AV評論家の折原さんが、ワイヤレスヘッドホンの性能を引き出すヒントを解説
リスニングスタイルをより自由に快適にしてくれるワイヤレスヘッドホン。
再生機の種類や接続方法によって、音質に違いが出ることをご存知でしょうか?
より"いい音"で音楽リスニングを楽しむために、お持ちのヘッドホンの
性能を最大限に引き出すためのヒントを紹介します。


折原 一也(オーディオビジュアルライター/AV評論家)
PC系版元編集職を経て、専門誌やWeb、モノ雑誌で活動する1979年生まれのオーディオビジュアルライター/評論家。ホームシアターやヘッドホンも専門。オーディオ・ビジュアルアワードVGP審査員。一般社団法人ミュージック・ペンクラブ・ジャパン会員。
PC系版元編集職を経て、専門誌やWeb、モノ雑誌で活動する1979年生まれのオーディオビジュアルライター/評論家。ホームシアターやヘッドホンも専門。オーディオ・ビジュアルアワードVGP審査員。一般社団法人ミュージック・ペンクラブ・ジャパン会員。


みなさんは、お持ちのワイヤレスヘッドホンの性能をフルに活かして音楽リスニングを楽しまれてますか?
ヘッドホンと再生機をワイヤレスでつなげるために「Bluetooth」という無線技術が使われているのはご存じのことと思います。しかし、再生機側の性能や設定によって音質が向上する事はあまり知られていません。そのヒミツが「コーデック」。ちょっと難しそうな言葉ですが、この理解が、ワイヤレスで“いい音”を楽しむための近道になります。
Bluetoothワイヤレス接続のイメージ

コーデックとは?
Bluetoothという無線技術は、ケーブルなどの有線接続と比べて、一度に送れるデータの大きさに限りがあります。残念ながら、音楽データは、そのままでは送ることができないため、再生機側でデータを一度小さくし、ヘッドホン側で音楽データに戻すということをしています。このデータを小さくしたり、戻したりする圧縮技術のことを「コーデック」と呼んでいます。

Bluetoothの標準コーデックは「SBC」と呼ばれるものですが、それ以外にもコーデックは進化しており、より圧縮効率の高いAACやaptX、aptX HD、LDACなども登場しています。一般的には、圧縮効率が高いコーデック、大量の音楽データを送れるコーデックほど「高音質なコーデック」であると言えます。例えば、ソニーが開発した高音質コーデックのLDAC(*1)は、SBCの約3倍(*2)の伝送量で劣化が少ない高音質の音楽を楽しむことができます。
しかし、良いことだけではありません。駅や繁華街など無線機器の利用者が多く、通信環境が不安定な場所での利用においては、音が途切れやすくなるなど、苦手な一面もあります。音の良さと接続性の関係を理解して、最適なコーデックの設定を選べるようになることが大切です。お持ちのワイヤレスヘッドホンの対応コーデックは、公式サイトや取扱説明書に記載されているので、確認してみましょう。
*1 LDACは日本オーディオ協会の“Hi-Res Audio Wireless”に認定されたコーデック技術です。ハイレゾコンテンツを転送速度990kbpsで伝送する場合
*2 Bluetooth A2DPのSBC(328kbps、44.1kHz時)との比較



お持ちのヘッドホンが、どれだけ高音質なコーデックに対応していても、それだけで"いい音"で音楽リスニングできているとは限りません。先にご紹介したように、コーデックは、送信側の再生機と受信側のワイヤレスヘッドホンの“両方で対応”してこそ、初めて利用できるのです。例えば、再生機がスマートフォンの場合、対応コーデックがSBCとAACのみという製品も多く、この場合は、最大でもAAC接続での音質になります。ヘッドホンが、より圧縮効率の高いコーデックに対応していても、これでは本来の実力を引き出せているとは言い難いですよね。ヘッドホン同様に、再生機の対応コーデックも確認してみることをおすすめします。
ヘッドホンと再生機の対応コーデックの例

また、どちらも高音質コーデックに対応しているのに、再生機の設定で標準のSBCが選ばれている場合もあります。これは、より安定した接続方式が選択されているとも言えるので、決して悪いことではないのですが、もし、電波の干渉が少ない場所でのリスニングならば、より高音質なコーデックを選択してみるなど、リスニングシーンでコーデックを使い分けることも意識してみるといいかもしれません。
ウォークマンという選択も


「LDAC」に対応したヘッドホンは、ワイヤレスでもハイレゾ音質で音楽を聴ける性能を備えています。
せっかくのヘッドホンの性能を最大限に発揮するには、やはりLDAC対応のウォークマンとの組み合わせが最適です。
LDACは、CD音質を超える高音質であるハイレゾ音源の情報量を維持したまま伝送できます。ワイヤレスでも原音の細かい表現まで忠実に再現されたハイレゾ音質で音楽を楽しめるのです。
実際にLDAC対応のワイヤレスヘッドホンとウォークマンを組み合わせてLDACコーデックで音楽を聴くと、音楽体験もまたワンランク上のものになります。ワイヤレスでも音は今まで以上にクリアで鮮明に聴こえるし、音空間の広がりも感じられるでしょう。
ワイヤレスヘッドホンによる音楽リスニングは、まずはスマホと一緒に手軽に音楽を聴くために使い始めた人も多いでしょう。次のステップでは、LDACコーデックに対応したウォークマンを揃えていい音を追求してみましょう。ミュージックライフがより豊かなものになると思います。





ウォークマンAシリーズ[メモリータイプ]NW-A100 シリーズ
鞄に入れていつも持ち歩ける小型の筐体に、ハイレゾの高音質と機能を凝縮したウォークマンです。
CD音源やダウンロードした楽曲だけでなく、ストリーミングサービスに対応。
また、Headphones Connectのアプリをスマートフォンの代わりにウォークマンで使うこともできます。
ワイヤレスヘッドホンで高音質を楽しむ最高のパートナーになるでしょう。

メモリー容量
選べる5色の
カラーバリエーション

*有線接続:「DSEE HX」ON時(最大192kHz/32bitまで拡張)
無線(Bluetooth(R))接続:対応ヘッドホンの「DSEE HX」ON時(最大96kHz/24bitまで拡張)
※ W.ミュージック以外のアプリでは、ハイレゾ音源は48kHz/16bitでの再生になります



ウォークマンZXシリーズ[メモリータイプ]NW-ZX500 シリーズ
NW-ZX500シリーズは、バランス接続対応の、趣味性に突き抜けたモデル。
そんなNW-ZX500シリーズもワイヤレスでは「LDAC」対応、ストリーミングサービスの音楽も楽しめます。
出先では「LDAC」対応のワイヤレス、自宅ではハイクオリティな有線ヘッドホンと使い分けるスタイルの方におすすめです。

メモリー容量