アルファ
「α」への熱い期待
新しいデジタル一眼レフの登場に期待感が高まりました。
ソニーがコニカミノルタの資産を継承し、デジタル一眼レフカメラを開発するという第一報を受けて、まずどんなカメラが出てくるのだろうかという期待感が高まりました。自分でも『屋久島』や『沖縄』など、35mm版カメラについては旧ミノルタ製のα7やα9などの一眼レフカメラやレンズを愛用していましたし、機能やデザインなど、どのくらいのクオリティのものが出てくるかという興味が沸いたのです。ソニーの新しいデジタル一眼レフカメラでは、αシリーズのレンズが使えるそうですね。写真に携わる者として、やはりコニカミノルタの一眼レフ作りのノウハウがソニーに継承されていると聞くと、どういう製品が誕生するのかイメージとしてわかりやすく、また安心感もあります。僕にとってコニカミノルタの一眼レフカメラの魅力は、まずは使いやすさ。全体的にどの機種も操作がしやすいし、ホールディングも良かった。レンズも魅力的で、広角レンズでは隅々までシャープですし、望遠レンズではボケ味がとても美しい。そういうコニカミノルタのポリシーがソニーに引き継がれたら、これは面白そうだという気持ちになったのです。なぜかというと、僕にとってソニーとは「驚きを与えてくれる企業」だからです。
ソニーなら写真の新しい楽しみ方を提案してくれそう。
ソニーのデジタル一眼レフカメラなら、きっと「こんなこともできるんだ!」という驚きを与えてくれるに違いないと感じています。例えば、僕は撮影した写真を液晶ハイビジョンテレビの「BRAVIA」に映し出したりしています。スライドショーで見ることが多いですね。音楽を流してみんなで見ます。これは、写真の新しい楽しみ方だと思います。デジタル一眼レフカメラで撮影した写真を、パソコンの小さなディスプレイで見るだけでなく、音楽や映像と同じようにインテリアとしてテレビに映す。こんな楽しみ方は、AVのプロフェッショナルであるソニーならではの提案と言えるでしょう。カメラメーカーには、なかなかできない発想です。ソニーならこれからもこれまでになかった写真の新しい楽しみ方を提案してくれるでしょうし、今までにない発想であってもユーザーがすんなり受け入れられるような形で提案してくれると思います。もちろん僕としては驚きだけでなく、プロカメラマンでも使えるデジタル一眼レフカメラやレンズを作ってくれると期待はしていますし、またソニーならそれができると確信もしています。
写真には気持ちが写るから楽しみながら撮ってほしい。
これは僕の個人的な感想ですが、すでにデジタル一眼レフカメラのクオリティは、かなりいいところまで来ていると思うのです。メーカーとしては、今後どういう発色をさせていくか、またはプリントなどとの連動をどう強めていくかが課題になってくるのではないでしょうか。一方、僕らのような撮る側はデジタル一眼レフカメラとしての機能はもう充分なわけですから、あとはそれを使って何をどう撮るかになりますよね。写真には動画では表現できないクオリティ、インパクトというものがあります。その写真の「力」が伝わる被写体を見つけ、それをどう撮るか、ということです。
ソニーのデジタル一眼レフカメラが誕生することによって、本格的にカメラを楽しもうという気持ちを抱く人たちが増えてくるかもしれません。そんな人たちに、僕が写真の上手な撮り方というか、伝えたいことがあるとすれば、「写真には気持ちが写る」ということですね。本当に、写真には気持ちが映るのです。これは裏を返せば、楽しみながら撮れば、すばらしい写真が撮れるとも言えます。そういう意味でソニーの「信頼感」、「楽しさ」、「驚き」、「洗練」などといった企業イメージはいい写真を撮る上で、とても大切な役割を果たすでしょう。新しいデジタル一眼レフカメラ「α」の登場に大いに期待しています。
三好和義プロフィール
1958年 徳島県生まれ
13歳の時に沖縄を訪ねて以来、タヒチ、モルディブ、サハラ、ヒマラヤ、南極など世界各地で「楽園」をテーマに撮影を続けている。写真集『RAKUEN』で木村伊兵衛賞を受賞。最近は故郷吉野川を始め、富士山、屋久島など国内での撮影にも力を入れている。作品はニューヨーク・ジョージ・イーストマンハウス国際写真博物館に永久保存されている。
http://www.rakuen-co.com
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