XDCAM
映像制作機材 "XDCAM"

株式会社 福岡放送 様

放送局

2015年1月掲載

ネットワーク報道制作システムSonaps採用で報道・スポーツ番組制作におけるファイルベースのトータルワークフローを構築。

株式会社 福岡放送 様

株式会社 福岡放送様は、報道・スポーツ番組制作に運用されている制作システム更新に合わせて、ネットワーク報道制作システムSonapsを導入。取材・収録、編集、送出、そしてアーカイブまでファイルベースのトータルワークフローを構築され、2014年3月末より本格運用を開始されました。

同社 技術局 制作技術部 副部長 谷口浩司様、同部 主事松本安史様に、ファイル化/ネットワーク化への取り組みと今回の更新コンセプト、システム採用の決め手、運用の成果と評価などを伺いました。

なお、記事は2014年9月中旬に取材した内容を、編集部でまとめたものです。

Sonaps の継続導入でファイル化/ネットワーク化を促進


報道番組の制作、オンエアを行っているNスタジオサブ。システム更新でファイルベース化/ネットワーク化を一層進化させ、効率的な番組制作を実現。


継続して使用する報道支援システムNews IBO2と連携した送出サーバーシステム(写真・左)とニュースオートメーションシステム、送出システム(写真・右)との親和性もSonaps を継続して採用した決め手の一つになっています。

当社は、2005年に現在の社屋に移転した際、報道・スポーツ番組を担当するA、B、Nスタジオサブに編集、送出を一貫して行えるシステムとして旧Sonapsを採用しました。当時は、SDからHD、ベースバンドからファイルへの移行期でもあり、それらをスムーズに行え、なおかつトータルシステムを構築できるソニーのシステムインテグレーションを高く評価した結果でした。今回は、加えて上位の報道支援システムNews IBO2やニュースオートメーションシステム、送出システムとの親和性、XDCAM機器など、運用中のソニー製品との親和性の高さも採用の決め手の一つになりました。

今回、運用を開始して10年近くが経ち、多用しているPCの保守部品の手配が難しくなるなど経年的な要素も考慮してシステムを更新することになりました。これから長期間運用できる仕様・機能・使い勝手、信頼性・安定性を確保できることはもちろん、さらに取材・収録、編集、送出、そしてアーカイブに至るファイルベースのトータルワークフローを構築できることを更新コンセプトの柱としました。

社内での協議、検討の結果、ネットワーク報道制作システムSonapsを継続して導入することを決定、2014年3月にシステム構築を完了し、同月末より本格運用を開始しました。

XDCAM HD422(50Mbps)によるトータルワークフローを実現へ


マシンルームに設置されたHD1,000時間の素材共有サーバー(写真・左)と、収録からアーカイブまでを一括管理するニュースセンター内の収録センター(写真・右)。


アーカイブシステムとのメタデータ連携を実現することでプロフェッショナルディスクによる効率的な棚管理(写真・右)を実現。写真・左は、ニュースセンター内の一本化端末。

Sonapsの継続導入の理由の一つは、基本的なオペレーションを継承できる点です。システム更新に伴う戸惑いも少なく、スムーズに移行することができます。もちろん、前回と同様にソニーが持つトータルシステムの構築力や、実績の高さ、サポート体制の充実など総合的な判断がありました。

また、性能の向上も導入の決め手となっています。これまで6系統だったインジェストが8系統に増え、ファイルやベースバンドの取り込みがより幅広く行えます。同時に、プロフェッショナルディスクによるバックアップ収録が可能なので、信頼性の高い運用に貢献します。

これまで素材サーバーと編集サーバーに分けて合計500時間(HD換算容量)だったものが、素材サーバーに一本化し容量もHD換算1,000時間と増やしました。これにより、プロ野球中継時などの長時間の素材も何試合分かまとめて登録しておくことができ、より柔軟な運用が可能になりました。

システム連携の強化も魅力です。代表的なものが追いかけ再生機能で、従来送出サーバーに完パケファイルを転送完了するまで送出できませんでしたが、これにより登録中からオンエアすることが可能になりました。また、既存のアーカイブシステムとのメタデータ連携を実現することで、プロフェッショナルディスクによる効率的な棚管理と再利用ができます。

2014年10月には、XDCAM HD422 カムコーダーPDW-850 を6台導入します。これにより、先行していたスポーツに加え、報道もXDCAM HD422(50Mbps)による取材・収録、編集、送出、アーカイブのファイルベースのトータルワークフローが完成します。

追いかけ再生/編集など報道・スポーツ編集に適した機能も評価


編集端末にXPRI NS を8式導入。報道編集ブース(写真・左)に6式、スポーツ編集室(写真・右)に2式を採用。追いかけ編集など、報道・スポーツ編集に特化した機能はエディターに好評を得ています。


ニュースセンターの一角に置かれたXPRIモバイル端末(写真・左)。収録素材の確認や編集状況の確認などに運用されています。また、XDCAMドライブPDW-U2との組み合わせでローカル編集も可能なので取材現場での持ち出し運用も想定されています。写真・右は、報道編集に2式、スポーツ編集に1式配備されたBVE-700を使ったリニア編集システム。エディター不在時の記者やカメラマンの編集作業などに活用されています。

今回のシステム更新では、ノンリニア編集システムXPRI NS もキープロダクツとなっています。当社はXPRI NS の1号機を導入し、現場で実際に運用する立場からさまざまな要望を提案し、その後の製品開発やアップグレードで反映してもらってきました。そういう経緯もあって、XPRI NSのプリロール編集など報道やスポーツの編集に適した機能や使い勝手の良さは高く評価していました。

実際、システム選定の際にはエディターやオペレーターなどの声も聞いていますが、XPRI NSを継続して使用したいという声があがりました。性能・機能の向上はありますが、基本的な操作性は継承しており、スムーズに移行することができたと思っています。

今回、XPRI NSを8式導入し、報道編集に6式、スポーツ編集に2式配備しました。また、ニュースセンター内にXPRIモバイル端末を1式配備したほか、BVE-700によるリニア編集システムも報道編集に2式、スポーツ編集に1式残しました。頻度は少ないですが、数カットを繋ぐだけの編集や、土曜・日曜の専任エディターが不在の時に記者やカメラマンが編集を行う際などに活用しています。

多彩なニュース・スポーツ番組でフル稼働中


XDCAM Stationも、マシンルームにおけるプロキシAVデータ生成用(写真・左)や、サブにおける送出・配信用(写真・右)などに効果的に活用されています。

Sonaps+ 送出の新システムは2014年、3月末よりA、B、Nスタジオサブから送出されるすべての番組で運用されています。同じソニー製システムを継承したことでトレーニング期間も短く済み、戸惑いやストレスが少なく運用できているのではないかと考えています。今回のシステムはFBS局内の賞を受賞するなど、社内的な評価も高く、それだけ運用に対する期待も高いと思っています。

運用を開始して間もない段階ですが、メリットを実感するのは、ファイルベース化の促進によるワークフローの効率化をあげることができます。たとえば、追いかけ再生や追いかけ編集は、これまでファイルベース化で一般的に課題とされてきた、送出や編集の待ち時間を大幅に改善しています。

また、素材共有サーバーによる回線収録、ナレーションなどの編集素材の一括管理で、メディアに吐き出すなどの手間と時間が軽減されました。今後、一層オペレーションの習熟度を向上させ、ファイル化により、手間と時間が軽減されてできた余裕がより魅力的な番組づくりやクオリティー向上に寄与してくれるだろうと大いに期待しています。

現状、新システムは安定した運用ができており、信頼性の高いシステムを構築できたと思っています。同時に、報道・スポーツ番組を制作する立場からしますと、最も重要なことはシステムの安定性は当然のこととして、やはりスタッフやオペレーターが操作しやすく、ストレスを感じることなく作業に集中できることです。ソニーには、今後もそうしたヒューマンインターフェースの部分を大切にしたアップグレードやシステム開発を続けてほしいと思います。

株式会社 福岡放送 技術局 制作技術部 副部長 谷口浩司様

株式会社 福岡放送
技術局 制作技術部
副部長
谷口浩司様

株式会社 福岡放送 技術局 制作技術部 主事 松本安史様

株式会社 福岡放送
技術局 制作技術部
主事
松本安史様

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