BTVケーブルテレビ株式会社様は、2007年に制作のHDフォーマットとしてXDCAM HDを採用して以来、設備の充実を図り、情報番組のハイビジョン放送を実施されています。2009年3月にはHD対応スタジオ/スタジオサブの完成により、今後、自主制作の全14番組すべてをハイビジョン放送される予定です。
常務取締役 吉原和雄様、取締役統括本部長 安富健二様、都城局 制作部 部長 冨吉健一様、同部 次長 柴崎展大様、鹿児島局 制作局長 松山光輝様に、XDCAM HD採用の狙いや現段階での評価、またファイルオペレーションによるワークフローの改善など、運用の成果を伺いました。
- BTVケーブルテレビ株式会社
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1996年、宮崎県都城市で開局したケーブルテレビ局。2009年3月現在、5万世帯を超える契約世帯に地上/BS/CSのテレビ放送の配信、インターネットやIPフォンの通信サービスを行っています。開局以来、自社制作番組の自主放送に積極的に取り組まれており、地域に密着したニュースやイベントなど多彩なジャンルの14番組を制作・提供し、地元のテレビ局、地域情報の受発信基地として親しまれています。

常務取締役 吉原和雄様

取締役統括本部長 安富健二様
当社の開局は1996年ですから、ケーブルテレビ局としては後発でしたが、宮崎県都城市で始まったサービスは、現在、日南市と鹿児島市へサービスエリアを拡張しています。これは、地元のテレビ局という理念のもと、地域の情報・イベントなどをいち早く伝えることを使命と考え、コミュニティーチャンネルの充実に注力してきたからだと思います。開局時には、当時としては先進的なベータカムSPによる制作システムを導入し自主放送の設備を整えました。また、ニュージーランド、中国、ロシア、モンゴルといった海外局とのコンテンツ連携を実施するなどグローバルな展開を進めてきました。デジタル化についても、ケーブルテレビ局の中では先陣を切る形で積極的に取り組んでいます。地域の視聴者に、よりきれいな映像で情報を提供したいという願いがあってのことです。
開局以降、2007年11月には、まず都城局の送出系とENG系をHD化し、2008年6月には日南局と鹿児島局のENG系をHD化するとともに、毎日生放送している情報番組「こちらBTV情報局」(30分)を都城市MJホールからハイビジョン放送にしました。そして2009年3月、都城本局にHD対応のスタジオ/スタジオサブを導入することで、自主制作14番組すべてを自社ビル内からハイビジョン放送する体制が整いました。こうした設備の更新に際し、HDフォーマットとして採用したのがXDCAM HDです。

2009年3月完成の制作スタジオサブ

都城局 制作部 部長
冨吉健一様

鹿児島局 制作局長
松山光輝様
HD化に伴うフォーマットの選定については、当初からテープレス化を大きな前提としていました。財産であるコンテンツの保管を考慮してのことです。そのために、まず早い段階からノンリニア編集機を導入しており、これもテープレス化に向けた布石でした。実際の選定にあたっては、メディアをディスクにするかメモリータイプにするかを部内で検討しましたが、最終的にディスクを使うXDCAM HDを採用することにしました。
XDCAM HDに決めたのは、高画質はもちろんですが、プロフェッショナルディスクがメモリーと違いテープと同様の使い勝手が出来ること、既存のテープ設備との親和性が高いこと、そしてコストパフォーマンスに優れていることが最大の理由です。取材・編集・送出・アーカイブを一貫させることができますからワークフローを大きく改善でき、しかもイニシャルコストだけでなくランニングコストも低減できる点は、制作に多くの人材を投入することが難しいケーブルテレビ局にとって、大きなメリットであると評価しました。
別の理由としては、ネットワークとの親和性の高さです。ケーブルテレビ局にとっては、エリア内に張り巡らしたケーブルネットワークが特長であり、貴重な財産です。まして当社は、3ヶ所に局があり、今後も近隣に拡張していく計画です。したがって、素材や完パケを局間でスムーズに、しかもスピーディーに伝送できるフォーマットが必要となります。MXFファイルによる転送が可能なXDCAM HDは、その期待に高いレベルで応えてくれると判断しました。このネットワークと、将来的には、素材サーバーなども活用することで、たとえば制作スタッフを1ヶ所に集約して、より効率的な編集・制作体制を構築するといったことも可能ではないかと期待しています。

早い段階からノンリニア編集機を導入。 プロフェッショナルディスクによりコンテンツ資産を保管・管理

都城局 制作部 次長
柴崎展大様
現在、ENG用カムコーダーとしてPDW-F355Lを4式導入し、都城局、日南局、鹿児島局のそれぞれで番組取材・収録にフル稼働中です。都城局に間もなく完成予定の新スタジオでは、ENG兼用のスタジオカメラとして2式のPDW-F355Lを運用する予定です。また、サブカメラとしてXDCAM EXカムコーダーPMW-EX1を7式導入しています。高性能でありながらコンパクトなので、機動力が要求される撮影・取材で威力を発揮しています。
PDW-F75は、3局合計で11式稼働中です。都城局についていえば、マスターに2式、サブに2式、編集室に1式配備しています。編集室ではXDCAMドライブユニットPDW-U1も使用していますね。日南局と鹿児島局では、サブやマスターに配備して、PDZ-1による簡易編集、素材・完パケの伝送用などに運用しています。
制作フローとしては、基本的にプロフェッショナルディスクに完パケし、「こちらBTV情報局」などの生放送ではサブから送出。レギュラーの録画番組は、マスターに導入した送出サーバーMediaVenue(HD容量:約580時間)に登録してから送出します。オンエアに使用したディスクは、そのまま棚管理でアーカイブします。プロフェッショナルディスクは、スペースの点でもランニングコストの点でもメリットがありますし、メタデータ活用による検索性にも優れていますから、アーカイブに適したメディアであると思います。

導入されたPDW-F355L、PMW-EX1、PDW-U1(写真・上)。
マスターに配備されたPDW-F75と、送出サーバーMediaVenue(写真・下)

当社では、基本的に一人のスタッフが取材・撮影から編集、完パケまでを担当しているので、時間に追われることも多く、何よりも確実に、しかも効率的に撮影・編集する設備が求められます。XDCAM HDは、その点についても威力を発揮しています。撮影時、XDCAM HDであれば、原理的にディスクへの上書きの不安がありませんし、液晶パネルを使ったクリップ再生でプレビュー・確認が簡単にできるのでストレスが大幅に軽減されます。また編集においても、ノンリニア編集機への取り込み時間も短縮され、効率性も大きく改善されていると思います。
くわえて、当社では原則的に記録ビットレート35Mで撮影・収録しており、HDの高画質はスタッフからも大変好評です。2層ディスクを使えば、議会、講演会、歌番組など長時間番組の収録にも余裕をもって対応することが可能です。従来のSD運用時にテープチェンジに神経をつかうといった負担が軽減され、画づくりや構成など、より良い番組づくりに集中できるようになったと思います。
今後、自主制作番組をHD制作、ハイビジョン放送していく予定ですが、XDCAM HDの特長・特性を有効に活用することで、その目標をクリアするだけでなく、ワークフローを効率的に改善することによって生番組の拡充などを実現できればと考えています。