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カメラグランプリ2016贈呈式レポート

2016年5月20日に「カメラグランプリ2016」の各賞が発表され、ソニーのレンズ交換式デジタル一眼カメラ『α7R II』が「カメラグランプリ2016 大賞」を、さらにデジタルスチルカメラ『RX10 II』と『RX100 IV』は、「カメラグランプリ2016 カメラ記者クラブ賞」を受賞しました。

審査員を代表してカメラ記者クラブ代表幹事 石川孝宏氏(写真左)、特別会員TIPA会長Thomas Gerwers氏(写真中央)、カメラグランプリ 2016実行委員長 福田祐一郎氏(写真右)の3人に今回の受賞理由についてお話を伺いました。

ミラーレス一眼への導入的な役割を果たした
『α7R Ⅱ』は大賞に値するカメラ

Q.2013年にコンパクトカメラ『RX1』が大賞を受賞。そして今回はレンズ交換式デジタル一眼カメラ『α7R Ⅱ』が大賞受賞。まずは『α7R Ⅱ』の魅力についてお聞かせください。 福田祐一郎氏(以下、福田氏):35mmフルサイズセンサーを搭載したカメラが小型化できることを一般的に知らしめたのが『RX1』でした。ただ、そのときはレンズ交換式ではありませんでした。『α7RⅡ』は小さいながらもフルサイズで、そのうえマウントアダプターを使用すればオールドレンズも楽しめる。コンパクトで軽量、4000万画素オーバーの画質、そして4K動画も撮れるなど、トータルでのバランスがとても良く、一眼レフを使っていた方が受け入れやすかったのでしょう。 石川孝宏氏(以下、石川氏):フルサイズのイメージセンサーがコンパクトにまとまった『RX1』と比べると、今回の『α7R Ⅱ』はよりプロ向けです。レンズ交換式でミラーレスの魅力はそのままに、高解像度の画像を得られるのは画期的でした。また、RXシリーズ、αシリーズと機種が違ってもメニューが統一されていたのを見て、ソニーがトータルなカメラメーカーになってきていると実感しました。 Thomas Gerwers氏(以下、Thomas氏):ドイツでの話になりますが、最初はソニーのコンパクトな一眼レフカメラはセカンドカメラとして使われていました。しかし、今では『α7R Ⅱ』をはじめとするソニーのミラーレスカメラしか持たないという人が増えています。ドイツ におけるフルサイズカメラ市場では、今やソニーはNo.1です。小型で持ち運びがしやすいうえ、『α7R Ⅱ』は4240万画素とプロカメラマンが安心して使える高い解像力を持つところが評価できると思いました。

静止画と動画の境をなくしたカメラに
プロカメラマンも熱視線を送る

Q.実際に使用されているプロカメラマンからの評判はいかがですか。 石川氏:“自分で使いたいカメラ”として買っている方もかなりいますね。静止画の性能はもちろんですが、高解像度な4K動画を記録できるのも魅力の一つだと思います。 福田氏:この前一緒に仕事をしたカメラマンは、動画を撮影するために発売後すぐに『α7R Ⅱ』を買ったという話をしていました。もちろん仕事用に使っているそうで、4K動画をバンバン撮っているようです。USBポートから本体に給電できる点も現場ではありがたいようですね。

プロしか見ることができなかった世界を
『RX10 Ⅱ』と『RX100 Ⅳ』が
一般ユーザーにもたらした

Q.記者クラブ賞を受賞した『RX10 Ⅱ』と『RX100 Ⅳ』は、メモリー一体型センサーを搭載したことを評価いただきました。実際に撮影してみて、いかがでしたか。 石川氏:一番違いを感じたのが描写力です。イメージセンサーが変わるだけでこんなに絵に立体感が出るのかと衝撃を受けました。そしてなんといっても、ローリングシャッターによる画像の歪みが極めて少ない高速の電子シャッターが注目です。1/32000秒の超高速シャッターや動画におけるスーパースロー撮影など、プロカメラマンしか見ることができなかった世界を一般ユーザーにもたらしたという点で「記者クラブ賞」にふさわしいカメラだと思います。

今、求められるソニーの革新と“深化”

Q.最後に、今後のソニーに期待することを教えてください。 福田氏:ソニーのカメラから感じるのは“深化”です。カメラは使い手がいて初めて成立する道具ですから、ユーザー視点で使いやすさを深めてくれているのだと思います。僕はカメラ雑誌の編集者ですので、初めてカメラを買う人によく相談されます。そういうときは、基本性能のバランスが良く、持ち歩くことに抵抗のないサイズ、写真を撮る楽しみを実感できるカメラとしてソニーをすすめることが多いです。また、α7シリーズもそうですが、RX100シリーズは4世代とも基本性能に定評があり、初代のRX100を今でも買い求める人がいます。そんな長く愛されるカメラを今後もぜひ作ってほしいです。 石川氏:専門誌に携わっている我々からしても、カメラの今後は読みづらくなっています。今はハリウッドでも一眼やムービーカメラをそれぞれの撮影用途で使い分け、一つの映像作品として作り上げていく時代。動画と静止画の境目がシームレスになっていく中で、今後どう変わっていくのか、カメラの今後に注目しているところです。 Thomas氏:ソニーはとても革新的な企業だと思います。イメージセンサーやレンズは今でも十分に高いクオリティですが、 さらに解像度の高いGマスターシリーズ、そして動画でも8Kなど、さらなる革新的なカメラやレンズを発表してくれることを待望しています。

α7R Ⅱがソニーの「一眼カメラ」として
初めて大賞を受賞

カメラグランプリ2016の贈呈式に、ソニーからは『α7R Ⅱ』と『RX10 II』『RX100 IV』の開発に携わったチームの代表者が出席した。

高解像度でありながら高感度。
技術的に相反する課題を克服したカメラ。
それが『α7R Ⅱ』

カメラグランプリ2016実行委員長福田祐一郎氏から賞状と盾を授与された『α7RⅡ』。イメージング・プロダクツ&ソリューションセンターデジタルイメージング本部第1事業部2部ILCビジネスユニット長の田中健二は、受賞の喜びをこう語った。 「α7RⅡは、ボディに赤い印字でRと記されていますように、Resolution(解像)にチャレンジした商品です。ただ解像を研ぎ澄ましていくだけでは、原理的に感度が犠牲になってしまいます。高解像度でありながら高感度という技術的に相反する課題を克服するために開発したのが、世界初の35mmフルサイズの裏面照射型CMOSセンサーです。開発当初の企画から開発、設計、量産まで、関係者全員が苦しい思いをしながら、4240万画素の高解像度とISO10万の高感度を実現し、世の中に出すことができたことを大変うれしく思っています。
一方で、このイメージセンサーは熊本で作っておりまして、震災で多大な被害を被って、メンバーが今、一丸となって復興に向けてがんばっているところです。
彼らの努力に答えるためにも、我々は新商品の開発をがんばっていきたいと思っています。カメラ業界を今後も元気づけるためにも、ソニーは常に新しいチャレンジをしていきたいと思います。ぜひこれからもご支援をよろしくお願いいたします。」

“新しいカメラを作る”その結晶である
「メモリー一体型積層CMOSセンサー」を搭載した
RX10 II・RX100 Ⅳの2機種が「カメラ記者クラブ賞」
を受賞

先進性・大衆性・話題性に特に優れた製品を選ぶ「カメラ記者クラブ賞」を受賞した『RX10 II』と『RX100 Ⅳ』。開発チームを代表して壇上に上がったイメージング・プロダクツ&ソリューションセンターデジタルイメージング本部第1事業部4部コンパクトカメラビジネスユニット長の濱口努には、カメラ記者クラブ代表幹事・石川孝宏氏から賞状と盾が手渡された。 「『RX10 II』と『RX100 Ⅳ』はメモリー一体型積層CMOSセンサーを搭載することで、太陽の光がさんさんと降り注ぐ中での絞り開放撮影や、動く被写体を歪みなく撮影できる超高速電子シャッターを実現。動画でも最大40倍のスーパースローを可能にしています。今回の受賞選考コメントの中で『写真表現、それからカメラの進化に希望を感じさせる商品』という言葉を頂戴いたしました。我々が目指していた“新しいカメラを作ろう”という意志をしっかりと汲みとっていただけたこと、メンバー一同本当にうれしく思っています。この賞はソニーのコンパクトカメラの開発部隊に対する皆様からの熱く、強いエールだと感じています。
この大きな喜びを、機関部品であるイメージセンサーを製造している、今まさに熊本地震で復興に向けて昼夜全力を尽くしている熊本工場のメンバーと、改めて分かち合いたいと考えております。
皆様からの期待に応えるべく、今後もカメラ、写真の世界を変えるような商品を開発してまいりたいと思います」

コンパクトなボディに4240万画素のフルサイズ
センサーを搭載すること。
それは開発チームの大きな挑戦だった

贈呈式後のパーティーでは『α7RⅡ』の開発秘話が、開発チームの中島健から披露された。

「『α7RⅡ』はイメージセンサーに世界初の裏面照射型CMOSセンサーを採用しています。α7シリーズはコンパクトなボディに35mmフルサイズのイメージセンサーを、短いフランジバックが特長のEマウントに搭載しています。フランジバックは、マウントとイメージセンサーとの距離を差しますが、この距離が短いとレンズを通った光はイメージセンサーに斜めに入射し、放っておけばさまざまな問題を引き起こします。この問題を克服しながらも4240万画素の高画素を実現するためには、それがどんなにチャレンジングであろうとも裏面イメージセンサーを新たに開発し、搭載することが必然でした。裏面イメージセンサーの開発には多くの苦労がありましたが、最高のイメージセンサー開発部門を社内に持つ弊社ゆえに、なんとかこの苦労を乗り越えることができました。そして、この課題を解決したことで新たな魅力も生まれました。その一つがマウントアダプターを使えば、オールドレンズが使えるという点です。若い頃に大枚を払って買った大切なレンズにマウントアダプターをつければ最新の『α7RⅡ』で再び撮影を楽しむことができます。こんな映像が撮れるなんてビックリした、というユーザーの声を聞く度にお客さまの喜ぶ顔を思い浮かべることができ、それまでの苦労も吹き飛んでいきました。今回の大賞の受賞理由にもその旨が記載されていていますが、我々の想いが選考委員会の皆様方に伝わったこと。そして、この賞を通じて世の中の皆様によりいっそう伝えることができたことを開発者として本当にうれしく思います」

ソニーのレンズ交換式一眼カメラ初の大賞受賞と、記者クラブ賞のW受賞となり、新たなチャレンジングを常に続ける姿勢が評価された「カメラグランプリ2016。来年そして、再来年とソニーは更なる新しい表現を求め、これからも挑戦を続けていく。

カメラグランプリとは

写真・カメラ雑誌の担当記者の集まりであるカメラ記者クラブが主催し、カメラグランプリ実行委員会の運営のもと、組織された選考委員が1年間(毎年4月1日から翌3月31日まで)に日本国内で新発売されたスチルカメラ・レンズ・カメラ機材の中から各賞に値するカメラや撮影機材を選出する。
賞は、最も優れたカメラ1機種を選ぶ「大賞」、交換レンズの中からも最も優れた1本を選ぶ「レンズ賞」、一般ユーザーがWebサイトから投票する「あなたが選ぶベストカメラ賞」、大賞を受賞したカメラを除くすべてのカメラと写真製品・機材を対象に大衆性・話題性・先進性に特に優れた製品を選ぶ「カメラ記者クラブ賞」の4部門がある。

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