望遠鏡がなくても、αと望遠のレンズがあれば、月のクレーターを撮影することができます。あなたも月の撮影に挑戦してみませんか?
ここでは、月を撮るテクニックをご紹介します。

月を撮る準備をする

月齢カレンダーをチェックする

月の形、方角、高さは季節や時間帯によって変わります。撮りたいイメージどおりの月がいつごろ見られるか、月齢カレンダーを参考にするとよいでしょう。

満月よりも、欠けた月のほうが、光と影の境界でクレーターのでこぼこした様子がよくわかります。

月が写る大きさを確認する

月を大きく撮るには、望遠レンズが必要です。200mmの望遠レンズがあれば、クレーターまで写すことができます。

ILCE-7M4にSEL70200Gを装着し、200mmで撮影しました。画面に占める月の大きさは小さく感じますが、撮影後にパソコンなどで写真編集アプリを使ってトリミングします。

  • テレコンバーターレンズで1.4倍/2.0倍

    テレコンバーターレンズを使用することで、マスターレンズの焦点距離を伸ばすことができます。
    たとえば200mmのレンズに2.0倍のテレコンバーターレンズを装着すれば400mmの望遠になります。
    1.4倍、2.0倍のテレコンバーターレンズがありますが、対応レンズが限られます。詳しくは以下のページをご確認ください。
    コンバーターレンズ

  • APS-Cサイズのボディでは約1.5倍

    APS-Cサイズのボディにレンズを装着した場合の焦点距離イメージを35mm判換算と呼び、焦点距離の約1.5倍として計算します。
    200mmの焦点距離では、300mm相当の望遠になります。
    35mmフルサイズとAPS-Cサイズ

  • 超解像ズーム/全画素超解像ズームで2倍

    超解像ズーム/全画素超解像ズームを使えば画質劣化の少ない画像処理により、解像感を保ったまま2倍までズームアップできます。

    ILCE-7M4にSEL70300Gを装着して300mmで撮影しました。超解像ズームで2倍にして撮影すると、600mm相当の望遠になります。デジタルズームは画質は劣化しますが4倍までズームできます。1200mm相当の望遠になり、画面いっぱいの月が撮れます。

    超解像ズーム/全画素超解像ズーム、デジタルズームはJPEGのみ対応です。[RAW]または[RAW+JPEG]/[RAW+HEIF]設定時は使えません。超解像ズーム/全画素超解像ズームについて詳しくは、お使いのカメラの取扱説明書やヘルプガイドをご覧ください。

ブレを防ぐために

月は明るいので比較的ブレにくい被写体ですが、月を大きく撮影したい場合はブレやすくなりますので、三脚やレリーズを使用するとよいでしょう。
三脚を使用する場合は手ブレ補正機能をオフにします。
レリーズがない場合は、ドライブモードをセルフタイマー2秒に設定すれば、シャッターを切るときの振動でブレるのを防ぐことができます。

撮りながらチェックしよう

おすすめの撮影設定

  • 撮影モード:Mモード
  • シャッター速度:1/125〜1/800
  • F値:F8〜F10
  • ISO感度:100〜400
  • フォーカスモード:マニュアルフォーカス

撮影モードをMモードに設定し、シャッター速度、絞り値、ISO感度を調整します。
月面の表面の模様まできれいに写すには、シャッター速度を1/125秒以上、絞りはF8からF10を目安に設定しましょう。
ISO感度はISO100からISO400を基準に、月の明るさや周囲の環境によって調整してください。

F値をF8.0、ISO感度を400に設定して撮影しました。満月は明るいので、シャッター速度が遅いと、月が白く光ってしまいます。このようなときは、シャッター速度を速めに設定すると適正露出になります。

三日月などの細い月は暗いので、満月と比べてシャッター速度を遅めに設定します。

それぞれの用語についてさらに詳しくは以下のページをご覧ください。

ピントはマニュアルフォーカス(MF)で合わせる

ピントはマニュアルフォーカス(MF)で合わせます。ピントは必ずしもフォーカスリングを回し切った位置(無限遠)で合うとは限らないので、必ず拡大して確認しましょう。正確にピントを合わせるために、MFアシストやピント拡大、ピーキングなどを使います。ピーキングは、ピントが合った部分の輪郭を強調する機能です。見やすい色を選びましょう。
マニュアルフォーカス

ピーキングとピント拡大を使ったピント合わせのイメージです。赤い部分にピントが合っていることを示しています。ピント拡大機能で拡大表示すれば、さらに正確なピント合わせが可能です。拡大表示する位置は、コントロールホイールやマルチセレクターで移動できます。

ピーキングとピント拡大を使ったピント合わせのイメージ

イメージどおりの色に調整しよう

月に抱くイメージは人それぞれです。また、実際に見たときの月の色は、月の見える位置や時間帯によっても変わります。ホワイトバランスを変えることで、イメージに合った色に調整してみましょう。
まずはプリセットのホワイトバランスで色味を確認してみましょう。[電球]を選ぶと青白くクールな印象になります。

イメージどおりにならない場合や、温かみのある黄色やオレンジがかった色合いにしたい場合はカスタム設定にチャレンジしてみましょう。[色温度/カラーフィルター]で色温度(単位 K:ケルビン)を変更することで、自由に色味を調整することができます。数値が低いほど青みがかり、数値が高いほど赤みが増すのでオレンジ色の月が表現できます。

ホワイトバランスについて詳しくは、以下のページをご覧ください。
ホワイトバランス

望遠レンズを使ってみよう

月を大きく撮りたい場合は望遠レンズが必須です。スポーツ観戦や運動会、鳥や動物の撮影が多い方にも是非おすすめしたいレンズです。

望遠レンズの特徴については詳しくは以下のページをご覧ください。
望遠レンズの特徴

ボディ、レンズともに、35mmフルサイズとAPS-Cフォーマットがあります。
35mmフルサイズのボディにAPS-Cのレンズを装着したり、APS-Cのボディに35mmフルサイズのレンズを装着することも可能です。詳しくは以下のページをご覧ください。

APS-Cフォーマットのボディまたはレンズと35mmフルサイズのボディまたはレンズを組み合わせて使えるか

70mmから200mmまでのズーム域をカバーする望遠ズームレンズです。Gレンズならではの高い描写性能とAF性能、操作性を小型・軽量デザインで実現し、ズーム全域でF値4.0、最大撮影倍率0.5倍のハーフマクロ撮影が可能です。1.4倍、2.0倍のテレコンバーター(別売)にも対応しています。

以下の2本のレンズはテレコンバーターレンズに対応しておりませんが、単体で300mm、350mmまでの望遠撮影が可能なおすすめのレンズです。

70mmから300mmまでの望遠域をカバーする、35mmフルサイズ対応の高解像望遠ズームレンズです。最短撮影距離0.9m、最大撮影倍率0.31倍の優れた近接撮影能力により、望遠撮影だけでなくテレマクロ撮影にも対応しています。

Gレンズならではの高解像とコンパクトを両立した、350mm(35mm判換算525mm)の世界まで切り取れるAPS-C超望遠ズームレンズです。光学式手ブレ補正機能の搭載により、運動会やスポーツ、自然・アウトドア、ペットや野生動物など幅広い被写体の撮影に適し、さまざまなシーンで手軽に超望遠撮影が楽しめます。

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