商品情報・ストアヘッドホン 鈴木 啓太が語る「WF-1000XM5」の魅力。

ワンランク上の世界へ。各界のプロフェッショナルが語る「WF-1000X M5」の魅力。

デザイナー 鈴木 啓太さんの画像

デザイナー

鈴木 啓太WF-1000X M5

「より人に近づいたデザイン」

Profileプロフィール

鈴木 啓太さんの写真

Suzuki Keita鈴木 啓太

1982年生まれ、愛知県出身のプロダクトデザイナー。多摩美術大学プロダクトデザイン専攻を卒業後、NECデザイン、イワサキデザインスタジオを経て2012年に独立し、「PRODUCT DESIGN CENTER」を設立する。自身が手がけた「富士山グラス」は「Tokyo Midtown Award 2008 審査員特別賞」を、2019年に車両プロダクトデザインを担当した「相模鉄道20000系」は「ローレル賞2019」を受賞。現在、「グッドデザイン賞」審査委員、金沢美術工芸大学客員教授、東京藝術大学デザイン科ゲスト講師を務める。

明日捨てられるものは作りたくない

実際にデザインを考えるときは、どんなことを意識していますか?

ビジュアルであったり機能性であったり、いろいろな方向性で考えていくわけですが……絶対に外さないようにこだわっているポイントは、やはり使いやすさ、使っているときの心地よさ。どれだけ面白く派手なデザインであっても、使いにくかったら10年後、ましては100年後の未来に残っていかない。例えば僕が手がけた「富士山グラス」もそうですが、できるだけ皆さんに愛着を持って使ってもらいたいんです。明日捨てられてしまうようなものは、作りたくないと思っています。

鈴木 啓太の画像

より人に近づいたデザイン

今回、そんな鈴木さんにソニーの新しいイヤホン製品「WF-1000XM5」をお試しいただきました。まずは、やはりプロダクトデザインの観点でどうお感じになったかを伺いたいです。

前モデルの「WF-1000XM4」と比べると、すごく角が取れた印象を受けました。形として物理的に丸くなったことに加え、河原の石のような丸みや柔らかさを帯びている形が、人の気分にもフィットするような。より人に近くなったデザインで、機械的に設計された製品というよりは、有機的な美しさがある。「優しくて、柔らかくて、使いやすそう」という、親密感を覚えるデザインですよね。さまざまな人に寄り添うという意味でも「丸くなった」デザインになっていると思います。

ソニーの方によると、おっしゃったようにカドを取って丸みを持たせることで、全体の体積を減らしているんだそうです。本体はもちろんですが、充電ケースも含めてより小さく、より薄くするべく尽力されたようですね。

なるほど。それって口で言うのは簡単ですけど、実際は小さくするのってものすごく大変なんですよ。もちろんサイズが小さくなって重量も軽くなれば、それだけ輸送コストや使用するエネルギーも減らせるメリットがある。僕らの世界ではよく「空気を運ぶのはもったいない」という言い方をするくらい、エコロジー的な観点でも容積の無駄をなくすというのはとても重要な考え方です。でも、それが難しい(笑)。大量生産されるプロダクトで理想を叶えることは簡単ではなく、このイヤホンからもソニーさんのさまざまな苦労や工夫が伝わってくる。同じデザイナーとして、工夫の積み重ねに進化を感じますね。僕も着実に歴史を進化させていきたいと思っているので、そういった姿勢に共感するし、敬意を抱きます。

鈴木 啓太さんの画像

ソニーさんから聞いたお話で僕が個人的に印象的だったのが、「音質がよくなるデザインを突き詰めた結果、マイクの出っ張りをなくしたり、シームレスな加工で本体サイズを小さくしたりした」というものでして。表面の凹凸が少なくなったことによって風切り音が軽減されるなど、見た目の美しさが機能性にも直結しているという。

やっぱり理に適った美しさってありますよね。例えば鳥のフォルムって、彼らの生態にとってものすごく理に適っているがゆえの美しさがある。……あと僕、これに感激したんです。L側の本体に小さな突起が付いていて、これを触ることで目で見なくても左右を判別できるようになっている。こういう気遣いがデザインの中にしっかり入っているのは素晴らしいなと。

なるほど、デザイナーさんならではの着眼点ですね。

細かくてすみません(笑)。それにしても、よくこの形を導き出しましたよね。人の耳の形ってそれぞれ全然違うのに、実際に装着してみると密着感が高くて、異物感があまりない。さすが、イヤホンを熟知しているソニーならではですね。

引き算のデザインの成功

カラーや質感の部分に関してはいかがですか?

イヤホンも充電ケースもきれいな色ですよね。デザイナーが「この色、カッコよくない?」と押し付けがちな時代もありましたが、今はできるだけユーザーの暮らしに寄り添えるよう、余白を持たせたもの作りの方法が大切になっていると感じます。

鈴木 啓太さんの画像

余白?

「この製品はこう使って、こう楽しんでください」と強制するのではなく、自由度を持たせるということです。ユーザーが自分にとって心地がいいものや、ユーザーが介在する余地があるデザインが求められている今、この製品は絶妙にデザインされていますよね。いい意味であらゆる方の日常の一部になれるような、さりげなさがある。前モデルと比べて、引き算のデザインがうまくいっているのでは。そういった意味でこの「WF-1000XM5」の自然な色合いも、現代のユーザーが選びたくなる色になっていると思います。

主張しすぎない色だから、ユーザーそれぞれの楽しみ方を許容してくれると。

それも真っ白や真っ黒ではなく、よく見ると違う色の粒子が細かく入っていて、自然物のような色合いになっていますよね。石や木といった自然物は1色ではなく、さまざまな色が組み合わさって、複雑だからこそ温かみのある色彩が生まれます。「どこまで顕微鏡で見ればいいんだろう?」というくらい細かいディテールですが、大切なこと。イヤホンのマット部分の質感もいいですし。

そのマットな部分とツルッとした光沢部分に分かれているのは、タッチセンサーの領域を区別する意味もあるそうなんですが、2つがシームレスにつながっているところも相当なこだわりポイントであるようです。

なるほど。細部に至るまですごくソニーらしい。まさにソニーのオーディオ製品だなあと感じました。僕が思うソニー製品のイメージは、「質実剛健で、細部まで妥協なく徹底的にデザインされている」こと。くまなく見ていってもサボっているところがない、破綻しているところがない。モノだけでなくテクノロジーといった技術面でも、ソニーというブランドには確固たる「もの作り」への情熱を感じますね。

Share

facebookシェアボタン twitterシェアボタン

Specスペック

WF-1000XM5

WF-1000X M5

カラー ブラック/プラチナシルバー
形式 密閉、ダイナミック
ドライバーユニット 8.4mm ドーム部とエッジ部で異素材を組み合わせた振動板構造
連続音楽再生時間 最大8時間(ノイキャン ON)/12時間(ノイキャン OFF)*1
質量 約5.9g(片耳)
防滴性能 IPX4相当*2
対応コーデック SBC,AAC,LDAC,LC3
付属物 USB Type-Cケーブル(約20cm)
ノイズアイソレーションイヤーピース(SS,S,M,L 各2個)

*1 ワイヤレス接続時連続音楽再生時間。コーデックはAAC。DSEE Extreme/DSEE HX/DSEE/イコライザーの搭載モデルはOFF設定時、またその他機能はすべて初期設定時
*2ヘッドホン本体のみ対応。あらゆる方向からの飛沫に対して本体機能を保護するものです。本機の音導管(音出口の筒部)、通気孔、マイク穴を除く

WF-1000XM5

WF-1000XM5

商品詳細はこちら