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HVR-V1J 開発者インタビュー

ハイビジョンと機動力の両立を実現 | HVR-V1J 開発者インタビュー

HVR-V1Jは新開発の3クリアビッドCMOSセンサーにより、コンパクトながら高解像度を実現しました。開発者の技術とアイディア、そしてHD映像にかける熱い思いを語ってもらいました。

HVR-V1J 開発者たち

コンセプトは「解像度と感度の両立」

HVR-V1Jの設計構想が始まったのは2004年秋頃です。まず最初の目標は映像の解像度を高めることでした。Image sensorの画素数を増やせば解像度が上がるのですが、そうすると一つの画素の面積が小さくなって感度が低下します。一方でImage sensorのサイズを大きくすると、カムコーダー本体が大きくなることにつながり、撮影時の機動力が失われてしまいます。
そこでソニーの半導体開発部門は解像度の向上と感度の維持を両立させることができる「クリアビッドCMOSセンサー」を開発しました。このような強みを最大限に生かした3-chip systemを開発すれば、素晴らしいカムコーダーが作れると私たちは確信しました。

万全の開発体制

3クリアビッドCMOSセンサー

「クリアビッドCMOSセンサー」は、ソニーの半導体開発部門が担当しており、このカムコーダーの開発にはソニーグループの技術と多くの人が関わっています。そのような部署も含めると、約300人〜400人がこのカムコーダーの開発に関わっています。
「クリアビッドCMOSセンサー」を3枚使用した、「3クリアビッドCMOSセンサー」システムの搭載には苦労しました。「クリアビッドCMOSセンサー」自体は、デジタルハイビジョンハンディカムのHDR-HC3でも使用していましたが、それを3-chipシステムに応用すること、さらに「3クリアビッドCMOSセンサー」のポテンシャルを最大限に引き出せる最適な設計と調整に努力しました。

もちろん、プログレシッブ機能を搭載することも私たちにとって大きなチャレンジでした。従来のHDV機器との互換性を持たせるためには、プログレシッブでスキャンされた信号を、最終的にインターレース信号として記録させる必要があります。有効走査線1080本のプログレッシブクオリティを保てる映像処理システムの開発にも力を注ぎました。

また、光学20倍の実現に関してですが、レンズを高倍率にすればするほど、映像は暗くなります。レンズの口径を大きくすれば、明るい映像を得ることができるようになりますが、そうなるとカムコーダー自体のサイズが大きくなってしまいます。「3クリアビッドCMOSセンサー」の潜在能力を生かしつつ、高倍率化と小型化という相反する要素の最適なバランスをとることは、容易ではありませんでした。

3クリアビットCMOSセンサーの優位性

「クリアビッドCMOSセンサー」の最大の優位性は、解像度の向上と感度の維持を両立させることができる点です。技術的には一つひとつの画素を45度回転させたソニー独自の画素配列により、1画素あたりの受光面積を大きくしながらも、高精細の映像を実現しています。
さらににもう1つの優位性としては消費電力を低く抑えられることです。映像処理回路の集積化、power management systemの最適化により、HVR-A1JやHDR-HC1と同等の消費電力に抑えることに成功しました。これにより、リチャージャブルバッテリーパック NP-F970を用いた場合には約8時間の駆動が可能です。
またこれにより、サイズダウンも実現できました。プロのユーザーの使い方と機動力を考えると、やはりDSR-PD170のサイズがベストだと判断。そのサイズと重量で新しいHDVカムコーダーで実現することができました。

「Enhanced Imaging Processor」で実現した高解像度での映像信号処理

Enhanced Imaging Processor

「Enhanced Imaging Processor」は、「3クリアビッドCMOSセンサー」で得られたRGB信号を処理する回路です。RGB信号は「Enhanced Imaging Processor」によって、1920x1080p、color space 4:2:2の映像信号に変換されます。この豊富な映像信号を元にさまざまな映像処理が可能となります。1080の解像度を持ったプログレッシブ映像を実現できるのも「Enhanced Imaging Processor」のおかげです。また、DigitalExtenderやSmooth Slow Recといったユニークな機能の実現も「Enhanced Imaging Processor」によるものです。

業務用での運用にも配慮

いくつかありますが、代表的なのはカメラプロファイル機能です。レンタル会社では、返却された多数の機材の設定をデフォルトに戻して、次の貸し出しに備える必要があります。また、独自の映像の雰囲気を作り出すクリエイティブなカメラマンは、その時のカムコーダー設定を別の場面で再度使うことがたびたびあります。カメラプロファイル機能によって、それらの設定はメモリースティックデュオにファイル保存することができます。保存されたファイルを用いて、HVR-V1Jを良く使う設定に簡単にセットすることができます。
遠方にいるカメラマンに設定データをメールで送り、その設定で撮影をするといったことも可能です。

「シネマトーンカラー」という映像表現

シネマトーンカラーは、フィルムカメラで撮影した映像の印象をテレビモニターで再現することをコンセプトに、色と階調が調整されています。調整にあたっては、映画のカメラマンやポストプロダクションのエンジニアからの意見をもとに、有名メーカーの映画フィルムを使って撮影したカラーサンプルをリファレンスにしました。
従来でも、編集段階のカラーコレクションにおいて同様のことが実現されていましたが、この機能によって編集を前提としないユーザーでも、印象的な映像を手軽に手に入れることができます。シネマトーンガンマと組み合わせることで、より一層味わい深い映像となるでしょう。もちろん、編集時のカラーコレクションも併用して、さらに完成度の高い作品を作り出すことができるでしょう。

「シネマトーンカラー」という映像表現

設計者からのメッセージ

HVR-V1Jは、HDだけでなくSD制作にも活用できるカムコーダーです。そして、手にしたときに感じる安心感、豊富な機能、そしてクオリティを、ぜひ実機で体験していただきたいと思います。

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