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CM制作「KIRIN FIRE neo」

CM制作

CineAltaカメラF65を使った4K制作フローを国内で初めてCM制作に採用し、高品質で、しかもスタイリッシュな作品世界を表現

CM制作「KIRIN FIRE neo」


CM「KIRIN FIRE neo」Team neo篇より
*写真提供:キリンビバレッジ株式会社様

ペットボトルコーヒー「KIRIN FIRE neo」のCM制作に、国内で初めてCineAltaカメラF65(正式型名F65RS。以下文中ではF65と記載します。)の4K制作フローが採用されました。

このCM制作を担当した株式会社フラッグ プロダクション・マネージャー 本間綾一郎様、株式会社博報堂プロダクツ フォトクリエイティブ事業本部長 高橋秀行様、フォートン株式会社 常務取締役 西山 慧様、プロデューサー 兼子研人様にF65採用の狙い、ワークフロー、表現上の成果などを伺いました。

4Kクオリティーの画をムービーレタッチという手法で
スタイリッシュ、かつファッショナブルなトーンで再現


CineAltaカメラF65による撮影風景。4Kクオリティーの高精細・高解像度の画質はもちろん、横移動撮影でもローリング歪みのない正確な画、さらに60fps撮影の滑らかな映像がハイエンドコンテンツクリエーターから高い評価を受けました。
*写真提供:株式会社フラッグ様


フォートン株式会社様の「4K Movie Retouch」作業風景。中央にはソニー製の有機ELモニター、その両隣にナナオ製の4Kモニターが2台並ぶ。この場所でCMとグラフィック広告が並行して制作された。2012年9月現在は、4Kでも複雑な合成レタッチが行えるように通常よりもスペックを上げた「Autodesk(R) Flame(R) Premium 2013」などで作業を行っている。
*写真提供:フォートン株式会社様

今回の作品は、「人としごとをneoにする」というキャッチコピーで、ペットボトルコーヒー「KIRIN FIRE neo」の商品の魅力を訴求しています。具体的には、ロングテーブルにさまざまなビジネスシーンが登場し、同じチームのメンバーやゲストが次々に何度も登場します。それを横移動するカメラで連続するシチュエーションで表現するため、複雑な合成や、色調整が必要になります。さらに、各シーンを1枚の大きなグラフィック画のように表現する意図から、今回はムービーレタッチという、いま注目を集めている新しい技法で、スタイリッシュでファッショナブルな世界観を創ろうと考えました。

当然、4Kクラスのクオリティーが必要となります。従来ならフィルムカメラで撮影、4Kスキャンといった工程を踏むのが一般的ですが、それではスケジュール的に間に合いません。そうした時にソニーから4K撮影できるCineAltaカメラF65が登場したことを知り、早速テストをしてみました。8K CMOSセンサーで4K撮影したF65RAWデータの高精細な画像は、繊細な表現を行うムービーレタッチにも十二分に対応でき、今回の作品世界を創る上で申し分ないレベルと判断しました。

また、画面が横移動することに加え、大勢の出演者が次々に画面に登場することになりますので、ローリング歪み対策や、映像の滑らかさが重要な要素となります。この点でも、F65はロータリーシャッターを搭載しているので画歪みの不安がなく、また、60fpsの滑らかな映像を撮影することができます。この二つの利点もF65採用の大きな決め手となっています。

F65RAWの高精細で、豊富なデータ量により
グレーバック撮影でも複雑な合成、色調整にも余裕で対応


F65/SR-R4での撮影風景
*写真提供:株式会社フラッグ様


SR-PC4を使用した撮影現場でのモニタリング環境
*写真提供:株式会社フラッグ様

今回は、F65/SR-R4で撮影したF65RAWデータを現像して、4Kのまま複雑な合成や、細部の色変換を行いました。画や色のトーンのベースとなるグラフィック画を用意して、それに合わせる形で作業を行いましたが、高解像度で色の階調も豊かなのでストレスなく作業することができました。F65RAWの高精細で、豊富なデータ量を実感させてくれた例に登場人物の顔の色調整があげられます。各カットが大きなグラフィック画のイメージで撮影されていますので、登場人物の顔は小さくなります。それだけ肌の色調整などが難しくなりますが、そういった点もクリアすることができました。

もう一つ例をあげると、グレーバックで撮影されている点です。通常、合成などを行う際にはグリーンバックなどが使われますが、今回は世界観を重視した作品ということもあり、グレーバックで撮影しています。さらにグレーの服を着た出演者が登場するシーンもあるなど、そのマスク処理に当初は不安もありましたが、テスト撮影などを通して、対応可能と判断し、実際に予定通りの合成、色調整を行うことができました。F65RAWのクオリティーの高さをあらわす例だと思います。

もちろんCM作品ですから、最終的なポスプロ作業を行った後、HDで完パケしています。つまり、結果的にオンエアでは1/4の情報量になりますが、4K制作した解像感や世界観は作品に確実に残すことができたと思っています。実際、スタッフの間ではもちろんですが、クライアントをはじめとした関係者の方々からも好評をいただきました。

4K制作を活気づけ、応用の裾野を広げるカメラ
最大120コマ/秒のハイフレームレート撮影にも期待

今回の作品制作でF65を使ってみて、その可能性の大きさを実感することができました。一言でいえば、フィルムカメラでできることがすべてできるデジタルカメラが登場したということです。映画制作を中心に普及することになると思いますが、今後CMやドラマ制作でも4K制作の裾野が広がってくるのではないかと、大いに期待しています。言いかえますと、カメラマンやクリエイターにとっては画質や表現において言い訳のできないカメラの登場ということにもなります。

また、F65は4K制作のみならず、従来のHD制作に柔軟に対応できますから、より幅広いコンテンツ制作に柔軟に活用できます。さらに、最大120コマ/秒のハイフレームレート撮影も大きな魅力です。24pの映画制作なら5倍、30pのCM・番組制作なら4倍のハイスピード撮影が可能になり、表現の幅をさらに広げてくれると期待できます。しかも、同じカメラで、同じ画のトーンで、撮影現場で確認しながら、目的・用途に合ったスローモーション映像を撮影できますので、表現のみならず、ワークフローやコストの面でもメリットが大きいと思います。

CineAltaカメラF65の登場で、4K制作の裾野がさらに広がり、もっと自由に、幅広い作品制作に活用できるようになると思います。今後のアライアンス強化によるF65RAWによる一貫した後処理やワークフローの構築、撮影現場で4Kモニタリングできる環境など周辺機器を含めたラインアップの充実に期待しています。それにより、F65を使った4K制作をさらに加速することができるのではないでしょうか。

株式会社 フラッグ プロダクション・マネージャー 本間綾一郎様

株式会社 フラッグ
プロダクション・マネージャー
本間綾一郎様

従来ならフィルムで撮影する企画・内容のCMでしたが、CineAltaカメラF65による4K制作を採用することで、デジタルならではの効率的なワークフローを活用でき、コスト的なメリットも享受できました。今後もハイエンドな作品制作では、カメラ選定の際の有力候補になってくると思います。

株式会社 博報堂プロダクツ フォトクリエイティブ事業本部長 高橋秀行様

株式会社 博報堂プロダクツ
フォトクリエイティブ事業本部長
高橋秀行様

F65はフィルムカメラと同じ撮影が可能なデジタルシネマカメラだと実感しました。このポテンシャルの高さは、クリエーターのモチベーションを高め、妥協なく感性を追求した画作りを可能にしてくれます。幅広いコンテンツ制作で威力を発揮してくれると思います。

フォートン株式会社 デジタルアーティスト 西山 慧様

フォートン株式会社
常務取締役 デジタルアーティスト
西山 慧様

今回は一つの世界観を表現するためにグレーバックで撮影されています。その中で、複雑な合成や細部の色変換などをストレスなくできたのは、F65で撮った画のデータ量が豊富だったからだと評価しています。アライアンスの強化で、F65RAWネイティブでの編集環境が充実することを期待しています。

フォートン株式会社 プロデューサー 兼子研人様

フォートン株式会社
プロデューサー
兼子研人様

数年前から4Kを扱ってきた私たちにとって、4Kは特別な存在ではありません。撮影現場で、現像ソフト等を経ずにそのまま4Kで視聴できるような環境になることを期待しています。

株式会社フラッグ

2002年設立された企画・制作会社。広告や映像・放送番組等の企画・制作のほかに映像・音楽等の販売・出版などを幅広く手がけられています。

http://www.flag-inc.com/

株式会社 博報堂プロダクツ

2005年に博報堂プロマーク、博報堂フォトクリエイティブ、博報堂インセンティブプロモーションズの統合合併により設立。総合制作事業会社として、フォトクリエイティブ、CM制作、企画制作、ダイレクトマーケティング、イベントプロモーション、PR、プレミアムなどを幅広く手がけられています。

http://www.h-products.co.jp/

フォートン株式会社

1988年、デジタルイメージング専門の会社として設立。以来、広告写真のレタッチを専門に手がけられていましたが、2011年に「高精細映像へのレタッチ技術」を開発し、CM等のムービーレタッチと本編集を手がけられています。

http://www.foton.jp/

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