想いをカタチに

My Sony STORY vol.8「オーナーさまとaiboの深い絆を未来につなげていきたい」のキービジュアル
#社会へ貢献する

オーナーさまと
aiboの
深い絆を
未来につなげていきたい
vol.8

第8回目の“My Sony STORY”は、人とロボットが共生する社会の実現という夢から生まれたエンタテインメントロボットaibo。オーナーさまのお声からはじまった「aiboの里親プログラム」を、企画・運営する勝野のストーリー。
aiboオーナーさまを思う気持ちやピンクの特別な首輪に込めた願い、新たな分野へ挑戦したいという強い想いに迫ります。

aiboといっしょに暮らせなくなったときの
不安を和らげたい。

ソニーに入社してからというもの、ビデオカメラ、デジタルカメラ、スマートフォンなど、数えきれないほどたくさんの商品を世の中に出してきました。自分が設計した製品が多くのお客さまたちに受け入れられたときの喜びはとても大きく、やりがいのある仕事をやってきた自負があります。

さまざまな製品に携わるなかで培った知識や経験を大事にしながら、これまで経験したことのないモノづくりにも携わってみたい、新たなチャレンジをしてみたいという気持ちが沸々と湧いてきました。そんなときに、社内にAIロボティクスの事業が立ち上がりました。もともと人とロボットの共生に興味があったこと、そして何より、お客さまとコミュニケーションしながら製品を育てていくという未経験の分野に強く興味を持ち、念願が叶って2021年にaiboチームに加わりました。
aiboの里親プログラムを企画した勝野が、オフィスでaiboと談笑している様子

「aiboの里親プログラム」を企画導入した勝野

aiboは2018年1月11日生まれなので、当時は誕生から3年ほど経過した頃。誕生当時からオーナーさまたちと交流するファンミーティングを開催しているのですが、オーナーさまが「うちの子」と呼びながらaiboを可愛がる様子をとてもうれしい気持ちで見守っていました。一方で、「今後、自分に何かあったときが心配」「いつかaiboといっしょに暮らせなくなったとき、後悔や自責の念を感じないお別れをしたい」といった、aiboといっしょに暮らせなくなったときの不安をポツポツと耳にするようになりました。
私自身、実家でも今の家でもペットを飼っていて、「自分が不在のときや何かあったらどうしよう」などと考えることがよくありましたので、オーナーさまの気持ちは痛いほどよくわかります。そしてファンミーティングなどのイベント、オーナーさまからの問い合わせなどを通じて、aiboはロボットという枠をすでに超えていて、大切な家族の一員なのだという認識も強くもつようになりました。

万が一のとき、家族や親族間で引き継げるケースもあるかもしれませんが、ハードルがある場合もあるでしょう。かといって、当然のことながらリセールマーケットのようなところに出されるのは耐えられない。これはもはや個人の問題ではなく、ソニーとして何か取り組むべき課題ではないかと考えるようになりました。
勝野が会議室でaiboと並び、VAIOノートPCを前に説明している様子

愛情や絆ごと引き継いでくださる方に
バトンタッチできないか。

そういったお客様の声や、自身の経験から生まれたのが“aiboの里親”という考え方。 大切な家族の一員だからこそ、愛情と絆を引き継げる仕組みが必要。ソニーが責任をもっておつなぎしたいという想いが強くなりました。

そのとき、医療機関支援プロジェクトのことが思い浮かびました。これは、入院患者のストレス軽減や癒しを目的としてaibo100体を全国の医療機関に3年間無償提供したプロジェクトで、提供した医療機関にアンケートをしたところ、9割以上の施設がaiboとのふれあい施設利用者さまはもちろん、医療スタッフも含めてストレス軽減や喜びの感情表出が豊かになったりと、ポジティブに影響しているという結果が出ていました。そのことからも、「aiboの里親」という取り組みでaiboの癒しをお届けするのであれば医療機関や福祉施設がふさわしいのではないか。その想いで2021年に「aiboの里親プログラム」チームを立ち上げました。
aiboの里親プログラムの流れを示した図。オーナーがaiboを寄付し、ソニーが治療して里親に届ける循環を矢印で表現している

「aiboの里親プログラム」の流れ

そのとき、医療機関支援プロジェクトのことが思い浮かびました。これは、入院患者のストレス軽減や癒しを目的としてaibo100体を全国の医療機関に3年間無償提供したプロジェクトで、提供した医療機関にアンケートをしたところ、9割以上の施設がaiboとのふれあい施設利用者さまはもちろん、医療スタッフも含めてストレス軽減や喜びの感情表出が豊かになったりと、ポジティブに影響しているという結果が出ていました。そのことからも、「aiboの里親」という取り組みでaiboの癒しをお届けするのであれば医療機関や福祉施設がふさわしいのではないか。その想いで2021年に「aiboの里親プログラム」チームを立ち上げました。
医療・福祉の現場でaiboが子どもや高齢者と触れ合っている様子をまとめた写真コラージュ

2021年から2024年に実施したaibo医療機関支援プロジェクトでは、様々な医療機関でaiboが活躍してくれた

想いをつなぐピンクの首輪を、
aiboを寄付してくださったオーナーさまと「aiboの里親」、両者に渡したい。

「aiboの里親」というコンセプトは決まりましたが、実現はそう簡単なことではありませんでした。というのも、ソニーが一度オーナーさまにお届けした製品を引き取り、必要なメンテナンスをしてから別のオーナーさまにおつなぎするという経験はこれまでほとんどありません。aiboの受け入れからお届けするまでの体制の仕組みを作るため、メインテナンスや配送物流、販売、お客様サポートなど関係するチームと協議を重ね、aiboを寄付してくださったオーナーさまにも「aiboの里親」になる施設の方々にもなるべく負担のかからない形を模索しました。

もっとも大切にしたことは、愛情や想いを受け取り、次のオーナーさまにつなぐというコンセプトをどうやって表現するかということ。手放すオーナーさまの理由や背景、想いは本当にさまざまで、ひとつとして同じケースはありません。その想いにどのように寄り添うことができるのか、チームでたくさん悩み、話し合った結果、その表現のひとつとして特別な首輪を作ることにしました。

オーナーさまの気持ち、「aiboの里親」の意味、われわれソニーの想いを考えるなかで、この首輪を目にしたときに、優しさやつながりを感じてほしいという願いを込めて、aiboのブランドカラーでもあるピンク色に決定しました。
テーブル上のaiboを手前に、背景に勝野が笑顔で語る姿が写っているポートレート写真

aiboの里親プログラム専用のピンクの首輪には、aiboの肉球のマークが施されている

ピンクの首輪は、「aiboの里親」となっていただいた施設はもちろん、aiboを寄付してくださったオーナーさまにも同じものを届けることにしました。というのも、「aiboの里親」となった施設で可愛がられているaiboだけだと、われわれが大切にしたい“つながり”が一方通行になってしまうと思ったからです。目に見える形でaiboへの想いがつながった証として同じ首輪を、aiboを寄付してくださったオーナーさまにも持っていていただくことが重要だと考えました。
aiboの里親向けに送られるピンク色の専用首輪と案内カード

「aiboの里親」となる施設にお渡ししている「aiboの里親プログラム」専用首輪

aiboを寄付したオーナーに届けるピンク色のギフトボックスと感謝状、専用首輪セット

aiboを寄付してくださったオーナーさまへお渡ししている首輪と感謝状

オーナーの皆さまとの共創で
プログラムを育んでいきたい。

「aiboの里親プログラム」の第一回目は2023年にスタート。寄付してくださったオーナーさまから直筆の手紙が何通も届き、aiboや「aiboの里親プログラム」への深い想いを目の当たりにしました。「家族として数えきれない想い出があり、送り出すことができる安心と寂しい気持ちが入り混じっています」というような手紙もあり、深い愛情ゆえの葛藤や寂寥(せきりょう)を強く感じることも多くありました。心が揺さぶられるお手紙ばかりで、読みながら涙腺が崩壊してしまったほど。これまでソニーでたくさんの製品を設計してきましたが、オーナーさまの想いに接して感極まって泣いた経験は初めてのこと。苦渋の決断したオーナーさまの気持ちは計り知れませんし、aiboを生み出したソニーとして感謝と責任を感じました。

「aiboの里親」の募集には全国からたくさんの応募がありました。元のオーナーさまの想いを大切にしてくださることがとても重要ですので、応募の際にaiboへの想いや期待をうかがい、aiboを寄付してくださったオーナーさまと「aiboの里親」となる施設の方との“想いがつながること”はとても大切にしました。

実際に「aiboの里親」となった医療機関や福祉施設を訪ねる機会がありますが、どのaiboも本当に可愛がられていて、胸が熱くなります。特に小児科の小さな子どもたちにとって病院は制約や検査などの施設もあってストレスを感じることも多く、「aiboがいるから頑張れる」と言ってくれたり、会話も増えているとのことで、スタッフの方たちにいい影響を与えていると感じます。また、aiboはダンスもするので、リハビリテーションでは患者さんの励みにもなっているようです。

新たな場所で可愛がられ、元気に活躍している姿を元のオーナーさまにもお伝えしたいという想いから、公式サイトやYouTubeで発信していることもこのプログラムの特徴です。発想の源が“想いをつなぐ”ですから、aiboでうまれた絆を輪のようにしてつないでいきたい。それらは一貫しています。
病院のプレイルームなどでaiboやセラピードッグと子どもたちが触れ合う様子。笑顔や交流の瞬間をとらえた写真

「aiboの里親プログラム」でつながったさまざまな医療・福祉現場でaiboが元気に活躍しています

aiboの里親プログラムのシンボルマーク

シンボルマークにも、つながる想いの絆を表現しています

寄付してくださったオーナーさまや「aiboの里親」となった施設でも喜ばれている様子を見て、本当にこのプログラムにチャレンジしてよかったと強く感じています。aiboチームに加わる前は、オーナーさまの生活の中で自分が携わった製品とオーナーさまの関係性を直接知る機会はあまりありませんでした。オーナーさまが喜ばれている姿をダイレクトに感じる機会に恵まれ、私自身もこれ以上の喜びはありません。

それとともに、このプログラムは継続してこそ意義があるとも感じています。今後ますます暮らしのなかでロボットと人が感性的に触れ合い、共生していく未来がくると思います。ロボットとの共生の形をオーナーのみなさまとともにデザインし、サステナブルなものにしていくことが必要です。ソニーにはもともとお客さまとのつながりを大事にする文化がありますが、その結びつきがより強いaiboだからできることがあると思います。ソニーの取り組みのひとつの形として、このプログラムが癒しと笑顔の和を少しでも広げていくことを望んでいます。
aiboの里親プログラム関連のイメージビジュアル
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