商品情報・ストア 月刊大人のソニー '14 Vol.14

ジャズシンガー
美空ひばりのすごみを、ハイレゾが証明する。

大人なら誰しも、胸の奥で響く大切な音があるはずです。あの頃の感動はそのままに、あの頃は聴こえなかったところまで。今、ハイレゾの技術だから味わえる新たな音の体験をソニーから。

美空ひばり その伝説の歌声は、言葉の壁も飛び越える!?

同じ歌手が同じ楽曲を歌っても、言語が変われば、音の伝わり方にも何らかの違いが表れるのではないか。大人のソニーでは、時間を飛び越え、空間を飛び越え、人間の想像力を無限に広げてくれるハイレゾの楽しみ方を紹介してきた。今回は、言葉の壁を飛び越える、そんな、ハイレゾの不思議な力について触れてみたい。
さらなる気づき、さらなる深みを求めて選んだのが、ハイレゾ版『ひばりジャズを歌う』。オリジナルLP盤は1965年発売で、美空ひばりがジャズを英語で歌い、伴奏する原信夫とシャープス・アンド・フラッツと息の合ったパフォーマンスを披露する、ジャズのスタンダード・ナンバー集だ。言わずと知れた国民的歌手の美声を聴き込むにあたり、用意したのは、ハイレゾの基準をはるかに超える100kHz再生を実現したハイレゾ対応ヘッドホンの最新フラッグシップモデル「MDR-Z7」。同じくフラッグシップモデルのウォークマン®「NW-ZX1」。
ここにポータブルヘッドホンアンプ「PHA-3」を組み合わせ、まさに最上クラスと言えるハイレゾ試聴体制で臨むこととした。そして、私たちが話を聞いたのは、ハイレゾ版『ひばりジャズを歌う』を今年7月に発売した日本コロムビア株式会社から、プロデューサーの衛藤邦夫氏、チーフマスタリングエンジニアの毛利篤氏、スタジオ技術部長の斉藤徹氏。では早速、ハイレゾ対応ヘッドホン「MDR-Z7」で聴いてもらうことにしよう。

純粋に"音"として、英語を耳で吸収していた。

「1965年に亡くなった伝説のジャズピアニスト、ナット・キング・コールをしのんで、同年に発売されたものです。ひばりさんの没後に復刻されたCDは10万枚を超える大ヒットを記録しています。その後、2008年には復刻LPも出ましたが、それも大好評で完売。その復刻盤が今でも中古市場で高い値で取引されているほどの名盤です。歌手・美空ひばり、と聞くと演歌や歌謡曲のイメージが強いかもしれませんが、実は昭和20年代、終戦後の日本でジャズが多く聴かれた時代から、ひばりさんはジャズなどの洋楽もよく歌っていて、英語で歌いこなしていました。その歌声には定評があり、彼女の 歌声を録音で聴いた米国人が、あまりのうまさにアメリカ南部出身の米国人歌手と間違えた、という逸話も残っています」。(衛藤氏)
正確にコピーできるゆえに、南部の"訛り"までもコピーしてしまう。そんなひばりさんだが、英語を話せたわけではなかったらしい。意味として英語を理解するのではなく、ただ純粋に音として耳でおぼえ、その音を自らの体で鳴らしていたのだ。
「このアルバムに収録された『ラブ』や『魅惑のワルツ』を聴いていただくと、これらの曲が、最近でも大手スーパーや自動車のテレビCMで使われていることに気づかれるでしょう。それだけ、ひばりさんのジャズは今でも評価され、親しまれているんですよ。
今回、特にハイレゾで聴いてほしい3曲を選びました。まずはLP盤A面の先頭曲でもあり、ジャズのスタンダード・ナンバーとして有名な『スターダスト』から。ひばりファンとして知られるタレントの北野武さんが、90年代に自身の番組『北野ファンクラブ』でエンディング曲として使ったことでも有名ですね」。(衛藤氏)

ハイレゾ特有の"リバーブ"が、声の角(カド)を取る。

美空ひばり『ひばりジャズを歌う』

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「『スターダスト』の「Sometimes I wonder...」という有名なサビですが、この入りの部分なんかもハイレゾで聴くと、とてもマイルドですね。ハイレゾは音の解像度の高さが特長とよく言われるので、もっとパキッとした音かと思いきや、「MDR-Z7」の音は高域が鮮明でありながらもまろやか。CDにあるクセやアクのようなものがきれいに取れていて、目の前で演奏を聴いているみたいな、生っぽさがあります」。(衛藤氏)「生っぽさの理由は"リバーブ(音源が発音や振動を停止した後も音が響いて聴こえる現象)"ですよね。スタジオ録音時の、その場の空気感とか、その場に漂っていた雰囲気が歌声にまとわりついていて、それらが丸ごとハイレゾだと聴こえます」。(毛利氏)「MDR-Z7」で再生可能な100kHzとは人間の可聴領域を超えている。だが、その領域にまで対応していることで、リバーブを含んだ豊かな音を体全体を通して感じることができるのだ。
(その技術について詳しくはこち
「CDのように帯域を狭めて残響音を取り除いてしまうと、どうしても音に角(カド)が出ます。リバーブが忠実に再現されることにより、オリジナルマスターの"声のつや"もそのまま。お酒にたとえると、CDは飲んでいて角があり硬い味わいだけど、ハイレゾには何十年も寝かせたウイスキーのような熟成した風合いがあるといった感じでしょうか」。(毛利氏)
言語の特性として、日本語は破裂音が多く、どんなに歌のうまい人でも言葉と言葉の間の余韻が途切れてしまいがちだ。一方、英語は言葉と言葉が余韻でつながりやすく、そういった点でもリバーブを味わうのに適していると言えよう。

ハイレゾで子音が丸くなり、英語がなめらかに聴こえてくる。

レコード時代のぬくもりも、今、より優しく鮮やかによみがえらせる。
今月号で紹介した3つの製品の組み合わせ。
※ヘッドホンケーブル「MUC-B20BL1」は別売りです。

次は、アップテンポな曲『恋人よ我に帰れ』。「途中で入るスキャットもテンポよく、ひばりさんは歌唱力だけでなくリズム感も卓越したシンガーだと分かります。まさに"ひばりのスキャット"とでも名付けたくなるような、独特の魅力があるスキャット。ひばりさんクラスの方になると、息継ぎの音など通常はほとんど分からないのですが、この「MDR-Z7」とウォークマン®「NW-ZX1」で聴くと息遣いも感じられますね。また不思議なのは、英語で歌っているのに日本人の我々が聴いてもとても聴きやすくて、"英語の歌を聴いている"という意識さえなくなることです」。(衛藤氏)
日本語に比べ英語の方が、余韻が生まれやすいと前述した、しかし、英語の歌詞にはそれ特有の難しさも当然ある。「ひばりさんの実力あってのことですが、ハイレゾで聴くとCDで洋楽を聴いたときに感じる、ツッ!チッ!といった英語の子音部の発音のきつさが目立たず、なめらかになっているように思います。英語を見事に歌い上げるところにハイレゾが合わさると"なめらかさ""違和感のなさ"が際立つのかなと思いました」。(毛利氏)
最後の曲は、自動車のテレビCMでお馴染みの『魅惑のワルツ』。1番は日本語、2番は英語で歌っているので、聴こえ方の違いを堪能するのにうってつけだ。「女性ヴォーカルで、これだけ低い声域を魅力的に歌い上げられる方は他にいないのではないでしょうか。女性が低い声で歌うと、表現は無表情になりがちです。ひばりさんは低音域の声も実に表現豊か。"ふくよか"で"太い"だけでなく、多彩な色合いがあります。それが分かるのも、表現力の幅が広いハイレゾならではですよね」。(毛利氏)
超高域だけでなく超低域までの広帯域再生能力に優れた「MDR-Z7」にポータブルヘッドホンアンプ「PHA-3」とバランス接続することで、ひばりさんの低音の迫力にドライブがかかる。英語と日本語、言語による低音の届き方の差。あなたにはどちらが心地よく感じられるだろうか。(ポータブルヘッドアンプ「PHA-3」について詳しくはこち)またさらに、「MDR-Z7」の同梱ケーブルから、KIMBER KABLE社との協力で開発された専用ケーブル「MUC-B20BL1」に付け替えれば、音の厚みや深みが一段と増すのでぜひ試していただきたい。(新発売のヘッドホンケーブル「MUC-B20BL1」の特長について詳しくはこち

「MDR-Z7」には通常のヘッドホンケーブルに加え、バランス接続ヘッドホンケーブルを付属。
バランス出力対応のポータブルヘッドホンアンプ(PHA-3)と接続することで、より高音質なバランス出力での音楽再生が可能。

女王を迎えるスタジオの緊張感が、今ここに再現される。


ひばりさんの歌声が聴こえてきそうな 
"ひばりスタジオ"の当時の様子。
「今回のアルバムを録音したのは、当時、東洋一といわれた当社の赤坂の第一スタジオ、通称"ひばりスタジオ"だったんじゃないでしょうか。ひばりさんはカラオケを使わず、バンドの演奏も同時に録(と)る"同録"しかやらない方でした。それも、スタジオにやってきて、2回しか歌わない。一度歌って、もう一度はキープ用です。それが終わると「後はよろしく!」という感じだったそうで、ひばりさんは一度も失敗したことが無かったそうですから、当時のミュージシャンや録音エンジニアは大変に緊張したそうですよ(笑)」。(斉藤氏)
「ひばりさんの歌声を録音したスタジオに飾られていたシャンデリアが、当社の工場跡地に来年建つ、神奈川県川崎区の新築高層マンション1階エントランス・ロビーに飾られます。ハイレゾ対応ヘッドホンとウォークマン®を持ち出してハイレゾ版『ひばりジャズを歌う』を聴きながら、ひばりさんを想いつつ、シャンデリアをご覧になってはいかがでしょうか」。(斉藤氏)


美空ひばり『ひばり民謡集』 試聴する Powered by mora
「今回は『ひばりジャズを歌う』の話でしたが、ひばりさんはジャズだけでなく民謡も数々歌われています。『ひばり民謡集』もハイレゾで出ていますので、ぜひ聴いてみてください。こちらも同じく、原信夫とシャープス・アンド・フラッツとの共演で、たとえば『相馬盆歌』は、まるでジャズのようなノリの良さです。日本語でも英語でも、どんなジャンルでも歌いこなしたひばりさんのすごさを、ハイレゾで再確認していただきたいですね」。(衛藤氏)
数々のひばり伝説を噛みしめながら改めてハイレゾで聴けば、当時のスタジオの空気が声にまとわりつく"リバーブ"や、ひばりさんにしか出せないリズム感、低音域、そして、なめらかな英語の発音や発声も感じられ、この上なく贅沢な気分になるはずだ。既に良く知っているつもりであった国民的歌手でも、ハイレゾによって違った顔が見えてくる。来月は、どんな新たな出会いがあるだろうか。

美空ひばりの唯一無二の歌声をハイレゾで楽しむなら...美空ひばりの唯一無二の歌声を
ハイレゾで楽しむなら...
  • ステレオヘッドフォン MDR-Z7 商品詳細はこちらから
  • PHA-3 商品詳細はこちらから
  • NW-ZX1 商品詳細はこちらから

2014年4月〜2015年3月にご紹介した商品です。ご紹介商品がすでに生産完了の場合もございます。
商品について詳しくは、ソニー商品サイトをご確認ください。

美空ひばり Misora Hibari

昭和24年、「河童ブギウギ」でレコードデビュー。
以後、1500を超える曲を録音し、「悲しき口笛」、「東京キッド」、「リンゴ追分」、「港町十三番地」、「柔」、「悲しい酒」、「おまえに惚れた」、「愛燦燦(あいさんさん)」、「みだれ髪」、「川の流れのように」などなど、放ったヒット曲は数知れず。平成元年6月24日の死去まで、40有余年にわたって日本歌謡界の第一線で活躍した。
没後の平成元年7月、真摯(しんし)な精進で歌謡曲を通じて国民に夢と希望を与えた功績が認められ、女性初の国民栄誉賞を受賞。

詳しくはこちら

文/日経エンタテインメント!編集部

Xperia(TM) Tabletでもハイレゾを楽しむ。

Xperia(TM) Tablet

2014年11月7日発売予定の世界最軽量 ※1 の約8インチタブレットデバイス「Xperia™ Z3 Tablet Compact」は、タブレットでありながら、CDを超える高音質ハイレゾ音源の再生に対応。さらに、MP3などの圧縮音源を、ハイレゾ音源相当の音質 ※2 にアップスケールするソニー独自のDSEE HX™技術により、高品位な音楽を身近に体感いただけます。加えて、デジタルノイズキャンセリング機能 ※3 に対応し、周囲の騒音を最大約98.0% ※4 カットし、場所を選ばずクリアな音を楽しめます。詳しくはこち

※1 8インチクラスの液晶を保有するタブレット製品において。2014年10月1日時点
※2 最大96kHz/24bit相当まで拡張。
※3 デジタルノイズキャンセリング機能のご利用には、デジタルノイズキャンセリングヘッドセット(別売)、もしくはデジタルノイズキャンセリングヘッドホン(別売)が必要です。

ハイレゾ音源とは?

一般的にオーディオ用のデジタル信号は、原音となるアナログ信号を一定時間ごとに標本化(サンプリング)し、それを量子化することで作られます。サンプリング周波数とは、1秒間に何回標本化作業を行うのかを表すもので、単位は「Hz」です。サンプリング周波数が高いほど得られる情報が多くなり精度は上がります。

サンプリングされた時点でのアナログ信号レベルをデジタルデータで表現することを量子化と言いますが、どれくらいの精度で読み取るのかをビット数で表しており、単位は「bit」です。bit数が高いほど、原音からより忠実に変換することが可能となります。

サンプリング周波数とbit数それぞれの数値が大きくなるほど、原音の再現性に優れ、微細な音の変化や音の余韻までも表現することが可能となります。ハイレゾ音源では、CDの「44.1kHz/16bit」規格を超えるものを指し、「96kHz/24bit」と「192kHz/24bit」が主流になっています。

従来から配信している圧縮音源では伝えきれなかったレコーディング現場の空気感やライブの臨場感を、ビット数の高さにより、楽器や声の生々しさや艶(つや)などのディテールに触れてより感動的に体感できます。

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