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最先端の現場+α Vol.4 「S-Logでグレーディング
することで創作の可能性が
広がった」

藤代雄一朗:見慣れた風景をかけがえのない映像
に変える映像作家

α Universe editorial team

Interview
藤代雄一朗 / 映像ディレクター

水曜日のカンパネラ「未確認ツアー Documentary Part.3」

Dir+P+ED=藤代雄一朗

 藤代雄一朗監督は自ら監督・撮影・編集するワンオペレーションが基本。今年からソニーα7Sで制作し始めた藤代監督に画作りの秘密に迫る。

――水曜日のカンパネラの京都・萬福寺ライブは藤代監督が1人で収録しています。
藤代 プロローグの実景は三脚とスライダーを使いましたが、ライブはα7Sを手持ちで撮影しています。コムアイ(ボーカル)のパフォーマンスは、次にどこへ動くのかが予測できません(笑)。僕は比較的慣れているし、小型のα7Sだけで身軽なので、会場の導線さえ確認しておけば彼女がどこに行っても対応できます。また同じ位置からの映像にならないように曲中にアングルを変え、編集時にマルチカメラで撮った映像のように繋いでいます。

――藤代監督はMVやライブ等、水曜日のカンパネラを最もたくさん撮っていますが、アーティストに寄り過ぎず、常に一歩引いた視点を保っています。それがファンのグッとくる映像につながっています。
藤代 どこかに遠慮があるのでしょうね(笑)。ただそこはできるだけ空気のような存在でカメラを意識させずに撮りたい。αはそのような意図に答えてくれます。

――S-Logに惹かれてα7Sを選んだそうですね。
藤代 S-Log(ソニーのガンマカーブ)で撮影して、後処理でイメージする色合いに自在に変化させられる点に魅力を感じています。今までグレーディングで肌の色を持ち上げたい時の調整が難しかったんですが、そこはSony Look Profile(=LUT)を当てることで改善できました。撮影によっては暗い室内や日の落ちた屋外となることも多く、ISOを上げて撮影せざるを得ない場面もあるのですが、α7Sは高感度でもノイズが圧倒的に少ないので、後処理の際にノイズの除去に頭を悩ますことなくグレーディングに没頭できるのが助かってます。

――藤代監督の映像はフィルムライクな色調で情感があり、見る者を惹きつけます。
藤代 下から上を見上げている。新しい場所に来た時の感動というか、子供の頃に見ていたような懐かしい気持ちになるようなアングルが好きなんです。CGを駆使して完璧に作った映像よりも、「これどうやって撮ったんだろう」と思える画を作るのが好きなので、これからも見ていて気になる映像を作っていきたいです。

――フィルムで撮ったようなトーンも研究しているそうですね。
藤代 フィルムで撮ったことは一度もないのですが、綺麗な画が作りたいという欲求が強いんですね。目に見えている色ではなく、いつかどこかで見た外国映画のワンシーンだったり、幼い時に感じた記憶に残っている色だったり、そういう頭の中にあるイメージしている色を自在に作り出したいという気持ちがあります。そういう意味でもS-Logで撮影しておき、後処理でグレーディングすることで、創作の幅が一気に広がりました。

――映像を作る上で一番こだわっているところはどこですか。
藤代 大学卒業時に世界一周旅行をしました。帰りの飛行機で旅の写真を編集していたのですが、隣に座っているNY在住のおばさんが「あなたの写真を見ると普段見慣れている場所が新鮮で面白い街に見えた」と言われて、その時にそういう映像を作ろうと決意しました。見慣れたものや風景がかけがえのないものに思えるような映像を作りたい。ただし綺麗な映像だけでは伝わらないので、面白いアイデアと組み合わせて作りたいですね。

Sony Look Profileのおかげで 理想の画に最短距離で近づけるようになった

 Sony Look Profile(ソニールックプロファイル)は、ソニー製カメラでキャプチャできる広色域や広ダイナミックレンジを、主にTVやCM制作に活用頂くためのルックファイル3D LUT(Look Up Table)の総称。参考: http://www.sony.jp/ls-camera/knowledge/
 水曜日のカンパネラ「未確認ツアー Documentary Part.3」。左の画像は撮影したままの画像。右はSony Look Profileで調整後の画像。 「当初グレーディングが難しいと感じていたのですが、ソニーサイトにあるSony Look Profile(SLog2Gamut_To_LC-709TypeA)を当てれば、そこから微調整するだけで理想の画に最短距離で近づけるようになりました」(藤代雄一朗)

SIS RECORDS/Being SHE IS SUMMER「とびきりのおしゃれして別れ話を」

制作=MIRROR  Dir+P+ED=藤代雄一朗 L=田上直人 T=MICO(SHE IS SUMMER)・小野匠 振付=竹森徳芳 ST=小山田孝司 HM=小池めぐみ

ふじしろ・ゆういちろう 1984年東京生まれ 水曜日のカンパネラのMVをきっかけに映像業界へ。音楽と言葉のリズムカルな調和を演出の核としている。2016年 DRAWING AND MANUALに参加。

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