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第37回「日本の自然」写真コンテスト受賞作品

過去最多の全13,095点
(プリント部門4,961点、デジタル部門8,134点)
の応募の中から厳正な審査の上、
各賞受賞作品が決定いたしました。
その中からいくつかの受賞作品を
ご紹介いたします。

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  • 第37回「日本の自然」写真コンテスト講評動画
    審査委員 福田健太郎さんから受賞者のかたへ

    例年行われている表彰式が今年は実施できなくなったため、写真家の福田健太郎さんが審査委員のひとりとして、一部の作品について表彰のコメントをご用意させていただきました。
    受賞者の皆さま、おめでとうございます。

    *プリント部門の最優秀賞+審査委員賞ほか(合計8作品)、デジタル部門の最優秀賞ソニー4K賞+ソニーネクストフォトグラファー賞(合計2作品)
  • プリント部門 最優秀賞

    「朝の草千里」大野 義人

    審査委員コメント

    地球の鼓動を感じる。阿蘇山の噴煙を、無風の絶妙なタイミングで撮っている。好機と努力が合わさった作品。
    手前の池には、星も映り込み、草千里の馬の姿や垂直に上がる噴煙がとても印象深い。
    美しい構図に、はっとする。同時に、自然の脅威や怖さも、見る人たちに伝える一枚だ。

  • デジタル部門 最優秀賞 ソニー4K賞
    「駆け抜ける秋」西山 亜希子

    審査委員コメント

    日本の豊かな四季と、自然とともにある生き物の姿を一枚で見せてくれる。
    エゾリスの動きをよく観察し、周辺の風景を見つめ、構図を計算しながら、絶妙のタイミングを捉えた。
    冬に備えて動き回るエゾリスの前脚の指が、くっきりと開いている。
    カメラ目線でキャッチライトが入った完璧な写真だ。

  • デジタル部門 ソニーネクストフォトグラファー賞
    「Snow village」杉瀬 悠汰

    審査委員コメント

    深い山に囲まれ、雪化粧した渓谷の町の静寂な情景が、よく表現されている。
    冬の透き通った光と空気を通して見える町並みや木々のディテールが際立つ。
    奥行きのある、繊細でリアリティーを感じさせる作品になっている。

プリント部門 審査委員賞・朝日新聞社賞・森林文化協会賞
  • 中村征夫賞「イルカファミリーのお出かけ」奥山 紘子

    審査委員コメント

    二組のイルカの親子がほほえましい。このようにそろった写真はなかなか撮れない。仲間たちが、後ろに写り込んでいて、奥行きが感じられる。海の雄大さが伝わってくる。水面は波立ち、潜ったり、船上に上がったりの繰り返しで、重労働の撮影だと思われるが、爽やかな雰囲気がある。明るめの露出も適当だ。

  • 福田健太郎賞「有明海の風物詩」釣出 満彦

    審査委員コメント

    有明海の養殖のりの種付け風景。カラフルな網が、印象深く、とても写真映えする。光の加減、撮影位置も良く、広々としたスケール感をうまく捉えている。自然とともに生きる人間の姿も、この風景から見えてくる。

  • 前川貴行賞「go away」鷲澤 悟

    審査委員コメント

    トキとカラスのドラマチックな一瞬に遭遇した。露出が絶妙で、光線の状態がとても美しい。カラスが溶け込んでいるような黒や、背景にぼやけて見える赤の色合いもバランスが良く、写真全体を引き立たせている。

  • 吉野信賞「雪の妖精」佐藤 章

    審査委員コメント

    アルビノのエゾリスが、妖精のように雪の上を走り回っている。可愛らしい様子を追いかけて一瞬を撮った。色彩的に見て、とてもきれいな作品。差し込む光がきらめき、背景はすっきりとしている。動きのある姿を捉えたところが良い。

  • 米美知子賞「雨あがり」田中 睦子

    審査委員コメント

    富士山の周辺に咲くフジアザミの存在感にひかれる。背景には、霧に包まれた森と岩が見えており、独特の生息環境を、ローアングルからうまく表現した。純粋な自然写真で、色合いもシンプル。見た自然を自然のままに表現したところに、好感がもてる。

  • 朝日新聞社賞「氷柱キャンディー」藍沙

    審査委員コメント

    つららから垂れる水を、シマエナガがなめている。シーンの面白さと、一生懸命羽ばたく姿が、とても魅力的だ。ありふれたシマエナガの写真とは違い、鳥の形が目をひき、躍動感が伝わってくる。撮影者の歓声が聞こえてくるようだ。

  • 森林文化協会賞「田園の秋」村上 吉秋

    審査委員コメント

    稲を天日干ししている杭が倒れ、崩れ、田んぼには水もたまっている。整然としていないのに、ひかれる風景だ。台風一過の朝、霧の中に朝日が柔らかく差し込んで、新しい一日が始まっている。古代からの人々の営みがここにある。

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