商品情報・ストアデジタル一眼カメラ α α Universe

“僕が飲みたい”
ビールを撮る。
求めたのは豊富な
階調表現

フォトグラファー、シネマトグラファー
星野尚彦

α Universe editorial team

星野尚彦さんはフォトグラファー、シネマトグラファーとしてサントリー ザ・プレミアムモルツ(矢沢永吉・竹内結子)、イオン(ディーン・フジオカ)、三菱UFJ銀行カードローン(阿部寛)、サントリー なっちゃん(松田翔太)、久光製薬 サロンパス(二宮和也)、JAL(嵐)、明治 十勝スマートチーズ(香取慎吾)、明治 たけのこの里(松本潤)など、誰もが知っているCM、グラフィック広告を数多く撮影している。一方で、今年の6月にはエプサイトで写真展を開催。ニューヨークや中国でも個展の計画が進むなど作家活動にも力を入れる。
そんな星野さんに、いつも使っているα7R Ⅱのインプレッションと、ご自身の仕事の哲学や最近の作家活動についてインタビューした。

ソニーの絵作りに共感

――星野さんはフィルム、大判、ハイスペックなデジタル一眼レフまで様々なカメラで撮影してきたと思います。ソニーのカメラとの出会いにはなにかきっかけがあるのでしょうか。
星野 ソニーのカメラ歴はNEX-7(2012年発売)を使ったのが最初です。やっと液晶ビューファインダーが使えるものが出たなと思いました。それからRX1を使い始めた頃から「ソニーのスチルカメラの絵作りはいいな」と思ったのがきっかけです。
αはα7Rが出た時にすぐ購入してギリシャに撮影に行きました。写真には満足しているのですが、シャッターの音がどうしても馴染めなくて。その後、シャッター音を改善したα7 Ⅱを購入してから、本格的に撮り始めました。今はα7R Ⅱと2台持ちで、仕事にも作家活動にも使っています。

αを商品撮影やシズル撮影に使用

――広告撮影でα7R Ⅱを使うのはどのようなケースですか?
星野 パッケージやビールグラスなどの物撮りでα7R Ⅱをよく使います。 泡が白くて、透明なグラスには水滴という、ハイライトまでの階調が豊富でないとリッチに見えないとても難しい場面なのですが、α7R Ⅱは期待に応えてくれます。
硬い光で飛ぶところは飛んでもいいという撮り方をしたとしても、飛ぶまでのグラデーションの幅が非常に細かく表現できています。

――広告写真を撮るときに考えていることと、哲学とは?
星野 広告ってやっぱりものを売るためにやるわけじゃないですか。ということはまずその商品だったり、サービスだったりが好きじゃないとだめ。
だから僕、ビールがすごく好きなんですよ。ビールがおいしい、飲みたいっていうのは自分の中にあって。“自分が飲みたい”ビールを撮るという気分で撮る。僕が手を加えて、僕が世の中に出したい、おいしそうなビールを撮る。
それは僕が教育を受けた、サントリー宣伝制作室で叩き込まれた「広告はラブレターである」という考え方が僕の中に常にあります。
そこはやっぱり何年経っても変わらないので、広告の写真を撮るときはそのことをすごく意識的にやっています。物撮りだけじゃなく、タレントさんを撮る時も、この人のどこが僕が一番好きなんだろう、どこが一番チャーミングなんだろうとか、そういうことを思いながら撮っています。

カールツァイスの解像感と素直なボケ感に信頼

――αの純正レンズで撮影しているそうですね。
星野 僕はとにかく、カールツァイスのレンズが好きなんですね。昔のコンタックスの時代からツァイスっていうものに無条件にくらっとするんです(笑)。カールツァイスを純正レンズで使えるというのもカメラ選択に際しての大きなウエイトは占めています。きっちりした解像感とボケが素直な気がします。

――ボケが「素直」というのはアウトフォーカスの表現力があるということですか。
星野 ボケてるっていうのは要するにアウトフォーカスだというところなんですけど、例えば後ろの人が笑ってるアウトフォーカスの顔があったとするじゃないですか。素直なボケっていうのは、ボケていても表情がわかるんです。汚いボケ、無理やり補正しているようなレンズっていうのは、人の表情であったり、輪郭というものがすごく崩れて見えてしまうというか。それはやっぱり一通り、30年40年くらい写真を撮っていると、なんとなく素直なボケなのかそうでないのかというところは感覚的に振り分けている気がします。αの場合はアウトフォーカスの後ろの人の表情まで捉えている。そういう意味で、αの純正のカールツァイスレンズは僕にとって素直なレンズですね。

――最近は国内外で写真展を開催するなど、積極的に作家活動を行なっています。しかも今取り組んでいる作品にはαをメインで使っているそうですね。
星野 もともとフィルムで温室というテーマを撮っていましたが、まとめきれませんでした。作家活動にもう1つの軸を置いてみようと考えた時に、作家にはただ美しいものではなくテーマや社会性が求められるんですね。綺麗な写真のもう一歩裏側を表現するとなった時にαの階調表現を活かし、HDR合成を使ってもう一度、温室というテーマに取り組んでみようと考えました。モノクロプリントで出力したものを見て、手ごたえを感じましたし、大判カメラのようなモノクロ作品が作れると思いました。

そこからソニーα7R Ⅱ(α7 Ⅱ)を使って本格的な作品作りに取り組んでいる。できあがった作品は、HDRを斬新な視点で活用した、全く新しい写真表現だった。
実際の作品ついては、9月15日発売の「コマーシャル・フォト」10月号で紹介する。

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