだけでペアリングが完了。2回め以降はスマホのBluetoothをONにしてアプリを起動するだけだ。

楽器録音ではマイクの方向が重要になるので、三脚を使うのがベスト(うれしいことに本機底面には三脚穴もある!)。とはいえ三脚に固定すると操作のたびに液晶が正面に見える位置、すなわち演奏ポジションの反対側に移動しなければならない。移動自体も面倒だが、足をひっかけて三脚を倒す危険性もある。しかし、離れたところから操作できるリモコンがあれば、こうした心配は無用だ。さらに、本体に触ったりボタンを押した時の音が収録されるのを回避できるのもポイント。録音中のレベルメーターの確認やレベル調整も可能なので、マニュアル録音中でも操作に躊躇することはない。バンド録音では特に重宝すること間違いなし。ドラマーが座ったままでレコーダーをオペレートなんてことも無理なくこなせる。

ワイヤレス操作で気になるのが電池の持続時間。通常使用ではLPCM 96kHz/24bitで約15時間だが、ワイヤレス操作時は約8時間に。LPCM 44.1kHz/16kHzやMP3(320k/192k/128k/48kbps)なら約30時間が約15時間といった具合で、持続時間は半分になってしまうが、もともとのスタミナがあるので、多くのユーザーは問題なく使えるだろう

内蔵リチウム電池だけではどうしても足りないという場合は、市販のUSB接続のモバイルバッテリーの併用がオススメ。録音の最中に電池がなくなりそうと思った時点で接続しても、録音が止まることはない。もちろん、電源が確保できるところならUSB接続のACアダプターも利用可能だ。間は半分になってしまうが、もともとのスタミナがあるので、多くのユーザーは問題なく使えるだろう

ハイレゾ対応のポータブル音楽プレーヤーとして使えるのも注目すべき点だ。これは単に192kHz/24bitまでのWAV、FLACの再生が可能というだけではない。

まず、再生専用機並みに音がいい。その実力はインタビューパートで触れたとおり。音源を忠実に再現するために、ウォークマンにも搭載されるソニー独自の高音質技術であるフルデジタルアンプ「S-Master HX」をレコーダーでは初搭載、デジタル信号をデジタルのまま増幅することで音質劣化を最小限に抑え原音を忠実に再現するという。こうしたスペックを知らずとも、一聴すればその実力はすぐ実感できるはず。もちろん、moraなどの音楽配信サイトから購入したハイレゾ音源(WAV/FLAC)も存分に楽しめる。

ファイルの転送はPCのUSB端子に直結でOK。出先でケーブルを忘れた!なんてこともない。USB端子をひっこめればしっかりカバーされるので心配無用。

ファイルの転送はPCのUSB端子に直結でOK。出先でケーブルを忘れた!なんてこともない。USB端子をひっこめればしっかりカバーされるので心配無用。

使い勝手も重要だ。本機で録音したファイルは「REC_FILE」というフォルダに記録され、録音日や録音シーン、フォルダで管理可能(フォルダは録音時に設定でき、新規作成も可能)。一方、リスニング 用の音楽ファイルは、PCを使って「MUSIC」フォルダにコピーすればよい。ホームメニューから「ミュージック」を選べば、アーティスト名、アルバム名、フォルダで曲を探すことができる。楽曲の再生中の操作で次の曲を探すということも可能だし、いったん電源オフ、再度電源を入れて曲の途中から続きを聴くということも可能だ(意外とこれらができないレコーダーが多い)。

ファイル転送の際は、本体側面のつまみをスライドしてUSB端子を出し、PCに接続(ケーブル不要なのが便利!)。エクスプローラーなどでコピーすればOK。アーティスト名/アルバム/曲といった階層構造ごとコピーしても問題なく認識してくれる。また、iTunesでCDから取り込んだAACファイルもアーティストやアルバムのフォルダごとコピーで手軽に再生できたのもうれしかった。

多彩な機能を搭載
多彩な機能を搭載

ICレコーダーのフラッグシップモデルというだけあって、便利な機能はほかにも数多くある。まずは「クロスメモリー録音」。これは内蔵メモリーまたはメモリーカードの残量が録音途中でなくなった場合でも、自動的にもう一方のメモリーに切り替えて録音を続ける機能。残量が少ない場合も慌てることはない。なお、リニアPCM 96kHz/24bitの場合、microSDHC/microSDXCカードに直接録音することはできないためクロスメモリー録音は無効となる。本体メモリーへの録音後、カードへのコピーは可能なので、容量で問題になる場面はまずないだろう。

「Sound Organizer 2」は、録音したデータをカンタンに編集・再生・管理できるソフトウェア。会議の議事録作成、語学学習、音楽再生などをサポート、CD作成も行える。

「Sound Organizer 2」は、録音したデータをカンタンに編集・再生・管理できるソフトウェア。会議の議事録作成、語学学習、音楽再生などをサポート、CD作成も行える。

再生用の機能としては、人の声以外のノイズを低減する「クリアボイス」、音程は自然なままで再生速度を変更できる「DPC(デジタル・ピッチ・コントロール)」、再生中に一定秒数の早送り・早戻しを設定できるイージーサーチを搭載。

そして、インタビューの書き起こしや議事録作成にありがたいのが「書き起こし用再生」。このモードでは、曲送り・戻しボタンの機能が、10秒の早送り・3秒の早戻しに切り替わる(秒数は変更可能)。ボタンの長押しで送り・戻しをやるしかない機種のユーザーならこの便利さがわかるはず。指定範囲を繰り返し再生するA-Bリピートとあわせて、楽曲の耳コピーや語学学習にも便利に使えるはずだ。

また、録音・再生・一時停止中にボタンを押すだけで付けられる「トラックマーク」も書き起こしの強い味方だ。再生時の頭出しや分割位置の目安として利用できるもの(1ファイルに最大98件設定可能)で、トラックマーク付加は本体液晶下中央のボタンを押すだけ(スマホからのワイヤレス操作でも可)。付属のWindows用ソフト「Sound Organizer 2」でも参照&活用できるのもポイントが高い。

角度が変えられる2つのマイクは金属製のガードでしっかり守られている(左)。写真右は上から見た様子。上がワイドステレオポジション、下がX-Yポジション

角度が変えられる2つのマイクは金属製のガードでしっかり守られている(左)。写真右は上から見た様子。上がワイドステレオポジション、下がX-Yポジション

外部入力端子が用意されるのもうれしいところ。ステレオマイク(プラグインパワー対応)のほか、ラインレベルの入力にも対応。カセットテープなどのアナログメディアのデジタル化にも重宝しそうだ。外部機器を接続した時点で、外部入力のレベル設定画面が表示されるのも気が利いている。また、パッケージにはキャリングケースやUSB接続補助ケーブル、そして屋外での収録に必須の風切り音を軽減するスポンジ製のウィンドスクリーン(風防)も付属する。

高音質の録音・再生、ハイレゾ対応プレーヤーとしての使用、ワイヤレス操作をはじめとした便利機能の搭載で、まさにオールマイティーに使えるICレコーダーに仕上がった「ICD-SX2000」。「録音するぞ!」と意気込んでたまに持ち出す機材というよりも、普段からバッグに突っ込んでプレーヤーとしてもカジュアルに活用できるグッズ(ただし、録再クオリティはめちゃくちゃ高い)という感じが似合いそうだ。もちろん、ハイレゾデビュー(リスニングもレコーディングも!)したいという人にもうってつけだろう。

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