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7.1ch・デジタルシネマサウンド

7.1chシステムは、サラウンドスピーカーが左右2本ずつなので、それだけでも映画館に近いですが、もっと数を増やすとより映画館に近くなります。また映画館独特の残響も空間を緻密につなぐためになくてはならないものです。
家庭でこれを実現するのが、7.1chシステム用にパワーアップされたデジタルシネマサウンドです。7.1chスピーカー環境では、新しいバーチャルマルチディメンジョンが仮想スピーカーを12本生成します。この12本は映画にあわせてグルーピングされますが、まず5.1ch映画では、左右6本ずつにグルーピングされます。この環境はダビングシアターや実際の映画館にきわめて近く、全空間の連続性が非常によくなります。
とくにフロントとサラウンドの中間部分や、天井を感じさせる高さ感は、デジタルシネマサウンドならではの効果です。サラウンドEX映画(6.1ch音源)の場合は、12個の仮想スピーカーは左壁4個、右壁4個、後ろ壁4個にグルーピングされます。
このスピーカー配置はサラウンドEX映画上映の標準的な姿です。つまりサラウンドEX映画の特徴であるオープンで360度均一に広がる音場が映画制作者の意図どおりに広がります。


[1]Cinema Studio Reverberation
キムノバックシアターをはじめとするダビングシアターの残響を再現するシネマスタジオリバーブレーションも、7ch化されました。各チャンネルのリバーブレーションは、5chまたは6chの音源から得られるスタジオ内の残響を、スピーカーの数のマルチチャンネルステレオ信号として再現します。また隣り合う二つのスピーカー同士はステレオ信号となっており、その中間にも残響音源が存在します。
実際のダビングシアターで聴こえる残響はあらゆる方向から到来しますが、シネマスタジオリバーブレーションは、少ない残響でこの広い空間を家庭に再現します。また、7ch化されたシネマスタジオリバーブレーション、12個の仮想スピーカーに加えて、デジタルシネマサウンドのもう一つの特長であるスクリーンデプスマッチングも従来通り装備。従来にもましてダビングシアターの再現性が高まったと言えます。
Cinema Studio Reverberation A
シネマスタジオ・リバーブレーションAは、SPEの中で最も伝統のあるダビングスタジオ『ケリー・グラント・シアター』の音場特性を反映しています。このシアターは、中規模な映画館と同等の容積を持っており、360チャンネル入力と72のミックスアウトのコンソールを常設しているほか、最先端のデジタルハードディスクレコーダーなども装備しています。シネマスタジオ・リバーブレーションAは響きが中庸なので多くの映画ソフトでお楽しみいただけます。
Cinema Studio Reverberation B
ハリウッドにあるダビングスタジオの中でも、最先端クラスの音響設備を備えているのがシネマスタジオ・リバーブレーションBのベースとなったスタジオ『キムノバックシアター』です。ここでは、現行すべてのデジタル音声フォーマットに対応できるほか、CG(コンピューターグラフィックス)など新しい演出の映像に対応した、立体的で複雑なサウンドデザインを行うことができます。SF映画から恋愛映画まで現代的な音作りの映画ソフトに向いています。
Cinema Studio Reverberation C
SPEには、通常のダビングスタジオとは異なる音の財産があります。それがスコアリングスタジオ。映画のBGMなど、音楽を収録する際に使われるスタジオです。かの名作「風と共に去りぬ」の音楽もこのスタジオで収録されました。シネマスタジオ・リバーブレーションCはこのスコアリングスタジオの音響特性をホームシアターに再現。このモードは、音楽の多い映画やミュージカル作品の鑑賞に適した音場特性を持っています。

[2]Virtual Multi Dimension
映画館では、サラウンドスピーカーが座席を取り囲むように複数個配置されています。このマルチリア環境が、周波数のピーク・ディップをならし、独特の柔らかい音場感を醸し出しています。
ホームシアターでは難しい、こうしたマルチリア環境を、バーチャル3D技術を駆使することで、一対の実際に設置されたサラウンドスピーカーから目に見えない仮想スピーカーとして生成し、再現することを目指したのがバーチャル・マルチディメンジョンモードです。

さらに、実際のサラウンドスピーカーの設置が難しいようなケースで、フロントスピーカーだけでサラウンドスピーカーを生成するセミモードも用意しています。
このように仮想スピーカーを自在に設定できるのは、人がいろいろな方向から来る音の微妙な違いを記憶しているからです。
ですからたとえば左上方からの音のように聞こえさせたければ、耳に達したときに人の記憶が左上方からの音だと判断するように音を調整して送り出せばよいのです。この調整にソニーは高速なデジタル処理を行う高性能DSPを用いています。


[3]Screen Depth Matching
Screen Depth Matching映画館では、フロントの左右およびセンタースピーカーが無数の小さな穴の空いたスクリーンの裏側に設置されています。こうしたセッティングになっているため、音には小穴を通り抜けることによる高域の減衰と音の膨らみ、そしてスピーカー背後の壁からの反射音による音の深み感が付加されます。

スクリーン・デプス・マッチングは、DSPによる演算でフロント側のスピーカーをスクリーンの後方に移動し、さらに、例えばそのまま聴いたのでは、ストレートすぎて、ややもすると、きつい感じになるダイアログをやわらげる、などの処理を行うことで映画館らしいフロント表現を再現します。
スクリーン・デプス・マッチングの効果は、セリフにおいて直感的にご理解いただけるでしょう。画面の中に入った位置から聞こえる感じになります。
またサウンドエフェクトも奥から聞こえます。映像と一体感のあるセリフやサウンドエフェクト、それは映画館さながらのものです。さらに、音源が奥まったことで、映像自体にも奥行感や立体感を感じさせてくれる効果も見逃せません。