商品情報・ストア Feature 業界最高クラスノイキャンと進化したDSEE Extreme さらに研ぎ澄まされた高音質を「WH-1000XM4」

開発者INTERVIEW(開発者インタビュー)

開発者INTERVIEW(開発者インタビュー)

業界最高クラス(*)ノイキャンと

進化したDSEE Extreme

さらに研ぎ澄まされた高音質を

「WH-1000XM4」

* ヘッドバンド型ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン市場において。2020年4月21日時点、ソニー調べ、電子情報技術産業協会(JEITA)基準に則る

オーバーヘッドバンド型のワイヤレスヘッドホンとして大きな支持を集めた『WH-1000XM3』の後継モデルがこの夏、いよいよ登場します。新モデル『WH-1000XM4』は、自慢のノイズキャンセリング機能や高音質をさらに高めた上で、使い勝手の点でも新たなアイデアを盛り込んだ意欲的な製品です。これによってユーザーの音楽生活がどのように変わっていくのでしょうか? 開発に携わった4人のエンジニアがその特長を紹介します。

MEMBER

プロジェクトリーダー:吉村
音響担当:飛世
スピーク・トゥ・チャット担当:大島
DSEE担当:山本
01

『WH-1000XM4』が目指したのは、いつでもどこでも高音質であること

『WH-1000XM4』のお話をお伺いする前に、その先代モデルである『WH-1000XM3』(2018年10月発売)について、どのような点が評価されていたのかを聞かせてください。

吉村:『WH-1000XM3』は業界最高クラスのノイズキャンセリング性能とワイヤレスでもハイレゾ級の高音質、長時間の音楽リスニングでも快適さを損なわない優れた装着性、そしてクイックアテンションモード、外音取り込み機能、アダプティブサウンドコントロールなどといった独自機能の数々が多くのお客さまからご好評いただきました。このシリーズの源流となる『MDR-1000X』(2016年10月発売)以降、進化させてきた性能と機能が評価されたのだと考えています。特に『WH-1000XM3』はノイズキャンセリング性能や装着性の点で大幅に進化しており、極めて完成度の高いモデルとして個人的にも気に入っています。

そんな完成度が高い『WH-1000XM3』を、『WH-1000XM4』でどのように進化させたのかを教えてください。

吉村:『WH-1000XM4』はシリーズの基本である高音質、ノイズキャンセリング性能、装着性をさらに高めつつ、各機能のオン・オフや切り換えなどをセンシング技術を駆使して自動的に行われるようにした製品です。これによって、いつでもどこでも、より最適な音環境を提供できるようにしています。

02

毎秒700回以上の
センシングを行うことで、
環境音のさらなる低減に成功

『WH-1000XM4』で、ノイズキャンセリング性能がどのように進化したのか、まずは概要をお話いただけますか?

飛世:『WH-1000XM4』では、『WH-1000XM3』にも搭載していた「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」を、従来よりも高性能になった新しいBluetoothオーディオSoC (System on Chip) と連携させることで、より一層、ノイズキャンセリング性能を向上させました。また「デュアルノイズセンサーテクノロジー」や「パーソナルNCオプティマイザー」も引き続き継承しています。

『WH-1000XM4』の進化点をしっかり理解するために、まずは『WH-1000XM3』にも搭載されていた「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」について、これがどういうものなのかを改めて教えてください。

飛世:「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」は、外部の騒音をデジタル信号化するADコンバーター機能、ノイズキャンセリング処理を行うためのプロセッサー機能、処理結果を出力するためのDAコンバーター(DAC)およびヘッドホンアンプ機能を備えるデバイスとなります。従来のデバイスと比べて優れた処理性能を持ち、より高度なアルゴリズムを使ったノイズキャンセリングを行うことができます。さらに、内蔵のDACおよびヘッドホンアンプ部の性能も重点的に高めています。

『WH-1000XM4』に搭載されている「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」は『WH-1000XM3』に搭載されているものと同じものなのですか?

飛世:同じものです。今回のポイントは「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」と高性能BluetoothオーディオSoC (System on Chip) が連携していることです。2つのデバイスが連携し、音楽信号や騒音信号、さらにドライバーユニットと耳の間の音響特性を毎秒700回以上センシングしています。さまざまな音響環境に対してリアルタイムにノイズキャンセリング処理を適応させることで、これまで以上に優れたノイズキャンセリング性能を実現できました。

従来よりもきめ細やかな処理を行っているんですね。なお『WH-1000XM4』では従来モデルから引き続き、ノイズキャンセリング機能に最も重要となる外部ノイズの集音に「デュアルノイズセンサーテクノロジー」という技術を使っていますが、これはどういったものなのでしょうか?

飛世:「デュアルノイズセンサーテクノロジー」とは、ヘッドホンの内側と外側に配置した2つのマイクを用いてノイズキャンセリングを行う技術です。外側のマイクを用いたフィードフォワード方式では、集音した外部の騒音をもとに鼓膜に届く騒音を予測してキャンセル信号を生成しています。これに内側のマイクを用いて耳に近い位置の騒音を集音するフィードバック方式を組み合わせることで、より高精度にキャンセル信号を生成し、ノイズキャンセリング性能を高めています。

「パーソナルNCオプティマイザー」はいかがでしょうか?

飛世:「パーソナルNCオプティマイザー」は、ヘッドホンを装着後に本体側面のカスタムボタンを長押しするか、専用スマートフォンアプリからスタート操作をすると再生される試験信号を用いて、髪型や眼鏡の有無、装着ズレなどの個人差を検出し、ユーザー1人ひとりに合わせてノイズキャンセリング特性を最適化する機能です。また、内蔵した気圧センサーによって、飛行機でのフライト中など気圧が大きく変化するシチュエーションにおいてもノイズキャンセリング特性を最適化しています。

こうしたソニーならではの先進テクノロジーを盛り込むことで、具体的にはどういったノイズがより軽減されるようになったのでしょうか?

飛世:本機では特に中高域の騒音に対してノイズキャンセリング性能が向上しています。街中やカフェ、オフィスの中などで避けられない人の声や、自宅の生活音などがより軽減され、静寂を感じられるようになっています。テレワークが推進されている現在の社会情勢の中、より集中して仕事をしたいと考えている方にも、ぜひお試しいただきたいですね。

03

AI技術によって「DSEE HX」が大幅進化、最前線の音楽エンジニアも 感銘を受ける「DSEE Extreme」へ

続いて『WH-1000XM4』の音質向上についても聞かせてください。『WH-1000XM4』では『WH-1000XM3』と比べてどういった点が改良されているのでしょうか?

飛世:先ほどお話したノイズキャンセリング性能の進化により、音楽視聴を邪魔する周囲の騒音がさらに低減されますので、よりクリアな音質で音楽をお楽しみいただけるようになりました。もちろん、『WH-1000XM3』から受け継いだハードウェアも引き続き搭載しており、これらが『WH-1000XM4』においても高音質を支えています。

それらのハードウェアについてもう少し詳しく教えていただけますか?

飛世:では、専用に設計された「40mmHDドライバーユニット」から説明させてください。このドライバーでは、アルミコートLCPという余分な音色が極力乗らない材料を振動板材料に採用しており、色付けのないクリアな中高音再生を実現しています。また、柔らかく可動性の高い振動板によって低音域の再現性を高めつつ、軽量ボイスコイルを採用することで高音域についても最大40kHzまでの広帯域な再生を可能にしています。

そしてこのドライバーを駆動させるのが「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」です。モバイル向けとして最高クラスのS/N比、および低歪率を実現する内蔵DACやアンプを搭載しております。この内蔵DACとヘッドホンアンプによる、歪、ノイズの少ない正確な信号再生能力により、高音質化を実現しております。ちなみに「QN1」の正確な信号再生能力は、音質だけでなくノイズキャンセリング性能を高めるためにも極めて有効です。ノイズキャンセリングヘッドホンでは外部の騒音を打ち消すための信号をリアルタイムに生成していますが、ノイズや歪みが乗ってしまうと正確に騒音を打ち消せなくなってしまうのです。

なるほど。優れたノイズキャンセリング性能を実現するためには、生成された信号を正確に出力する能力も必要なのですね。そうして生まれた上質な沈黙が高音質な音楽聴取に直結する、と。

飛世:はい、その上で『WH-1000XM4』では、新たな音質向上機能として「DSEE Extreme」を搭載しています。これについては山本が説明しますね。

山本:「DSEE Extreme」は、2013年以降に発売されたウォークマンやワイヤレススピーカー、AVアンプなどから順次搭載されているソニーの独自の高音質化機能「DSEE HX」をさらに進化させたもの。「DSEE HX」はCD音源や圧縮音源をハイレゾ相当の高解像度音源にアップスケーリングする技術でしたが、「DSEE Extreme」ではその高域補完の性能をさらに高めることで、よりハイレゾに近い高音質を実現したものとなります。

具体的にどのような処理を行うことで、よりハイレゾに近い音質を実現したのでしょうか?

山本:「DSEE HX」「DSEE Extreme」では音楽データの圧縮時に失われてしまった高域信号の成分を低域信号の成分から予測して補完するということをやっているのですが、ここで大切なのが、対象となる低域の信号を正確に解析すること。なぜなら世の中には、ボーカル、打楽器、ギター、ピアノなど、さまざまな音があり、それぞれ音の特性が異なっているからです。たとえばボーカルはあまり高域の信号が含まれず音の立ち上がりもさほど速くないのに対し、打楽器は高域の信号が豊富で音の立ち上がりが速いという違いがあります。それゆえ、従来の「DSEE HX」では、ボーカル寄りの音質調整をすると打楽器が弱くなり、打楽器寄りの音質調整をするとボーカルに不自然さが出てしまうといった弱点がありました。

そこで、新しい「DSEE Extreme」ではAI技術の最先端であるディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)技術を駆使して再生している音の解析を行い、ボーカルに対してはボーカル向けのアップスケーリングを、打楽器に対しては打楽器向けのアップスケーリングをリアルタイムに切り換えながら適用できるようにしています。これによって、ボーカルの声を美しく響かせながら、同時に打楽器の迫力ある立ち上がりをよくするということができるようになりました。

こうしたさらなる高音質化を目指した背景についても教えていただけますか。どういったモチベーションから「DSEE Extreme」が生まれたのでしょうか?

山本:『WH-1000XM4』のようなハイグレードなヘッドホンを求めるお客さまは当然ながら音質へのこだわりが強いので、そういった方々に響くような進化をさせたかったというのが最大の理由です。個人的に音楽の満足度は「コンテンツ数」と「音質」のかけ算で決まると思っているのですが、近年はストリーミング音楽配信サービスの登場で前者についてはかなり充足されるようになってきていますよね。その状況下においては、それらストリーミング音楽配信サービスをさらなる高音質で楽しめることがこれまで以上に大きな付加価値になるだろうと考えました。

また、時を同じくしてAI技術に世界的なブレイクスルーがあり、これまで解決が困難とされていた問題をクリアできると分かってきたことも背中を押してくれています。

「DSEE Extreme」の開発において最も苦心したのはどのあたりですか?

山本:先ほど「DSEE Extreme」ではDNNを駆使していると言いましたが、D=ディープと言うだけあって、その動作にはものすごく大きな処理能力とメモリー領域が必要となります。近年、DNNを使ったサービスが多数登場していますが、そのほとんどが目の前のデバイスではなく、クラウドにデータを送って、その潤沢なマシンパワーで結果を出すというものになっています。対して『WH-1000XM4』はコンパクトなモバイル製品のためリアルタイム処理する必要があり、バッテリー駆動時間の観点からも処理量をある程度抑える必要があります。そこに高性能なDNNを収めるのが何より大変でしたね。

なお、DNNを構築する際には大量のデータを用いた「学習」と、その結果を適切に「評価」するプロセスを繰り返して性能を高めていくのですが、その両面で、音楽レーベルを擁するソニーグループの力が大いに役立ちました。ソニー・ミュージックエンタテインメントが持つ多くのハイレゾ音源を「学習」させ、「DSEE Extreme」のための最適なアルゴリズムを作り込んでいます。なお「評価」には数値的な評価のほか、主観的な評価も重要なのですが、そこについても実際に音源制作に携わっているマスタリングエンジニアの方々から適切な助言をいただいています。

音楽制作の最前線で活躍するマスタリングエンジニアの皆さんは、「DSEE Extreme」の音を聴いてどのように感じていましたか?

山本:実は先ほどお話しした「DSEE HX」の技術的な課題は彼らも感じており、やはり高域補完ではハイレゾ音源には敵わないと考えていたそうなのですが、「DSEE Extreme」はかなり元の音質に近付いていると言っていただけました。これは個人的にはものすごくうれしかったです。もちろん、ハイレゾ音源を聴いてもらうのがベストだとはおっしゃっていましたけどね(笑)。

『WH-1000XM4』は付属ケーブルで音楽プレイヤーと有線接続できるほか、ワイヤレスでもハイレゾ音質で楽しめるBluetoothコーデック「LDAC」にも対応していますから、ハイレゾ音源をお持ちの場合はそのまま最高音質を楽しむこともできますね。

山本:はい。ご自身の音楽環境によって使い分けていただければと思います。

04

ユーザーのひと手間を自動化するスマートな利用感も『WH-1000XM4』の新たなよろこび

『WH-1000XM4』はセンシング機能を駆使した使い勝手の向上も大きな見どころとなっています。まずは本モデルからの新機能である「スピーク・トゥ・チャット」について、これがどういう機能なのかを教えてください。

大島:『WH-1000XM3』には、右耳側のタッチパネル全体を触っている間、一時的に音量を絞り、周囲の音を聞こえやすくしてくれる「クイックアテンションモード」という機能がありました(『WH-1000XM4』にも継続搭載)。『WH-1000XM4』の新機能「スピーク・トゥ・チャット」は、それをさらに進化させ、両手が塞がっていても使えるよう、自分の発した声をトリガーにするというものです。ユーザーが誰かに話しかけると、その声を検出して自動的に再生中の音楽を一時停止し、さらに相手の声をマイクで取り込んで聞き取りやすくします。なお「スピーク・トゥ・チャット」機能そのものは右耳側のタッチパネル面を2本指で長押しタッチすることでオン・オフを切り換えることが可能です。

吉村:カフェで店員さんに注文をする時や、コンビニで買い物をする時など、音楽を楽しんでいる最中にちょっとした会話をする必要があるシーンで使っていただくことを想定しています。そのほか、現在ですと自宅で音楽を聴きながらテレワークしている中、家族に話しかけるときに使っていただくというケースもありそうですね。

この「スピーク・トゥ・チャット」は、技術的にどのように実現しているのでしょうか?

大島:左右のハウジング外側に1基ずつ配置されているフィードフォワードマイクと、左ハウジング下端に配置されている音声通話用のマルチ配列マイクで音を拾い、その音声を新開発した会話検知アルゴリズムで解析してユーザーの発した声とそうでない音を判別しています。

山本:実はこの会話検知アルゴリズムでも先ほど「DSEE Extreme」のところでお話ししたAI技術のDNNを活用。ヘッドホン装着者の声とそうでない人の声、そしてさまざまな環境音を大量に用意して、ヘッドホン装着者の声の特徴を学習させています。なお、ここで難しかったのが、ヘッドホン装着者の声と、そうでない人の声の判別です。どちらも人の声ですから音の特性が似通っており、これをどのようにして見極めるかが技術的に最大の難所でした。ユーザーが何も喋っていないのに音楽が止まってしまうというのは避けなければなりませんから、高い検知率を達成するためにさまざまな工夫を行っています。


スピーク・トゥ・チャットのオン・オフ切り替え

どのような工夫で問題を解決したのですか?

山本:たとえば集音に使っている複数のマイクのうち、ヘッドホン装着者の口元にあるマルチ配列マイクの感度を高めるような処理を行うことで、ほかの人の声を検出しないようにしました。その上で、たとえ自分が発した声でもクシャミや咳などは検知しないようにもしています。これもそうした声(音)を多数用意し、DNNに学習させることで実現しているんですよ。

ところでAIというと、ユーザーの利用状況を学習して徐々に賢くなっていくというイメージがありますが、今回『WH-1000XM4』に搭載されているDNNは、あらかじめソニー側で必要な学習を済ませているもの。ここからさらにユーザーの声を学習して……ということはないのですが、反面、購入後すぐに最高のパフォーマンスでお使いいただけるものになっています。これは「DSEE Extreme」のDNNも同様です。

使い勝手の向上という点では、『WH-1000XM4』で新たに追加された装着検出機能も気になります。

吉村:『WH-1000XM4』では新たに近接センサーと加速度センサーを内蔵し、それによってヘッドホンが装着されているかいないかを検出できるようになりました。音楽を再生している状態でヘッドホンを外すと自動的に一時停止となり、再び装着すると音楽再生が再開します。これによって、一時的にヘッドホンを外さなければならない時でも、その都度一時停止操作をする必要がなくなりました。また、外した状態が一定時間続くと自動的に電源がオフになるので、電源を切り忘れてバッテリーがなくなってしまったということもおこりません。ちなみにヘッドホンを外した時は自動的に右ハウジングのタッチセンサーコントロールパネルも無効化されますので誤操作も防ぎます。

そのほか、そうした使い勝手の部分で『WH-1000XM4』が進化した点はありますか?

吉村:『WH-1000XM3』でご好評をいただいた「アダプティブサウンドコントロール」がさらに進化しています。従来のものはスマートフォンの内蔵センサーで検出したユーザーの「行動」に合わせてノイズキャンセリング機能や外音取り込み機能のモードを切り換えていたのですが、『WH-1000XM4』に搭載されている新しい「アダプティブサウンドコントロール」では、「行動」に加えて、GPS機能搭載スマートフォン経由で取得した「場所」の情報に応じた設定ができるようになっています。

もう少し詳しく教えてください。

吉村:特定の場所、たとえば「自宅」や「職場」などで使いたいノイズキャンセリング機能、外音取り込み機能、イコライザーの設定をあらかじめ登録しておくと、ユーザーがその場所に到着した時にAIがそれを検出し、自動的で設定を切り換えてくれるようになりました。たとえば家族や同僚に話しかけられることの多い自宅や職場では外音取り込みモードをオンにするといった操作を自動的にやってくれます。

そのほか、『WH-1000XM3』から搭載されているものも含め、アピールしておきたい機能がありましたらご紹介ください。

吉村:『WH-1000XM4』では、『WH-1000XM3』でご好評をいただいたマルチポイント接続がさらに進化しました。マルチポイント接続とは1つのヘッドホンに音楽用と通話用、2つの機器をBluetoothで同時接続できるという機能。たとえばプライベート用とビジネス用の2台のスマートフォンをお持ちの場合、プライベート用のスマートフォンで音楽を聴いている最中でも、通話用に設定したビジネス用のスマートフォンにかかってきた電話を受け、ヘッドホン内蔵マイクを使ったハンズフリー通話が可能になります。もちろん着信と同時に音楽再生は一時停止され、通話が終わるとまた再開されます。『WH-1000XM4』では2台のBluetooth機器を音楽用、通話用というかたちに分ける必要がなくなり、双方で音楽と通話ができるようになりました。

これまでできなかった音楽用に設定したスマートフォンの着信を逃さずにすむというのはうれしいですね。ちなみにマルチポイント接続はスマートフォン以外の機器も接続できるんですか?

吉村:はい。たとえばBluetooth対応ウォークマンとスマートフォンという組みあわせでもご利用いただけます。

05

本体重量やバッテリー駆動時間は
そのままに
装着感や高級感をブラッシュアップ

音質から使い勝手まで、多くの点が進化した『WH-1000XM4』ですが、そうすると気になるのが本体重量増やバッテリー駆動時間の短縮です。このあたりはどうなっているのでしょうか?

吉村:『WH-1000XM4』ではこれまでなかった近接センサーが内蔵されるなど重量増に繋がる変更がいくつもあるのですが、内部の全てのパーツを再設計し、より無駄のない構造とすることで『WH-1000XM3』とほとんど同じ重量(『WH-1000XM3』よりも1g軽い約254g)を達成できました。

なお、これと合わせて今回、イヤーパッドの形状も見直しており、耳に当たる面積を約10%増やすことで側頭部にかかる圧力を分散。より柔らかな装着感を実現したことで長時間リスニングでも快適にお使いいただけるようにしました。また、合わせてヘッドバンドの形状もより頭の形状に沿うかたちに最適化し、ホールド感を大きく高めています。装着時のシルエットもより美しく感じていただけるはずです。

それとこれは装着感には関係ないのですが、本体の塗装を『WH-1000XM3』と比べてマットな仕上げにしています。これによってよりデザイン面でもより洗練されて感じていただけるのではないでしょうか?

確かに塗装の仕上げが変わっただけでずいぶん印象が違って見えますね。アーム部分の光の反射が抑えられたことで落ち着いた雰囲気を感じます。

吉村:ありがとうございます。なお本体カラーリングはこれまで通り、ブラックとプラチナシルバーの2色が用意されます。

バッテリー駆動時間についてはいかがですか?

吉村:これもシステムの消費電力の最適化を行い、『WH-1000XM3』と同等のバッテリー駆動時間を実現しています。ノイズキャンセリング機能オン時で最長30時間、オフ時で最長38時間の音楽再生が可能です。

吉村:ちなみに『WH-1000XM4』はクイック充電機能にも対応しており、バッテリーが空になってしまった状態から約10分の充電で最長5時間の音楽再生が可能になります。バッテリーを使い切ってしまったり、充電し忘れた場合でも、音楽をお楽しみいただけます。

06

『WH-1000XM4』をこれからの“新しい生活”の一部にしてほしい

ここまで色々なお話をお伺いし、『WH-1000XM4』が全方位的に進化していることが分かりました。最後にそれぞれの立場から、読者に向けたメッセージをお願いします。

山本:今回『WH-1000XM4』では音質をより向上させた「DSEE Extreme」と、新機能「スピーク・トゥ・チャット」の開発に携わらせていただきました。どちらもユーザーとしての私が欲しかった機能で、実現できたことを素直に喜んでいます。その上で『WH-1000XM4』は、エンジニアとしての私がこれまで培ってきた技術と経験を注ぎ込めた製品でもあります。「DSEE Extreme」と「スピーク・トゥ・チャット」は機能的には全く異なるものなのですが、最先端のAI技術をオーディオのリアルタイム処理に落とし込んでいるところは共通です。結果として相互に補完しながらここまで性能を高めていくことができました。

世の中が大きく変化しようとしている昨今、ぜひいろいろな使い方を試していただき、皆さんの新しい生活の一部にしていただければ幸いです。

飛世:このモデルは、どんな環境でも静寂の中で音楽に没頭していただける製品をお客さまにお届けすべく、チーム一丸となってノイズキャンセリング性能の進化と高音質を追求してきたものです。ですので、ぜひいろいろな場所に持ち出して、音楽視聴を楽しんでいただければと思います。

また、音楽に限らず動画視聴も周囲の騒音に邪魔されることなくクリアな音声で楽しめるようになっていますので、映画やドラマ、ライブ映像の視聴などもぜひお試しいただきたいですね。

大島:今回、商品企画から「スピーク・トゥ・チャット」機能のアイデアを聞き、これは面白そうだと開発を引き受けました。この機能は購入時点ではオフになっているので、使いたいときは耳側のタッチパネル面を2本指で長押しタッチするか、スマートフォンアプリ「Headphones Connect」から有効化してあげてください。声でヘッドホンが動作するというのはかなり面白い体験です。まずはぜひ一度お試しいただきたいですね。

吉村:『WH-1000XM4』では、高性能になったノイズキャンセリング機能と「DSEE Extreme」による高音質、さらに改善された装着性などによって、より音楽に長時間没入できるようになりました。そしてそこに「スピーク・トゥ・チャット」や装着検出機能など、これまでにない先進的な機能を多数盛り込むことで、大げさでなく、本当に1日中ヘッドホンをかけたまま過ごすことが可能になったのではないかと考えています。ご購入いただいたお客さまがそのように感じてくだされば、これ以上うれしいことはありません。

まずはぜひお近くのソニーストアでこれらの音質や機能をお試しいただければと思います。


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