商品情報・ストア Sony's feature Hi-Res 10 songs vol.5 [後編] : ハイレゾ10曲
 

2018.8.8Hi-Res 10 songsvol.5 : Licaxxx
[後編]
_DJ

ハイレゾで、聴きたかった10曲

DJのLicaxxx(リカックス)さんによる「ハイレゾで、聴きたかった10曲」。後編も引き続き、電子音楽ならではの領域を拡張する曲を紹介していきます。人間の声や楽器の音はもちろん、自然に存在するノイズまで、音楽の要素として再構築していくことのできる電子音楽。驚くほど緻密な音の組み立てや、そこに広がる空間のありようが、ハイレゾによって鮮やかに伝わってきます。

電子音楽でありながら、赤裸々な心情が伝わってくる

06/10

Arca
「Mutant」

from 『Mutant』

「アルカは、特殊なミックスをしている電子音楽の代表格。ハイレゾで聴いてみると、割れた音が地を這ってくるようで、その移動してくる感触もすごかった。音と音が直線的に結びついたり、並行して迫ってきたりして。音が全般的に配置されているというより、どこかに断崖絶壁があるような、高い壁の存在が感じられるつくりも好きです。直感的なのに、理路整然としている。冷たそうで、じつは熱い。そういうところでも共感できるのかな。最近のアルバムでは、ますます自分自身をさらけ出しているようで。電子音楽なんだけど、シンガーソングライターみたいな気持ちでつくっているのかもしれない。私にとってはそれくらい、人間味を感じる音楽です」

07/10

牛尾憲輔
「roh」

from 『映画 聲の形 オリジナル・サウンドトラック
a shape of light 【形態B】』

「牛尾さんの音楽は、そもそもagraph(アグラフ:牛尾憲輔によるソロ・プロジェクト)として発表されているものが好きで、いろいろ聴いていたのですが、こういう映画関連の音楽もすごくいいんですよね。映画そのものも面白いのですが、もっとよく観えてくるというか。とにかく、つくりが丁寧で。この曲も、ピアノの音をどうやって録っているんだろうと、不思議なくらい、そこにある空気感が鮮明に伝わってくる。エレクトロニックが駆使されていながら、空気の流れる音みたいなものがそのまま入っていることで、聴こえ方がまるで違う。それこそ、やっぱり、牛尾さんならではの音楽なのだと思います。このハイレゾの音質で、映画館で観てみたいですね」

08/10

Ben Frost
「Ionia」

from 『The Centre Cannot Hold』

「ビートが入ってこない電子音楽として、アンビエントやドローンを中心に探していて、このベン・フロストのアルバムを見つけました。踊るためというより、微小な変化を楽しむ、というジャンルの音楽ですね。普通にスピーカーで聴くだけでは、そういう面白さはわかりにくいので、できるだけいい音質と再生環境で聴きたい。微小な変化といっても、じつはどんどん何かしらが変化していて、ハイレゾならば、その質感の移り変わりも、よりクリアに楽しめると思います。ある種の型どおりに、ストーリーが感じられる音楽をつくるというより、ひとつのアートフォームをつくっているような感覚。音楽をつくる場合には、私自身もそうしたアプローチのほうが楽しいです」

09/10

Le Dom
「Bayern」

from 『Sound Pellegrino presents SND.PE,
Vol.5: mixed by Teki Latex & Orgasmic』

「これはストレートなダンスミュージックも聴いてみたいと思って、選びました。テキ・ラテックスとオルガスミックが手がける、〈サウンド・ペレグリノ〉というレーベルからリリースされたコンピレーションに収録されている曲です。ミニマルに比べれば、昔ながらの音楽的要素が含まれていますが、音の数は比較的少なくて、ハイレゾだとよりきれいに聴こえる。やっぱり、いい音で聴くことによって、曲本来の楽しさが見つけやすいと思います。私自身、DJプレイでは、ビートが崩れていったり、戻ってきたりする感覚が好きなので。こういうベース・ミュージックをビートの要素として、テクノの間に挟みながら、テンションを上げていったりしますね」

手が届きそうな距離で鳴っている。そんな感覚も共有できる

10/10

砂原良徳
「subliminal」

from 『subliminal』

「まりんさんの曲は、とにかく圧倒的に音がいいんですよ。とくにこの音源は、ハイレゾ用にリマスタリングされているということで、ひたすら気持ちがいいですね。音のつくり方にもすごく特徴があって、聴いた人がリアルに感じられる空間の広がりの中で、徹底的に音が再現されるというか。広すぎず、狭すぎず。そこに壁があるような、ないような。自分の手が届きそうな距離感で鳴らされているような、不思議さがあります。なかでもこの曲には、ちょっとアグレッシブな一面も表れているようで。まりんさんならではの、とても丁寧な仕事であるとともに、人間味がはっきりと出ている作品であることが、よくわかります」

【取材を終えて】 DJとしてかける一曲も、ラジオで紹介する一曲も、その曲を選んだ理由については、しっかり答えられるようにしたい。Licaxxxさんの目指すプレイやセレクトは、アーティストへのリスペクトと、曲に対する深い理解のうえにあるものでした。より多くの人が、それまで知らなかった音楽に触れて、思い思いに楽しんでくれること。そのために、“裏方としての作業”や“地味な実験”が欠かせないと言います。今回紹介してくれたのは、電子音楽の進化を続ける楽しさ。精緻につくり込まれた音楽をハイレゾで聴くことによって、果てしなく広がるイマジネーションが迫ってくるようです。(Hi-Res 10 songs編集部)

moraでのハイレゾ商品の試聴再生はAAC-LC 320kbpsとなります。
試聴再生は実際のハイレゾ音質とは異なります。

取材時にはハイレゾ対応のウォークマン「NW-A45」、ヘッドホン「WH-1000XM2」で試聴しました。

ウォークマン「NW-A45」についてはこちら

ヘッドホン「WH-1000XM2」についてはこちら

音楽配信サイト「mora」で配信されている曲の中から選曲をしています。

ハイレゾで聴く場合は「mora」で購入する必要があります。

本ページに掲載している情報は2018年8月8日時点のものであり、予告なく変更される場合があります。

PROFILE

Licaxxx(リカックス) 1991年生まれ。東京都出身。慶應義塾大学総合政策学部卒業。DJを本業としながら、トラックメーカー、ラジオパーソナリティー、エディターなど、音楽に関わるさまざまな活動を並行。2016年、所属するASOBISYSTEMにて、ウェブメディア『シグマファット』を立ち上げ、編集長を務める。2017年にはフジロック・フェスティバルに初出演。現在、J-WAVE「SONAR MUSIC」(月曜〜木曜 21:00〜24:00放送)で、水曜日のミュージックレシーバーを担当。BS スカパー!「BAZOOKA!!!」(月曜 21:00〜22:00放送)にも出演中。

ASOBISYSTEM オフィシャルサイト
https://asobisystem.com/talent/licaxxx/

Edit by EATer / Photography by Kiyotaka Hatanaka(UM) / Design by BROWN:DESIGN


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