Optical Disc Archive
オプティカルディスク・アーカイブ
「アーカイブといえばテープ」は過去の常識。光ディスク新時代へ
キーマンズネットに2016年3月31日に掲載された記事より転載しております。
掲載されております内容は掲載日または更新日時点のものです。

基幹システムや業務システムの帳票に操作履歴、監視カメラから収集された映像データ、Webサイトのアクセス履歴……、いずれも保存してから時間が経過するにつれ使用頻度が低くなるが、消去するわけにはいかないデータだ。いわば「利用するアーカイブ」であるこれらのコールドデータは、4K、ハイレゾといった新たな規格、またIoTの隆盛などを背景に今後ますます増加することが予測されている。

このような中、従来のアーカイブ媒体として主流だったLTOから光ディスクへの移行が始まっている。米大手SNSのデータセンターでも光ディスクアーカイブライブラリーの採用が始まっており、そのリリースに注目した方もいるのではないだろうか。本記事では、大幅なTCO削減を実現するという光ディスクアーカイブの中から、ソニーの「オプティカルディスク・アーカイブ」を取材した。


データテープ(LTO)に代わる新しいアーカイブ

メディアコストならLTO、アクセス性ならHDD、しかしマイグレーションは……
従来、バックアップ媒体としては、保存コストの観点からLTOが広く選ばれてきた。とはいえ、温度や湿度が適切に保たれた保存環境が必要な点、アクセス性は決してよいとは言えない点など課題も多かった。逆にアクセス性に優れたHDDは、長期保存となると容量単価がはね上がり、こちらも現実的とは言い難い。
更に、いずれの媒体も経年変化・保守サポート対策としてマイグレーションが必要だ。数年ごとにファイルを複製する手間と、管理にかかるコストは軽視できるものではないだろう。



容量、コスト、速度……、すべてを満たす最適解は
このように、どの手法をとっても課題があるという中で注目されているのが、低コスト化、大容量化が進んだ光ディスクだ。耐久性に優れている上、マイグレーションが不要というその性質は、コールドデータが求める長期保存の要件にマッチする。




メリットが認知された新しい光ディスクアーカイブ
現在、業務用光ディスクメディアは、放送業界を中心に映像データのアーカイブ用途として普及している。そして今、映像に限らずデータが大容量化し、どの企業でも「利用するアーカイブ」のニーズが高まっている。このため、光ディスクのメリットが一般企業にも周知されてきており、導入が始まっているというのが現状だ。

ソニーの「オプティカルディスク・アーカイブ」は、1カートリッジに最大12枚のディスクを格納し、1ユニットで1.5TBという大容量を実現している。放送業界のデファクトスタンダードである同社の放送業務用機器「XDCAM」の光ディスク技術を継承した、検索性に優れたアーカイブメディアだ。





光ディスクアーカイブの3つの優位性

【1】圧倒的な高速処理とストレスのない使い勝手
では、光ディスクアーカイブの優位性をまとめていこう。まず挙げられるのは、圧倒的な高速データ処理だ。2016年度発売の「オプティカルディスク・アーカイブ第2世代」の場合は、1枚の光ディスクを合計8チャンネルのレーザーで読み書きすることで、平均2Gbps(250MB/s)の読み出し、ベリファイ記録時で最大1Gbps(125MB/s)の書き込み速度を実現するという。更に、約25秒でIndex情報の表示、10秒でメディアをドライブから取り出すことができるなど、必要なデータの抽出が極めて簡単に行える。



【2】マイグレーションフリーで50年、低コストで長期保存
ひとたび光ディスクに書き込めば、あとはマイグレーションなしで50年の長期保存が可能だ。LTOの場合、初期導入コストは低いが、6年目以降に発生するマイグレーションコストが高額となる。1年目から7年目までの費用を試算すると、光ディスクが約1140万円なのに対しLTOは約1460万円(※)。マイグレーションを重ねる度にこの差は更に広がっていく。
(※)75TB/年増加、オプティカルディスク・アーカイブ:10円/GB、LTO:3円/GBとして試算。2016年 ソニービジネスソリューション

また、光ディスクは後方互換性も高い。CDがブルーレイディスクプレーヤーで今でも難なく再生できることからもお分かりいただけると思うが、将来の規格変更で予期せぬコストが発生するリスクも少ないのだ。



【3】空調コストを削減できて、TCOは更に優位に
温度や湿度にさほど気を使う必要がないのも光ディスクの優位性だ。LTOなら常に16度〜35度で保存しなければならず、将来にわたり空調コストを見込む必要がある。これに対し光ディスクの耐性は-10度〜55度。通常のオフィス環境でそのまま保管できる、非常にランニングコストが安いメディアなのだ。しかも拡張型ライブラリーシステムでは、約1.7PBのデータをわずかドライヤー1本以下(700W程度)の消費電力でオンライン管理できる。大規模設備においては「グリーンデータセンター」としての省エネ化にも貢献するだろう。

また、光ディスクは水没したり粉塵等に埋もれたりしても、洗って乾かせばデータ復旧ができる(※)ため、水災害などを考慮したディザスタリカバリでの用途にも適している。
(※)データの完全性を保障するものではありません。



あらゆる規模のビジネスに使える光ディスクアーカイブ

ユーザのデスク上での運用からデータセンターまで
「オプティカルディスク・アーカイブ」は、ドライブ1台のスモールスタートからデータセンター向けの光ディスクライブラリーまで、幅広い製品をそろえている。最小構成ならば1ユニットで1.5TB、オフィスのデスク上でPCとUSB接続するだけで簡単に利用開始できる。また、PetaSite拡張型ライブラリーシリーズでは、アーカイブカートリッジを最大535巻、802.5TBまで拡張可能だ。2016年度には1.7PBまで拡張され、大規模用途としても活用できる。




「オプティカルディスク・アーカイブ」に代表される光ディスクアーカイブは、検索性、保存性、TCOと多くのポイントにおいて優位性を持ち、長期保存メディアとして普及することが予想される。膨大に増え続けるビッグデータ、コールドデータ対策として、注目すべき切り札となるだろう。