福岡県福岡市に本社を置き東京との2拠点をベースに、企業紹介・商品紹介を中心としたWeb用の動画制作に強みを発揮する、株式会社リーボ様。2024年10月にXDCAMメモリーカムコーダー『PXW-Z200(以下、Z200)』を導入され、運用を開始されました。株式会社リーボ 代表取締役 松尾 龍馬 様に『Z200』導入の決め手や魅力と、実際にお使いになられての感想をお伺いしました。
ー「Cinema Line」がメインの中、『Z200』導入を決定
株式会社リーボ
代表取締役 松尾 龍馬 様
カメラは、創業当初からソニーのEマウント対応のものを使ってきました。デジタル一眼カメラ『α7S』に始まり、現在はCinema Lineシリーズの『FX6』と『FX3』を中心に使っています。
当社の特徴は「少数精鋭」です。基本はディレクター、カメラマン、アシスタントの3人で撮影に臨みます。アシスタントは音声や照明などを兼ねることもあります。
ハンディカムコーダーについては、現場で「もう1カメ欲しい」「サブで回したい」といった場面がしばしば出てくるようになり、事前設定さえしておけば、まだあまり撮影知識がないアシスタントに「とりあえず回しておいて」と託せるようなカメラが欲しいと考えるようになりました。とりあえず撮影しておけば、編集の段階でプラスの画として使うことができます。
ー『Z200』は“Behind The Scene”に向いたカムコーダー
加えて、私たちが最近力を注いでいるのが「Behind The Scene(ビハインド・ザ・シーン:以下、BTS)」です。いわゆる「メイキング」と言われる映像を撮影するのに向いているハンディカムコーダーがそろそろ1台必要という流れになりました。そこにタイミング良く発表されたのがXDCAMメモリーカムコーダー『Z200』でした。
ー機能の充実、4K60pやS-Log3対応で『Z200』を選択
『Z200』が、さまざまなメディアで高評価を受けているのを目にしました。当社では、どのような案件でも基本的に4K60pで撮影していますが、『Z200』はそこをしっかりと満たしており、さらにS-Log3での撮影にも対応している。「もしかしたら色もCinema Lineシリーズとマッチするかも知れない」という期待感や、機能面の充実から導入を決めました。
ー追従し続ける”AF” に驚き
使い始めて、真っ先に感じたのは「AF(オートフォーカス)の凄さ」です。これまで、人物の顔や瞳を追従してくれるAFはありましたが、被写体の骨格情報を使ってその動きを高精度に認識することが可能なAFに驚きました。「人を歩かせる」という演出はよくありますが、人物の後ろ姿にもしっかりと追従してくれるAFはすごく便利です。
そのほか、人の手前を何かが横切った時でもAFが人物をちゃんと追い続けてくれることにも驚きました。例えば「車道の向こうを人が歩き、手前を車が横切る」といった場面は、フォーカスが車にあってしまうことがあり、「MF(マニュアルフォーカス)で撮影する」のが基本でした。『Z200』はこのような場面でも、車道の向こうの人物を追い続けてくれました。
また、「カメラマンも動きながら」MFで撮影するのはとても難しいのですが、そういった演出も『Z200』なら手ブレ補正が効きつつも、カメラマンが動いている感じは残した状態で撮れました。現場には、『Z200』用の三脚は持って行かないので、基本は手持ちでの撮影です。『Z200』の手ブレ補正は、手持ち感を出しつつも「三脚要らずで、そのまま成立する画」が魅力です。
ーEマウントでは撮れなかった20倍の光学電動ズーム、480mm相当の望遠
『Z200』の大きな強みは、35mm換算で480mm相当までの高倍率の光学ズームです。これをCinema Lineシリーズでやろうとすると、大きなレンズが必要になります。しかも、それを広角24mm相当から滑らかに電動ズームできます。電動ズーム自体を備えたレンズはEマウントにもありますが、ズーム倍率ではかないません。Eマウントのカメラでは撮れなかった映像を撮れるのが『Z200』を導入して良かったところです。新たなカメラワークを増やすことができました。
ーBTSの撮影で重宝する「NDフィルター」が内蔵
「電子式可変NDフィルター」も欲しかった機能の1つです。これまで『FX3』などでは、レンズの前玉側に取り付けて使う外付けの光学式可変NDフィルターを使ったりしていたのですが、BTSの撮影などでは、「電子式可変NDフィルター」が内蔵されていることが重宝します。特別な撮影知識がなくとも、事前に設定をしておけば、誰もがオートで使えるというのが魅力です。
ー今までのイメージを覆した「Cinema Lineとも画が合う」驚き
これまでのハンディカムコーダーには「シネマカメラとは画が合わない」というイメージを持っていました。『Z200』の導入前は「S-Log3」に対応しているということで「カラーマッチングできるといいな」程度の期待感でした。しかし、導入してみると、Cinema Line カメラと画合わせができて「クリエイティブ用に使える!」というほどマッチしたのが驚きでした。メインのCinema Lineシリーズと混在しても違和感なく使えるのは嬉しい誤算でした。
当社では、基本的に全ての映像をグレーディングありきで撮っています。社内にカラーリストもいて、そこを1つの強みにしています。『Z200』の画がCinema Lineカメラともマッチするということを知って、『Z200』の設定も常に「S-Log3」で撮っています。
ー現場でのインスピレーションを生かせる『Z200』
『Z200』は基本的にどの現場にも持っていくようにしています。当社の映像制作は事前にコンテを切って、演者さんともコミュニケーションをとって撮影に臨んでいますが、現場での思いつきも大切にしています。『Z200』は、「事前に決め込んで使う」というより「こんなカメラワークを追加してみよう」といった、現場でのインスピレーションを即座に実行するために持って行っています。
ー現場を待たせず、取り出してすぐ撮れる機動力の高さが “究極のサブカメラ”
『Z200』はレンズを取り付けたりする必要もなく、メモリーカードを入れ、バッテリーを付けた状態で持って行っておけば、思いついた時にすぐに撮れます。現場を待たせずに撮れる機動力の高さが魅力です。そういう意味で「究極のサブカメラ」と捉えています。
基本的な使い方としては、『FX6』をメインとして、コンパクトさや機動性を求められる場面では『FX3』、スーパーロング(超望遠)のショットや手持ちでのAFなど「これがないと撮れない」といった場面で『Z200』を使っています。そういった面で『Z200』の導入は、私たちの映像表現の幅を確実に広げてくれました。
ー増える「自分でカメラを回したい」プロデューサー・ディレクター
フリーのプロデューサーやディレクターを中心に「自分でもカメラを回したい」という声はよく聞きます。『Z200』導入後も、使用感を尋ねられる機会が多くあります。私たちの導入を受けて、実際に購入された方もいらっしゃいます。『Z200』は、そういった「撮影技術者ではないけれど撮りたい」というニーズに、まさにピッタリのカメラだと思います。
私たちとしては、これから力を入れたいドラマ撮影で、あえてライブ感を出したい時、20倍ズームの使い勝手が良いと感じています。
ワンカット長まわしのカメラマンが動きながら撮影する演出などにも使っていきたいと考えています。
このカメラとともに福岡から世界中に魅力的な作品を発信していきたいです。
株式会社リーボ
使用機材紹介
XDCAMメモリーカムコーダー
PXW-Z200
※本ページ内の記事・画像は2025年1月に行った取材を基に作成しています。
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