Vol.26 SCANDAL

Vol.26 SCANDALインタビュー

バンド結成記念日であり、ドラムのRINAのバースデイでもある8月21日に、今年もOTODAMA SEA STUDIOでワンマンライヴを開催したSCANDAL。7月16日には、『ポケモン・ザ・ムービーXY「破壊の繭とディアンシー」』主題歌「夜明けの流星群」を19枚目のシングルとしてリリースし、秋にはSCANDAL LIVE HOUSE “10”DAYS「急に来てもらってゴメン。2014 〜新曲やるから聴いてよ〜」開催決定と、今年も疾走を続けている。
Music Unlimitedのインタビューには2度目の登場となる彼女たち。さらなる進化を遂げたMusic Unlimitedに触れての感想も、たっぷり語ってもらった。

結成記念日である8月21日。今年もOTODAMA SEA STUDIOでワンマンライヴを

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———OTODAMA SEA STUDIOでのワンマンライヴは今年で3回目ですね。このイベントの魅力をどう感じていますか?

HARUNA 海のすぐ前っていうのが一番の魅力だと思います。すごく開放的な気持ちになるところでライヴが出来て、この夏の思い出が出来る瞬間を味わえるという感じがしますね。私たちにとっては、今年も、バンド結成の日である8月21日にライヴをやらせていただいているということもスペシャルなことです。
MAMI ステージが砂浜のど真ん中にあって、ライヴをしている間も波の音が聞こえてきたり、お客さんの中には水着で準備万端な方がいたり、めちゃくちゃ夏を実感できるライヴなので、毎年楽しみなんです。ライヴが終わった後は、私たちもみんなで乾杯したりして、夏の夜を味わっています。
TOMOMI 夕方からライヴが始まるので、曲が進むにつれて日が沈んでいって、少しずつ外が暗くなっていく様子が、ステージからも見えるんです。それがとても気持ちよくて、ビーチでやってるんだなという感じがしますね。
RINA 私にとっては8月21日のライヴというのがすごく大きなポイントです。バンドを結成して楽器を始めた日でもあるし、私の誕生日だし。いろいろなスペシャルが詰まった日に、毎年同じイベントでライヴができるというのはすごく幸せなことだなぁと、毎年思っています。

———OTODAMA SEA STUDIOは今年10周年なんですよね。

HARUNA SCANDALも今日(8/21)で8周年を迎えたんですけど、長く続けるということはやっぱり大変なことで、バンドをやっていると1年1年の積み重ねが本当に大事なんだなと感じています。だから、私たちよりも2年先輩になる「音霊」は本当にすごいですよね。
TOMOMI 10周年はただただリスペクトです。私たちも8年の間にいろいろあったけど、OTODAMA SEA STUDIOも10周年を迎える今でも、みんなに愛されている場所であることに凄く尊敬しますし、今年から由比ヶ浜に場所も変わって、さらにたくさんの人が集まるんだろうなと思います。これから始まるライヴが楽しみです!
MAMI 10周年という記念の年にライヴが出来るのは嬉しいし、もうここでライヴしなきゃ夏じゃないという気持ちになってるよね。
RINA しかもワンマンですからね。夏のフェスなんかでは、一日に何ステージもあって、タイムテーブルをチェックしながら誰を見に行くか選ぶシステムがほとんどだと思うんです。その点、OTODAMA SEA STUDIOはカレンダーを見ながら、お客さんはみんな、どの日のライブを見るか選ぶスペシャルなイベントだなって思います。

———SCANDALにとっての8年はどんな月日でしたか?

HARUNA しっかり8年分、一瞬一瞬を大事にしてこられたと思っています。振り返ってみたら、早くも長くもなかったという感じですね。
MAMI 結成当時、メンバーは中高生だったので、青春を全てバンドに注いでやっていました。でも、15歳だったRINAが今日で23歳になるんだって思うと、意外と早かったのかもなと。とにかく毎年がぎっしり詰まっていた8年でした。

最新シングル「夜明けの流星群」は、映画『ポケモン』最新作の主題歌

———7月16日に、映画『ポケモン・ザ・ムービーXY「破壊の繭とディアンシー」』の主題歌である「夜明けの流星群」がリリースされました。この曲は、みなさんにとってどんな曲になりましたか?

MAMI TOMOMIが作詞を担当したんですが、映画の台本を読ませてもらって、そのストーリーの続きをイメージできるような歌詞を書いてくれました。他の3人も台本を読んだ上で演奏したので、詞の世界がイメージできたし、映画を観るのがすごく楽しみになりました。『ポケモン』映画って、今のお子さんにとって人生で初めての映画になるって子も多いと思います。私たち自身も、『ポケモン』映画を小学生や幼稚園の頃に観て、主題歌を覚えて学校のみんなで話してというコミュニケーションの中心だったので、今回、SCANDALがそこに仲間入りできたというのは嬉しかったです。
TOMOMI ストーリーをイメージしつつ、映画が夏休みに公開されるということで、自分にとっての夏休みってどんな時間だったのかなと想像しながら詞を書いていきました。1ヶ月ちょっとの短い間にいろいろな体験をして、どこか強くなったり大きくなったりできる特別な時間が、夏休みだと思うんですよね。なんだか気合いが入る季節というか、マジックがある季節だと思うので、映画を観て楽しむのとともに、今年の夏は何かにチャレンジしようと思ってもらえるような詞になったらいいなと。子供はもちろん、大人になっても、その気になれば自分を変えることができる季節だと思うんです。

HARUNA ピカチュウとサトシの絆を描く作品の主題歌なので、レコーディングの時はそこにバンドの絆を重ね合わせたりしました。これまでの8年間を思い出しつつ、メンバー同士の繋がりをもっともっと強くしていきたいという気持ちで歌ったので、SCANDALとしての想いも伝わる曲になったと思います。
MAMI 映画の完成披露試写会で、劇場に来てくださったファミリーのみなさんに向けて演奏させていただいたのが、すごく印象に残っていて。バンドのセットが出てきた時は、お子さんたちは、「何が始まるんだろう?」って感じだったんです。そしてガンと音を鳴らしたら、みんな最初は驚いたみたいなんですけど、だんだんリズムに乗ってきてくれて。お母さんの膝の上で体を揺らしていたり、いい笑顔で聴いてくれていたり、私たちにとってもすごく新鮮な体験でした。バンドの音に初めて触れたお子さんたちに、SCANDALの「夜明けの流星群」ってかっこいいな、好きだなって思ってもらえたら、すごく嬉しいことですね。
RINA 私は幼い頃から映画が好きで、家族と一緒によく映画館に行っていたんですけど、その頃に見た『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』は、子供ながらにグッとくるものがあって。今回の『破壊の繭とディアンシー』を見たお子さんも、きっとあの頃の私のように心が動くシーンがたくさんあるんだろうなと思いました。感動した映画と主題歌はセットで覚えていることが多いと思うので、やがて大人になってから、あの時、「お父さんお母さんと初めて映画館に行ったなー」「ディアンシーかわいかったな」って思い出すのと同時に、SCANDALの「夜明けの流星群」が頭の中に流れたらステキですよね。そんな時、私たちがまだ現役でツアーを回っているようなバンドでいられたらいいなと。

「ポケモン言えるかな」の歌詞は、子供の頃に完璧に覚えました(笑)

———「夜明けの流星群」の完全生産限定盤には、カップリング曲として「ポケモン言えるかな」が収録されていますが、なんとレコーディングは一発OKだったそうですね。

HARUNA はい。私たちが小学生の時、学校ではあの曲がちゃんと歌えないとみんなの仲間に入れないくらい流行っていたので、私たちの世代は多くの人が歌える歌なんです。年上のスタッフはみんな、すぐに歌えてびっくりしてましたけど(笑)。
MAMI 子供の頃は、この歌をいかに早く覚えるか、競争になってたよね。
TOMOMI そう。だからすでに体に染みついているんです(笑)。聴き直すと、早口で歌わなければいけないし譜割りは複雑だし、すごく難しい。子供の頭だったからこそ、覚えられたのかなと思います。実際、レコーディングで私たちが歌う「ポケモン言えるかな?」を、幼稚園に通うマネージャーの子供が聴いていたんですけど、一回聴いただけで途中まで覚えられたんですよ。子供はすごいなーって思いました。
RINA 私たちも子供の頃に覚えてなかったら、今回のレコーディングでは簡単に歌えなかったと思います(笑)。
MAMI ちっちゃい頃に覚えたメロディや歌詞は頭の中に残り続けるんだって改めて感じましたね。

———「途中でラップ調になったり、面白いセリフが入ったりして、みなさんノリノリで歌ってましたね(笑)。

HARUNA はい、ノリノリです(笑)。
RINA セリフも全部通して一回で録ったんですよね。「大阪弁でよかった〜」って思いました。
一同 (笑)

———そして、ポケモン盤意外の盤には共通のカップリング曲として「Your song」も収録されています。こちらは、NHKワールドの番組『J-MELO』のエンディングテーマで、世界45の国と地域から寄せられたメッセージをもとに、SCANDALが詞を書き下ろしたそうですね?



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HARUNA 『J-MELO』は世界に向けて日本の音楽情報を発信する番組で、その中で、「皆さんが大切にしている、忘れられない言葉やフレーズはなんですか?」「それは誰から言われた言葉ですか?」をテーマにメッセージを募集したんです。たくさんの言葉の中から印象に残ったものを選んで、詞を書いていきました。
RINA 「一番大事な時に、大切な人が自分のそばにいてくれるとは限らない」という言葉があって、すごく真実だなと思ったんです。リアルだからこその毒が入っているなって。それをもとにツアー中に曲を作っていきました。本番前のリハーサルでアレンジを詰めたり、ホテルに帰ってメロディを作ったりしながら完成させた曲です。韓国のフェス(仁川ペンタポート・ロック・フェスティバル2014)のステージでも、この曲を演奏したんですが、海外のみなさんは番組を見て知ってくださっていたみたいで、ものすごく盛り上がりました。世界のどこに行っても胸を張って演奏できる曲ができた!と思って、すごく嬉しかったです。
MAMI ライヴではみんなで歌いたいと思って、アレンジを変えて声出しをしてもらうパートを作りました。私たちも歌っていて気持ちいいし、お客さんが手を挙げてくださっている瞬間を見るとテンションが上がるし、すでにライヴでは欠かせない曲になっています。
HARUNA 音霊でも、もちろんやります!(笑)
TOMOMI みんなの反応が楽しみです。

メンバーで曲作りをするようになってから、絆がより強くなりました

———9月には10DAYSのライヴがありますね。タイトルは「急に来てもらってゴメン。2014〜新曲やるから聴いてよ〜」と面白いし内容が気になります。

HARUNA タイトルそのままで、まだ全く表に出していない新曲をやる予定です。
RINA 新曲をいろいろと作っている最中にライヴタイトルを発表したので、どんな曲が何曲くらい完成するのか最初は全く見えてなくて(笑)。でも、今はやる曲がほぼ決まり、ライヴに向けて仕上げていってるところです。
HARUNA ついこの間、演奏する曲が全て決まりました。どの曲もメンバーで作っているので、今までやってきた曲とはメッセージの内容や伝え方が違っていて。曲調はいろいろあるんですが、どれも、自分たちの想いをより届けられる曲になっていると思います。

———「Your song」も作詞作曲がSCANDAL名義でしたが、メンバー内では、どうやって曲作りをしていくんですか? みんなで集まって実際に楽器を鳴らして作っていくという感じなのでしょうか?

MAMI そうですね。みんなで集まって話し合いながら、まずは1コーラスを形にしてみて、そこから肉付けしていく感じですね。間奏ではこういうソロが来るといいな、とか。「Your song」の場合は、けっこうすぐに形ができました。


RINA 自分のパートは自分で作るという、バンドとしてはスタンダードな作り方をしていると思います。私の場合は「ドラムから始めるから、みんな適当に乗ってきてみて」とか、セッションから形にしていく感じです。
TOMOMI ギターのリフはこんなのがいいんじゃないかとか、ベースラインはこんな感じとか、いろいろなところから入ってパーツを組み合わせていく感じですね。

———たまに意見がぶつかって、やり合うようなことはあるんですか?

RINA 全くないですね(笑)。
MAMI 疲れるじゃないですか、そういうのって(笑)。
HARUNA その場で出てくるアイディアも、みんなが「こういう曲が出来たよ」って持ち寄ってくる曲も、どれも大好きになれるんですよね。曲作りを始めて、よりメンバー同士の絆が深まった気がしますし、方向性の違いでぶつかることは、これからもないだろうなと思います。
RINA 全部やりたいって思うよね。メンバーが作ってきた曲で、やりたくない曲、嫌いな音楽はないです。

———では、9月の新曲中心のライヴも、すごくいい内容になりそうですね。

MAMI そうですね。すっごい楽しみです。
TOMOMI 今からドキドキしてます(笑)。


曲数も機能もさらに進化したMusic Unlimited。「楽しくて、夜更かししてしまいそうです」

———みなさんには2013年早々に、Music Unlimitedを体験していただきました。その当時は約1000万曲だったラインナップが、今では2000万曲になり、有名アーティストやDJ、音楽評論家といった方々の選曲が楽しめる「オススメプレイリスト ポータル」や、TwitterやFacebookへのシェア機能といった新機能も加わりました。

MAMI おお、すごーい(笑)。
RINA 曲数も増えたし、いろいろなアプローチが増えて、Music Unlimitedが持つ可能性がさらに高まったという感じですね。2000万曲って、数が多すぎて全然実感できません(笑)。
MAMI 一生聴いても聴ききれないんじゃない?
TOMOMI しかも聴いている間に、これからもどんどん曲が増えていくだろうし(笑)。
MAMI だからこそ、いろいろな人のオススメとか、このアーティストの曲が好きなら、こっちはどう? と関連づけてくれる機能が大事になってくるんですよね。音楽がどんどん繋がっていくという感覚は楽しいです。
RINA すごいよね。(端末を手に取って)SCANDALからはどんなふうに音楽が広がっていくのかな?
MAMI ユーザーがどんな曲を好きになって聴いているのか、学習機能があって、たとえばSCANDALの「HARUKAZE」が好きな人にはこんな曲、みたいにアプリが判断して教えてくれるのがいいですよね。
TOMOMI 曲から曲に繋がっていって、いろいろなアーティストを知ることができて、操作を始めると止まらないです。夜更かししてしまいそうですね。
MAMI 携帯やパソコン、プレステといろいろな機器から一つのIDで入っていけるのも便利ですね。MAMIとTOMOMIは最近、免許を取ったんですけど、携帯とカーステをbluetoothで繋いだら、携帯一つでずっと好きな曲を楽しめるってことで、めっちゃいい(笑)。
HARUNA FUJI ROCKとかSUMMER SONICとか夏フェス毎のチャンネルもあるんですね。フェスの予習にも使えそう。
RINA うん、これはすごく便利。
(話している間にも、どんどん曲を再生していくメンバー。HARUNAのセレクトでダンスミュージックに)

———みなさん、普段聴く音楽のジャンルは違うんですか?

HARUNA 4人で全然違います。

MAMI 私は、普段はけっこうハードな音が好きです。基本的には歪むギターサウンドがバンドだって思いが最初からあったから、そういうのは抜けないですね。あとは、バンド力だけで曲に説得力を持たせるようなシンプルなサウンドのロックも、好きでよく聴いています。
RINA 私は歌詞を読むのが好きなんで、邦楽を聴くことがめちゃめちゃ多いです。最近やったらクリープハイプとか。ガールズバンドでは、チャットモンチーがずっと好きです。もう抜けてしまったんですけど、高橋久美子ちゃんの大ファンで、彼女が出した本も読んでいます。

———HARUNAさんはどうですか?

HARUNA (端末を操作するのに夢中になっていて)えっ?
MAMI HARUNAが好きなのは、今流れているような曲です(笑)。
HARUNA そう(笑)。前はダンスをやっていたので、マイケル・ジャクソンとか、アース・ウインド・アンド・ファイヤーとか、ダンスミュージックが今でも好きです。音楽の聴き方はバンドをやっている今も、昔と変わってないですね。バンドサウンドも聴きますけど、ルーツというか、自分の体になじんでいるのはダンスミュージックです。
TOMOMI 私はもともとファンク系の音楽が好きで、Pファンクとかよく聴いています。たぶんループする音楽が好きなんだと思うんです。七尾旅人さんの「サーカスナイト」とか、ブラックミュージックの匂いがするループ物をよく聴いてますね。でも、他のジャンルもなんでも好きで、けっこういろいろ聴きます。
HARUNA Music Unlimitedがあるとメンバー同士でも音楽の話が広がりますね。こういう曲が好きというサンプルが、すぐに出てきてくれるから。あまりがんばって検索しなくても、目当ての曲にたどり着けるのがいいですよね。

———曲のアイディアを話し合う時とかにも使えそうですね。あの曲のこんな感じとか、メンバーで話し合うことがあるんじゃないですか?

MAMI 凄くありますね。曲のアイディアは、ギターで実際にフレーズを弾いてみたり、ドラムのパターンを作って送ったり、いろいろな形で出し合うんですけど、「この曲みたいな感じで」と、具体的な曲を挙げてコピーするところから始まることもあるんです。そんな時、Music Unlimitedがあればすぐに確認できそうです。