SONY

α

α Lens Technology

αレンズのテクノロジー

レンズに関する基礎知識

円形絞り

円形絞り、一般的な絞りと円形絞り

通常、絞りの形状は7枚または9枚の絞り羽根で構成され、絞れば7角形や9角形となります。本来、1、2段絞った状態は点光源が欠ける口径食が減少するので積極的に活用したい絞りですが、絞りの形状が7角形や9角形では、点光源などではボケも多角形になり、きれいなボケ味とはいえません。そこで、7枚または9枚羽根の絞りの形状を開放から2段絞ったところまで、ほぼ円形になるように設計。その結果、通常のレンズではできなかった、自然で美しいボケ味が得られ、点光源を円形にボカした撮影ができます。

非球面レンズ非球面レンズ

非球面レンズ
球面レンズと非球面レンズ

通常の球面レンズではレンズ中心付近と周辺付近を通る光が一点に結像しないという球面収差が生じてしまいます。それを防ぐために、レンズの曲率(カーブ)を小さくしたり、凹レンズを組み合わせたりしますが、球面収差は完全には補正しきれず、特に画角が広くて明るい大口径のレンズでは補正が困難でした。この球面収差を補正するために開発されたのが「非球面レンズ」です。非球面レンズは大口径レンズの球面収差補正に威力を発揮し、絞り開放時からにじみの少ない高コントラストの画像を実現。さらに、広角・標準ズームでは、球面収差だけでなく、歪曲収差の補正にも効果的です。また、非球面レンズの採用によりレンズ枚数を減らせるため、コンパクトなレンズ設計が可能です。

ED(特殊低分散)ガラス/スーパーED(特殊低分散)ガラスED(特殊低分散)ガラス/スーパーED(特殊低分散)ガラス

ED(特殊低分散)ガラス/スーパーED(特殊低分散)ガラス
通常の光学ガラス、EDガラス、スーパーEDガラス

通常の光学ガラスを使用したレンズは、焦点距離が長くなるほど色収差の補正が困難になり、コントラストの低下や色にじみが生じ、解像力が低下します。この問題を解決するのが、独自のED(特殊低分散)ガラスです。EDガラスは、通常の光学ガラスに比べて屈折率が低く分散が小さいうえに、分散の度合いが一様でない異常分散特性を有しており、二次スペクトルをきわめて小さくすることができ、望遠レンズで問題となる色収差を大幅に除去。開放から全画面にわたってコントラストの高い鮮鋭な描写を実現しています。大口径望遠レンズや望遠系のズームレンズに多く採用されていますが、広角・標準系のレンズでも、より高度な色収差補正を実現するために採用することがあります。また、スーパーEDガラスは、EDガラスよりもさらに強い色収差補正力を有します。

マルチコーティング

光学ガラスは入射光の大部分を透過させますが、一部の光はガラスと空気の境界面で反射し、フレアやゴーストを発生させます。それを防ぐには、レンズ表面に薄膜を施し、反射光を減らすコーティングが必要です。そのため、幅広い波長領域でも反射光を大幅に減少させ、フレアやゴーストを徹底的に抑える独自のマルチコーティングを採用しています。

ダブルテレフォトズームタイプ

テレフォトタイプとは、望遠の長さを短くできる光学系です。このテレフォトタイプを広角側にも構成したのが、ダブルテレフォトズームタイプ。ズーム全域でテレフォトタイプの光学系を構成し、望遠ズームレンズの大幅なコンパクト化と高性能化を達成しています。

フローティング機構

レンズの収差補正は、どの撮影距離でも十分に補正されることが理想ですが、近距離ではとりわけ困難となります。そこで近距離収差補正機構といわれる、フローティング機構を採用。レンズの一部を撮影距離に伴って移動させ、無限遠から最短までの全域にわたって諸収差を良好に補正し、優れた描写性能を実現しています。特に2カ所の空気間隔をフローティングする方式をダブルフローティング方式といい、50mm F2.8 Macro、100mm F2.8 Macroで採用しています。

インターナルフォーカシングインターナルフォーカシング

レンズ系の中央部を移動させて距離合わせするのが、インターナルフォーカシング方式。大口径レンズでもフォーカシングによる全長変化がなくAFも迅速です。さらに、最短撮影距離を短縮化できるとともに、レンズの前玉が回転しないため、偏光フィルター使用時の操作性にも優れています。

リヤフォーカシングリヤフォーカシング

レンズ光学系最後部のレンズを移動させてピント合わせするのが、リヤフォーカシング方式。この方式により、スピーディーなAFを達成しています。最短撮影距離の短縮化に加えて、レンズの前玉が回転しないため、偏光フィルター使用時の操作性にも優れています。

アルミ合金レンズ鏡胴

「Gレンズ」をはじめとする特に高い精度が要求されるレンズでは、レンズ鏡胴に軽量で剛性に優れたアルミ合金を採用。堅牢さと耐久性を持ち、温度変化の影響も受けにくいため、常に優れた光学性能を発揮します。

フォーカスホールドボタン

フォーカスホールドボタン

レンズ鏡胴の上にあるフォーカスホールドボタンを押している間、ピント位置を固定できます。コンティニュアスAF(AF-C)時にも、フォーカスロック撮影が容易に行えます。

フォーカスレンジリミッター

フォーカスレンジリミッター

迅速なフォーカシングを可能にするため、あらかじめ合焦する範囲を限定する機能。近接領域のみ、あるいは遠距離領域を限定できるマクロレンズ(写真)、遠距離領域のみの限定ができる70-200mm F2.8 Gと、遠距離領域と近距離領域を任意に設定できる300mm F2.8Gの3タイプがあります。

距離エンコーダー

距離エンコーダー

レンズに内蔵されている距離エンコーダーは、レンズのフォーカシング機構部分の繰り出し位置を検出し、その検出信号をCPUで距離の情報(信号)に置き換え、カメラに伝達します。レンズの繰り出しをダイレクトに詳細な情報に置き換えられるので、高精度の調光制御に有効です。通常のダイレクト調光では、被写体や被写体周囲の反射率が極端な場合に、その影響を受けてしまう場合がありますが、距離エンコーダー搭載レンズでは、より正確な距離情報をもとに、高精度の調光(ADI調光)を実現できます。

ADI調光ADI調光

従来のTTL調光とADI調光

フラッシュHVL-F58AM/F56AM/F42AM/F36AMと距離エンコーダー搭載レンズの組み合わせで、被写体の状況に左右されることなく高精度なフラッシュの自動調光を実現。被写体やその周囲の明るさ、フラッシュのプリ発光による反射光情報、そしてレンズの距離エンコーダーから得られる被写体までの詳細な距離情報などから、最適なフラッシュ光の調光を行います。従来のTTLフラッシュ制御において問題になった白い服や白い壁による調光アンダー、黒い服や夜景などの背景が抜けている場合での調光オーバーに対して威力を発揮します。

SSM(超音波モーター)SSM(超音波モーター)

SSM(超音波モーター) SSMは、圧電素子が取り付けられたステーター(写真右)と、回転するローター(写真左)で構成されています

SSMとはスーパーソニック・ウェーブ・モーター(超音波モーター)の略。電圧をかけると変形する圧電素子の特性を利用したモーターで、低速で大きな回転力が得られます。起動/停止のレスポンスが速いなどレンズ駆動に適した特性を持ち、モーター静粛性と相まってレンズ駆動が高速かつ静かです。駆動には、より高精度なAF駆動制御が必要ですが、SSMレンズでは、フォーカス駆動環の回転量をダイレクトに検出できる位置検出センサーを採用。AF精度を格段に向上させて、レンズ光学系の性能を十分に発揮します。

SAM(スムーズAFモーター)SAM(スムーズAFモーター)

SAM(スムーズAFモーター)

SAMレンズでは、従来ボディ側に実装されていたAF用モーターを、レンズ内のフォーカスレンズ群の近くに移動。ボディ側からのAF駆動指示に対して、レンズ内モーターがフォーカスレンズをダイレクトに回転させるため、従来のオートフォーカスより、スムーズで静かなAF駆動を実現しています。

レンズ内光学式手ブレ補正機能レンズ内光学式手ブレ補正機能

レンズ内光学式手ブレ補正機能

レンズ内のジャイロセンサーがわずかなカメラの動きを検知して、補正レンズを上下左右にシフトさせ、ブレを打ち消す方向へ光軸を曲げて手ブレを補正します。また、静粛性に優れたリニアモーターの採用など、ソニーが長年培ってきたハイエンドカムコーダーの技術を投入し、手ブレ補正機構の動作音を抑え、動画撮影時にノイズの少ない高品質な映像を記録できます。

アクティブモードアクティブモード

歩きながらの動画撮影は、カメラのブレ幅が通常より大きいため、手ブレを補正するのが困難でした。「アクティブモード」では、この大きなブレに対応し、補正レンズのスライドエリアを拡大。通常の手ブレ補正と比較して、ワイド側での補正効果を約10倍に向上させ、手持ちで動きながらの動画撮影でも、手ブレを大幅に抑制します。

防塵・防滴防塵・防滴

フィールドでの撮影で水滴やホコリの浸入を防止するため、各所にシーリング処理を施しています。 ※ 防塵・防滴に配慮した構造となっていますが、ホコリや水滴の浸入を完全に防ぐものではありません。

Lens Knowledge

レンズに関する基礎知識

焦点距離 【しょうてんきょり】

焦点距離の図解

複数のレンズから構成されるカメラレンズは、原理的には1枚の凸レンズと同じです。このレンズの中心から光が結像する焦点面までの距離を「焦点距離」といいます。焦点距離はmmで表され、距離が短いほど被写体は小さく写り、長いほど被写体は大きく写ります。また、同一の焦点距離であっても、撮像素子のサイズが異なれば、画面に写る範囲が変わります。

画角 【がかく】

レンズの焦点距離によって写る範囲は異なります。「画角」とは、レンズが焦点面に画像を写せる範囲を、角度で表したものです。画角47°前後のレンズが肉眼で見える範囲に最も近いといわれ、一般的に標準レンズと呼ばれています。また、標準レンズより画角の広いものは広角レンズ。画角の狭いものは望遠レンズと呼ばれています。

遠近感(パースペクティブ) 【えんきんかん】

「遠近感」とは、手前にある被写体と背景がどのくらい離れて見えるか、という視覚効果のことです。広角レンズになるほど、近くにある被写体は大きく写り、遠くにある被写体ほど小さく写るという特性が強く現れます。また、望遠レンズはこれとは逆に、焦点距離が長くなるほど被写体と背景の写りかたの大小の差が小さくなり、遠近感がなくなります。

F値(レンズの明るさ) 【えふち】

レンズの明るさを表す値で、レンズの焦点距離をレンズの有効口径で割った値です。また、「開放F値」とは、そのレンズの開放絞りの時のF値で、この数値が小さいほどより明るいレンズといえます。開放F値の明るいレンズは、絞りを開ければ、より大きなボケ像が得られること、ファインダーが明るく見やすいこと、そして暗いところでもより速いシャッター速度で撮影でき、手ブレを防げるなどのメリットがあります。

被写界深度 【ひしゃかいしんど】

被写界深度の比較

ピントを合わせた被写体の前後にある、像が鮮明に写っている範囲を「被写界深度」と呼びます。被写界深度はその範囲が狭い場合に「浅い」といい、広い場合は「深い」といいます。被写界深度は、絞りを絞りこむほど深くなり、開けるほど浅くなります。また、広角になるほど深くなり、望遠になるほど浅くなります。さらに、被写体との距離が遠いほど深くなり、近いほど浅くなります。

撮影倍率 【さつえいばいりつ】

被写体の実際の大きさと、焦点面に写る大きさの比を表したものです。たとえば1:1という表示のマクロレンズでは、被写体を焦点面上に実際と同じ大きさ(等倍)に写せます。倍率表示は、画面上の大きさと実際の被写体の比率、あるいは倍率そのもので表示します。被写体がいちばん大きく写る撮影倍率のことを「最大撮影倍率」と呼びます。

APS-Cサイズと35mmフルサイズの写りの違い

APS-Cサイズと35mmフルサイズの写りの違い

APS-Cサイズ撮像素子と、35mmフルサイズ撮像素子を搭載するデジタル一眼レフでは、同じ焦点距離でも写る範囲が異なります。APS-Cサイズは、35mmフルサイズに比べて撮像面が小さいので、写る範囲が狭くなり、画角が望遠寄りになるからです。APS-Cサイズ撮像素子を搭載したデジタル一眼レフで撮影する場合、35mm判換算の焦点距離イメージは約1.5倍になります。たとえば焦点距離50mmで撮影した場合、写る範囲は75mm相当になります。