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ウエディングは被写体に溢れてる!

〜結婚式だからこそのスナップフォトを
α7S IIを駆使して撮ってカタチに残す〜 スナップフォトグラファー 鈴木知子 氏

α Universe editorial team

2017年6月20日、21日に「PHOTONEXT(フォトネクスト)2017」で行われた、スナップフォトグラファー・鈴木知子氏が語ったセミナーの内容をご紹介します。

プロカメラマン向けフォトビジネスフェア「PHOTONEXT2017」に、今年もソニーが出展。講師に迎えたのは結婚式でのブライダルスナップも多く手掛けるフォトグラファー・鈴木知子氏。実際の現場で活躍するαの魅力や、テーブルフォトの撮影テクニックなどを語っていただいた。

鈴木 知子/スナップフォトグラファー 神奈川県横浜市出身。東京工芸大学短期大学部卒業後、広告撮影プロダクションに入社。写真家、柳瀬桐人氏(他)のアシスタント経験後、コマーシャルフォトを中心に活動。現在フリーランスとして地元横浜に事務所を構え、カメラ片手に日々奮闘中。近年は雑誌への作品提供やフォトコンテストの審査、セミナー講師、写真ハウツー書籍の執筆も行なっている。1日1枚の写真で綴るライフワークの横浜を中心としたスナップ写真を、ブログにて毎日更新中。

ウエディングのイメージ撮影で
意識しているのはオリジナリティ

α7S II,FE 16-35mm F4 ZA OSS 16mm,F6.3,1/60秒,ISO-2000

まずはウエディングでのスナップフォトについてご紹介したいと思います。私は結婚式の様子を一冊にまとめたフォトブックを作っています。この一冊で結婚式の雰囲気や新郎新婦の幸せな姿を見せなくてはならないので、重視しているのはオリジナリティ。他とは違ったバリエーションに富んだ写真を一冊に仕上げること。そこに価値を見いだしていただくことを目標にしています。 ウエディングのイメージフォトでは、「前撮り」が大切になってきます。結婚式は新郎新婦にとって大事な1日。その舞台となる結婚式場や披露宴会場の雰囲気を事前に撮影したり、式で使われるエンゲージリングやティアラ、ブーケなどを一時的にお借りして、照明機材を使って撮影したり。その中で今までとは違ったイメージフォトを撮ることで、オリジナリティを出していきたいと考えています。

チャペルなど光量の少ないシーンで活躍する
驚きの高感度α7S II

まずはチャペルのイメージ写真からご紹介します。チャペルのイメージ写真は、α7S IIでしかきれいに撮れないようなシーンがたくさんあるんです!α7S IIは高感度と豊かなダイナミックレンジが魅力です。チャペルなど、コントラストの高いシーンではものすごく活躍するんですよ。私はこのようなシーンでは、いくつかある機種から間違いなくα7S IIを選びます。

α7S II,Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS 46mm,F4,1/60秒,ISO-3200

これは床に透過光が落ちているステンドグラスをISO-3200で撮影したもの。ふんわりとしたやわらかいステンドグラスの光も、この豊かなダイナミックレンジによって表現できます。このような、ハイライトやシャドーのあるシーンはα7S IIがもっとも得意としているところですね。 実は、ISO感度の比較写真も撮ってきているんですよ。これキャンドルの灯りだけで人物を撮影したものです。ダイナミックレンジが豊かなα7S IIでも、低感度だとこれしか写らない。そんな画がISO-100です。これからですね、同じ絞り、同じシャッタースピードでISO感度だけをどんどん変えていくという、その比較を見ていただきたいと思います。

■ISO-100
■ISO-200
■ISO-400
■ISO-800
■ISO-1600
■ISO-3200
■ISO-6400
■ISO-12800
■ISO-25600
■ISO-51200
■ISO-102400
■ISO-204800

このろうそくの光、実に淡いんですね。ISO-3200でも人物が全然わからないですね。感度を上げていくと、実は花嫁が隠れていたことがわかります。こういうキャンドル1つのドラマチックな光は、通常ではなかなか撮れないんですよ。ですが、超高感度と言われるISO-204800になると、ここまで写し撮れる、そんな比較写真になっています。この超高感度で、普段は撮ることができない一瞬を捉えることができるということです。

見開きがフラットになるフォトブックを前提に撮影

今回は、撮影した作品をDNPのDream Pages EX2というブックにしました。これは見開きがフラットになるんですよ。レイフラットフォトブックというのは、我々フォトグラファーにとっても「見開きを存分に使いやすい」という点で、とても気に入っています。実際にテーブルフォトの前撮りといわれるものも、このフォトブックを前提に写真を撮っています。
折りたたむとスクエア型ですが、開くと横長ということで、割と横長を意識したカットも撮るようにしています。見ていてとても気持ちいいですよね。フォトブックは結婚式に呼べなかった方にお見せすることも多いようで、結婚式から半年くらいは持ち歩くという方がけっこういらっしゃるんですよ。そういう方にもあまり大きすぎないフォトブックはおすすめできると思います。

このブックもそうなんですが、私が書いている書籍などでもイラストレーターのナカムラエコさんのイラストとコラボさせてもらってるんですよ。本日、ナカムラさんも会場に来ていただいているので、結婚式やブックで使われるイラストについてお話していただきたいと思います。

ナカムラエコさん:こんにちは。イラストレーターのナカムラエコです。最近の披露宴会場ではよくスライドなんかを流しますよね。新郎新婦の思い出など素敵な写真がたくさん映し出されますが、その中に似顔絵がぽん、と入ってくると、みなさん興味を示されるんですよ。披露宴会場では、まったく知らない人とテーブルを囲むことも多いと思いますが、スライドで似顔絵が出てくることで「似顔絵、似てますね」といった他愛ない会話でコミュニケーションが生まれます。そういう人の輪を生み出すところが、イラストのいいところ。新郎新婦の思い出の場所を撮ったけれど2人が写っていない、という時は、写真に似顔絵のイラストを貼り付けたり。そうすると、リアルな写真の中に淡い優しい雰囲気もプラスできると思うんです。また、新郎新婦からお父さまお母さまへ贈る言葉を載せるときにも、お父さまお母さまの似顔絵をちょっと入れるだけで後々のいい思い出になります。イラストと写真のコラボにはさまざまな可能性が秘められているので、結婚式のスライドやフォトブック制作でもぜひ取り入れていただければと思っています。

ナカムラエコさん、ありがとうござました。このブックでは前撮りしておいたブーケの写真を彼女に渡してイラストにしていただきました。なので、今回イラストと実際の写真のブーケがリンクした、印象的なブックに仕上がっています。こういった方法でも、オリジナリティをアップさせることができます。

ワイヤレスのポータブルストロボが
機動力をアップさせる

結婚式だからこそのスナップフォト。つまり結婚式で使うブーケや小物などを撮影するために、今回用意した照明機材はProfotoのB2 AirTTLです。特徴はポータブルの充電式というところ。ですからとてもコンパクトで、持ち運びも楽なんです。さらにソニーのα7シリーズを使うとリモートでTTL撮影ができる点も魅力でした。マニュアル調光で露出を調整したい時も手元で簡単に行えますし、TTL調光を行った後で自分の好きなようにカスタマイズできるのも利点ですね。

小型軽量なバッテリージェネレータとヘッド(Profoto B2 250 AirTTL 2灯キット)

ProfotoのB2 250 AirTTLのジェネレータ1台、ヘッド2灯のキットを使って撮影しました。カメラのホットシュー部分に差し込むと、ワイヤレスでTTL調光やマニュアル調光が可能になります。コードレスなので、機動力も上がるんですよね。コードがあるとそれだけで場所を取ってしまいますし、いざ移動するときにコードが邪魔になることもあります。でも、ワイヤレストランスミッターと合わせて利用すれば完全コードレスでの撮影が可能なわけです。
ストロボ1灯、2灯でいろいろな写真を撮ってきましたので、ぜひみなさんにご覧いただきたいと思います。

テーブルフォトでのセッティングと
ストロボを駆使した撮影テクニック

今回はコンパクトなセッティングを目標に、50cm×50cmくらいのテーブルの上にセットをつくりました。天トレ(天井トレペ)を斜めに立てかけて、その上にトップ光としてストロボを1灯設置しました。ストロボの光は硬くて影ができますので、手でレフ板を持ってそこでバウンスさせています。スピーディーさが求められる時は厳密なライティングをつくるのが難しいので、カメラを三脚に固定したままでも光の方向を変えられるように自分でレフ板を持ち、バウンスを上手く使って光の自由度を高めています。

α7S II,FE 50mm F2.8 Macro 50mm,F2.8,1/125秒,ISO-100

このグローブの写真は、ストロボで窓辺を演出しました。こういう写真は照明機材を使わないと難しいんですね。会場の地明かりだけで撮影するとなると、どうしても表現がワンパターンになってしまう。ましてや、電球の色によっては思い通りの色が出なかったりして、クリアな印象を出しづらいもの。ウエディングでは白いドレスやベールなど、透明感のある白が印象的なアイテムになってきます。そういった白いアイテムを撮る時は、ちょっと窓辺を演出したり、サムシングブルーを意識してブルーのビンを置いて透過光をかぶせたり、変化を感じられる撮影方法を取り入れています。

α7S II,FE 50mm F2.8 Macro 50mm,F4,1/125秒,ISO-100

これは先ほども出てきたグローブですが、ストロボ2灯で撮影しています。トップの1灯をバウンスさせ、斜め後ろからも半逆光のライトを入れました。これはテーブルフォトの基本ともいえるライティングスタイルです。半逆光を入れることで、被写体の質感がより出やすくなるんですね。ストロボ1灯では表現できない質感は2灯ライティングによって生まれてきます。刺繍やレースなどのモチーフには、このライティングが最適です。これは反逆光にしたライトにアンバーのフィルターをかけて、うっすらと琥珀色がのった温かみのある写真に仕上げました。

α7S II,FE 90mm F2.8 Macro G OSS 90mm,F4,1/60秒,ISO-100

ちょっと彩りを添えるために、かわいらしいスイーツも撮影しました。この写真も、反逆光による照りが演出されていますね。料理などの撮影も2灯ライティングがベストです。2灯でも手前にレフ板を置いて反射させます。そのシーンや被写体によってレフ板の色を銀にしたり金にしたり、白にしたり。いろいろと変えて撮っているんですよ。こういった、他とは違ったバリエーションに富んだ写真にトライしてみてはいかがでしょうか。

本日は「ウエディングは被写体に溢れてる」ということで、結婚式だからこそのスナップフォト、α7S IIを使っての作品を皆さんに紹介させていただきました。 本日は長い時間お付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。 本日はご清聴いただき有難うございました。

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