法人のお客様リモートカメラシステム 事例紹介 東京理科大学 大学院 経営学研究科 技術経営専攻(MOT)様

東京理科大学 大学院 経営学研究科 技術経営専攻(MOT)様

ソニーのAV機器をハイフレックス型授業に活用し
リアルとオンラインの一体感を醸成。

コロナウイルスの猛威により大学環境も大きく変化し、多くの大学がリアルな対面授業とオンライン授業を同時に行うハイフレックス型授業へと移行しています。
社会人を対象とした専門職大学院として、グローバルな視点と高い職業倫理感を持った起業家・CXO*の輩出を目的とする東京理科大学 大学院 経営学研究科 技術経営専攻(以下 理科大 MOT)では、ソニーのリモートカメラや天井設置型マイクロホンなどを活用し、臨場感・一体感のあるハイフレックス型授業を実現されています。理科大 MOT専攻長を務めていらっしゃる若林秀樹教授にお話しをうかがいました。
*CXO:CEO、COO、CTO、CFO、CMOなどの企業活動における業務や機能の責任者の総称

MOT専攻長
若林 秀樹 教授

ハイフレックス型授業への取り組み

理科大 MOTでは、コロナ禍がやや落ち着きはじめた2020年夏ごろから、リアルな対面授業とオンライン授業の同時開催、ハイフレックス型授業に取り組んできました。理科大 MOTの場合は社会人大学ですから、中には高齢の方もいらっしゃいますし、参加される方が所属する会社のルールもまちまちで、どうしてもリアルとオンラインの併用を考えないといけません。
カメラは当初PCの内蔵カメラを使っていました。しかし輝度の問題などでなかなかうまく見えない。次にビデオカメラを三脚に立てて撮影すると少し良くなる。でもカメラが1台だけだとオンラインで授業を受けている人にやはりその授業の雰囲気とかがうまく伝わりません。理科大 MOTはビジネススクールなので、先生方が学生の間を動き回ることも多くあります。そうするとオンラインの画面では先生が消えてしまったりしてちょっと困る。あるいは板書をする際に、先生自身の影になって板書が見えないという課題もありました。
音声に関しては当初卓上マイクを使っていました。ビデオ会議とかで使う卓上マイクですね。それを2つ3つとつないで使っていました。でもオンラインで使っているマイクを教室内で拡声に使おうとするとすぐにハウリングしてしまいます。なかなかボリューム調整とかが難しくて、かなり苦労しました。そうした試行錯誤を重ねる中で、ソニーさんからいろいろ提案いただいて、2021年の春に今の設備の仕様がおおむね固まってきた、というような感じですね。

教室システムを整備しリアルとオンラインの一体感を醸成

理科大 MOTでは先行して導入されたレーザープロジェクターに加え、2021年春に教室整備を行い、AIを用いたソニーの自動追尾システムと板書抽出システム、学生撮影用カメラなどを導入しました。
また、2021年夏にはプロジェクター再撮用のカメラも導入しています。
音声については拡声が可能な天井設置型マイク「MAS-A100」を講師音声の拡声用兼収音用として2台、学生側収音用として3台、計5台をボーズ合同会社製ラインアレイスピーカーとともに導入しました。

教室後方に設置された講師追尾用カメラと板書抽出用カメラ
ホワイトボード上に設置された学生撮影用カメラと拡声用の天井設置型マイク

今のシステムになって、リアルに参加している人とオンラインで参加している人の間で、かなり臨場感が共有できるようになったかなと思います。リアルで参加している人とオンラインで参加している人の差をなくすというか、この臨場感や一体感をいかに保つかというのが一番工夫したところですね。単なる知識を享受するだけの授業であればいいのですけれども、やはりここではお互いのディスカッションなどが大事になりますので。
現在では、オンラインであることを忘れる、とまでは言いませんが、少なくとも変に意識しない、というような感じにはなってきたと思っています。

自動追尾や板書抽出の利用は先生によってまちまちですね。すごく使っている場合もあれば、そんなに使っていない場合もあります。どちらかというと自動追尾の方が有効に使われていると思います。学生の間を歩き回ったりした場合などに使っています。自動追尾も板書抽出も見学者の印象がすごく良いですね。見学された他学の先生方は皆さん驚いてすごいね!とおっしゃいます。プロジェクター再撮用のカメラも結構使っています。ビデオ会議の画面共有だとそのまま録画されてしまったりすることがあるので、再撮用カメラを使うことも多くあります。

板書抽出機能:教員の前面に板書の内容がオーバーレイされる
プロジェクターの再撮画面 淡い色調もしっかりと映し出されている

マイクに関して、当初はハンドマイクを持ってやったりもしていました。でもコロナ禍にあって、やっぱり消毒をしないといけません。そのためマイクと同時に消毒器具を置いて、マイクを渡すときは都度消毒してから渡したりしていました。それはもうかなり面倒な作業でした。なかにはアルコール消毒で不調になってしまうものもあったりしました。
天井設置型で、しかも拡声ができるマイクに変わったことで、それがなくなったというのは大変大きいと思います。

ハイフレックス型授業のメリット

ハイフレックス型授業ならではのメリットというのも強く感じています。特に大きなメリットは2つあり、ひとつは人数制限がなくなることですね。
これまでは教室定員が90人なので、例えば著名な企業人などがゲストスピーカーとしていらっしゃっても、定員を超えた場合は断らないといけません。あるいは公開講座とかの場合もそうです。これまでは人数制限がありましたが、今はなくなりました。これはとても素晴らしいことだと思います。
もう1つは遠隔参加が可能なこと。どうしてもやっぱり来れないという人は出て来ますから。あとは海外からもつなげるという、これは実に素晴らしいことだと思います。
ほかにもビデオ会議のチャット機能や録画の機能などはすごく役に立っています。

教室定員は本来90名だが、コロナ禍において約半数に減らされている

ソニーに期待すること:“撮るカメラ”ではなく”撮ってくれるカメラ”
これからの教育はエンターテイメント、講師と学生の知のバトル

カメラがズームインズームアウトを自動的にしてくれると嬉しいですね。学生の雰囲気とか、質問内容に応じて自動的にズームインズームアウトしてくれると。これからの教室はいわばテレビのスタジオのようになると思っています。スタジオではプロのカメラマンが内容に応じてあっちを映したり、こっちを映したりしますよね。授業の場合は質問した時にその人にフォーカスするのですけれども、そこをもう一歩進めて、授業全体をストーリーをもって映すみたいなことができれば面白いと思います。発言者に注目するだけではなくて、その発言者をいろいろな角度から撮影するとか、AIを使って自動的にできると面白い。そういう機能が実現できれば、プロスポーツがやっているような感じで映すことができる。授業はある意味でエンターテインメントなわけですね。いろいろな議論をすること自体が面白いわけです。例えば、ここの講義では著名な企業人をゲストスピーカーとして招いたりするわけですけれども、そのゲストスピーカーと学生との議論がまさに知のバトル。それを観客に見せながらやるわけです。もう、それ自身が一つのエンターテインメントなんですね。
そうしたときに、これをエンターテインメントとして撮影するにはどういった映像が良いのかと、この辺をカメラがやってくれると良いと思います。
音に関しては、AIで機械学習してわかりやすく明瞭に聞こえる、といったようなことができるとよいと思います。例えば、マスクをしていても明瞭に聞こえるように加工してくれるとか、本当の音ではないのだけれども、その人の声に似せて、ちょっと明瞭に変換してくれるとか、そういう音作りとかができるといいですね。
もうひとつ、ソニーに期待したいのはソフト面です。
今はソニーさんはカメラやマイクなどの設備面(ハードウェア)だけだと思いますが、そういうハードウェアをわかっているソニーだからこそ作れるビデオ会議システムを作ってほしい。メタバースみたいなものとか。全然離れたところにいるのにメタバースの世界ではすぐ隣にいる、みたいなことができると面白いと思います。

※本ページ内の記事・画像は2021年12月10日に行った取材を基に作成しています。

リモートカメラ
SRGシリーズ

商品情報

AIプレゼンテーション支援システム
REA-C1000
(板書抽出機能・自動追尾機能)

商品情報

天井設置型マイク
MAS-A100(拡声・収音)

商品情報

レーザープロジェクター
VPL-FHZ75

商品情報

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