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光と影で魅せる、冬景色

澄み渡る空の下、
冬ならではの光景を捉える

寒さ増すほどに空気が澄んでいく冬。
この季節は風景から色彩がなくなり被写体が少なくなると考えがちですが、
澄んだ空の色や長く伸びる影、そして数々の自然現象など冬ならではの光景が多くあります。
そこで今回は光と影の対比が美しい冬の景色を切りとるコツや、
表現の幅が広がる描写力に優れたレンズを風景写真家 福田健太郎氏にお聞きしました。
あなたもαで、冬でなければ撮れない写真を楽しんでみませんか。

風景写真家 福田健太郎
福田健太郎さん

1973年、埼玉県川口市生まれ。日本写真芸術専門学校卒業後、写真家・竹内敏信氏のアシスタントを経てフリーランスの写真家として活動を開始。日本を主なフィールドに、「森は魚を育てる」をキーワードとした生命の循環を見つめ続けている。公益社団法人 日本写真家協会会員

福田先生の冬の撮影 3ヵ条

01 撮影の準備と注意点

冬の撮影は帽子や手袋などの防寒対策が欠かせません。カメラの操作がしやすいように、薄手の手袋の上から指なし手袋を重ねて着用するのがおすすめ。気温が低いとバッテリーの減りも早いので予備バッテリーは必須。少しでも長持ちさせるなら、予備を胸ポケットに入れて温めておきましょう。また、撮影後はレンズの結露に注意。暖房の効いた車内や部屋ではカメラをすぐに取り出さず、カメラケースやラッピングクロスに包んだまま1,2時間放置しましょう。

* 予備バッテリーとラッピングクロスは本編の後半でご紹介しています

寒い所ではバッテリーの減りが早いため予備バッテリーは必須。撮影後は結露を防ぐため、ラッピングクロスなどに包んで1,2時間放置。
  • 寒い所ではバッテリーの減りが早いため予備バッテリーは必須
  • 撮影後は結露を防ぐため、ラッピングクロスなどに包んで1,2時間放置

02 カメラの設定

クリエイティブスタイルで空気感を表現

透き通るような冬の空気感を生かすなら、クリエイティブスタイルの「風景」「ビビッド」が有効です。シャープネスが効き、彩度も高まり、メリハリある画づくりができます。逆に温もりを表現するなら「夕景」で暖色を強調するのも手です。

クリエイティブスタイル:ビビッド クリエイティブスタイル:ビビッド
クリエイティブスタイル:夕景 クリエイティブスタイル:夕景
ホワイトバランスでイメージに近づける

ホワイトバランスを「太陽光」にすると青みがかり、寒さや静けさを強調できます。「日陰」なら黄色みが増し、暖かい印象に。ホワイトバランスは微調整もできるので、自分のイメージに合わせて色味を調整してみましょう。

ホワイトバランス:太陽光 ホワイトバランス:太陽光
ホワイトバランス:日陰 ホワイトバランス:日陰
ISO感度は上げすぎに注意

夕暮れどきなどの暗いシーンの撮影は、ISO感度を上げ過ぎてしまうとノイズが多くなり、空のグラデーションがにごってしまいます。その場合は三脚を使い、手ブレ対策をした上で、ISO200くらいの低感度で撮影すると空の階調をなめらかに表現できます。

シャッター速度6秒 F値11 ISO感度200 シャッター速度6秒 F値11
ISO感度200
“雪”撮影のワンポイント

雪の撮影は「白とび」しやすいので一度試し撮りし、プレビューのヒストグラム表示で白とびしていないか確認。白とびしていたら、露出補正を少しマイナスに調整してみましょう。

撮影結果をヒストグラム表示で確認すると「白とび」している所が黒く点滅する 撮影結果をヒストグラム表示で確認すると「白とび」している所が黒く点滅する
※画像はイメージです
「白とび」の確認方法
  1. 撮影結果を再生ボタンで表示
  2. DISPボタンを数回押してヒストグラム表示に
  3. 「白とび」している所があれば点滅するので、露出補正をマイナスにして再度撮影

03 冬ならではの被写体

冬は空気が澄んでいるので空の青さがまず違います。都市風景なら、逆光で地上の風景をシルエットにし、澄んだ空の色と対比させると面白い作品になります。また陽が低いため、長く伸びた影も格好の被写体です。身近な公園では、池に張った氷や落ち葉についた霜などの現象も発見でき、マクロレンズを使うと印象的な写真が撮れます。自然風景としては霧氷できらめく樹木や、海・川の朝もやなども幻想的。冬ならではの光景を見つけて撮影を楽しみましょう。

キットレンズでも、視点や撮り方を工夫すれば幻想的な作品に
雪原に長く伸びた影を印象的に(Aマウント DT 16-50mm F2.8 SSM) 雪原に長く伸びた影を印象的に(Aマウント DT 16-50mm F2.8 SSM)
朝日で赤く染まる雪山を狙う(Eマウント E 18-55mm F3.5-5.6 OSS) 朝日で赤く染まる雪山を狙う(Eマウント E 18-55mm F3.5-5.6 OSS)

αオーナーの冬景色をご紹介

作品を見ることは、写真上達の一歩です。冬景色の撮り方は他にもいろいろあるので、
αcafeなどで他のαユーザーの作品も参考にしながら撮影を楽しみましょう。
αオーナーの冬景色01
αオーナーの冬景色02
αオーナーの冬景色03
αオーナーの冬景色04

αオーナーの皆様が表現された冬景色(αcafeより)

αcafeの作品を見る
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福田健太郎氏が解説!
冬景色の撮り方とレンズ選び

冬景色といってもそのモチーフや表現の仕方はさまざま。そこで福田健太郎さんならではの着眼点や切り取り方、それを表現するためのレンズ選びについて解説してもらいました。あなたの表現したい冬景色はどれですか。ぜひ参考にしてみてください。

シャープな
広角描写で魅せる、
凍てつく空気

シャッター速度1/50秒 F値11 ISO感度200

これは川面にはった氷が海に流され、河口に打ち上げられた光景です。この凍てつくような空気感と氷の質感をシャープに表現するためVario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSSを使用。ざらざらとした霜の粒や氷の硬質感まで繊細に再現できているのが分かると思います。さらにレンズを広角側にしてローポジションで撮影することで、遠近感を強調したダイナミックな構図を演出。手前の氷が自然と朝日へ視線を導くように配置も工夫しています。

陽の光をストレートに
表現できるのも魅力

Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSSは太陽をストレートに表現できるのも魅力。太陽を正面から写そうとすればフレアやゴーストが出てしまうものですが、船上から撮った夕日の作品も一切フレアが出ていません。逆光に強く抜けのよい描写で黒が引き締まり、主役の夕日が際立っています。こうした逆光耐性が、想像以上に表現の幅を広げてくれるはずです。

シャッター速度1/1000秒 F値5 ISO感度100

立体感ある表現で伝える、
野生の息づかい

シャッター速度1/160秒 F値7.1 ISO感度500

海外からもわざわざ見に来る人がいるという温泉猿。なんとも心地よさそうで人間くさい猿の表情を際立たせるため、ふわりとした毛並みの一本一本まで描写できるVario-Sonnar T* DT 16-80mm F3.5-4.5 ZAを選択。この毛が立体感をもって細やかに表現できるかで、画から伝わって来る臨場感が変わります。また16mmの広角描写を生かして表情に大きく寄りながらも、周囲の状況が分かる構図に。猿までの距離は1mもありません。液晶モニターを使ってのライブビュー撮影で、猿と目を合わせないように注意しながら撮影しました。

スナップで切り取る、
冬のコントラスト

シャッター速度1/125秒 F値11 ISO感度100

山の麓で偶然見つけた、心惹かれる光景をVario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSSでスナップ的に切り取りました。整然と積まれた木材一本一本の様子を細部まで写し取るため、絞りをF11まで絞りこみ、被写体のほぼ正面から撮影。レンズの性能が十分に発揮され、画面周辺まで歪むことなく、年輪の様子や凹凸まで表現されているのが分かると思います。さらに、陽が当たった部分の純白に近い白から、陰影によるわずかな白の違いまで表現でき、雪の立体感が損なわれていません。こうした階調豊かな表現力もこのレンズの強みだと思います。

透明感ある描写で残す
雪景色

シャッター速度1/1250秒 F値8 ISO200

この写真は、広大な雪景色のなかに淡々と佇む防風林をシンプルな構図で撮ることで、その場で感じたわびしさを率直に表現してみました。風景の一部を切り取るのではなく、素直に見たままの風景を残したい時に、自分の視野に近い画角で撮れるSonnar T* E 24mm F1.8 ZAはおすすめです。ツァイスならではのシャープで抜けの良い描写は、澄んだ空気感を表現するのにも最適です。

こうしたシーンは、白とびしてしまうと雪の質感が残らず奥行き感がでないため、ヒストグラム表示で確認しながら撮影。雪原からの照り返しも強いのでファインダーがあると便利です。

克明に捉える、
自然の躍動感

シャッター速度1/2000秒 F値11 ISO250

水蒸気を噴き上げ、今も活動を続ける活火山。勢いよく噴き出す水蒸気の振動を体で感じながらシャッターを切りました。山の稜線を入れつつ、荒々しい岩肌のディテールまで再現したかったので、カメラは解像感を重視してα7R、レンズは周辺までシャープに描写できる55mmの標準レンズSonnar T* FE 55mm F1.8 ZAを選択。

水蒸気は風に吹かれてどんどん形を変え、それによって画面の明るさも常に変化するため、Mモードで露出を固定して撮影しました。もちろんAUTOモードでも撮影できますが、シャッターを切るたび露出が振られ、せっかくのシャッターチャンスを意図した露出で撮影できない可能性もあるので、失敗を防ぐテクニックとしてもおすすめです。

望遠で切り取る、
静寂な朝の光

シャッター速度1/200秒 F値8 ISO感度200

180度雪山が広がるパノラマ風景。その中で霧氷をまとったカラマツに、奥の山間から朝日が差した瞬間をFE 70-200mm F4 G OSSで引き寄せました。太陽が昇ってくるのはあっという間で、明暗の様子もどんどん変わっていきます。さらに、霧氷は太陽が当たるとすぐに溶け始めてしまうため、撮影は時間との勝負。このレンズには手ブレ補正機能が付いていますが、万が一ブレると二度と撮り直しできない状況だったので三脚を使用しました。ピントは手前のカラマツに合わせて、F8まで絞り込んで撮影。霧氷に覆われた枝の一本一本までしっかりと解像しているのが分かると思います。クリアな澄み切った空気感を表現するのに、このレンズの解像感は大きな武器になります。

主題の氷柱をより強調させる

こちらの写真も望遠レンズの引き寄せ効果を使って、撮影したもの。氷の質感を高めるためF16まで絞り込み、氷全体にピントを合わせています。背景となる水の流れは、スローシャッターで滑らかに描写することで静かな印象に仕上げ、主題の氷柱を際立たせています。また、撮影場所は日陰だったのでホワイトバランスを太陽光に設定し、写真全体を青っぽくさせ、氷の冷たさを表現しました。周囲は足場も悪く、被写体には近づけない環境。そのため望遠ズームで、氷をクリアに表現できるFE 70-200mm F4 G OSSが最適でした。

シャッター速度1.3秒 F値16 ISO感度50

マクロで繊細に切り取る、
霜の結晶

シャッター速度1/100秒 F値4 ISO感度200

放射冷却でぐっと冷え込んだ日は、落ち葉を細かく観察すると霜の結晶を発見できます。日の光できらめく瞬間を撮るのであれば日向の落ち葉を狙うのですが、今回は霜の結晶そのものを捉えるために日陰の落ち葉を選んで撮影。しかし日陰にあるといっても、少し手をかざしただけで溶けてしまうほど結晶は繊細です。そこで100mm F2.8 Macroを使用して、自分の体温が伝わらない少し離れた場所から三脚を立てて狙いました。被写体に近づけないけど大きく撮りたいときは、やはり望遠マクロレンズが活躍します。また開放F2.8と明るくぼけやすいのも特長。今回は前後を少しぼかすことで、自然と中央の結晶に目がいくよう絞りを調整しました。

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冬の撮影におすすめの
レンズ&アクセサリー

■ 撮影中のレンズ交換すら厳しい寒冷地では、幅広い焦点距離を一本でカバーするズームレンズが便利

広角側で周りの風景も取り入れる

広角側で周りの風景も取り入れる

望遠側でダイナミックに表現

望遠側でダイナミックに表現

※写真はイメージです。

Eマウントレンズ(APS-C対応)
E 18-200mm F3.5-6.3
OSS
SEL18200
SEL18200

光学約11倍の高倍率ズームを実現。静止画だけでなく動画撮影時でも静かでなめらかな高速フォーカスが可能

商品情報
Eマウントレンズ(フルサイズ対応)
FE 24-240mm
F3.5-6.3 OSS
SEL24240
SEL24240

光学10倍の高倍率ズームを実現したフルサイズ対応レンズ。リニアモーターを採用し、高速かつ静粛なフォーカスが可能

商品情報
Aマウントレンズ(APS-C対応)
DT 18-250mm F3.5-6.3
SAL18250
SAL18250

光学約13.8倍の高倍率ズームを実現。質量約440gの軽量・コンパクト設計で持ち運びやすさにも配慮

商品情報

カメラやレンズを手軽に保管&
持ち運ベるラッピングクロス

ラッピングクロス LCS-WR1AM

ラッピングクロス

LCS-WR1AM

(サイズ約500×500mm)

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ラッピングクロス LCS-WR2AM

ラッピングクロス

LCS-WR2AM

(サイズ約350×350mm)

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バッテリーの減りが早くなる寒い場所での撮影には必須

Eマウント
リチャージャブルバッテリーパック NP-FW50

リチャージャブルバッテリーパック

NP-FW50

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Aマウント
リチャージャブルバッテリーパック NP-FM500H

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NP-FM500H

商品情報
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X9000E

プリントとはひと味ちがう、
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X9000Eシリーズ
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