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写真家 並木 隆氏 α史上最高のぼけ描写と
圧倒的な解像感が描く世界
〜FE 100mm F2.8 STF GM OSS〜

α Universe editorial team

花や自然をダイナミックな構図で撮り続けてきた並木 隆氏。そんな並木氏に中望遠単焦点
Gマスター「FE 100mm F2.8 STF GM OSS」を発売に先駆けて使っていただき、率直な感想を伺った。中望遠単焦点Gマスターとα7R IIで撮った作品とともに、その魅力に迫る。

「FE 100mm F2.8 STF GM OSS」についての情報はこちら

並木 隆/写真家 1971年生まれ。高校生時代、写真家・丸林正則氏と出会い、写真の指導を受ける。東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)中退後、フリーランスに。花や自然をモチーフに各種雑誌誌面での作品発表。日本写真家協会、日本自然科学写真協会会員。

FE 100mm F2.8 STF GM OSS
優れた解像力と美しいぼけ味を誇るソニーのG Masterの中でも、ワンランク上の美しいぼけ描写を実現した中望遠単焦点STFレンズ
http://www.sony.jp/ichigan/products/SEL100F28GM/

α7R IIと出合ってから、
マクロ撮影はほとんど手持ち撮影です。

――ご自身でもα7R IIをお使いだったのですね。
手ブレ補正がものすごく良いと知って購入したんです。なので、α7R IIを使うようになってから、手持ち撮影が圧倒的に増えました。マクロ撮影って三脚を使うイメージがあると思いますが、5軸ボディ内手ブレ補正があると三脚はいらないですね。手持ちだとローアングルが撮れるし、改めてこういう世界観もアリだなと気づかされました。

F5.6、1/125秒、ISO1600

それから、一眼レフではなくミラーレス一眼カメラを使うようになった理由は、ピーキング機能が使えることと、絞った時のぼけ具合をファインダー内や液晶モニターで全部見ることができるということがすごく大きいです。自分の意図に沿ってぼけを調整する時、一眼レフの光学ファインダーでは見た通りのぼけが写らないので、撮る側が加味して絞りこんだり、被写体からちょっと離れたりと調整します。でも今は、そのまま見られて、状況に合わせた設定がすぐにできるので重宝しています。

じわっと滲んで、溶け込んでいく
まるで水彩画のようなぼけ味。

――では、レンズの話に入りますが、「FE 100mm F2.8 STF GM OSS」を使った印象はいかがでしたか?
まず、すでに使用していたFE 90mm F2.8 Macro G OSSと同じような焦点距離だからなじみやすかったです。それから、もっと以前はミノルタのSTFレンズを使っていたので、その当時から感じていたぼけ表現の質の高さは期待通りでした。背景をある程度ぼかすことで、このレンズの良さが発揮されるなと。寄れば寄るほどぼけは大きくなるので、最短撮影距離が0.57mというのは、より大きくぼかせる条件が増えるということ。今回、花を撮ったときは、圧倒的にマクロ域で撮りました。

――STFレンズだからこそ撮れた作品はどれですか?
下のコスモスの写真です。強い点光源みたいなぼけを入れたときのやわらかさは格別でした。開放で撮ると、画面の端に口径食が必ず出てくるのに、STFレンズはそういうことがないですからね。

F5.6、1/1600秒、ISO400

――ぼけの描写で気に入っている作品はありますか?
下の写真の彼岸花です。花芯のぼけが太くなっているところは、ふつうは二線ぼけになってうるさくなってしまうのですが、このレンズはハイライトとシャドウの部分が、滲んで溶け込んでいきます。右上の徐々に溶け込んでいく描写もSTFレンズならでは。彼岸花は前ぼけになると汚くなりがちですが、全部がふわっとぼけくれるのがいいですね。だんだん離れていくものが大きくぼけていくのに、それがスムーズにぼけていかないと綺麗じゃない。
FE 90mm F2.8 Macro G OSSもそうですが、このレンズはさらにその描写がものすごく良い。ちゃんと考えられているなって、撮っていて感じます。

F5.6、1/25秒、ISO1600

やわらかなぼけとシャープな解像感が
両立しているからこそ表現できる世界がある。

――ピント面の描写はいかがですか。
単にぼかすだけじゃなくて、ちゃんと解像していますね。ミノルタのSTFレンズはフィルム時代に使っていましたが、今のデジタル時代、高画素の時代において、このSTFレンズは解像感が劇的に上がっていて驚きました。進化を感じます。花粉の1個1個までしっかり見えるんですよ。

F5.6、1/125秒、ISO200
ここまで拡大しても、しっかり解像しているのがわかる。

下の写真は、川の近くを開放で撮ったものなのですが、後ろのぼけは川の反射です。ソフトフォーカスみたいにぼけを表現しながら、もみじの葉の質感もしっかりと出せています。 この描写を見る限り、ソニーはもっと高画素でも使えるように考えているんだろうなと。ふつうは解像させたくても収差が乗ってくるから絞らないといけないのに、ここまで開放で撮ってもまったく収差が出ないのはすごいことです。

F5.6、1/640秒、ISO200
もみじを拡大すると、高解像の威力がわかる。

次の写真は、同じ場所で絞りをF6.3にしたもの。少し絞っても、ぼけはこんなに綺麗で、開放の時とはまた違った表現で使える。STFレンズを使っていると、開放時のぼけ描写に目が慣れてきちゃうけど、開放じゃなくてもぼけは撮れるし、STFなら十分やわらかく撮れることも魅力の一つだと思います(※)。 ※アポダイゼーション効果はT5.6-8となります。

F6.3、1/500秒、ISO200

理想のレンズに求めるのは、
ぼけがなめらかで、口径食が出ないこと。

――これまで、いろんなレンズをお使いになったと思いますが、レンズに求めるものは?
やっぱり、ぼけのなめらかさ。離れていくにつれて大きくぼけていくものが、スムーズにぼけていかないと写真って綺麗に見えないので、そこは絶対にこだわります。あとは、口径食が出ないこと。ぼけの端っこに出てしまうとか、開放で撮りたいけど口径食を出したくない時に、そういうことを一切気にせずに撮りたいので、そういう意味ではこのレンズは撮影に集中できて良かったですね。 FE 90mm F2.8 Macro G OSSでもぼけはなめらかだし、
FE 70-200mm F2.8 GM OSSもものすごく綺麗にぼける。他のGレンズとかGマスターもぼけの美しさのことは考えて作っていると思うんですけど、やっぱり違いは口径食。STFレンズは口径食が出ないっていうのがものすごく大きなメリットです。自然の描写でのぼけもそうだけど、イルミネーションみたいに光源が強くて、画面の中にいっぱい出てくるような被写体を撮る時に良いんじゃないかと。真ん中は綺麗だけど、端っこに口径食が出るのは美しくない。それが、このレンズで撮ると絞らなくても全部丸く出てくれますから。

アングルを低くすれば、背景はぼける。
でも大切なのは「どういう画を撮りたいのか」。

――ぼけの描写って難しいと思うのですが、α Universe読者にアドバイスをいただけませんか?
まず、撮る時の高さを低くすること。子どもと一緒で、花を撮る時は花と同じ目線までカメラを下げるんです。そうすると背景が入るので、自然とぼける。今の時期、桜の撮影に行く方が多いと思いますが、枝に沿うようにレンズを向けてみてください。花をたくさん撮ろうとして横から撮ると、黒い枝も入っちゃう。だけど、枝に沿わせれば一つの花にピントが合って、後ろはふわっと綺麗にぼけますよ。

もう一歩踏み込んだ話をしますと、僕の場合は「こういう画が撮りたい」というイメージが最初にあります。後ろにこういうぼけを入れたいなと。そして、それが撮れる被写体をひたすら探す。実は、ここに時間を一番費やします。イメージ通りの被写体が見つからない時は1カットも撮らずに帰る。「ここまで来たのだから何か撮って帰らなきゃ」と損得勘定で思っても、できあがった写真に満足できなかったら撮らなかったのと同じ。でも被写体探しは、とても楽しい時間です。

F5.6、1/500秒、ISO400

ぼかす楽しさがわかってきたものの、「結局、何が撮りたかったのだろう?」って思う方が多いと思います。先にやりたいことがあっても、中身をしっかり捉えないと、最終的に自分が満足できない。「結婚したい」と思っても、誰でも良いわけじゃないでしょう?(笑)それと同じ。だから、「何を撮りたいか」をはっきりイメージすることが次への大きな一歩になるんです。

作品を撮ることに情熱を注ぐ方なら このレンズの真価がわかる。

――どんな方に「FE 100mm F2.8 STF GM OSS」を薦めたいですか?
表現の幅をさらに広げたい方ですね。そういう方はいろんなレンズを使ってきて、レンズのことがわかっているはず。絞りを変えたり、被写体との距離感を変えたりして、ぼけをコントロールする面白さがわかると、なおこのレンズの真価がわかります。ぜひ使い込んで、使い込んで、新たな表現を体感して欲しいですね。

――ぼけの描写にこだわるのは、なぜですか?
肉眼では見えないから、人はぼけを綺麗だと思うんです。見ようとしても見えないから、写真にすると綺麗に見える。そもそも肉眼で見えているなら、写真で写さなくてもいいじゃんって僕は思うんです。写真でしか見えないものを形に残すから、やっぱり写真は面白いんです。

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