α professional style プロが語る撮影の流儀

α professional style プロフェッショナルが語る撮影の流儀

ペトグラファー

小川 晃代

愛用のボディ/レンズ α7R III & FE 70-200mm F2.8 GM OSS

愛用のボディ/レンズ

α7R III & FE 70-200mm F2.8 GM OSS

α7R III & FE 70-200mm F2.8 GM OSS

プロの写真家たちは、撮る道具としてαをどのように使いこなしているのでしょうか。さまざまなジャンルの写真家たちに、自身のカメラ設定、お気に入りのレンズや撮影機材などのαの使いこなし術をお聞きしました。今回は、ペトグラファーの小川晃代さんの撮影スタイルをご紹介します。

いちばん輝く瞬間を
切り取るために

私は、ペットたちがいちばん輝いている瞬間を切り取りたいと思って撮影しています。そこで第一に心がけているのが、「短時間で撮る」ということ。時間にしておよそ10分。撮影が長くなるほど、ペットたちは飽きてしまい、いい表情をしてくれなくなります。実は、ペット撮影は時間との勝負なのです。そのために、モデルとなる“ワンコ”や“ニャンコ”の好きな遊びや特技をあらかじめ聞いておき、現場ではいつものように遊んでもらいながら、少ないシャッターチャンスの中で「どう撮れば、より生き生きとした表情に見えるか」を見極めながら撮影しています。
これまでの経験をもとに、どんな画が撮れるのかを想像して現場に臨みますが、たまにその想像を超える動きや表情を見せてくれる瞬間があり、それがペット撮影の醍醐味だと思っています。

α7R III,  FE 24-70mm F2.8 GM, 70mm, F2.8, 1/500秒, ISO2500

α7R III,  FE 24-70mm F2.8 GM, 70mm, F2.8, 1/500秒, ISO2500

私の撮影スタイル

α7R III
α7R III (ILCE-7RM3)

被写体の動きに合わせて
フォーカスを使い分ける

C1ボタン:フォーカスモード、C2ボタン:フォーカスエリア
C3ボタン:クリエイティブスタイル、AF-ONボタン:AFオン

私はC1ボタンにフォーカスモードを設定し、被写体の子がじっとしているときはAF-Sに、動いているときはAF-Cに切り換えて撮影しています。C2ボタンにはフォーカスエリアを設定。生き生きとした目の表情を狙いたいので、通常はフレキシブルスポットAFのいちばん小さいスポット枠「S」を使っています。動きの激しい子を撮影するときも、小さなスポット枠で追いかけながら撮影するのが私のスタイルです。また、シャッター半押しをオフに、AF-ONボタンをオンにして、少ないシャッターチャンスに即応できるようにしています。C3ボタンにはクリエイティブスタイルを設定。通常はスタンダードで撮影していますが、晴れた屋外では青空や緑を鮮やかに撮影できる風景モードを使うこともあります。

一瞬の愛らしい表情に
柔軟に対応できるように

ファンクションメニュー

小川晃代氏のファンクションメニュー設定

ファンクションメニューには、普段のペット撮影でよく使う機能を登録しています。例えば、ワンコやニャンコは、撮影中にコテッと寝てしまうことがあるのですが、ペットを起こさずに可愛い寝顔をすぐに狙えるように、サイレント撮影(図の4)を登録。最近アップデートした動物対応の「リアルタイム瞳AF」をときどき試していますが、ペットだけでなく子どもを撮ることも多いので、検出対象(図の8)をすぐに切り換えられるように登録しています。AF追従感度設定(図の12)は通常は「3:標準」にして、シーンによっては「1:粘る」を選んでいます。一方で、動物たちを驚かせるストロボ系の機能は全部省いています。また、室内で絞り優先モードで撮影する際にブレないように、ISO AUTO低速限界は1/125秒に設定しています。

状況に合わせて
撮影モードを使いこなす

α7R III, FE 70-200mm F2.8 GM OSS, 187mm, F4.5, 1/500秒, ISO160

α7R III, FE 70-200mm F2.8 GM OSS, 187mm, F4.5, 1/500秒, ISO160

α7R III, FE 70-200mm F2.8 GM OSS, 200mm, F2.8, 1/4000秒, ISO100

α7R III, FE 70-200mm F2.8 GM OSS, 200mm, F2.8, 1/4000秒, ISO100

私は背景をぼかして撮るのが好きなので、絞り優先モードで開放にして写すことが多いのですが、状況に合わせて工夫をしています。例えば、草原で寄り添う2匹のワンコを撮影した作品では、位置を合わせてお座りさせてはいますが、どうしても動いてしまうので、F4.5まで絞って2匹両方の目にピントが合うようにしています。また、海辺を走るワンコの作品のように、動きの速いペットの場合はシャッター優先モードを使っています。

勝負の一本

G Master

FE 70-200mm F2.8 GM OSS

FE 70-200mm F2.8 GM OSS

ぼけで主役を際立たせながら
毛並みまでのシャープに描き出す

α7R III, FE 70-200mm F2.8 GM OSS, 117mm, F2.8, 1/8000秒, ISO500

α7R III, FE 70-200mm F2.8 GM OSS, 117mm, F2.8, 1/8000秒, ISO500

屋外のペット撮影では9割以上、このFE 70-200mm F2.8 GM OSSを使っています。このレンズの魅力は、一本一本の毛並みまで緻密に描きだす解像感と、ペットを引き立てるやわらかなぼけ味を両立していること。さらに、望遠レンズによる圧縮効果が得られることです。私はカレンダーの仕事などで季節感を出すために花畑で撮ることが多いのですが、辺り一面に咲いている場所は少なく、普通に撮影すると花がまばらに見えてしまうことがあります。そんなシーンでもこのレンズなら、圧縮効果を利用して花が一面に咲き誇っているように写すことができます。限られたロケーションの中で、より印象的な作品に仕上げるため、このレンズはなくてはならない存在です。

α7R III, FE 70-200mm F2.8 GM OSS, 200mm, F4, 1/1250秒, ISO100

α7R III, FE 70-200mm F2.8 GM OSS, 200mm, F4, 1/1250秒, ISO100

フルサイズミラーレス専用設計なのでAFスピードや精度も良く、いい表情をした瞬間を逃さずに捉えてくれるのも魅力です。ペット撮影では、不規則に動く被写体に、いかにピントを合わせるかが重要なポイント。現場では、背景も美しく写るように、ペットの動きに合わせて私自身もいろいろな方向に動きながら撮影しているのですが、そんな状況でもこのレンズは高速かつ高精度にピントを合わせてくれます。

α7R III, FE 70-200mm F2.8 GM OSS, 195mm, F2,8, 1/4000秒, ISO400

α7R III, FE 70-200mm F2.8 GM OSS, 195mm, F2,8, 1/4000秒, ISO400

何でもない日常の風景を、印象的な作品に仕上げられることも、このレンズの醍醐味です。私は野良猫を撮るのが好きでよく島を訪れるのですが、この野良猫の作品では、雑然とした背景をふんわりときれいにぼかしてくれ、情緒的に表現してくれました。また、200mmという撮影距離は、野良猫がこちらを意識せず、自然にしてくれるのでありがたいですね。このレンズは、ペットから野良猫の撮影まで、私のベストだと実感しています。

FE 70-200mm F2.8 GM OSS
G master

FE 70-200mm F2.8 GM OSS

SEL70200GM

FE 70-200mm F2.8 GM OSS
ペトグラファー 小川 晃代

ワンポイントアドバイス

小川流、装備の心得

カメラバッグは通常はトートバック、泊りがけの撮影などにはキャリーケースを使用しています。レンズは主にFE 70-200mm F2.8 GM OSSを使っていますが、ペットの表情に寄りたいときなどはFE 24-70mm F2.8 GMを使います。Distagon T* FE 35mm F1.4 ZAは主に猫カフェなどの室内撮影用で、狭いスペースでも背景がきれいにぼけるので重宝しています。ニャンコの撮影では、ねこじゃらしは必需品。遊びながら動きをコントロールするのに使うのですが、ニャンコによって好みがあるので、いろいろな種類のねこじゃらしを用意しています。バスケットなどの小道具は演出目的だけでなく、ワンコやニャンコを中に入れることで動きを制限するのにも役立っています。

キャリーケースになるカメラバッグ
キャリー部分を外すだけで、リュックにもなるカメラバッグ
カメラバッグの中身

泊まりがけで撮影に行くときは、このキャリーケース。機内持ち込みができるサイズで、上下二層式なので撮影機材や多数の小道具、着替えなども収納できます。コインロッカーの小(300円)にも入るので、現地に着いたらカメラだけ持って身軽に撮影できるため重宝しています。

小川氏のカメラバッグの中身

  • その他
  • ねこじゃらし多数
    小道具多数
    音のなるおもちゃ
    おやつ
    スリッカーとハサミ
    レフ板や白い厚紙
    カメララップ

ぜひ皆さんも、
プロの使いこなし術を参考にして
自分流のαの使いかたを
見つけてください。

α7R III, FE 70-200mm F2.8 GM OSS, 200mm, F4, 1/2000秒, ISO500

α7R III, FE 70-200mm F2.8 GM OSS, 200mm, F4, 1/2000秒, ISO500