CDショップでのお客様のさらなる
体験向上を目指してソニータブレット
による約250万曲の試聴環境を構築
店頭に来たお客様に、より良い音楽体験を提供する。そのためにTSUTAYAが選んだのはソニータブレットだった。そしてソニーによるMDM(モバイルデバイス管理)の提案が、新試聴機の実現への課題をクリアした。
音楽や本などを通じてライフスタイルを提案するTSUTAYA。さまざまな外部環境の変化によって厳しくなる競争のなか、実際に店頭に来たお客様に対して、どのように新しい音楽を提案していくかが、課題となっていた。 そのための取り組みのひとつが、タブレットという新たなデバイスを使った音楽試聴機の実現だ。しかし、タブレットというコンシューマデバイスを試聴機として利用するためには、さまざまな課題が存在した。 さらに、音楽試聴機である以上は、高い音質が求められる。これらのいくつもの課題を乗り越えて、TSUTAYA の店頭に置かれたのは、ソニータブレットだった。
業 種 | 導入機種 | 使用用途 |
---|---|---|
専門店(音楽・書籍・インテリア) | Sony Tablet S:100台 | TSUTAYA店舗にて音楽試聴用端末 |
ソニーのAV機器メーカーとして
のブランドが生む音質への安心感
アプリインストールや設定を完了
して配送することでコスト削減
楽曲数無制限のクラウド試聴環境
を実現するためMDMで機能制限
遠田 これまでのCDを使った試聴機は、試聴できる曲数が限られていることに加え、店内のレイアウト変更に柔軟に対応できないなどの課題がありました。そこへ急速に普及しつつあるタブレットを使って、お客さまがお店にいる時間をもっと充実したものにできなかと考えました。
実際にタブレットの導入が決まってから、販売されているものを何機種か購入してCDを聞き比べてみたなかで、ソニータブレットを選びました。試聴機にとって音質は重要なポイントです。オーディオメーカーでもソニーは、他社と比べものにならないくらい、良かったです。
遠田 試聴用アプリを自社開発することで、クラウド型の試聴サービスを利用して最新のものから過去のものまで約240万曲もの楽曲を自由に聴くことができるようになりました。操作も、試聴したいCDを試聴機のバーコードにかざすだけで自動的に音源を検索して試聴できるので簡単ですし、これまでは店舗側で用意していたCD10枚ほどに限られていましたが、お客様の好きなものを自由に試聴できるようになりました。
それに、メニュー画面にあらかじめ表示するCDも、バーコードを読み込ませるだけなので、店舗スタッフが自由に変更できます。店頭でのキャンペーンに合わせたラインナップや、スタッフによるおすすめリストみたいなものが、簡単に作成でます。従来の試聴機は移動させるのが大変でしたが、タブレットはドライバー1本でスタッフの手によって移動できます。
よって、先ほどのリストの作成機能とあわせて、キャンペーンや企画に応じてリストを作成して、店頭ディスプレイを変更するといったことが柔軟にできるようになりました。
岩永 今までの試聴機は、どうしても新譜中心になってしまいますが、タブレットなら古いアルバムも試聴できることが大きいです。新譜だとメーカーからサンプルCDを取り寄せられますが、古いアルバムだとサンプルがないことも多いです。でも、タブレットなら新しい物から古いものまで、メジャーなレコード会社から出ているものならほとんど聴けます。
例えば、年末にその年に話題になったCDを振り返る企画として、邦楽と洋楽を20タイトルずつ並べたコーナーを作りました。そうしたら、前月比で約10倍も売れたCDもありました。サンプルCDに縛られず、振り返り企画以外でも、スタッフが自由な発想でいろいろ企画して、お客様に新しい音楽を提案できるのが大きいですね。
昔と比べると、お客様がCDショップに足を運ばれる頻度が減っていると感じていますが、新譜が入荷するサイクルは昔のままです。新譜が毎週のように入ってきて、そのたびに店頭のディスプレイは変わってしまうから、そのお客様が好きなはずの音楽と出会えないままになっています。そういうところをタブレットの活用でカバーできると思います。
遠田 試聴アプリの開発は自社で可能だったのですが、店舗に設置したときに試聴以外の機能をどうやって制限するのかという課題にぶつかりました。また、試聴サービスとの契約で、店舗以外の場所では試聴できないようにするという制限の実現にも、頭を悩ませていました。
これらをどうクリアしたらよいのか行き詰まっていたところに、ソニーからMobile Device Management(MDM)を利用する方法を提案していただきました。MDMを利用すれば、使用可能なアプリの制限や、店舗のWi-Fi親機以外への接続を禁止することができるからです。もしMDMがなかったら、タブレットの操作を物理的に制限するために什器がもっと大げさなものが必要になっていたかもしれません。それだと、せっかくの本体デザインが隠れてしまいます。また、今回テスト導入として100台弱を全国の店舗に配布していますが、この端末の一元管理もMDMでしています。シリアル番号の管理をはじめ、どこの店舗に何台配置されているか、またどのくらい稼働しているかなどMDMの管理画面からいつでも確認することができます。
それとキッティングもしていただいていたことも、大いに助かりました。アプリのインストールや端末の設定など、すべて発送時に完了した状態で店舗に配送していただいたので、タブレットの初期設定や設置に関する手間が大いに減り、店舗スタッフだけで設置作業が可能になりました。
遠田 今回の試聴アプリも1カ月くらいで開発できたように、タブレットはアプリ開発が素早くできますし、コストもそれほどかかりません。よって、映画のトレーラーを流したり、ゲーム感覚のアプリを入れてみたりと、いろんなアプリや機能をどんどん追加してきたいですね。他にも在庫検索機能や、お客様とコミュニケーションを図るようなアプリなど、いろいろとアイデアはあります。
岩永 今はタブレットを什器で固定していますが、将来的にはタブレットを使って接客販売まで行ないたいです。TSUTAYAのお店は、棚に並んだ商品を、お客様が自分で選んで、レジで会計したら終わりですが、もっとお客様とコミュニケーションしながら販売するスタイルもやってみたいです。「こういうのがあるんですよ」とタブレットで見せながら接客出来たら楽しいですよね。
※文中のMDMは株式会社オプティムの商品です。
Optimal Biz for Mobile
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http://www.optim.co.jp/products/bizformobile