もっと近づいて見たくなる。
4Kの高精細がテレビの見かたを変える。

大人なら誰しも、まぶたの裏に浮かぶ大切な映像があるはずです。あの頃の感動はそのままに、あの頃は見えなかったところまで。今、4Kの技術だから味わえる新たな映像体験をソニーから。

近づいて見ないと分からない細部にこそ世界遺産の大きな意味が見える。

「人間は生まれながらにして知ることを欲す」とギリシアの哲学者アリストテレスは言った。例えば、旅行や行楽で訪れた場所で出会った名勝。遠くから、その風景を楽しむことはもちろんだが、その存在に秘められた歴史的なことなどは、近づいて見ないと感じることはできない。しかし、テレビに同じ名勝が映ったとしても、我々はそんな行動をとらない。なぜなら、近づいて見たところで、映像は荒れ、それ以上の発見は何もないからだ。では、テレビが実際に見ることに近いリアリティさで、映すことができたらどうだろう。そう、4Kの大画面テレビ。きっとあなたは、画面に顔を近づけ、何かを発見するだろう。そんな、思わず近寄って見たくなるブラビアの4K体験について、今回の「大人のソニー」では試してみたい。
最新の4K対応ブラビアには、超解像エンジン「4K X-Reality PRO」による“アップコンバート”機能によって、地上波や衛星放送、ブルーレイなど、我々が日常楽しんでいるあらゆる映像を、4Kの画質に引き上げ、映し出す力が備わっている。そんな機能によって、もっと近寄って見たいのが、世界を代表する美や芸術、大自然が名を連ねる数々の世界遺産だ。
今回、テレビ番組のアップコンバートによる画質の向上を体験するため、同番組を従来のブラビアと、最新の4K対応ブラビアの両方に映し出し、その画質にどのような違いが出るのかを実験してみた。
その差について解説してくれたのは、TBS系列『THE 世界遺産』で実際に数々の世界遺産の撮影を担当、現場を指揮するTBSビジョン メディア事業本部 コンテンツ制作部の河野英輔チーフプロデューサー、そして、同番組の4Kでの制作について統括するTBSビジョン メディア事業本部小川直彦エグゼクティブプロデューサーだ。

世界最古のドット芸術が最新のドット技術で華ひらく

4K対応ブラビアで、もっと近くで見たくなる美観を探る旅。最初は、『THE 世界遺産』の過去の番組より、古代ローマ時代から中世にかけて繁栄した都市、イタリア・ラヴェンナへ。ここでは、初期キリスト教の聖堂など8つの建造物が世界遺産に指定。その中から、6世紀前半に建設されたサン・ヴィターレ聖堂を紹介してもらおう。モザイクという技法は5000年前からあったが、芸術の域にまで高めたのがこのビザンツ芸術なのだ。
「この聖堂の中央ドームの天井のモザイク画には、キリストを中心に聖人の姿が大きく描かれていますが、この天井、10メートル以上の高さがあるんです。観光客の多くはオペラグラスを使って観賞しています。今回、特別な許可を得てクレーンを設置し、被写体に近づいて4K撮影することができました。だから観光客の目線ではよく見えない部分まで映っています」。(河野氏)

あらゆるコンテンツを高品位な4K画質に作りかえる。

2K(通常のフルHD)のブラビアと、4K対応ブラビアで、同じ映像を見比べてもらった。
「例えば、皇妃が手に持っている勝利の冠に埋め込まれている青い宝石を見てください。この宝石の光沢が、色彩や形、凹凸が違う複数のモザイク片を使ってうまく表現されています。このように点(ドット)で表現することから、モザイク画は“最古のドット芸術”などと言われたりしますね。そんなドット芸術の美しさが、ディスプレイのドットの細かさを誇る4Kで引き出される。最古のドット芸術と最新のドット技術の出会いです」。(河野氏)
「そこがまさに、当初、我々が番組でモザイク画を紹介しようと企画した出発点でしたよね。引きと寄りの両方で見ることで初めて、作品の価値が分かるモザイク画。その魅力を忠実に視聴者に伝えるためには、4Kが持つ多様な“目力”が必要でした」。(小川氏)
その“目力”こそ、フルHDの4倍の829万画素の高解像度。大画面で見てもドットの荒さを感じない高精細な画質を実現する。

「ラヴェンナのモザイク画は約1,500年前に描かれたにもかかわらず、今でも色鮮やかで「永遠に色が変わらない芸術」と言われています。しかし、2K(通常のフルHD)で見ると、フィルターがかかったように少しぼやけて見えますね。4K対応ブラビアの画面に顔を近づけてモザイクを見てみると、実は、均一な素材が並んでいるのではなく、形も表面のなめらかさもそれぞれ違うものの集合体だということが分かりますね。職人が手作業で小さなガラスや貝殻、石などを一つ一つ割り、光によって変わる細かい角度や微妙な色味の違いなどにこだわって配置し描いた思いまで感じ取れます」。(河野氏)
これこそが、超解像エンジン「4K X-Reality PRO」による“アップコンバート”機能の実力。地上デジタル放送やブルーレイなどあらゆるコンテンツを、映像本来のディテールの復元、圧縮や伝送により失われた細かな情報までよみがえらせ、より高品位な4K映像に作りかえる。
その最新技術の詳細はこち

近づいて見ないと分からない細部に遺産の大きな意味がある。

「遠近両方から美を堪能するという意味では、岩手県の平泉にある中尊寺金色堂も、ぜひ『THE 世界遺産』で見ていただきたいです。一般には、金色堂を覆っているお堂から正面をガラス越しでしか見られませんが、映像で初めて内部からの撮影をさせていただきました。その点で、従来より近い距離から見ることができる、ということもあるのですが、撮影して感じたのは、近くから見ることは、“距離”だけではなく、これまでとは違った“角度”で見ることによる新発見があるということです。」(河野氏)
同じ金色の中でも濃淡があることをしっかりと再現できるのも4K対応ブラビアの特長。例えば、扉に張られた金ぱくは、4K対応ブラビアでよく見ると、角度により光の加減で重なり合う部分が深みを増し、格子柄になっているのが分かる。今まで表現しきれなかった繊細な色のニュアンスや質感まで描きだす。その最新技術の詳細はこちら

金色堂の特徴は黄金ばかりではない。見えないところにまで施された螺鈿細工(らでんざいく)。ここにもテレビに顔を近づけて見ることで発見できる秘密がある。この螺鈿細工(らでんざいく)で極楽浄土に咲くと言われる宝相華(ほうそうげ)の模様が施さされているが、テレビに近づいてよく見ると、幅1ミリにも満たない花弁のひだ一本一本、毛彫りされているのが分かる。それを発見して、どれだけ時間と手間がかけられたのかが分かれば、当時の藤原氏のチカラの大きさまで実感できるはず。
中尊寺には、珍しい書物も残されている。それが中尊寺経で、紺に染めた紙に経の文句が一行ごとに金字と銀字で交互に書写されている。5,400巻もの経典があり、書かれた紙の量や、金と銀で書写されたことを考えると莫大(ばくだい)な時間とお金がかけられたことが分かるだろう。
「中尊寺経は、ぱっと見ると金と銀で書き分けられていることすら気づかない人もいるかもしれません。4K対応ブラビアでしっかりと見れば、金で盛られた文字が立体的に見えることに気づくでしょう」。(河野氏)
文字が美しく輝いて見えるのは、写した後に動物の牙で磨いているから。その地を訪れ、実際に自分の目で見なければ気づくことのできない金の文字の美しい輝きも、4K対応ブラビアなら、自宅のリビングで感じることができるのだ。
また、世界遺産を訪れた際に一眼カメラで写真を残しておけば、4K対応ブラビアなら、ドットバイドット機能で一眼カメラのオリジナルサイズで見ることができる。細部まで一瞬で原寸表示して(拡大して)見られるから、帰宅してからも新たな発見ができる。詳しくはこち

美しいから隅々まで見たくなる。その思いが、新しい発見を生む。。

「そして、最後にご紹介したいのは、米国 イエローストーン国立公園の風景です。熱水を吹き上げる泉を、特別に許可を得て、クレーンで上から撮影したので、もし泉の上に頭を出して下を眺めたらどう見えるか、まるで本物を見るように楽しんでいただけると思います」。(河野氏)
「あ、この場面、よく見てください。遠くから泉や周辺の風景を撮影した広大な引きのシーンです。泉の周辺の、観光客や樹木の様子が見えますか? 4K対応ブラビアだと、その輪郭や色彩など、小さくても鮮明に見えますね。するとどうですか? 人や木の大きさがどのくらいか分かった途端、画面から遠近感を感じて、立体的に見えてきませんか? これは、目が錯覚して、本当の風景がそこにあるように感じているからでしょう。距離が近いとか遠い、と感じるためには、その大きさの基準となる物体が画面のどこかで明確になっていることが大切なんだ、と分かって面白いです」。(小川氏)
「実は、イエローストーンのような、すごく大きなものを画面で見せるのは、とても難しいことなんです。大きすぎて、そのスケール感がなかなか伝わらないからです。でも、4K対応ブラビアなら、風景に小さく映りこんだ人や建造物がにじまずに見える。だから、画面上の緻密(ちみつ)な周辺情報から、対比物の大きさを、受け手に分かってもらえる。一方、2Kで見ると、対比物がぼやけているのでスケール感が小さく、結果、全体の印象が弱くなってしまいます。“本物をあるがままにお見せします”ということを常に考えてきた『THE 世界遺産』には、やはり4Kは最適。これからはスケール感のある映像は、すべて4K対応テレビで見る時代ですね」。(河野氏)
普段見られないものをもっとよく見たい。そのためには、まず、被写体に少しでも近づくことが大切だ。その“寄り”を、4Kは忠実に映し出す。しかしそれだけでは人は映像を“本物”のようには認知できない。4K技術で画面上に対比物が明瞭に映し出された瞬間、人は距離感を理解し、映像の世界に足を踏み入れる。4Kの大画面テレビの画面の隅に映る小さな情報こそ、実は美の本質を理解するための重要なカギだった。さて次回は、どんなカギを発見できるだろうか。

新しい見かたで「THE世界遺産」を楽しむなら
  • ブラビア X8500Bシリーズ
  • ブラビア X8500Bシリーズ

「大人のソニー」読者の皆さんにいただいたアンケート結果をもとに、毎号企画をしております。

アンケートお願い

もっと読み応えがある「大人のソニー」にしていくために、
読者の皆さんのご意見やご感想をアンケートでお聞かせください。

THE 世界遺産 YHE WORLD HERITAGE

THE 世界遺産 TBS系列にて、毎週日曜日18:00 - 18:30に放送。

1996年の番組スタート時より、常に最高品質の映像で、世界中の文化遺産・自然遺産を記録してきたTBS『THE 世界遺産』。ワイド化、ハイビジョン化、3D化と常に最先端の映像技術で、その普遍的価値を届けてきた。
番組について詳しくはこちら

さらに、2013年6月からは新たなシリーズとしてBS-TBSにて第1、2土曜日17:00 - 17:30に『THE 世界遺産4K PREMIUM EDITION』を放送中。4Kで撮影・編集・仕上げの制作すべてを行う、国内初の全編4Kレギュラー番組を4K対応ブラビアにて楽しんでほしい。
番組について詳しくはこちら

【今回ご紹介したコンテンツの視聴体験方法】

・サン・ヴィターレ聖堂 モザイク画
東京・銀座ソニービル ソニーショールームや、ソニーストア 名古屋・大阪で展示されている4K対応ブラビアで視聴・体感いただけます。

・中尊寺金色堂
THE 世界遺産/日本編「平泉-浄土を表す建築・庭園」「小笠原諸島」/Blu-rayに収録されております。詳しくはこち

・イエローストーン国立公園
東京・銀座ソニービル ソニーショールームや、ソニーストア 名古屋・大阪、家電販売店で展示されている4K対応ブラビアで視聴・体感いただけます。 ※一部店舗ではご視聴いただけない場合もございますことご了承ください。

文/日経エンタテインメント!編集部

4Kとは?

4K映像はフルHDの4倍、約829万画素の高解像度。
大画面でも見ても細部まで高精細な画質を実現し、
フルHDでは表現しきれなかった質感やディディールまでリアルに再現します。
「ソニーが拓(ひら)く、4Kの世界」はこちら。

Sony drives 4K

「大人のソニー」を体験できる場所

東京・銀座 ソニービル ソニーショールームや、 ソニーストア 名古屋・大阪では、本メールマガジンでご紹介した「大人のソニー」を コンテンツとともに、体感できます。
4Kの臨場感あふれる映像や、ハイレゾ音源の楽曲を、最高クラスの環境で体感いただけます。ぜひ、この機会にご来場いただき、フロアアテンダント・スタイリストにお声掛けください。
※ハイレゾ楽曲は「大人のソニー」で紹介している作品とは異なる場合があります。

東京・銀座 ソニービル ソニーショールームやソニーストア 名古屋・大阪では、随時、商品体験会プログラムを実施中。この機会に、普段では体験できない商品を体験してみませんか?

  • ソニーショールーム 銀座
  • ソニーストア 名古屋
  • ソニーストア 大阪

11月号(4K)の予告

4Kで最新の紅葉狩りを楽しむ。
大人の秋を満喫できる内容をお届けする予定です。どうぞご期待ください。

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