商品情報・ストア Feature 特集記事 Dolby Atmos® & DTS:X™対応! AVアンプ「STR-DN1080」映画館のような音響空間を
Dolby Atmos & DTS:X対応! AVアンプ「STR-DN1080」映画館のような音響空間を

大画面テレビの普及で、近年、注目度を増しているホームシアターシステム。AVアンプはこの根幹を担う重要な存在です。今、その新トレンドとして最新サラウンドフォーマット「Dolby Atmos」と「DTS:X」が話題になっています。ソニーもAVアンプ最新モデル「STR-DN1080」でこの新技術に対応。家庭でも手軽に、映画館に迫る臨場感が楽しめるようになりました。ここでは、その製品開発に込められた想いを開発者が語ります。

国内モデル初のDolby Atmos
& DTS:X対応を実現!

※ソニーのAVアンプとして。

まずはAVアンプ新製品「STR-DN1080」の特徴について教えてください。

ソニービデオ&サウンドプロダクツ株式会社
ホームエンタテイメント&サウンド事業本部
V&S事業部 サウンド2部 HA1課
渡辺 忠敏

渡辺:最大のポイントはやはり、最新のサラウンドフォーマット「Dolby Atmos」と「DTS:X」に対応したことですね。従来のサラウンド音場に、高さ方向の表現力を加えた3次元の立体音響技術によって、全方位からの音に包みこまれるリアルな音響空間をお楽しみいただけます。

Dolby Atmos、DTS:X対応のAVアンプは他社からも発売されていますが、それらと比べた際のアドバンテージはどこになりますか?

渡辺:「STR-DN1080」クラスの、実勢価格7万円前後のAVアンプにはコスト的にパワーアンプを7chまでしか載せられません。そのうち2chを天井に設置するトップスピーカーに割り振ることになりますから、スピーカー構成は5.1.2chとなります。

しかし、これだと後方の表現力が少し物足りなくなってしまいます。Dolby Atmosや、DTS:Xでは、それぞれのスピーカー構成に合わせてうまく音を割り振ってくれるはずなのですが、やっぱりそこにスピーカーがないと表現できない空間があります。

そこで「STR-DN1080」では、「ファントム・サラウンドバック」という機能を使って、後方のサラウンドスピーカーの間に、仮想のサラウンドバックスピーカーを作り出し、疑似的に7.1.2chのサウンド空間を体感できるようにしています。ファントム・サラウンドバックとトップスピーカー間のパンニングも可能になるので後方上部の表現力もぐっと増します。

「ファントム・サラウンドバック」

5.1chのスピーカー設置で、7.1chのサラウンド音場を再現。
「Dolby Atmos®」「DTS:X」も5.1.2chのスピーカー配置で7.1.2chの
サラウンド音場を再現します。

「ファントム・サラウンドバック」とは具体的にはどういったことをやっているのでしょうか?

渡辺:たとえば2chのステレオで音楽を聴いているときに、2つのスピーカーの中央にボーカルが定位して聴こえますよね。こうした現象を「ファントム」と呼びます。ファントム・サラウンドバックは、この現象を利用して、サラウンドスピーカーの間に、2基のファントム・サラウンドバックスピーカーを作り出す機能です。

それは一種のバーチャルサラウンド的なものなのでしょうか?

渡辺:違います。バーチャルサラウンドとは、頭位伝達関数という特性を利用して音の位相処理を行い、本来は存在しないスピーカーを感じさせる技術のこと。ファントムはそれと比べて技術的にとてもシンプルなので、サービスエリアが広く、自然な音場効果が得られるメリットがあります。

なお、この機能は日本国内で販売されていた25万円クラスのESシリーズのAVアンプなどに搭載されている「D.C.A.C(デジタル・シネマ・オート・キャリブレーション) EX」という自動音場補正機能を応用した「スピーカーリロケーション」によって実現しています。

「スピーカーリロケーション」についても教えていただけますか?

渡辺:サラウンドのスピーカー設置位置については、ITU-R(国際電気通信連合 無線通信部門)によって推奨されている角度位置があるのですが、実際のご家庭で、リビングなど専用のシアタールーム以外の部屋でサラウンドを構築する場合、ドアや家具などがある生活環境にスピーカーを設置するのですから、理想的な角度位置に置くことはできません。天井に設置するトップスピーカーについても、照明器具を避けて設置することが多いと思います。「STR-DN1080」の「「スピーカーリロケーション」は、天井に設置したトップスピーカーも含めて、高性能なファントム再生でスピーカーの音源位置を理想的な角度位置に整えることで、つながりの良いサラウンドを再現する機能です。

「スピーカーリロケーション」

スピーカーの音源を理想的な位置に再配置しサラウンドの繋がりを改善する技術です。

「ファントム・サラウンドバック」と「スピーカーリロケーション」が最大の特徴ということですね?

渡辺:はい。「STR-DN1080」でDolby Atmos、DTS:X対応を実現するにあたり、コスト的なハードルを越えて、この機能を取り込みました。リビングなどで理想どおりにスピーカーを配置できないという人にこそ役立つ機能だと思います。

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Dolby Atmos、DTS:Xの登場で
今、映画の音作りが変わり始めている

「STR-DN1080」が、Dolby AtmosとDTS:Xならではの立体的でリアルな音響空間を楽しませてくれることは分かったのですが、こうしたコンテンツは今、どれくらいあるのでしょうか?

Dolby Atmos / DTS:X

渡辺:正確な数までは把握していませんが、すでに100作品近い映画の家庭向けパッケージにDolby Atmos、DTS:Xデータが収録されています。特にUltra HD Blu-ray(以下、UHD BD)作品は大半のものが対応していますね。今後はさらに増えていくことでしょう。

Dolby Atmos / DTS:X

Dolby Atmos、DTS:Xは特にどういうシーンで威力を発揮しますか?

渡辺:頭上をビームがビュンビュン飛び交うようなシーンが得意なのは言うまでもありませんが、背の高い針葉樹が生い茂るうっそうとした森の空気感なども見事に再現してくれます。

映画館ではスクリーンの裏にフロントスピーカーとセンタースピーカーがあり、それらを使ってセリフや劇伴(映画の音楽)などのフロント側の音場を表現しているのですが、Dolby Atmosの登場以降、この映画の音作りに変化が起きているんですよ。Dolby Atmosのオブジェクトを使って、劇伴の音場をスクリーン外側に広く定位させ、それによって、センターにあるセリフなど、スクリーン内の音を混濁なく聴き取れる音作りをしている作品が増えてきているのです。また、エンドロール時に、音楽のボーカルをトップスピーカー側に持って行き、スクリーン上部の空間の高い所に定位させるというオブジェクトオーディオならではの音楽表現も見受けられるようになりました。

新しい音響技術が登場したことで、これまでの常識が変わりつつあるのですね。

渡辺:はい、映画制作の最前線では音作りがどんどん変わってきています。かつてのモノラルがステレオになった変化の延長線上にDolby AtmosやDTS:Xがあるのです。であれば、それを再生するシステムも変わっていくべきですよね。

「STR-DN1080」は、そうした“制作者の意図”をいかに再現できるかに強くこだわって開発しています。

ライターズレビュー

見えない2つの“ファントム”スピーカーが確かに存在するのを感じた!?

取材時、「STR-DN1080」のDolby Atmos、DTS:X対応を体感するため、同時発表されたソニー初のUltra HD ブルーレイ/DVDプレーヤー「UBP-X800」との組みあわせで、映画「ゴーストバスターズ」を視聴しました。この映画の売りは、空飛ぶゴーストや、それを狙う武器のビームなどが画面の内外をビュンビュン飛び回る大迫力映像。UHD ブルーレイディスク版では、その映像を4K画質で楽しめることに加え、Dolby Atmosの立体的な音場によってサウンド面からも臨場感を高めています。

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もちろん、そういったシーンでは「STR-DN1080」のファントム・サラウンドバックが大活躍。本来は後方上部あたりの空間表現を苦手とする5.1.2ch環境でも、「右後方から前方に向けて、弧を描くようにゴーストが飛んでいった!」というふうに、音のつながりが途切れない、スムーズでリアリティーのあるサウンドを満喫できました。

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独自の工夫で高音質を実現
映画だけでなく、音楽再生の品質にも
こだわった

「STR-DN1080」の開発において技術的に工夫したこと、こだわったことがありましたら教えてください。

渡辺:高度な処理能力を求められるDolby Atmos、DTS:X対応のためにパワフルなDSPを3つ搭載したのですが、オーディオ的な見地からいうとノイズ源が増えたともいえます。その対策は設計開始時からの懸念事項でした。多くの評論家の方から「他社のAVアンプはDolby Atmos、DTS:X対応時に音が悪くなった。ソニーの新製品ではそんなことのないようにしてほしい」と言われていたのですが、ここは皆さん、共通して苦労されているようですね(笑)。ノイズの対策をしないとそのノイズが音声出力にのってシャリシャリとした硬く汚い音になってしまいます。これはデジタル信号処理等で除去できるものではなく、根本的にノイズを出さないようなアナログ的な対処が要されます。

具体的にはどういった対策を施したのでしょうか?

渡辺:まず、電源の構成を工夫しました。まず、電源を小型・軽量な(代わりにノイズの多い)スイッチング電源ではなく、大容量電源トランスで構成されるアナログ電源としました。その上でデジタル回路用アナログ定電圧レギュレーターによって非常にクリーンで安定した電源をデジタル回路に供給しています。

実はこの構造は、「STR-DN1080」の数世代前の「STR-DN1050」から実現しています。Dolby Atmos・DTS:X対応でDSPが増えても、この構造によるノイズの対策が有効に働きました。ソニーのAVアンプが、デジタル回路の塊なのにデジタル臭さを感じないと評価されているのには、こうした理由があるからです。

そのほかにも、こだわった点はありますか?

渡辺:映画だけでなく、音楽も楽しんでいただけるよう細かくチューニングしました。先ほど、映画制作の最前線で音作りが変わり始めているとお話ししましたが、それは音楽の世界でも同じ。そこで世界で流行している音楽の傾向を分析し、それをきちんと表現できるようにしています。ガツンとした低音がありつつ、その上にきらびやかな高音が乗るとか、そうした最新の音の再現性にはこだわっています。

そのために行ったことを教えてください。

渡辺:このクラスの製品では、ハイエンドモデルのように分厚い板金で構成されるようなガッシリしたシャーシを採用することはできません。そこで今回は、デジタル基板を支える板金を作り直し、内部の剛性を高めることで音質を高めました。オーディオ設計の世界では、昆虫の外骨格のように外部の剛性を高めるというのがセオリーなので、これはちょっとしたチャレンジでしたね。でも、結果的にはとてもうまくハマったと思います。

音楽再生について、もう少しお話を聞かせてください。

渡辺:ソニーが全社的に推進しているハイレゾにはもちろん対応しています。特に、DSD 5.6MHzの5.1chに対応している製品は珍しいのではないでしょうか。近年は質の高いハイレゾ楽曲も増えてきていますので、LPCMでもDSDでも、2chでも5.1chでも楽しんでいただきたいですね。

また、MP3やAACなどの圧縮音源についても、ソニー製品ではおなじみの「DSEE HX」によって、ハイレゾ相当の音質にアップコンバートして楽しめます。日本でもサービスの始まった「Spotify」の楽曲を単体で再生できる「Spotify Connect」にも対応しているので、そちらもぜひお試しください。もともとそんなに音質は悪くないのですが、「STR-DN1080」ならさらに良い音で楽しめますよ。

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日本各地のソニーストアで視聴体験を実施中
制作者の意図を感じさせる
音を体験してほしい

「STR-DN1080」は、発売に合わせて日本各地のソニーストア直営店舗のシアタールームに導入されました。そのシアタールームの音響調整も渡辺さんが担当したそうですね。

渡辺:はい。北は北海道から、南は福岡まで、各地のソニーストアのシアタールームを「STR-DN1080」仕様に変更してきました。具体的には今回、国内製品初のDolby Atmos、DTS:X対応ということでトップスピーカーを配置し、サラウンドスピーカーの設置方法等を見直して音響調整を最適化しました。 ※ソニーのAVアンプとして

※SS-CS5は天吊り対応はしていません。

シアタールームを事前に予約して手持ちのDVDやBlu-ray Discを持ち込み可能とのことですが、どういった作品を持ち込むと違いや魅力が分かりやすいか教えていただけますか?

渡辺:各ストアにおすすめの映画コンテンツを用意していますが、ぜひそれとは別に、聞き慣れた2chの音源を持ってきていただきたいですね。音楽CDでも、ハイレゾ音源の入ったUSBメモリーでも構いません。

実はソニーはAVアンプの音質のチューニングに2chの音源を利用しています。それで破綻していたら映画の音がちゃんと鳴るわけがないというわけですね。まずは、そこのところから体験していただきたいという気持ちがあります。

先ほどもおっしゃっていましたが、音楽再生に関しても、映画再生と同じくらいこだわっているということですね。

渡辺:ソニーはAVアンプを映画専用のものだとは考えていません。これで音楽を聴いたり、普段のテレビ番組を見たりできるようなものでなければならないと考えています。実際、ある評論家の方には、他社の10万円台クラスのプリメインアンプより良い音を出すとお褒めいただいたこともあります。

その上で、先ほども申し上げたように、「STR-DN1080」では、“制作者の意図”をいかに再現できるかを追求しています。映画監督や音楽アーティストが表現したいものを、ユーザーがきちんと享受できるようなものを目指し、それを実現できたと自負しています。

ソニーストアにお越しいただいた際には、その辺りを感じていただけるとうれしいですね。

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気軽に、感動の音響体験ができる
ソニーストアのシアタールームに
遊びにきませんか?

マルチチャンネルインテグレートアンプSTR-DN1080設計者試聴会

最新の音声フォーマット「Dolby Atmos®」「DTS:X」に対応。前後左右を中心とした従来のサラウンド音場に対して、高さ方向の表現力を加えた3次元の立体音響技術により、全方位からの音に包みこまれるリアルな音響空間をお楽しみいただけます。「S TR-DN1080」の設計及び、ソニーストア直営店舗のシアタールームの音響設計を担当した渡辺忠敏が、商品のデモンストレーションを交えながら、設計のこだわりを語ります。

ソニーストア 直営店舗 体験会情報

ソニーストアのシアタールームでは、今回ご紹介したアンプ「STR-DN1080」をはじめ、ソニーのアンプやホームオーディオシステムを体験いただけます。

毎月2回程度開催している定期試聴会では、お持ちのDVDやBlu-ray Discをお持ちいただいて、聴きなれた音をハイファイオーディオ環境で試聴することもできます。是非、お気軽にお立ち寄りください。


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