ターゲットにあわせてUIや
サービスを最適化。ソニーだけが
実現したタブレットのカスタマイズ
在宅時間が長い女性にもっとネットを使ってほしい。そのために必要なのは軽く起動が早いタブレットだった。このアイデア実現までの課題を製品そのものの魅力とカスタマイズによってクリアした。
ケイ・オプティコムは関西地方を基盤に独自の光ファイバーネットワークを構築する情報通信事業者だ。ブロードバンド市場の成熟や、インターネット利用デバイス の多様化など、プロバイダの事業環境が大きく変化するなかで、ケイ・オプティコムが目指したのは地元に密着したインターネットを利用した生活全般を支援する暮らし向上サービスと、それを実現するプラットフォームのビジネス化だ。そのためのキーデバイスとしてタブレットに着目したが、独自サービスの実現やユーザビリティ、サポートなどハードウェア特有の難しさに直面した。それを解決したのがソニータブレットのカスタマイズという、ソニーからの提案だった。
業 種 | 導入機種 | 使用用途 |
---|---|---|
情報通信事業 | "SonyTablet"<K-OPT仕様> | ケイ・オプティコム提供の新サービス 「eoスマートリンク」の専用情報端末 |
お客様に大きな安心を与えた
ソニーとのコラボレーション
高いセキュリティを実現しつつ
高スペックによって業務効率や
従業員の生産性向上を実現
開発部署に直接話ができ、
説明が受けられる体勢
小舟 弊社のインターネット回線の契約は30〜40代男性がメインですが、仕事をしている男性は日中自宅でネットを使いません。ですが、奥さんは日中、自宅にいる時間が長いのでその方々をターゲットとしました。
朝食の用意をして、夫や子どもが出かけたら買い物に行かないといけない。そんなときに、タブレットで手軽に買い物ができたら、もっとネットを使ってくれるんじゃないかと考えました。
タブレットと独自開発のアプリケーションを用意し、その上で天気予報やニュースなどの生活情報を見ることができたり、阪急キッチンエール関西や大阪市中央卸売市場によるECでのお買い物ができたりします。また健康・ヘルスケアでは体重管理アプリやヘルシーレシピの紹介などもあります。
朝から夜まで、子どもからお父さんお母さんまで、家族の方みんなに使っていただける、そんなコンセプトでいろいろなサービスを開発して組み込んでいます。
小舟 今までの私たちの事業はインターネット回線の提供がメインで、そこにはパソコンがつながることを想定していました。なおかつ、そのパソコンはお客様が自分で用意するものでした。ですが、女性に使っていただくためには、もっと手軽なものが良いのではと考えていました。
谷口 パソコンだと、どうしても起動が遅い、操作が面倒だと敬遠される方がいます。そういう方にも使ってもらえるデバイスを検討していたところ、ちょうどタブレットが世の中に普及し始めました。
家庭向けということで10インチ前後の画面サイズのものを探していたところ、ソニータブレットに行き当たりました。他社にも近いサイズのものはありましたが、私たちのニーズにもっとも合っていたのがソニータブレットでした。
海外ベンダーのOEMによるオリジナル製品や、リスクヘッジのため複数メーカーからの調達も検討しましたが、タブレット市場で先行していること、そして何かあったときにサポートに不安がないということで、ソニータブレットを採用しました。
杉野 eoスマートリンクのプラットフォームをタブレット端末に導入するには、難しい点があります。当初は、お客様自身にインストール作業をしてもらうことも考えましたが、やはりそれはハードルが高いです。
そこをうまくカスタマイズすることで、簡単なアクションで市販仕様のソニータブレットからeoスマートリンク仕様のタブレットに、世界を変えてくれるような仕組みをソニーが提案してくれました。それが最大の決め手でした。
小舟 目標よりも出だしはやや好調です。お客様については、予想よりも上の年代の50〜60代にも、想定以上に利用されています。やはり、すぐに立ち上がるということと、タッチで操作できるところが良いという声を聞きます。あと、もっとECやサービスのラインアップを揃えて欲しいという要望が大きいです。
そうすることによって、タブレットの販売台数をもっと増やし、使っていただけるお客様を増やしていけば、今後は広告など、プラットフォームとしてさらにビジネスが広がっていくと期待しています。
谷口 ソニーというブランドは大きかったですね。弊社の独自ブランドで出してもお客様にはアピールしづらいですが、ソニーというブランドパワーがあれば、より市場が広がるのではと期待しました。やはり、私も含めて多くの人が、ソニー製品に興味を持っているんですよね(笑)。
杉野 ソニータブレットは、端末を持っているだけで楽しめるじゃないですか。eoスマートリンクのサービスだけでなく、ソニータブレットの独自サービスでも遊べる。ソニータブレットのケイ・オプティコム仕様ということで、上手くいいところ取りができたかなと思っています。
杉野 考えていたよりも開発は順調に行きました。もちろん、ここはこんなつもりだったとか、あそこはこう仕様が変わったとか、いろいろなキャッチボールがありましたが、おおむね当初予定していたイメージで進んで行きました。
おそらく、他のベンダーだともっと難しかっただろうという、いくつかの点が、上手くいったと思います。懸念していたことに対して、あらかじめソニーから「こういうことができます。」と踏み込んでくれたので、僕らはそれに乗っかることができました。
谷口 海外メーカーだと確かにコストは安いですけど、文化の違いもあってここまで順調にはいかなかったと思います。我々の要望を、開発担当者が直接話を聞いてくれたり、説明してくれたりしました。そこは海外ベンダーでは難しいと思います。
今でも定期的にソニーとは開発者も含めてミーティングを行っています。そこでは、こちらからのリクエストやお客様からのフィードバックを伝えたり、ソニーから新しい提案をいただいたり、他の事例などを共有してもらっています。
小舟 テレビとタブレットとの融合はもっと進めたいですね。これ以外にもタブレットから家中の家電をコントロールするサービスや、家中の消費電力を見える化するサービスを提供していますが、今後もサービスを拡充しeoスマートリンクタブレットを家全体の起点にしたいと考えています。
弊社としては単なる回線ビジネスではなく、もっと家庭の中に入り込んでいくこと考えています。これまで消費者向けに、さまざまサービスがバラバラに存在していましたが、それらをeoスマートリンク上にまとめて展開していくことができます。
実際には、eoスマートリンク全体のパイが小さくて、まだまだそのステップまではいっていないんです。我々のサービスの魅力をもっとアップしていけば、自ずと実現すると考えています。そのためには、端末の販売数をもっと増やさないといけないし、利用者の利便性をもっと向上しないといけません。
谷口 お客様の宅内向けサービスを提供していくためには、もっといろんなデバイスが必要になると考え、私の部署では「これとこれを繋げたら面白いんじゃないか?」というアイデアを貰って、どうしたら技術的に実現できるか検討するミッションが増えました。
小舟 先ほど申し上げたとおり、eoスマートリンク上でのサービスをもっと拡充してきたいです。お客様は時間帯やシーンによって、したいことが変わって来ます。だから買い物にしても、日常的な食品の買い物は十分でも、それ以外のところがまだ手薄です。その辺をまんべんなくラインアップを揃えていきたいです。
杉野 弊社ではトリプルプレイといって、光ファイバー回線の上でインターネットとケーブルテレビとIP電話の3つのサービスを行っています。これらのサービスとタブレットを連携させていきたいです。
例えば、ケーブルテレビ用のセットトップボックスで録画した番組をDLNAによって、eoスマートリンクタブレットから見られるようにしたいですが、技術的なハードルがいくつかあってまだ実現していません。
トリプルプレイは弊社のメインサービスなので、それをさらに楽しく使ってもらうために、eoスマートリンクタブレットをもっと活用していきたいです。
今回、ケイ・オプティコム様のサービス「eoスマートリンク」でのタブレット端末活用において、SonyのTabletをご採用いただいたことを大変嬉しく思います。
サービス開始前からお客様のご要望に合ったサービス提供ができるよう、度重なる詳細なお打合せ、動作検証、さらには販売後のサポート体制構築までケイ・オプティコム様の多岐にわたる関係者のみな様にご協力をいただきながら進めてこれましたことに感謝いたします。
これからも「eoスマートリンク」とSonyのTabletでこれまで以上のサービス拡充ができよう継続的に考えていきたいと思います。
担当 西川 徹