法人のお客様[法人向け] カメラ 事例紹介 株式会社オリエンタルコンサルタンツ 様 / 匠エンジニアリング株式会社 様

事例紹介

株式会社オリエンタルコンサルタンツ 様
/ 匠エンジニアリング株式会社 様

※点検支援技術性能カタログ掲載技術 TN010023-V0125
※点検支援技術性能カタログ掲載技術 TN010023-V0125
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トンネル点検業務の革新
有効約6100万画素の『α7R V』『α7CR』が
業務効率化と省人化に貢献

トンネル点検業務の変状記録作業は人の手でスケッチし、図面に落とし込む作業に多くの時間を費やしていましたが、ソニー『α7R V』や『α7CR』を用いたPDD(Photo Deformation Drawing)システムの開発により、業務効率が飛躍的に向上しました。国土交通省や地方自治体から道路トンネル点検業務を受注する株式会社オリエンタルコンサルタンツ 西浦 清貴様と、PDDシステムを開発した匠エンジニアリング株式会社 代表取締役社長 茨田 匠様に、インフラ点検におけるソニーのカメラ導入のメリットを伺いました。

点検業務における課題と
カメラに求める性能

ー手書きの記入作業が業務時間短縮のボトルネックに

匠エンジニアリング株式会社
代表取締役社長 茨田 匠様

茨田:匠エンジニアリング株式会社は、コンクリート構造物の点検調査を主たる業務としており、なかでも、トンネルの点検調査がメインの業務になります。また、点検調査にまつわるシステム・機器開発も手掛けています。

西浦:株式会社オリエンタルコンサルタンツは、設計コンサルタント企業で、国土交通省や地方自治体、海外などから、主に建築土木などのインフラ設計・調査を受託しています。当社が落札した点検調査業務を、匠エンジニアリング株式会社と協力して履行する流れになります。

株式会社オリエンタルコンサルタンツ
西浦 清貴様

茨田:トンネル点検業務では、まず作業車のカゴに乗った作業員が、トンネルのコンクリート面をハンマーで叩いたり、「ひび割れ」「浮き・剥落」などの部分にチョークで目印を付けたりしながら、トンネル全周が網羅されるように点検を進めていきます。それと同時に、CADで作成・プリントアウトした図面に点検結果を記入していくのですが、この変状記録作業は従来ではすべて手書きで、点検車の作業スピードにまったく追いつかなかったんです。もちろん、点検車がトンネルを走り抜けても、図面への記入が終わるまでは、交通規制は解除できません。工数的にも時間的にも、変状記録作業がボトルネックとなっていたのです。

西浦:この課題を解決するため、2010年ごろに導入されたのが、走行型連続画像撮影車両と呼ばれる特殊車両を用いた技術です。10台以上のビデオカメラを搭載した特殊車両を走らせて、トンネル履工面を動画撮影し、その動画から静止画を切り出して変状展開図を作成するというものです。交通規制をかけずに済みますし、トンネル点検業務を飛躍的に効率化できる技術ではあるのですが、車両・機器の使用コストが高いうえ、現地調査員が実施するハンマーなどを用いた調査は併用する必要があり、単独では活用できず、ある程度大きな作業ボリュームで運用しないと利益が出ないという問題がありました。

ーカメラ選定のポイントは「高画素」「超広角」

茨田:道路点検では、国土交通省の方針により、点検作業時に新規技術の複数活用が求められています。新規技術を用いることで、省人化や業務効率化を図るのが狙いです。こうした背景のもと、点検精度向上と経済性の両立を目的として当社が開発したのが、PDD(Photo Deformation Drawing)システムです。点検作業自体の新技術ではなく、ボトルネックとなっていた変状記録作業の効率化を図るシステムで、簡単に言うと、チョーキングされたトンネルの半面をカメラで撮影し、その撮影画像にオルソ補正をかけて図面化していくというものです。ですから、使用するカメラ・レンズ選定においては、高解像度であること、超広角撮影が可能なことなどが重要なポイントとなりました。

効率化と省人化を実現した
ソニーのカメラ

ー0.3mmのひび割れも認識できる有効約6100万画素の威力

茨田:ソニーのカメラを導入する以前は、有効約2400万画素のカメラで撮影していましたが、トンネル半面を1枚の写真で撮影した場合、覆工面に対して解像度が不足しているため、「ひび割れ」や「覆工面に描画した文字」の認識が困難になる場合がありました。その点、ソニーの『α7R V』は、有効約6100万画素と高画素なうえ、35mmのフルサイズ裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R」を搭載しており、解像度が飛躍的に向上しました。0.3mm程度のひび割れも、画像からクリアに認識できるようになったほか、人の目で見るよりも詳細に記録でき、「見落とし」が少なくなるのも大きなメリットでした。PDDシステム導入により、現地点検作業時のスケッチ作業に要する時間は半減、圧倒的な効率化を実現できましたし、それに伴い、省人化も実現できています。

茨田:また、カメラ選定においては、「一般普及機であること」も重要なポイントとなりました。もしも現場でカメラに何らかのトラブルが生じた場合、修理してからもう一度現場に入るとなることになりますが、お客様や一般の通行車両に大きな迷惑をかけることになります。ただ、家電量販店などでも手に取れる一般普及機であれば、交換などのリードタイムを最小限に抑えられます。

ー1区画を1枚の画像に収められるメリット

西浦:もちろん、単に高解像度であればいいというわけでなく、撮影画像が現行のパソコンで扱える現実的なデータ量であるかどうかも重要です。その点、『α7R V』はハンドリングがしやすいのです。

茨田:大口径・超広角ながら、小型・軽量化を実現したズームレンズ『FE 12-24mm F2.8 GM』によって、効率よく撮影できる点もありがたいです。トンネルは約10m間隔で打設区画が設けられているのですが、超広角12mmであれば、1区画の半面を1枚の画像に収められます。複数枚の画像を貼り合わせるのではなく、1枚で撮れることによって、変形しても画像が歪みにくく、トンネルの反対側の半面と合成する際も、色調整はほとんど必要ありません。大光量フラッシュ『HVL-F60RM2』の恩恵もあって、ISO感度を1600程度に抑えることができ、粒状感がなく、端まで明るくきれいに撮影できています。

撮影画像をPDDシステムへ投入

PDDシステムで画像を変形

PDDシステムで画像を結合

さらなる技術革新をソニーのカメラと

西浦:道路法により、5年ごとに構造物の点検が義務化されているのですが、地方自治体によっては、大きな予算をかけられない場合もあります。そうした時に、『α7R V』や『α7CR』があれば、将来的には地方自治体職員が自ら撮影し、その後の変換作業を受注し、トンネルの全面画像を作成、画像をもとに診断を行うというようなパッケージでの販売も可能になると考えています。

茨田:フルサイズ35mmセンサーを搭載した入手しやすい一般普及機でありながら,有効約6100万画素を実現している『α7R V』は非常に魅力的です。PDDシステムにこの画素数を持つカメラを適用することで、前述した走行型連続画像撮影車両の成果に対しても、同等以上の解像度を持つ画像として提出できることに、満足しています。今後は、連続画像からの変状情報の自動抽出や、連続画像と点群の合成などにも取り組んでいきたいと考えています。

カメラが高画素で、レンズの描写性能もよく、フラッシュで端まできれいに撮影できる。ボディ、レンズ、フラッシュが相互に助け合い、インフラ点検業務のニーズにしっかりと応えてくれるソニーのカメラシステムを使って、さらなる技術革新を実現していきたいです。

使用機材紹介

α7R V

デジタル一眼カメラ
α7R V

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α7CR

デジタル一眼カメラ
α7CR

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株式会社オリエンタルコンサルタンツ

https://www.oriconsul.com/別ウィンドウで開きます

匠エンジニアリング株式会社

※本ページ内の記事・画像は2025年9月に行った取材を基に作成しています。

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