東京を拠点に、コンベンション運営事業とプロモーション支援事業を中心に展開される株式会社Piic様。2024年12月にXDCAMメモリーカムコーダー『PXW-Z200』を2台導入し、運用を開始されました。株式会社Piic 代表取締役 郷 大助 様とテクニカル・ディレクター 須藤 瑞 様に、『PXW-Z200』導入の決め手や、実際にお使いになられてのご感想、導入の成果をお伺いしました。
ーコンベンション運営事業とプロモーション支援事業に共通する「映像制作」
株式会社Piic 代表取締役 郷 大助 様
郷:当社は2020年の創業以後、各種会議やシンポジウムといったコンベンション運営と、プロモーション支援という2本の柱を主軸とした事業を行っています。コンベンション運営に伴う動画配信や、主に企業クライアント様向けに、各種映像制作も手掛けています。当社では映像・音響・配信などについても、基本的に1社で完結し、ワンストップでできることが強みです。これまで、企業や団体・官公庁のほか、エンターテインメント分野など、幅広いお客様にご利用いただいています。
ー映像を創り込める「Cinema Line」と、臨機応変さが強みの「ハンディ」
ステージ系の撮影で使用する『FX6』
郷:カメラについては、これまでソニーのCinema Line カメラ『FX6』や、NXCAMカムコーダー『HXR-NX5R』を中心にレンタルで使用していました。『FX6』については、シネマチックな画づくりが求められるコンテンツ、現場の状況が予め把握できるものや、撮影環境から創り込めるような題材、エンターテインメント・ステージ系を中心に活用してきました。一方、ハンディタイプのカムコーダー『HXR-NX5R』は、取材を伴うようなドキュメンタリータッチのコンテンツや、イベント系など、高倍率のズームレンズが必要となる用途のほか、万能さを生かして、現場に行ってみないと状況がわからないような撮影を中心に使ってきました。
ーさまざまな案件でのテストを経て『PXW-Z200』を導入
郷:汎用性が高いハンディカムコーダーについては、これまでも自社保有したいと考えていました。『PXW-Z200』の発表時は、当社の現場スタッフの間でもかなり話題となりました。試しに使ってみようということになり、複数の案件にレンタルで使用してみて評価を行いました。カメラマンなどの意見も聞いて、最終的に2台の購入を決めました。
ー「AF性能の高さ」はMF不要と思えるほど
株式会社Piic テクニカル・ディレクター 須藤 瑞 様
須藤:『PXW-Z200』を使って最初に感じたことはAF(オートフォーカス)の素晴らしさです。セミナーやシンポジウムなど、カメラを無人の固定で運用する際も、AFに任せながらスイッチングを行うことができます。「MF(マニュアルフォーカス)は要らないのではないか」と思うほどです。
郷:被写体が動き回るような現場でも、カメラマンから「AFの追従性が高い」と好評です。顔認識のおかげでオートフォーカスのズレもなく、ウォブリング(AFが前後にフォーカスを探るような動き)も見られずなめらかです。被写体が横を向いたり後ろを向いたりして顔や瞳が見えなくなっても、骨格認識によりAFが追従してくれます。
ーステージ上で照明が当たっていないところも撮れる「高感度性能」
発表者に照明が当たらない環境でも使用する『PXW-Z200』
須藤:「感度の向上」や「SN比の良さ」もすぐに実感しました。国際会議などでのスクリーン投影時に、演壇の発表者にピンスポットライトが当たっていないような場面では、以前は編集で明るさを持ち上げるような対応が必要でした。しかし、『PXW-Z200』ではそのような必要もなく、ゲインアップが必要な場面でも、18〜20dBくらいまでは、ためらうことなく使うことができました。
郷:これまで照明が当たっていないところを撮影することはとても難しかったのですが、「『PXW-Z200』なら撮影できる」場面が増えました。室内での撮影において、活用の幅が広がったと感じています。
ーCinema Line カメラと「併用して使える」発色が魅力
須藤:当社ではマルチカメラで撮影することが多いのですが、『PXW-Z200』はメニュー操作だけでなく、発色の面でもCinema Line カメラと共通化が進みました。おかげで、ためらうことなくカメラを混ぜて使えるようになりました。
ーカメラポジションで「Cinema Line」と『PXW-Z200』を使い分け
郷:ハンディカムコーダーでありながら、Cinema Line カメラと混ぜた使い方もできるのが『PXW-Z200』の良さだと思います。『FX6』など、Cinema Line カメラをメインに据えている現場でも、会場後方の高倍率レンズで狙いたいカメラポジションに『PXW-Z200』が使えます。「1.0型CMOSイメージセンサー」のおかげで、テレ端・絞り開放で撮ればぼけ感のある映像も撮影できます。
ーCinema Line カメラとの「UI共通化」もカメラマンに好評
郷:ISO感度による設定が可能になったことも、カメラマンからは好評です。今はスチルカメラ・シネマカメラで育ったカメラマンも多く、彼らはビデオカメラの「dB」単位での感度設定に慣れていません。しかしながら、『PXW-Z200』は、「ISO」で感度設定が行えることで、使い手を選ばなくなりました。メニュー設定自体のUIが『FX6』などCinema Line カメラと共通化されたのも良いところです。同じ使い勝手で扱えるので、どのカメラマンでも戸惑いなく使えます。
ー4ch独立収録など、音声面での機能充実にも利便性向上を実感
ピンマイクを使用したインタビューを撮影する『PXW-Z200』
郷:『PXW-Z200』は、音声も4ch収録に対応しているので、高い自由度があります。例えば、カメラマイク+ワイヤレスピンマイク+ガンマイクも独立して収録できます。入力アサインのメニュー設定もわかりやすく、初めて見ても簡単に操作できます。
須藤:当社の撮影では、全ての現場に音声担当を帯同できるわけではないので、音声面の充実はとても助かっています。
郷:細かい部分では、内蔵マイクの音質も良いです。また、最近はミニプラグで音声が出力されるアクセサリー類が多いので、ミニプラグ入力が備えられたことも、とても便利な点です。
ー「行ってみないとわからない現場」に安心感を与えてくれる
郷:『PXW-Z200』は、平均して月に2〜3現場で活用しています。『PXW-Z200』に特に感じることは「安心感が高まった」ということです。暗所性能の高さや、音声の記録チャンネル数の多さなど、「現場から素材として持ち帰れる情報量の多さ」に助けられています。現場に行ってみないとわからないような案件での不安は減り、当社が提供するサービスのクオリティーは確実に上がりました。
ー今後は『Monitor & Control』アプリの活用も
郷:今後は『Monitor & Control』アプリでの、ワイヤレスモニタリングやコントロール機能も活用していきたいと思っています。こちらのアプリは、『PXW-Z200』だけでなく『FX6』などCinema Line カメラにも対応していて共通の操作性で扱えますし、『PXW-Z200』のマルチカメラコントロールにも対応しているとのことで、今後活用していきたいと思っています。
使用機材紹介
株式会社Piic
※本ページ内の記事・画像は2025年4月に行った取材を基に作成しています。
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