
株式会社TBSビジョン
ディレクター 飯塚 裕之様
TBSのドキュメンタリー番組・「世界遺産」のHDCAM撮影を、HVR-Z1Jがサポートしています。 「世界遺産」の制作業務を行っている、株式会社TBSビジョンの飯塚裕之さんにお話を伺いました。
- − HVR-Z1Jはどれくらいの頻度で使われているのでしょうか。
- 私がディレクターを担当したシリーズには、HDCAMに加えて、ほとんどHVR-Z1Jを持って行っています。先日もアメリカのエヴァーグレーズ国立公園やアラスカでのロケにも持って行きました。いずれもメインカメラはHDW-F900とし、30Pで撮影しました。サブカメラであるHVR-Z1Jの方は、シネフレームなどは使わずにノーマルの状態で撮影しています。
- − HVR-Z1Jを利用するメリットは何ですか。
- まずひとつは、放送で使われているHDCAMと同じく、有効走査線数1080本のインターレース方式(HDV1080i方式)で記録されている、ということです。もちろん記録フォーマットは違いますが、A/Dコンバーターやサードパーティ製のHD- SDIコンバーターなどを用いれば、クオリティの劣化を抑えてHDCAMにコピーをすることができます。メインのカムコーダーがHDCAMであるので、撮ったあとの制作工程を考えると、これは必須です。
次に、DV規格のカセットテープが使えるということもあります。通常1回のロケには、Digital Master「PHDVM-63DM」を10本程度持って行くのですが、海外ロケでは何が起こるか分かりません。テープが足りなくなる可能性もあります。そんな時に、色々な国で調達できるDV規格のカセットテープが使えるということは、大きな安心感があります。 - − HVR-Z1Jの特長を活かした撮影にはどんなものがありましたか。
小型・軽量でこれだけのクオリティのHDが撮れるという特長は、ドキュメンタリー制作にとっては非常に画期的なことです。例えば、エヴァーグレーズ国立公園のロケでは、水中に生息するワニを撮影することになっていたのですが、HDW-F900では筐体が大きく、水中撮影だけでも大掛かりな設備が必要となってしまいます。野生動物を撮る場合には、なるべく目立たず、違和感のない撮影環境を作っておかないと、動物が寄って来ないのです。そこで、今回の撮影では、HVR-Z1Jを上面の空いた小さな水槽に備え付け、水槽を半分沈めて撮影しました。
小型軽量という特長を生かした撮影が可能
このような撮影を行う場合には、小さなDVカメラを使うことも考えられますが、HDCAMとの画質差が大きくなり、作品としての違和感が出てしまうものです。HVR-Z1Jであれば、非常に良いクオリティで、このようなスタイルの撮影ができるので、HDでの撮影を重視している『世界遺産』全体のクオリティを上げることができたと思っています。- − HVR-Z1Jのクオリティについてはどのように感じましたか。
アラスカでは、HDW-F900で広大な氷河を撮影しましたが、それをサポートする目的でHVR-Z1Jを使用しました。静かな動きと柔らかな光が織り成す自然の景観を、HVR-Z1Jで撮影したのですが、そのクオリティには正直驚きました。「これが本当に、小型カムコーダーで撮影したのか」と目を疑うほどでした。このような「しっとりとした映像」は、HDカメラの本領が発揮されるものですが、HVR-Z1Jの描写力で臨場感のある映像を撮ることができました。
アラスカの広大な氷河も、HVR-Z1Jで撮影- − 飯塚さんご自身が撮影されることもあるのでしょうか。
そうですね。基本的にはカメラマンと、そのアシスタントが撮影を行うのですが、例えば現地の川を渡るためのボートの定員が2名までだったりすると、ディレクターの私がHVR-Z1Jを持って撮影することがあります。設定は事前にカメラマンにセットしてもらいます。他のカムコーダーも使ったことがあるのですが、ハンディタイプの場合は、本体が小さすぎてもブレやすくなりますし、大きく重すぎても機動力が損なわれてしまいます。その点、HVR-Z1J は、重心の位置が良いのだと思いますが、持ったときのバランスが良くて、ホールド感がありますね。ディレクターが使って撮影した場合でも、安定した映像を撮りやすい、ちょうど良いサイズのカムコーダーだと思います。
小型カムコーダーならではのアングルで撮影も行える- − 今後の活用についてお聞かせください。
HVR-Z1Jの性能を引き出す光の当て方やコツも分かってきたので、今後も使っていきたいと考えています。この機動力で、これだけのクオリティが出せ、なおかつ記録メディアも容易に手に入る。これからのHDによるドキュメンタリー作品の制作には欠かせないカムコーダーではないでしょうか。
「ドキュメンタリー制作には欠かせないカムコーダーではないでしょうか」- − ありがとうございました。
飯塚裕之さん プロフィール
株式会社TBSビジョン所属。『ブロードキャスター』などのディレクターを経て、『世界遺産』では、モンサンミシェル(フランス)編やイグアス国立公園(ブラジル/アルゼンチン)編などの演出を務める。その他、BS-iのドキュメンタリー『東ローマ帝国』等も手がけている。
株式会社TBSビジョン(http://www.tbs-v.com)
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