第6回目の“My Sony
STORY”は、従来の楽器とは一線を画し、演奏経験がなかったり、聴覚などに障がいがあっても楽しめる“ゆる楽器”のひとつ「ハグドラム」「ハンドルドラム」のプロトタイプを開発したメンバーたちのストーリーです。
開発のきっかけや、どのようにデザインしていったのか、その想いに迫りました。
※ ハグドラム・ハンドルドラムは開発中のため、商品発売していません(2025年10月時点)
“ゆる楽器”のひとつ、 ハンドルドラム(左)ハグドラム(右)
“ゆる楽器”の開発を担当するエンジニアの塩野
“ゆる楽器”開発のプロジェクトリーダー デザイナーの秋田
ソニー・太陽でのワークショップの様子(左)。金箱先生とのワークショップの様子(右)。多くの方たちとの共創で開発が進んだ
ソニー・太陽でのワークショップの様子(上)。金箱先生とのワークショップの様子(下)。多くの方たちとの共創で開発が進んだ
プロトタイプを作っては、リードユーザーの方々にフィードバックをもらい、トライアンドエラーで楽器としての精度を高めていった
(左)社内メンター(右)手話パフォーマー『手話エンターテイメント発信団 oioi』
ハグドラム同士はもちろん、ハグドラムとハンドルドラムでのセッションも楽しめる
シシド・カフカ氏が主宰の『el tempo』との共創。
プロミュージシャンの方々ならではの意見も開発に反映させた
2024年5月に開催された「ゆるスポーツランド2024」にて、el tempoと手話エンターテイメント発信団 oioiのデモ演奏が叶いました
動画内容のテキストはこちら
タイトル
世界ゆるミュージック協会
ゆる楽器「ハグドラム」
誰もが一緒に演奏できるインクルーシブな打楽器
解説
ソニーのデザイン部門であるクリエイティブセンターは、ソニー・ミュージックエンタテインメントと協働し、誰もが楽しめる「ゆる楽器」の開発を進めています。
叩いた音を光と振動で感じられる打楽器体験「ハグドラム」を2024年5月11日に開催した「ゆるスポーツランド2024」にて初公開。
ハグドラムは、インクルーシブデザインの手法を用いて聴覚に障がいのある方の「音楽を楽しみたい」という声をもとにデザインしました。楽器開発メンターとして、今回は聴覚障がいのある手話パフォーマーの岡ア伸彦氏と中川綾二氏、シシド・カフカ氏率いるel
tempo(エル・テンポ)のプロのミュージシャンたちもメンターとして加わっていただきました。
楽器開発メンターのel
tempoと聴覚障がいのある手話パフォーマーのoioiのみなさまによるハグドラムの演奏から動画が始まる。
ナレーション
ハグドラムは音を振動と光に変換することにより、体で感じながら演奏することができる打楽器です。聴覚に障がいのある方やリズム感に自信のない方、小さな子どもも一緒に合奏を楽しめます。基本的な使い方としては、ハグドラムを抱きかかえるようにして持ち、2人1組で演奏します。打面を叩くと胴体が光り、同時に胴体にある2つの振動スピーカーが揺れることで音を感じることができます。
様々な打楽器とハグドラムで奏でるリズムアンサンブルの練習風景。
テロップ
質問:「開発を始めた経緯を教えてください」
梶の声
今回の設計に関しては、耳が聞こえない人でも、もちろん聞こえる人でも一緒に演奏できて合奏できているという安心感を与えることと、喜びを与えるっていうことをオーダーしました。
解説
再び練習風景が映し出され、ハグドラムのデザインを担当した森澤と秋田の映像に移る。
テロップ
質問:「デザインのポイントを教えてください」
森澤の声
「叩けば音が出る」とか「光が出て反応がある」というのが誰でも感じられる。触ってもらえば楽しさが分かる、というところを考えてデザインしました。
秋田の声
つつ状の形になっていて肩から下げて体に密着させることで、振動が直接体に当たるようなデザインになっています。
「ゆるスポーツランド2024」でお客様にご体験いただいているところ、パフォーマンスの映像などが織り込められ、楽器開発に協力いただいたみなさまの映像とコメントが流れる。
テロップ
質問:「開発のポイントを教えてください」
InstaChord株式会社の永田雄一氏の声
これは楽器であるというのが前提であって、そこにテクノロジーで新しい体験ができるもの。
続いて、ウダリストの宇田道信氏の声
触って感じるための振動を十分に出すために、大きい出力を出せるように作っています。
「ゆるスポーツランド2024」でお客様にご体験いただいているところ、練習風景の映像などが織り込められ、楽器開発のメンターとして協力いただいたみなさまの映像とコメントが流れる。
テロップ
質問:「メンターとして開発に関わってきた感想を教えてください」
一般社団法人
手話エンターテイメント発信団 oioiの中川綾二氏の声
音楽の楽しみ方が変わるなというか、僕たちみたいに聞こえなくても、見て合わせられることがこれからできるようになるので、そういう人たちにも是非楽しんでいただきたいなと思います。
続いて、同じくoioiの岡ア伸彦氏の声
僕みたいに最初音楽を上がることに対して結構不安を感じている人っていると思うので、今回のこのハグドラムの演奏をきっかけにもっと聞こえない人たちが「自分もやりたい!」と思ってくれるようになったら良いなと、すごく思いますね。
続いて、ミュージシャンのシシド・カフカ氏の声
同じリズムを共有できることは音楽のすごく楽しいところなので、それを新しい楽器で新しいかたちで、感覚を共有しながら、一緒に音楽をやるのがすごく楽しかったです。
ゆるスポーツランド2024に参加されたみなさまの集合写真で終わる。
ソニーロゴ
聴覚に障がいのあるピアニストの足元にハグドラムを置き、振動を感じながら吹奏楽団とセッションを行った