1960年に創立した福岡県福岡市にある九州産業大学。写真・映像のプロを目指す学生が、芸術学部 写真・映像メディア学科で学んでいます。同学科では、これまでさまざまなカメラを保有・活用していましたが、2024年9月に『α7 IV』を30台と多数の「G Master」レンズを一括購入し、運用を始めています。ここでは、写真・映像メディア学科の教授 百瀬 俊哉 様と准教授 荒巻 大樹 様に、機材の選定理由や運用方法、『α7 IV』を使用している学生たちからの反応を伺いました。
ープロになるために必要な技術と知識を学習する
九州産業大学 芸術学部 写真・映像メディア学科
教授 百瀬 俊哉 様
荒巻:写真・映像メディア学科では、4年かけて将来プロとして活躍するために必要な技術や知識を習得できるように授業を組み立てています。写真の基礎から学び始め、最終的には写真や映像を通して自分を表現できるように学習を重ねていく、という形です。就職先は写真関係、映像関係の制作会社や、CGなどのクリエイティブ関連の仕事のほか、機材の販売店、教職関係など多岐にわたります。
百瀬:写真撮影を実際に行う仕事に就く学生は3〜5割程度といったところで、「写真関連の仕事」と幅を広げると、印刷関係など、大学で得た知識を生かせるような企業に就職する学生もいます。
ー撮影機材は授業を中心に卒業制作などにも活用できる
荒巻:カメラ機材の運用は授業がメインですが、写真管理室で機材貸し出しをしていますので、学部の学生であれば授業以外の場面でも使用することができます。
百瀬:機材の選定では、「卒業後、仕事として撮影現場で求められる技術を学べる機材かどうか」が最も大事なポイントになります。カメラに対して初心者の学生もいるので、操作がしやすい、扱いやすいのは基本です。また、映像の授業もあるので、静止画、動画ともに優れた性能を備えていることを前提にカメラを選んでいます。
ープロレベルの機材を求めてフルサイズの『α7 IV』を選定
九州産業大学 芸術学部 写真・映像メディア学科
准教授 荒巻 大樹 様
荒巻:授業では1人1台、全員が同じカメラを使えるようにしたかったので、30台の『α7 IV』を導入しました。当学科では25人前後の授業になるので、30台あれば全員に行きわたります。同じカメラなら実習で「こんな設定にして撮影してみましょう」といった具体的な設定の時も操作が一緒なので指導しやすい。つまり、授業がスムーズに進行できて教えやすい環境を整えるために30台の導入を決めました。
ソニーの機材を選んだのは、ミラーレスのフルサイズモデルでは他社に先駆けてリリースしていて、レンズなどの周辺機材も充実していたからです。さらに、今後も発展し続けるだろうという信頼もあったので決めました。
百瀬:選定の際には、学生の就職後のことも当然意識しました。プロの世界でもソニーのカメラが多用されていることに加え、「学生時代からプロ仕様のカメラを体験させたい」と思っていました。フルサイズセンサー搭載でプロの現場でも使われている実績、スペック、使いやすさ、値段、それぞれの要素のバランスを考えて辿り着いたのが『α7 IV』でした。
荒巻:レンズは『FE 16-35mm F2.8 GM II』や『FE 70-200mm F2.8 GM OSS II』のほか望遠の単焦点など「G Master」レンズを複数揃えました。数あるレンズの中から「G Master」レンズを選んだのは、学生が自分で揃えることができないようなレンズを使うことができれば、学生の満足度が上がると思ったからです。学生時代に自分が持っている安価なレンズとフラッグシップの高価なレンズとの表現力の違いを知ってもらいたい、という気持ちもありました。
ーAF精度が高く、高感度耐性も強いため表現の幅が広がった
百瀬:『α7 IV』はAF精度や高感度性能が優秀なので、学生たちの反応も好評です。夜の繁華街でスナップ撮影をする学生も結構いて、高感度性能も学生たちに良い影響を与えているのだと感じます。表現の幅が広がったと、満足度も高いようです。
荒巻:基本性能が高いおかげで撮影時の失敗が減り、学生たちも自分の表現に集中して制作に取り組むことができていると感じます。私のゼミでポートレートを撮っている学生は瞳AFが気になっていたようで、実際に『α7 IV』で撮ったときにとても便利だったと話していました。
百瀬:以前はテクニック不足なのか、学生たちの作品でフォーカスが合っていない失敗が多かったので、AF性能に魅力を感じている学生はたくさんいると思います。
ープロが使用する機材が学生たちに気づきや考える力を与える
百瀬:課題に対して提出される作品の質は上がっていると感じています。カメラのテクノロジーに支えられている部分もありますが、学生たちはカメラを使いこなしていて、技術習得のスピードは確実に上がっています。おそらく「機材が違うと画質が変わる」ということも学びになったのではないでしょうか。
良いレンズはぼけ表現も素晴らしいのですが、口で言ってもわからないものです。でも当学科では「G Master」レンズでとろけるようなぼけの美しさを体験できているおかげで学生たちが「機材を選択する意図」まで考えることができるようになったと思います。そう考えると、良い機材を使うことは教育の質の向上にも繋がっていると実感します。
ーソニーのカメラが写真教育のもっとも望ましい形をつくってくれた
百瀬:授業では大きなサイズでプリントすることもあるので、ディテールや階調、色再現など、仕上がりの良さに驚いている学生もたくさんいます。授業で使っている『α7 IV』ではよく撮れていると自信がついたのに、自分のカメラで撮ると「うまくいかない」と首をかしげている。そこで『α』が優秀なことに気づく学生もいるようです。すると設定をいろいろ変え始めて自ら深みにハマってくれますが、その流れが写真教育ではもっとも望ましい形です。目指した環境が形成でき、好奇心に満ちあふれた学生を見ることができるのは、教える側としてはうれしい限りです。
ープロ仕様の先進機材を使うことで得られる大きなメリット
百瀬:当学科では撮影機材はもちろん、PCやソフト・アプリケーションなどもプロの現場で使われているものを選んでいます。九州産業大学は地方の大学ですから、学生が本校を選んでくれるメリットも必要だと思っているので、そういった部分も配慮して機材を選ぶようにしています。それが彼らのキャリアパスになってくれれば、という思いです。
さらに言えば、就職先のかたが人材獲得のために本校に訪問されると、機材を見て安心される、ということもあります。これだけの機材を使って授業を受けているのであれば期待できると、一つの判断材料になっているようです。保護者のかたにとっても、「九産大に行けばしっかり学べる」「就職先に繋がる」と、機材の充実は学校選びのポイントになっていると思います。
ー学生たちの成長を促す、教育の場にも最適な「α」
百瀬:我々、教える側としては学生が成長できるような機材が一番ありがたいです。学生たちはカメラの技術や機能を軸に勉強しますが、その技術は進化して変わっていきます。そうなった時にも応用が利く、今までの知識を踏襲できることも機材選びでは大事です。そういう意味では教育の場において『α』は最適なカメラだと思います。
荒巻:2025年度の4月から新学期が始まるので、学生たちが『α』でどんな表現を見せてくれるのか、今から楽しみにしています。
使用機材紹介
九州産業大学
※本ページ内の記事・画像は2025年2月に行った取材を基に作成しています。
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