* 掲載内容は2025年2月時点のものです
Springs Shirahama 様
南紀白浜エリアを拠点に不動産事業やホテル事業を展開される株式会社楽帆ホールディングス。事業再生や地方創生にも長く取り組まれています。15年ほど前に広島県・尾道にできた日本初のサイクリストホテルを手がけられた実績などをもつ同社CEO北村氏の、自治体や官公庁との事業経験も活かし、同社が地元白浜町にオープンした複合商業施設がSprings Shirahamaです。「ベーカリー」と「ドッグ」の2つのコンセプトホテルが、その中核となっています。
■導入目的
■法人向けブラビアで実現
地方創生や地域活性化を考えるうえで観光は重要な産業ですが、旅行者を有名観光地や宿泊施設だけでなく、地域住民が利用するスポットやイベントへ周遊させることが大きな課題です。我々は15年前からコンセプトホテルを企画運営していますが、大切なのはお客様が「その地域に暮らすように過ごせる」ことだと思っています。そこでSprings Shirahamaでは「日常食」をご提供したいと考え、インバウンドのお客様も意識して「パン」を、「その地域でしか体験できないもの、その場所で作られたもの」として楽しんでいただくためにベーカリーホテルをつくりました。また、日本ではペットと一緒に泊まれるホテルが少ないので、新たな市場創出の観点からも、愛犬を主役にして寛いでいただけるドッグホテルをつくりました。
暮らすように過ごし、さらに地域活性化を図るためには、観光客に町へ足を運んでいただくことが重要です。「地域の魅力があって、私たちのホテルがある」という考え方に立ち、ホテルは施設案内や有名観光地にとどまらない、地元の生きた情報をタイムリーに発信すべきです。有効なソリューションを数年前から検討していたところに紹介いただいたのが、エリアインフォメーションサービスを利用できる法人向けブラビアでした。限られた地域の小さな情報をリアルタイムに、それも双方向で伝えることができ、我々の構想と合致したため採用を決めました。
今回サイネージを設置したのは、両ホテルのロビーです。どちらも55V型を2連で設置しました。またロビーに併設したミーティングルームにも55V型を2連で設置し、会議時はパソコン画面を表示するモニターとして、開放時にはサイネージとして利用しています。このほかベーカリーホテルでは50V型、ハイクラスなドッグホテルではより大型な65V型の法人向けブラビアを客室に設置しました。
サイネージではホテルの施設案内やイメージ画像、災害発生時には避難場所なども表示しますが、注目いただきたいのは、パンの焼き上がり時間をお知らせしていることです。地域の旬な情報をピックアップし表示していますが、より詳しい情報は表示された二次元コードから、お客様がご自身のスマートフォンで専用情報サイトへアクセスし、見ていただく仕組みになっています。案内板のような一方向的な使い方ではなく、能動的に情報を取りに行く双方向的なスタイルが、さらなる価値や効果を生むと考えました。地域住民に人気のお店や知る人ぞ知るイベントが楽しめることを、お客様は大変よろこばれています。だから「おもてなし」になっている。それが可能なサイネージなんて、法人向けブラビアだけではないでしょうか。
ドッグホテルのロビーにあるサイネージ、下のウインドウから右の様子が見られる
そこで重要なのは、お客様にサイネージへの興味をわかせ、能動的に関与させる仕掛けです。つまり、サイネージに近づき二次元コードに気づいていただく必要があります。それが各サイネージの下に設けたトースターやウインドウです。「トースターバー」では、ベーカリーで販売しているパンをご自身で焼き直し、有名メーカーのトースターを比較していただくことができます。また「ドッグスパ」では、施術される犬の様子をウインドウからご覧いただくことができます。そういった好奇心や愛情を増幅させるリアルな仕掛けが人をひきつけ、サイネージの近くへと誘導する。そしてサイネージの内容に「これは生きた情報だ」と気づいていただく狙いがあります。
ホテルの経営・運営においても、人手や人材の面から、エリアインフォメーションサイネージの導入に大きなメリットを感じています。コンシェルジュの育成や、しっかりとした地域情報をご案内できるフロントスタッフの配置は、非常に難しいものです。また、どこかの情報をご案内すると、さらにそこの営業状況もスタッフが確認してお知らせするといった業務も発生していました。しかし今は、エリアインフォメーションサイネージをご案内するだけでいい。大切なのは、お客様が二次元コードから情報を取得し、訪れた先で満足されることです。そうでなければ「サイネージは省力化のためか」とお客様は残念に感じるでしょうが、エリアインフォメーションサイネージなら「スタッフは少ないけれど、おもてなしされた気分だ」と思っていただける。これこそ省力化の在るべき姿だと考えます。
今後さらに人手不足が心配される時代に、地域外から来る短期アルバイトや外国人の雇用を考えたとき、法人向けブラビアの情報伝達機能はホテルの大きな力になってくれるでしょう。エリアインフォメーションサイネージは近く日英2か国語対応になる予定で、当ホテルに導入している無人チェックインシステムで対応している6か国語への対応も見据えています。また当社グループの既存ホテルでも、無人チェックインと組み合わせて法人向けブラビアの導入を検討しており、ぜひ観光庁の補助金を活用したいところです。
広々としたドッグホテルの客室には65V型を設置
エリアインフォメーションが表示されたベーカリーホテルの客室
我々には「従業員が幸せでなければ、お客様を幸せにすることもできない」という考えがあります。つまり顧客満足の前に従業員満足です。そして、さらに視点を広げれば、それよりも先に地域住民が幸せであることが重要だと考えています。住民に笑顔のない地域へ観光客は絶対に訪れないからです。そのため現在はエリアインフォメーションサイネージへの掲載情報をホテル側で管理していますが、今後は地域に開放し、地域の事業者が自らリアルタイムに情報提供していただけるよう準備を進めています。それぞれのお店や住民が観光客と双方向につながり笑顔が生まれたら、これほど幸せなことはない。今後こういったソリューションを活用していけないと、従業員・地域住民・観光客の幸せは実現できなくなるでしょう。まだまだスタート段階ですが、さらに新たな事業の可能性もあると思っています。いつか、自治体の境界線で区切られバラバラに扱われている熊野古道をエリアインフォメーションサイネージでつなぎ、ひとつの魅力あるコンテンツに戻したい。そして、もっとつながりを広めて白浜から南紀全体へ、長く滞在し楽しめる観光地へと進化させていきたいです。
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