2020.3.26
しっかりとした手応えに、土の力強さが伝わってくる。陶芸作家・八田亨さんの作品は、自然から生まれてきたものに触れる喜びを気づかせてくれるようです。奥さんと娘さんたちと暮らす大阪・富田林のご自宅に構えた工房が、八田さんの主たる創作の場所。今回は「DSC-RX100M6」と「DSC-RX100M7G」の2機種を使って、日々の風景を捉えていただきました。
「この工房にはガス窯があって、ろくろで成形するところから素焼きまで、ものによっては2度目の本焼きも行っています。月に1回のペースで、ここから車で30分くらいの場所にある穴窯で本焼きをするので、それまでに、素焼きを終えて釉掛けした作品が400個くらい必要になる。だから普段は、ひたすらここでつくり続けているという感じですね。こうして写真で見ても、生の土は水分を含んで、ツヤがあって、本当にきれいだなと思います。以前はソニーのデジカメを使っていたのですが、いまではスマートフォンで撮るばかりで。こうしたデジカメを使うのはすごく久しぶりで、いい写真を撮ろうという気持ちが湧いてきました」
DATE_2020.01.31 CAMERA_DSC-RX100M7G
DATE_2020.01.26 CAMERA_DSC-RX100M6
「ろくろをひいている動画は、嫁さんに撮ってもらいました。ろくろだけに集中するのは、週に1日か2日なのですが、そのときには8時間くらい続けているかな。朝の薄暗い光の中で作業するのは、とくに気持ちがいいです。ろくろも単にうまくひくだけならば、縄跳びとか跳び箱と同じように、練習すればできるようになります。でも、それだけでいい作品ができるわけではない。一筋縄ではいかないところが悩ましいですね。素焼きしたものに釉薬(うわぐすり)をかけているところは、スタッフに撮ってもらったもの。こうした作業を繰り返して、三島、刷毛目、粉引といわれるものなど、さまざまな作品のラインを並行してつくっています。動画が簡単に、ここまで鮮やかに撮れるのには驚きました」
DATE_2020.02.01 CAMERA_DSC-RX100M7G
「フレンチブルドッグのタロウは、まだ生後10ヶ月。人なつこくて、活発で、とにかくよく動き回る。初めて犬を飼うことになったのですが、娘たちもすごく喜んでくれました。一緒に散歩をしているところも撮っていますね。富田林の寺内町には、室町時代から続く町並みが残っています。僕は金沢の出身ということもあって、こうした歴史の感じられる町に惹かれる。子どもを育てる環境としてもいいなと思って、数年前に、近くに自宅と工房を構えました。家では、シロハラインコも2羽飼っていて。脚の色が緑っぽいほうがハルという名前なのですが、なぜか僕のことだけ嫌っていて、くちばしで襲いかかってくるんですよ(笑)」
「これは、家にお客さんが遊びに来るので、唐揚げをつくっているところです。長女もちょっと手伝ってくれて、サラダや納豆のパスタもつくりました。たいしたものはつくれないんですけど、わりと僕は料理をするのも好きなんです。自分の器だけでなく、ほかの作家さんの器もいろいろ使って盛り付けるのですが、そうした作業もすごくワクワクする。趣味に近いかもしれません。やっぱり、こういうカメラがあると、自分の好きなものを撮ってみたくなりますね。花や植物も、とくに撮りたくなる。いただいた梅の枝は、ちょうど花を咲かせたところ。鋭いトゲがあるのは、アローディア・コモサという塊根植物です。このカメラで撮った写真は、自分の目に見えている印象に近くて、リアルで自然な感じがしました」
※八田亨さんには、デジタルカメラ「DSC-RX100M6」と「DSC-RX100M7G」を使って撮影していただきました(インタビュー時の写真は除く)
※本ページに掲載している情報は2020年3月26日時点のものであり、予告なく変更される場合があります
八田亨(はった とおる) 陶芸作家。1977年生まれ。石川県出身。大学で環境デザインを学ぶなかで、陶芸に出合う。卒業後は大阪市此花区の「舞洲陶芸館」に勤務し、作品制作を続けるとともに、陶芸教室の講師も務める。2003年に独立し、2004年には穴窯を築き上げた。2009 年から堺市で開催しているクラフトフェア「灯しびとの集い」の創立メンバーであり、現在は会長を務める。富田林市に構えた工房で創作を続け、2020年も国内外のギャラリーなどで個展を予定している。
八田亨 オフィシャルホームページ
https://www.hattatoru.com
Edit by EATer / Photography by Kiyotaka Hatanaka(UM)[interview] / Design by BROWN:DESIGN
料理家 冷水さんが撮る、日々の風景「RX100 ダイアリー」
旬の食材を活かした、やさしい料理がファンの多い冷水希三子さん。定期的に更新している彼女のインスタグラムには、日々の料理が並び、その料理を楽しみにしているフォロワーの方がたくさんいらっしゃいます。そんな冷水さんがRX100M3を使い撮影した、日々の写真を紹介します。