放送・業務用モニター

株式会社 オムニバス・ジャパン 様

プロダクション

PDFダウンロード PDF

映画やCM、ドラマなどハイエンドコンテンツ撮影時の監視モニターに 7.4型業務用有機ELモニターPVM-740を導入し、本格運用を開始

株式会社 オムニバス・ジャパン 様

株式会社 オムニバス・ジャパン様は2010年7月、撮影センターに7.4型業務用有機ELモニターPVM-740を導入。主力業務である映画やCM、ドラマなどハイエンドのコンテンツ撮影における確認・監視用モニターとして本格運用を開始されました。

すでに、ビデオエンジニアとして映画のロケーション撮影などでPVM-740を活用されている同社 撮影センター 技術部 テクニカルディレクター 花澤和彦様に、PVM-740導入の目的や用途、実際に使用した上での性能、機能、使い勝手についての評価、および運用の成果を伺いました。

有機ELパネルならではの忠実な黒の再現と優れた動画特性、
そして撮影現場で要求される小型・軽量・低消費電力も高く評価


株式会社オムニバス・ジャパン
撮影センター 技術部 テクニカルディレクター
花澤和彦様

当社の主力業務であるCMやドラマの撮影では、ビデオエンジニアが画のトーンや色を監視・管理するために、コンパクトな9型クラスのフィールド用モニターが欠かせません。従来はBVM-D9などBVMシリーズのCRTを主力機として活用してきました。しかし、地上デジタル放送により家庭用液晶テレビが普及するなど、CRTからフラットパネルの移行が鮮明になる中、コンテンツ撮影現場の監視モニターにも同様の革新が必要ではないかと部内で議論し、更新モデルの選定作業を開始しました。

そうした時にソニーから発表されたのが、有機ELパネルを採用したPVM-740でした。早速、性能・機能・使い勝手の面で検証を行った結果、私たちが求める条件をクリアするモニターであると判断し、導入を決定しました。採用の第一の決め手は、やはりクオリティーの高い画質に象徴されるPVM-740の高性能にあります。特に、自発光方式ならではの忠実な黒の再現、高いコントラスト、優れた応答性による高い動画特性は、検証に参加したスタッフを十分に満足させるものでした。

機能面も申し分ありません。映像制作のサポートに必要な機能を十分に搭載しています。また、上下・左右反転機能や3G-SDIといった3Dコンテンツ撮影・制作に便利な機能・インタフェース、フィールド用モニターで威力を発揮するカメラフォーカス機能、静音モードなどもあります。
さらに、昨今の撮影現場では、より機動性に優れたコンパクトな撮影システムが求められるようになっています。小型・軽量・低消費電力のPVM-740は、こうした時代の要請にも応えるモニターであると評価しました。

夜空を彩る花火や炎天下でのトライアスロン大会の撮影などで
PVM-740の優れた性能、機能、使い勝手の良さを実感


有機ELモニターPVM-740はCRTに比べ外光に強く、黒をしっかり表示できるためカメラのアイリス調整に便利

現在、PVM-740は連日さまざまな撮影に活用されており、ビデオエンジニアをはじめとしたスタッフの評判も上々です。ちょうど導入したばかりの頃に花火大会の撮影で使用したのですが、漆黒の夜空がきれいに映し出されており、黒の忠実な再現力を実感しました。この黒が浮いてしまうと、波形モニターの値から予測して絞りを決めて撮影する必要があります。ビデオエンジニアにとっては、この手間がストレスとなって本来の仕事であるトーンや色の管理に集中しにくくなりますので、非常に大きな魅力になります。

PVM-740の高コントラスト、広いダイナミックレンジ、そして優れた動画特性も実際の撮影で確認することができました。10月にクランクイン予定の映画があって、そこで使う実景部分としてトライアスロン大会を撮影した時のことです。カメラのHDW-F900とENGキットVF-510を装着したPVM-740だけで、文字通りENGスタイルで撮影しました。炎天下での撮影でしたが、PVM-740は非常に見やすく、自転車競技のような動きの速い映像でも残像感がなく、スムーズに撮影を行うことができました。

7.4型のサイズも、16:9の映像表示では9型CRTに表示する場合とほぼ同じ大きさなので不満を覚えることはありません。状況に応じてカメラトップに装着することもできるので、逆に使い勝手が良いといえるかもしれません。
モノラルスピーカーやヘッドホン端子も、SDI信号を監視するという観点では非常に便利でした。それと細かい点になりますが、各ファンクションスイッチを入れるとLEDが点灯します。暗い場所で作業することが少なくないだけに、こうした配慮は大変嬉しいことですし、現場をよく知った対応として評価することができました。

9月撮影開始のテレビドラマや10月クランクインの映画撮影でも活用予定、
フィールド用のスタンダードモニターにふさわしい資質


有機ELモニターPVM-740をBVM-D9(CRT)の代わりに撮影用台車に。総重量を約5kgに軽減

ビデオエンジニアにとって良いモニターとは、簡単に言えば「見やすく、分かりやすい」ということに尽きます。炎天下、夕景、暗いシーンなどの、さまざまな状況における撮影でもカメラが捉えた映像を、くっきりと鮮明に表示してくれることです。7.4型業務用有機ELモニターPVM-740は、この条件をクリアしてくれるモニターと言えますし、特にフィールド用モニターのスタンダードモデルになりえる資質と可能性を十分に持っていると思います。

当社でも、今後も映画やCM、テレビドラマなどの撮影にPVM-740を活用していきます。すでに9月に撮影開始されるテレビドラマや、前述した10月クランクイン予定の映画の撮影でも使用しますし、CM撮影でも積極的に活用されると思います。すでに実証された黒の忠実な再現、優れた色再現と動画特性といった高性能、充実した機能群、そして小型・軽量・低消費電力といった使い勝手の良さは、これらの作品の撮影でも十分に威力を発揮してくれるものと期待しています。

PVM-740によって、業務用有機ELモニターの大きな可能性が示されたと思います。映画やドラマ、CM撮影では、PVM-740しか持ち込めない現場もあり、マスターモニター的に運用することを想定しています。現場の制約から液晶マスターモニターBVM-L231/L170を持ち込めない撮影も少なくありません。そういったシーンで、PVM-740の画質、機能などを活用できればより一層、撮影現場の機動性が上がるのではと考えております。

株式会社 オムニバス・ジャパン

株式会社 オムニバス・ジャパン

1987年設立の日本有数のポスト・プロダクション。テレビ番組、CM、映画、CGなど幅広い映像コンテンツの撮影・収録、編集・MA、技術協力などで活躍中です。

http://www.omnibusjp.com/