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「スポーツ写真の世界に大きな
変革をもたらすカメラ」
スポーツフォトグラファー 真野博正 氏

〜20コマ/秒、高精度追随AFに新たな可能性を
感じた〜

α Universe editorial team

ミラーレスカメラを手にするのは数年ぶりというスポーツフォトグラファー・真野博正氏。テニス撮影の第一人者である彼が、ミラーレス一眼カメラα9を手に挑んだのは、ヨーロッパで開催されるメジャー大会。日本女子テニス界の将来を担う一人として注目を集める尾崎里紗選手の試合を実際に撮影した感想を伺った。

真野 博正/スポーツフォトグラファー 1959年生まれ、島根県出身。大学卒業後カメラ専門誌を経てスポーツフォトグラファーとしてのキャリアをスタート。1987年、フリーに転身。テニスを中心にサッカーなどのスポーツを撮影し、雑誌『Number』を中心にさまざまなメディアに作品を発表している。テニスツアーを追いかけ年間の3分の1を海外で過ごす。テニス4大大会の撮影実績は26年にわたり、連続103大会撮影を継続中(2017年7月27日現在)。

これまでのミラーレスカメラの印象を根底から覆す
格段に進化したファインダー性能

――普段撮影は一眼レフを使用されているということですが、α9で撮影した感想を教えてください。 実は数年前にミラーレスでテニスの撮影をしたことがあるんです。そのときはEVF(電子式ビューファインダー)が全然ダメで、一度シャッターを切ると次の映像が表示されるまで時間がかかりすぎて、画面が表示された頃には選手がフレームアウトしている状態。これはとても仕事では使えないな、というのが正直な感想でした。 それが今回、α9ではすっかり解消されていました。まったくタイムラグは感じませんし、ブラックアウトもない。ビデオカメラのファインダーを覗いているように、選手を追うことができる。最初こそ、若干の違和感はありましたが、それも一眼レフのOVF(光学式ファインダー)に長年慣れているから感じるもので、使い続けているうちに気にならなくなりました。進化したというよりも、これまでになかった新しいファインダーという感覚です。

α9,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 185mm,F5.6,1/2000秒,ISO-400
コート内を激しく動き回るテニス撮影でも選手を追うことができるまでに、EVFの性能を高めた。

20コマ/秒の高速連写と高精度なAF追随の組み合わせが作品のクオリティを高める

――ファインダー以外の部分、AFについてはいかがでしたか? 今、使っている一眼レフのフォーカスポイントが真ん中に集中しているので、もっと外に広がらないかなとずっと思っていました。だから、α9の693点というフォーカスエリアの広さはすごく嬉しかったですね。しかもセンサーの精度も申し分ない。この作例のようにトスアップのシーンで顔にピントを合わせようとすると、普段使っている一眼レフではAFモードを切り換えて、ピントを合わせて構図を決めてと、操作が増えます。でも一瞬で状況が変化するスポーツ撮影では、そんな時間をかけることはできません。ところがα9のフォーカスエリアの広さをもってすれば、即座にピントを合わせられます。一見何気ない写真に見えるかもしれませんが、瞳にしっかりピントが来ているこの作品を瞬時に撮れるというのは、広いフォーカスエリアを持つα9ならではですね。

α9,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 400mm,F5.6,1/1000秒,ISO-400
撮影領域のほぼ全面(約93%)をカバーする693点のAFセンサーにより、トスアップのシーンでも画面の外側にある瞳にピントを合わせることが瞬時にできるようになった。

――20コマ/秒という高速連写が可能になっていますが、撮影した感想を教えてください。 これまでは連写で撮影して画像を確認すると、撮れていると思っていた“あの一瞬が撮れていなかった”ということがよくありました。それが20コマ/秒となると一眼レフのほぼ倍ですから、画像を確認したときに撮れていないということが減りました。あとはセレクトの選択肢が増えたのが嬉しいですね。インパクトの瞬間というのは力が入っているので、表情が険しかったりして、必ずしも良い表情とは限らないんです。でもその前後のカットが多く撮れることで、より良い表情のものを選ぶことができる。これはスポーツ撮影では大きなメリットになります。

α9,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 400mm,F5.6,1/1000秒,ISO-400
20コマ/秒の高速連写で撮影したインパクトの瞬間。高速シャッターにより、より確実に撮影でき、狙った瞬間のカットをセレクトできるようになった。
UHS-II対応SDメモリーカード SF-Gシリーズ α9に最適なUHS-IIに対応「SF-Gシリーズ」α9と合わせて使用すれば、連続撮影時JPEGなら最多約362枚、圧縮RAWで最多約241枚の静止画が途切れることなく撮影可能

――連写時のAF精度はいかがでしたか? 連写中にピント位置がずれてしまうことは、どのカメラでもよくあります。でもα9はピントの戻りが早い。一瞬ずれてもすぐに戻ってくる印象です。20コマ/秒でも1カット抜けるくらいでピントが戻ってくれるので、信頼性はかなり高いです。あとはテニスの場合、ラケットやガットに光が当たると一番コントラストが高くなるので、フォーカスポイントを顔に合わせていても、カメラはラケットにピントを合わせてしまうことが多いんです。でも、α9では気にならなかったですね。フォーカスが合う確率は、普段使っている一眼レフよりも良かったです。 AFの精度は本当にハイスペックだと思います。今回フォーカスポイントを「ゾーン」での撮影にもトライしてみました。普段使っている一眼レフでは「ゾーン」は、意図したところにピントが合わないし、合ったとしても被写体が動くとすぐにずれるてしまうので、非常に不安定でスポーツ撮影ではとても使いものにならないのですが、α9は狙っていたところにピントが合うし、被写体が動いても追いかけてくれる。これは驚きでした。テニス撮影ではラインジャッジがいたり、看板があったりと、AFがずれる原因になるものが沢山ある。そんな状況でも、α9のAF精度があれば撮影に集中できる。これは本当にすごいメリットです。

α9,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 100mm,F4.5,1/3200秒,ISO-400
コートのハイライトとシャドーが入り交じる場所でハイライトに露出を合わせ、選手が来るのを待って撮影。瞬時にピントが合うα9なら絵作りに集中できる。

――今回、レンズはFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSで撮影していただきましたが、レンズの感想を教えてください。 撮影する前はF5.6ということで、ちょっと暗いからAFの精度を心配していたのですが、実際に使ってみると、そんな心配がまったくいらない。とてもいいレンズでした。解像度は申し分ないし、α9との親和性も高いので、AFの精度が高くピントもしっかりと合う。しかも軽くて小さい。これはプロフォトグラファーだけではなく、アマチュアの方にとってもすごく大きなメリットですね。

静寂が求められる一瞬を切り取ることができる
サイレントシャッター

――今回音を気にせずシャッターを切れるように「サイレントシャッター」を搭載しました。実際のところテニスの現場ではいかがでしたか。 すごく良かったです。テニスの場合サーブの瞬間は観客も音を出さないのがマナー。それでも、ゴルフほど厳しくはないので、すごく音を気にする一部の選手のとき以外は必要最低限でシャッターを切ることは許されています。ただ、最近は客席に近い場所から撮影していると観客の方から「うるさい」と言われることが増えてきました。そういったことを一切気にせず、何度もトライできるのは新鮮でした。気持ちの負担がすごく減りますね。サイレント機能は、スポーツの現場に限らず、音を出せない撮影、音楽の発表会や子どもの学芸会などの室内でも重宝するはずです。 あと、これは今さらかもしれませんが、ボディが小さいというのはすごくありがたいですね。テニスの場合、大会期間中、カメラを持って広い会場内をずっと移動します。多いときで1万5000歩は歩くことになります。しかもいろいろな角度から写真を撮ったり、ワーキングルームのPCに写真を移すために、スタジアムの上り下りも多い。それが大会期間の2週間毎日続きます。機材が軽ければその分体の負担を減らすことができて、撮影に集中できます。作品のクオリティに大きく関わってくると思います。あとは、ボディが小さく軽くなることで、ボディとレンズをもうワンセット増やすことも考えられます。これも大きなメリットですね。

スポーツ撮影の現場でも、二大カメラメーカーの
牙城を崩すポテンシャルを秘めている

――最後にα9の総合的な評価を教えてください。 ハイアマチュアの方にとってもα9を使うメリットは大きいと思います。カメラメーカーのテレビCMでよく子どもがサッカーをしている一瞬を切り取った写真が使われていますよね。これまでは、この写真をアマチュアの方が撮るのはちょっと難しいだろうって見ていたんですけど、α9の20コマ/秒、高精度なAF追随があれば普通に撮れてしまう。ちょっとプロとしては危険すら感じています(笑)。 そして、何よりプロフェッショナルの領域です。今のスポーツフォトグラファーは、ほとんど二大カメラメーカーの機種しか使っていません。でもα9は十分その選択肢に割って入ってくる。これまで課題だったファインダーは格段にレベルが上がり、AFでピントが合う確率も今使っている一眼レフよりも、性能は上。さら20コマ/秒の高速連写、そしてサイレント機能も備えている。同じシーンは二度とない、瞬間を切り取るスポーツ撮影においてプロフォトグラファーの期待に十分応えることができるカメラです。実際、今回の大会でも、α9で『Number』用の画像も撮影して、編集部に送りました。まだ、使い込まれていないため洗練されていないところもありますが、それを超えるメリットが多くあります。今後スポーツフォトグラファーの間でα9を使う人は確実に増えてくるでしょうね。

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