法人のお客様オプティカルディスク・アーカイブ 事例紹介 株式会社 静岡朝日テレビ 様

事例紹介

オプティカルディスク・アーカイブ
お客様事例

株式会社 静岡朝日テレビ 様

HD番組と4K映像の効率的なアーカイブ、有効活用を目指して長期保存性、信頼性、後方互換性を保証するロードマップなどを評価しオプティカルディスク・アーカイブを導入、運用を開始。

  • ODS-D77U

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株式会社 静岡朝日テレビ 様

  • 岩崎充宏 様

  • 宮川 淳 様

  • 水上喜美 様

株式会社 静岡朝日テレビ様は、報道制作システムの更新に合わせて、XDS回線収録システム、XDSサーバー送出システム、そしてライブラリーにオプティカルディスク・アーカイブを導入し、2015年2月より運用を開始されました。
報道制作局 報道制作センター 技術管理部長 岩崎充宏様、同センター 技術管理部 宮川 淳様、水上喜美様に、今回の更新の目的、コンセプトやシステム選定の決め手、運用状況や評価を伺いました。
なお、記事は2015年9月下旬に取材した内容を、弊社にてまとめたものです。

ファイルベースワークフローの構築を目指して


回線収録ブース。インジェスト端末4 系統を装備し、浜松支局や下田支局、各駐在地、各地の情報カメラ、そして系列局からの素材収録を行っています。写真・右上が収録用XDCAM Station XDS-PD1000、写真・右下は収録素材の確認用端末。

今回の報道制作システム更新の背景には、デジタル放送に合わせて導入、運用を続けてきたシステムが更新時期を迎えたことがあります。更新コンセプトの柱となったのは、ベースバンドからファイルベース/ネットワーク化へのスムーズな移行という時代の要請に応えていくことでした。これは系列局を含めて他局でも取り組んでいるテーマで、当社でもXDCAMカムコーダーやノンリニア編集システムの導入などを先行して行い、検証、ノウハウの蓄積を行ってきました。

また、今回のファイルベース化プロジェクトの背景には、ライブラリーの存在もあります。約30,000 本という膨大なテープ映像資産がライブラリー室に保管されており、省スペースで効率的なコンテンツ管理を可能にするファイル化は急務となっていました。

社内プロジェクトチームで検討した結果、ファイルフォーマットはXDCAM(MPEG HD422、50Mbps)のMXFファイルとしました。実績が豊富で、評価が高く、デファクトスタンダードになっていることが一番の決め手でした。取材・収録にXDCAM HD422カムコーダーPDW-750/700を4式導入しており、今回新たに回線収録にXDS回線収録システム、そして送出にXDSサーバー送出システムを導入しました。


編集ブース。XPRI NSを採用した編集室(写真・左)などノンリニア編集室が2室とBVE-700によるリニア編集室(写真・右)2室で構成。リニア編集室には、ベースバンド素材をファイル化するためのPC端末(写真・右下)も装備されています。

また、柔軟な運用を可能にするためHDCAMカムコーダーHDW-750/730/650やエディティングコントロールユニットBVE-700を使ったリニア編集室も残しており、緊急時などにベースバンド運用も可能にしています。さらに、リニア編集室にはファイル化端末も装備し、ベースバンド素材のファイル化も可能になっています。

今回のシステム選定の決め手のひとつは、上位システムとのデータ連携など、互換性の確保に注力していただいた点も大きかったと思います。収録から編集、送出、さらにアーカイブまで、シンプルで安定性に優れたシステムを構築できました。

一方、ライブラリーについては、検討を始めた2010年頃には、大容量のアーカイブメディアとしてはLTOしか存在していませんでした。しかし、数年ごとにマイグレーションが必要なこと、テープ素材の検索や、必要とする部分へのアクセスに手間と時間を要することが難点で採用に踏み切れませんでした。

そうした時にソニーからオプティカルディスク・アーカイブが発表されました。大容量のデータを長期間保存できるだけでなく、ランダムアクセスで必要な素材にアクセスし、必要なクリップをスピーディーに取り出すことができます。さらに容量、転送速度を強化するロードマップも発表されており、後方互換性が保証されるということで迷うことなく採用を決定しました。

昼のストレートニュース、夕方の県民ニュースなどに稼働中


XDS サーバー送出システムを導入したニュースサブ。上位の運行システムとのデータ連携で、より効率的で安定したオンエアを目指しています。地域の日々の情報を伝える昼のストレートニュースや夕方の県民ニュースなどにフル稼働中です。

今回導入したXDSサーバー送出システムは、昼のストレートニュースや夕方の県民ニュースなどでフル稼働中です。昼のストレートニュースはOTC(ワンタッチコントロール)送出で行い、夕方のニュースはスイッチャーと音声担当者が立ち会いマニュアルで送出しています。基本的に上位の運行システムの送出リストに従いオンエアが行われますので、スタッフの作業負担の軽減にもつながっていると思います。運用を開始して間もない段階ですが、新しいシステムの導入で送出時の視認性が非常によくなり、状況の監視がしやすくなるなど、使いやすいと感じています。

回線収録はまだ本格運用という段階ではありませんが、今後のオペレーショントレーニング、情報の共有化でファイル化のメリットを受けられるようになると期待しています。

また、先行して導入したノンリニア編集システムのXPRI NSについては、リニア編集に慣れたエディターが多いので、より使用経験を積み、習熟度を上げていく必要があります。バージョンアップにより、リニア編集機に近い操作感とXDS回線収録システムとの連携により「追いかけ編集機能」が強化される予定です。さらに、社内での講習会などを通して運用ノウハウを蓄積し、ファイルベースならではの効率性を体験することで、魅力的な番組制作に寄与してくれると思います。

ディープアーカイブに威力を発揮するオプティカルディスク・アーカイブ


ライブラリー室にオプティカルディスク・アーカイブドライブユニットODS-D77Uを2式導入。大容量、高速データ転送、優れた検索性などから主に過去素材のディープアーカイブ用途で運用中。ビューアーで素材確認がスピーディーに、的確に行える点でも好評をいただいています。

ライブラリー室に導入したオプティカルディスク・アーカイブは、期待通りの成果を上げています。現在は、主に膨大な過去素材のディープアーカイブ用として運用しています。再利用が活発に行われるニアラインアーカイブ用の素材は、プロフェッショナルディスクに記録して棚管理しています。このように、用途や使用目的に合わせてメディアを選んでいます。

オプティカルディスク・アーカイブの魅力の一つは、大容量であることです。実際、過去の番組を収録したHDVテープ77本を1枚のカートリッジに収録できました。更新の目的の一つだった省スペースに大きく貢献しています。また、ランダムアクセスにより検索性に優れ、コンテンツ管理が効率的に行える点も魅力です。ビューアーをインストールしているので、素材の確認が容易に行えます。当社でしか保有していない過去の貴重な映像資産の再利用要望も多く、そうした際にも、スピーディーにアクセスして求められるクリップを迅速にディスクに記録して渡すなど、より柔軟な対応が可能になりました。

もちろん、膨大な過去の映像資産を少ないスタッフでファイル化するのは大変ですが、D-2、ベータカム、HDCAM、DVCAMなどのメディアをオプティカルディスク・アーカイブカートリッジやプロフェッショナルディスクに変換してくれる、ソニーの「ファイル化サポートプログラム」を利用することで効率的に行えています。

ソニーには、今後もシステムラインアップの拡充や新しいソリューションの提案に加え、こうした現場のスタッフをサポートしてくれるサービスの充実にも注力していただきたいと思います。

ファイル化サポートプログラムの詳細はこちら

2016年11月掲載
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