私の撮影スタイル

進化するAFを、
柔軟に使いこなす
暗闇でも迷わずにさっと操作したい機能と、とっさのときにワンアクションで完了させたい機能。僕はこの2つの機能を、各カスタムボタンに割り当てています。C1ボタンには、暗闇でも迷わずにさっと操作したい機能の「ブライトモニタリング」を設定しています。この機能を使うと、薄暗いところで動物の気配がするときに、人間の目では見えなかった動物の姿が見えてくるのです。風景を撮影するときは星景写真の構図の調整に便利なのですが、野生動物の撮影では暗視カメラのように使うこともできるという、おもしろい機能です。C2ボタンには、とっさのときにワンアクションで完了させたい機能の「フォーカスエリア」を設定しています。α9やα7R IIIの登場以降、αのAF性能は目を見張るほどに進化を遂げていますが、エリアの設定を活用することで、その性能をよりいっそう生かすことができます。たとえば動物対応の瞳AFでは、動物以外の部分にピントが合うのを防ぐため、リアルタイムトラッキングやフレキシブルスポットAFを使って、比較的狭いエリアで動物の瞳を検出させるようにしていますが、急に動物が近づいてきて瞳の位置がAF枠から大きく外れると、瞳AFが動作しなくなります。そこで、「あぁ、近づいてくるなぁ」と思ったらとっさにAFエリアをワイドに変更すると、瞳AFを使った撮影がスムーズに行えます。このとき、使用しないフォーカスエリアを非表示設定にすると、さらにすばやく切り替えられます。


僕もかつてはAF-ON機能(親指AF操作)を使用していましたが、AF-Cの進化によってAFを常時機能させているほうが撮影が楽になり、「AF-ONでピントを合わせてから構図を取る」というプロセスが不要になりました。特に、動物対応の「リアルタイム瞳AF」が搭載されてからは、シャッターボタン半押しで、簡単に動物の瞳にピントが合った撮影ができるようなりました。 とはいえ、どうしてもMFで置きピンをしたいときには、背面のAF-ONボタンを機能させます。AFをまったく使わない撮影になるものの、とっさに自動でピントを合わせたいときもあるからです。このとき、シャッターボタン半押しAFをオフにしなければならないので、置きピンで撮影することがありそうなときは、その設定を登録呼び出し3に設定することが多いです。そうすれば、ダイヤルをカチカチと回すだけで、シャッター半押しAFとAF-ONを行き来することができます。
シーン別の設定で
突然の出会いを捉える

| 動物 | 飛行機 | 風景 | |
|---|---|---|---|
| シャッター スピード |
1/1250秒 | 1/1250秒 | 1/50秒 |
| 絞り | F2.8 | F8 | F11 |
| ISO | AUTO (1600まで) |
AUTO (1600まで) |
100 |
| ドライブ モード |
連写HI+ | 連写HI+ | セルフタイマー 2秒/リモコン |
| 手ブレ補正 | 入 | 入 | 切 |
僕が主に被写体としているものは、動物、飛行機、風景の3つ。それぞれの設定で大きく異なるのは、シャッタースピード、絞り、ISO、そして手ブレ補正の入/切です。被写体別に、上記の表に示した設定が初期値として必要です。僕が北海道で撮影をしているとき、こんなことがよくあります。風景の撮影が終わり次の現場に向かおうとした瞬間、背後からかわいいキタキツネがひょこっと顔を出す。また、次の現場へ向かい運転をしていたら、森の小径に素敵なエゾシカがすくっと立っている。とっさに撮ろうとしてシャッターボタンを押すのですが、シャッターが切れない。風景撮影ではセルフタイマー2秒に設定することが多いので、連写はもちろん、一枚目のシャッターすら切ることができません。どうにかシャッターを切れても、シャッタースピードが遅い。そうこうするうちに、せっかく出会った動物がいなくなってしまうのです。そんなことが起きないように、登録呼び出しに「動物と飛行機の撮影」用と「風景の撮影」用の設定をあらかじめ登録しておき、いかなるときもさっと呼び出せるようにしています。
ダイヤモンドダストを
動画でも美しく撮るために
僕の仕事は静止画の撮影がメインですが、動画を撮影することもあります。ただ、シャッタースピードが1/1000秒前後の設定のままで撮影すると、パラパラとして落ち着かない雰囲気の映像になってしまうので、シャッタースピードをフレームレートに合わせて遅くして(フレームレート30pなら1/30〜1/60秒くらい)、1コマ1コマがそれぞれ少しブレている感じにすると映像が自然に見えてきます。感度を下げたり、絞ってシャッタースピードを遅くすると不自然感は解決しそうですが、厳冬の北海道の名物、ダイヤモンドダストを撮影する場合はどうでしょうか。空気中の水分が凍って舞っているところに日光が強く当たりキラキラ輝くのですが、この氷の粒からあえてピントを外すと光がぼけになります。そうです、絞りは開放側で撮影することになるのです。シャッタースピード1/1000秒前後、F2.8〜4、ISO100。これがダイヤモンドダストを静止画で撮るときのよくある設定です。動画撮影では映像が不自然にならないようにシャッタースピードを1/30〜1/60秒で撮影するので、NDフィルターを使用します。ここでわずらわしいのが、シャッタースピードを設定し直す手間です。ただでさえNDフィルターを装着したり脱着したりしていますから、シャッタースピードを変えるためにダイヤルをぐるぐるするのも面倒です。そこで、登録呼び出し3に動画撮影用の設定をあらかじめ登録しておくと便利です。


























