法人のお客様ラージセンサーカメラ 事例紹介 映画「謎解きはディナーのあとで」ドラマ「リーガル・ハイSP」

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映画「謎解きはディナーのあとで」 ドラマ「リーガル・ハイSP」2014年3月掲載

株式会社 共同テレビジョン 様

F65の4K/HD/ハイフレームレート撮影を映画や番組制作にフル活用

映画「謎解きはディナーのあとで」でのF65による撮影風景
写真提供:株式会社共同テレビジョン様

株式会社共同テレビジョン様は、2012年にCineAlta Premium 4KカメラF65/SRMASTER ポータブルレコーダーSR-R4を導入され、映画やドラマなどのハイエンドのコンテンツ制作に本格的に活用されています。
同社 技術センター 制作技術部 副部長職 川崎淳様、同部映像/CINE機材担当 高垣知加士様、同部 ビデオエンジニア 松吉英明様 に、同社の4K制作への取り組みと、映画「謎解きはディナーのあとで」、ドラマ「リーガル・ハイSP」でのF65の活用とその成果などを伺いました。

F65 導入で、4K コンテンツ制作に積極的に取り組む

映画「謎解きはディナーのあとで」でのF65による撮影風景
写真提供:株式会社共同テレビジョン様

当社は、2012年1月の発売に合わせてCineAlta 4KカメラF65の導入を決めました。次世代映像となる4K制作に積極的に取り組みたいという意向と、具体的に映画製作のオファーが入っていたことが導入の決め手となりました。

F65の魅力は、8K CMOS イメージセンサー搭載による業界最高クラスの高解像度の画質にあります。この水平画素8Kの豊富な情報量を活かすことで、映画やCMといったハイエンドのコンテンツ制作に余裕を持って対応できる点を高く評価しました。

加えて、4Kのみならず、CM制作等で定評のあるHDCAM-SRのコーデックと同じMPEG-4 SStP(Simple Studio Profile)収録、ハイフレームレート記録による高画質のスローモーション撮影に対応していることで、より幅広いコンテンツにおいて用途や目的に応じた撮影が可能となります。

すでに、これからご紹介する映画「謎解きはディナーのあとで」や、スペシャルドラマ「リーガル・ハイSP」、バラエティ番組の撮影などでF65を活用しており、大きな成果を得るとともに、4K制作の可能性の大きさを実感し、ノウハウも蓄積しつつあります。今後もこうした実績と経験を元に高品位な映像制作をサポートするとともに、4Kライブ制作のワークフローを検討、構築していくことで、より幅広いニーズに応えていきたいと考えています。

4KとHD SStPの併用で人気ドラマシリーズの映画化を実現

バラエティ番組でのF65による撮影風景
写真提供:株式会社共同テレビジョン様

2013年8月3日に東宝系で全国公開される映画「謎解きはディナーのあとで」( 土方政人監督作品) は、4K/24p撮影が可能な点が評価されて、全編をCineAlta 4KカメラF65で撮影しました。ただ、2012年5月のクランクイン当時は、劇場用長編映画をF65RAWで制作する環境がまだ完全には整っていなかったこと、また海外ロケが主体であった点などを考慮して、4KとHD SStP(SR-SQ、440Mbps)での撮影をシーンに合わせて使い分けることにしました。

今回の作品の主舞台となっているのは、アジア最大の豪華客船として知られるスーパースター・ヴァーゴ号です。シンガポールなどの寄港地では、きれいな海や街並みなどの実景シーンを撮っていますが、こうした綺麗に見てもらいたいシーンで4Kを活用しました。また、事前に準備していったレンズでは思うような" 寄り" の映像が撮れないことがありましたが、こうした時にも、4Kで撮って後からHD切り出しすることで意図する画角の映像とすることができました。こうした映像の切り出しや引き延ばし等の加工を行っても高品質のHD画質を保持できる点が4K収録の大きな魅力であると実感しました。ドラマ部分など、残りの撮影はHD SStP記録で行いました。HDCAM-SRと同じコーデックなので、画質的にも申し分なく、監督をはじめ十分に満足してもらえたのではないかと思います。

ハイフレームレート記録によるスローモーション映像も有効でした。撮影当時は、まだ最大60コマ/秒まででしたが、現場でスローモーション映像の再生・確認ができたことはスタッフ、キャストの皆さんに大変好評でした。また、SRMASTERポータブルレコーダーSR-R1を併用することで、必要なシーンやカットをすぐに取り出して確認できたことも、限られた日数の撮影では有効だったと思います。

初めての本格運用、海外ロケ、限られた日数など、プレッシャーの多い撮影でしたが、トラブルもなく無事に終了することができました。ぜひ、劇場で作品を楽しんでいただくとともに、F65による映像美も堪能していただけたらと思います。

スペシャルドラマのタイトル部のスローモーション映像に活用

映画以外の撮影で、F65への要望として多いのが、最大120コマ/秒のハイフレームレート記録によるスローモーション映像と、4K for HD、つまり4Kで収録した映像からHD 映像を切り出して放送などに活用したいというニーズです。

特に、スローモーション映像は、ドラマのタイトル部などによく使われますが、専用のスローカメラを用意することでコストが膨らんでいました。しかし、F65を使えば、120コマ/秒のハイフレームレート記録に対応しているため、1台でスローモーション映像も撮影できます。

2013年4月13日にフジテレビ系列で放送されたスペシャルドラマ「リーガル・ハイSP」のタイトル部に使われているスローモーション映像はF65で撮影したものです。往年のモノクロ映画のようなタッチで、そこに順次現れる出演者の動きが、きれいなスローモーションで仕上げられた作品です。

専用のスローカメラを使わずに、最大5倍速(24p 撮影時) のスローモーション映像を撮影できる点が高く評価されました。F65の活用方法の一つとして、今後も要望が増えるのではないかと思います。

一方、4K撮影/HD切り出しは、収録後に演出に沿って多彩にHD映像として活用する用途が想定されます。「謎解きはディナーのあとで」でもご紹介した、" 寄り" の映像に活用する方法です。たとえば、音楽番組などで4K 収録後に、特定のアーティストの表情をクローズアップしたいといった要望にも、4K収録してあれば、HD切り出しすることで対応できます。事前に、細かなカメラ配置や、オペレーションを設定せずに多様な画づくり、演出ができる可能性があるのではないかと思います。

当社は、今後もF65を使った4K制作や4Kクオリティーの活用を積極的に提案し、より高精細で魅力的なコンテンツ制作を推進していきたいと思います。同時に、それと併行する形で4Kライブ制作のワークフローの構築を目指していきたいと思います。ソニーがNAB2013で提案した、4Kへのマイグレーションにも注目しており、今後の検討課題としていく予定です。

株式会社 共同テレビジョン 技術センター 制作技術部 副部長職 川崎淳 様

●昨今は4Kによる中継やロケ撮影を依頼されるケースも増えてきました。こうした場合、CCUオペレーションが不可欠の要素になります。CineAlta 4KカメラPMW-F55だと、すべてのデータがHDCU-2000シリーズで伝送できるようになるとのことなので、今後F65とPMW-F55との用途に応じた使い分けもが必要になるかもしれません。

株式会社 共同テレビジョン 技術センター 制作技術部 映像/CINE機材担当 高垣知加士 様

●F65の使用で、専用のスローモーションカメラを用意することなく1台でスローモーション映像も撮れることは大変有効ですが、現状はコスト的な観点からHD モニターアウトの4:2:2やSRMASTERに収録して使用することが多いです。この辺のワークフローの改善に期待しています。また、4K収録/HD切り出し運用についても多方面で提案していきたいと思います。。

株式会社 共同テレビジョン 技術センター 制作技術部 ビデオエンジニア 松吉英明 様

●映画のクランクアップ後に、F65はアップグレード(バージョン2.0)され、最大120コマ/秒のハイフレームレート記録、SR-HQモード(12ビット、RGB4:4:4880Mbps)、VEによるオペレーションが可能なカスタムモードなど、機能が一層強化されました。より幅広いハイエンドコンテンツ制作が可能になると思います。

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