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写真家・吉村和敏が語るサイバーショットT9 本当にスゴイ。僕は本来ここまでカメラを評価しないんですけどね(笑)。
カナダを中心に世界各国の風景を切り取る、写真家・吉村和敏さん。プライベートでも常にコンパクトデジタルカメラを持ち歩くという吉村さんに、T9についてお話をお伺いしました。
T9で一番驚いたのはタイムラグが少ないところ
―まずはT9の第一印象をお聞かせください。
「色はシルバーで僕好みだし、ファインダーがないスマートなデザインもいいですよね。 でも実は現物を見るまでT9のことを知らなかったんですよ(笑)。カメラマンってまずはカメラメーカーの機種に目が向いてしまうんですよね。 もちろんそれは食わず嫌いなんだろうけど、ソニーさんのカメラは候補にはあがっていなかったんです。でも触ってみてビックリしました」
―どういう部分に驚かれたのでしょうか?
「一番驚いたのは、シャッターを押してからのタイムラグが少ないということです。 タイムラグとはカメラのシャッターボタンを押してから、実際に画像がとれるまでの時間差のことです。 T9はこれが少ない。撮りたいと思ったときすぐにシャッターを切ることができます。 タイムラグが長いとすぐにシャッターが切れず、決定的な瞬間は撮れないし、それが結果としていい写真につながっていかないんです。 デジタルカメラはちょっと……という人がいるんですが、その理由を聞くと子どもや孫の写真を撮っても、いい表情が撮れないっていうんですよね」
―それはタイムラグの問題が大きいのでしょうか?
「そうですね。当たり前ですけど撮りたいと思ったときシャッターが切れなければ、思い通りの写真は撮れないんです。 僕は店頭でカメラを見るとき、必ずシャッターを押してタイムラグをチェックしています。 今までのコンパクトデジタルカメラは、タイムラグの問題を無視している機種が結構多いんですよ。 デジタルカメラにとって、とても大切なことだと思うんですけれども……。でもこのT9はタイムラグがなく押した瞬間にシャッターが切れる。 普段の仕事でも十分使えるし、もし店頭で手にとっていたら絶対にT9を買っていますね」
手ブレを気にせずにすぐ撮れるところも魅力
―実際に使ってみていかがでしたか?
「ホールド感もいいし液晶が本当に綺麗。 太陽の下でも太陽光の反射は気にならない程度だし、まさに撮ったそのままの感動を味わえるような感じで、すごく美しいと思いました。 あと電池の残りの時間が出るのは嬉しい仕様ですね。ボタンの硬さもちょうどいい。 持っているとき間違ってボタンを押すこともないから、常にカメラを首から下げる僕でも安心です」
―いつもカメラを首から下げているのですか?
「カメラを持っていないときに“撮りたい!”っていう被写体に出会うことがあるんです。 そのとき撮影できないと悔しいから常に持ち歩いていますね。 首から下げたまま撮影できるようストラップは長めにしていますし。 あとT9でいいなと思ったところが、電源ON、OFFがレンズカバーにも対応していること。 片手で操作できて、なおかつタイムラグがないから瞬時に撮れる。 使わないときはレンズを隠せるからホコリもつかないし、よくできていると思います」
―首から下げたまま、さらに片手で撮影すると手ブレなどは気になりませんか?
「もちろん気になります。だから手ブレ補整機能は重宝しています。実際に手ブレ補整機能の実験もしてみたんですが、スゴイですよ。 極端に手を動かしても止まっている感じですからね。なんでこれをカメラメーカーのほうが率先してやらないのかなって思うぐらい。 プロでも手ブレってありますから(笑)。シャッターを押すときに手ブレしてしまうことがあるのですが、これは先ほど言ったタイムラグの問題。 タイムラグがあるからググッとシャッターを押してしまうんです。でもT9はそれがないし、さらに手ブレ補整機能も付いている。 本当にスゴイ。僕は本来ここまでカメラを評価しないんですけれどもね(笑)」
画質や色合いなどT9の性能について
―画質や色合いはいかがでしたでしょうか?
街中など、いろんな要素が混じった写真だと細部まで再現されていて、さすが600万画素だなと思いました。 あとズームをよく使うんですが、これもいいですね。写真を撮るとき、まずは広角から始まるじゃないですか。 で、そこからいいなと思ったところをズームを使って撮ると、視点がハッキリしていい写真が撮れるんです。 写真というのは風景なら風景の一箇所を切り取ってやることが重要ですから」
―ズームを使うと、どうしても広角より手ブレが目立ってしまうので、やはり手ブレ補整機能は重要ですね。
「日中に撮影したときはそんなに感じないけど、夕焼けとや夜景など光量が落ちてきたとき、手ブレ補整機能はすごく威力を発揮する。 僕らでさえもそう感じるのですから、一般の方はもっと必要に感じていたと思います。 少ない光量で綺麗な写真が撮れるのはデジタルカメラのメリットのひとつですけど、暗い場所での撮影はどうしても手ブレが気になりますからね。 もし手ブレ補正を使っていても心配なら、小さいくてもいいので三脚を使うことをオススメします。 三脚を持っていなければ手すりやイスなど、カメラを固定するだけでもいい写真が撮れますから」
―吉村さんはどんなときコンパクトデジタルカメラを使われるのですか?
「作品を撮るときもあるし、記念撮影などの人物写真はこれで撮ります。 写真集つくるときも簡単なスナップ写真とか必要になるのですが、そういうときの記録写真などもコンパクトですね。 やっぱり小さいカメラのほうが動きやすいし、何気ないスナップを撮ったりだとか、ホームページやブログ用などの写真にも適していますから」
人物スナップや風景写真を上手に撮るコツとは?
―人物もコンパクトデジタルカメラで撮影されるんですか?
「そうですね。一眼レフだと何気ない表情を撮りたいなと思っても、カメラを向けると構えちゃうんですよ。 特に家族や子どもの写真を撮るときは、コンパクトデジタルカメラですね」
―人物を上手く撮る秘訣はありますか?
「やはり会話しながら相手にカメラを意識させず撮るということですね。 僕は人物を撮るときファインダーをのぞきながら常にしゃべっています(笑)。バシバシと次から次に撮ることも大切ですし、日中でもフラッシュは使っていったほうがいいですね。 フラッシュを使うと目に光が入って人物が綺麗に撮れますし、帽子のツバで影になってしまうところも明るく撮れますから。 あとスナップのテクニックとして、知らない人でもいきなりカメラを向けてしまうということもします。 それでカメラをそのままにしていると必ず視線をズラしますから、そのときを逃さずパシャリとね。 そうすると自然で面白い写真が撮れるんです。でも怒られることもありますから気をつけてください(笑)」
―風景を上手く撮るコツはありますか?
「これは風景というより、写真を撮るときすべてに言えるのですが、まず目で見て、写真を撮る人にとって何が綺麗か、何に感動するかということが大切なんですよ。 それを四角い画面で切り取ってやればいい写真になると思います。 僕の場合20年間写真を撮っているので、パッと見て絵になるか、何が自分の感性に響くのかが大体分かります。 カメラマンの皆さんは同じだと思いますし、それが自分の作風ということだと思います」
―吉村さんはフィルムとデジタルでしたらどちらが?
「それは難しいですね。でもよくそういう質問はよく受けます(笑)。僕はデジタルカメラをオススメしています。 デジタルのほうが写真がすごくシャープだし写りもいい。操作も簡単になってきていますし、今はメディアを写真屋さんに持っていけばデジタルプリントもしてくれる。 子どもの写真や孫の写真にしてもデジタルのほうがずっと残っていきますからね。 今度からその質問を受けたらT9をオススメしておきます(笑)」
―では最後に、今後の活動についてお聞かせください。
「今度はフランスの美しい村々を撮影しようと思っています。 あとドイツのドナウ川を上流から下流に旅をしているんですが、それもいつか本にできればと。 来年はヨーロッパを中心に活動する予定です。もちろんカナダにも行きますよ。 今、カナダでは内陸部の大草原を撮っているのですが、何もないところから自分の感性で何かを撮っていこうというのがテーマですね。 あとは、コンパクトデジタルカメラだけで撮った作品集をつくってみたいです。 これはこれの味があるわけだから。もちろんそのときは必ずT9を持って行きますよ」
吉村和敏最新作品集
Silent Night Globe graphics(4) 写真と小説で構成した全く新しいタイプのクリスマスブック
Silent Night
吉村和敏、石田衣良 (著)
2005年11月新発売
小学館
ローレンシャンの秋 カナダ・ケベックの森が燃えるとき カナダ・ローレンシャン地方を旅し、美しい大自然をとらえた作品集
ローレンシャンの秋 カナダ・ケベックの森が燃えるとき
吉村和敏(著)
2005年9月発売
アップフロントブックス
Index
Profile
吉村和敏
吉村和敏(よしむらかずとし)
1967年、長野県生まれ。1年のうち約半年をカナダやヨーロッパ各国のカントリーサイドで生活し、美しい自然や心豊かに暮らす人々の姿を独自の視点で撮影し続けている。 2003年、カナダメディア賞大賞受賞。 写真集に「プリンス・エドワード島」(講談社)、「光ふる郷」(幻冬舎)、「草原につづく赤い道」(金の星社)、「郷愁の光」(ピエ・ブックス)、「ローレンシャンの秋」(アップフロントブックス)、「SILENT NIGHT」(小学館)など多数。詩人・谷川俊太郎との共著「あさ/朝」、「ゆう/夕」(アリス館)は ベストセラーとなり話題を呼んでいる。 「プリンス・エドワード島とアトランティック・カナダの四季」「カントリー・スピリット」など写真展も多数開催。
吉村和敏オフィシャルサイト
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