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α7R IIIの軍用機を緻密に表現する圧巻の描写力。
軍事フォトジャーナリスト 菊池雅之 氏

α Universe editorial team

自衛隊の戦闘機から海外の戦闘機まで、各国で撮影し続けている軍事フォトジャーナリストの菊池雅之さん。今回は、高速で空を飛ぶ戦闘機をはじめ、それぞれに役割が異なる軍用機など、空で活躍する航空機をメインに撮影。撮影で生きたカメラの機能や、レンズの描写力など、「α7R III」での撮影で感じた思いをストレートに語ってもらった。

菊池 雅之/軍事フォトジャーナリスト 1975年、東京生まれ。日本写真芸術専門学校卒業。講談社フライデー編集部専属カメラマンを経て軍事フォトジャーナリストとなる。自衛隊や各国軍を取材。また最近では危機管理をテーマに警察や海保、消防等の取材もこなす。夕刊フジ「最新国防ファイル」(産経新聞社)、EX大衆「自衛隊最前線レポート」(双葉社)等、新聞や雑誌に連載を持つなど数多くの記事を執筆。そのほか、TV・ラジオ・イベントへの出演も行う。アニメ「東京マグニチュード8.0」「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」等の監修も担当。カレンダー「真・陸海空自衛隊」(トライエックス)、写真集『陸自男子』(コスミック出版)、著書『なぜ自衛隊だけが人を救えるのか』(潮書房光人新社)、『試練と感動の遠洋航海』(かや書房)、『がんばれ女性自衛官』(イカロス出版)、他多数。

変化、成長し続けている自衛隊の現状や
そこで働く人々の物語を伝えるのが仕事

――菊池さんはどのような経緯で軍事フォトジャーナリストになり、主にどのような写真を撮影しているのでしょうか?

出版社の専属カメラマンだった1996年から、防衛庁(当時)や警察庁などの撮影を担当していたので、フリーになってからもその部分を継続して撮影している、という感じです。現在は自衛隊の撮影が多いですね。日本の安全保障も突き詰めていくと、世界の軍事情勢なども複雑に絡み合ってきます。さらにテロ対策で国内治安を考えると、警察や海上保安庁なども関わってくる。自衛隊の動きに合わせると世界各国軍や日本の他組織の取材も必要になるので、撮影対象も広がりを見せています。中学生のころから自衛隊に興味がわき写真を撮っていましたから、僕にとってこの仕事は趣味が高じて歩んできた道と言えるかもしれません。

今、撮影することが多いのは自衛隊です。1954年に設立以来、節目ごとに大改革を求められているので、どう変わっていくのか、どう成長しているのか、興味を持って見続けています。安全保障、テロ対策、災害派遣など、目的によってだいたい10年ごとに変わっていますからね。1つの大きな組織のように見えて、時代によって形を変え、成長し続けている。それを僕は20年以上見続けてきましたから、できれば60、70歳まで、今後も変わり行く姿を見届けたいと思っています。

――写真を撮るうえで大切にしていることや、写真を通して伝えていきたいことはありますか?

自衛隊も各国軍も、写真では戦闘機や戦車などが注目されがちですが、どれも扱っているのは人間です。どんなに高い予算をつぎ込んでつくった戦闘機でも、人がいなければ動かすことはできません。ですから、カッコいい軍用機だけでなく、携わっている人にもクローズアップしていきたいと思っています。その人のバックグラウンドが見えるように取材をし、人の思いや背景の物語も伝えることができるとうれしいです。

機材に求めるのは「軽さ」と「丈夫さ」。
α7R IIIはどちらも満たす最適なカメラ

――菊池さんがカメラ機材に求めるものは何ですか?

過酷な環境で撮影することが多いので、軽装であることが前提です。そのためカメラもレンズも軽くてコンパクトなものがベスト。とはいえ、いい画を撮るためには高解像、高性能でなくてはならない。そう考えるとα7R IIIは最適です。 現場での装備はカメラ2台、レンズは16-35mm、28-70mm、70-200mmと3本のズームレンズが基本。それ以上の望遠レンズは被写体や環境によってズームにするか、単焦点にするか、何本持っていくのか、かなり悩みます。そんなスタイルですからα7R IIIは本当に便利。実際に現場で使ってみましたが、驚くほどポータビリティーに優れているのでどんな環境でも苦労なく持ち運びができる。これは僕にとっては大きな魅力でした。 あとは、とにかく丈夫であること。この点でもα7R IIIは優秀でした。気温50℃のアフリカでも撮影をしましたが、酷暑の中でもトラブルはまったくなし。暑さで作動しなくなるカメラもあるので、非常に耐久性の高いカメラだと感じました。過去には熱や雨、砂やホコリなど、あらゆる要因でカメラが壊れて悩まされてきたので、丈夫であることは非常に重要です。

機体のディテールや風景を精細に写し撮る
圧倒的な描写力と高い解像感

――実際に撮影してみて、α7R IIIの一番の強みは何だと思いましたか?

小さく軽いカメラにもかかわらず、圧倒的な描写力を持っていることですね。パソコンに取り込んで、画像を映し出した時の美しさには本当に感動しました。例えば下の写真。明け方、アフリカの沖合を航行している護衛艦からヘリコプターが発艦する前の準備シーンを撮影した1枚です。発艦すると、ヘリコプターからの風圧がすごく、三脚を置ける状態ではなかったので手持ちで撮影しました。

α7R III,FE 16-35mm F2.8 GM 16mm,F16,1/125秒,ISO400

撮影した画を見た瞬間、スローシャッターにもかかわらず、それを感じさせない描写力にまずびっくりしました。光も難しい状況ですが、明るいところは白飛びがなく、アンダーの部分もデータがしっかり残っていて、さらにびっくり。しかも朝日に照らされた甲板のグラデーションも階調豊かに表現できている。描写はどこを取っても見事なものでした。 これは16mmの広角端で撮影していますが、広角で撮ると周辺の歪みや光量落ちがよくあります。しかし「FE 16-35mm F2.8 GM」はとてもクリアな描写が得られました。きめ細かく美しく表現できたのは、ミラーレス専用設計レンズである「FE 16-35mm F2.8 GM」があってこそです。

α7R III,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 135mm,F11,1/320秒,ISO200

これもα7R IIIの描写力や解像感が感じられる作品です。上空から潜水艦や不審船を探す対潜哨戒機(たいせんしょうかいき)で、僕はこれと同じ飛行機に乗り、併走する形で空撮しています。機内には電子双眼鏡での監視や一眼レフカメラで撮影するための窓が1つだけあり、その特殊な窓から撮影させてもらいました。見やすく歪みのない窓ですが、窓越しからの撮影という意味では変わりません。AFが合わせづらい状況の中、きっちりとAFを合わせてくれましたし、レンズの描写力も相まってαの総合力が生きた作品に仕上げることができました。
窓越しに撮ったとは思えないほど解像感が高く、拡大すると機体に書かれた文字や、窓から監視している人など、細かいところまで解像しているのがわかります。

日の丸近くの窓を拡大すると、下を覗き込む男性の姿を捉えていることがわかる。

AFの精度が悪いとピントが合わずにブレたり文字が潰れたりしますが、それもまったくない。これは「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」のレンズ性能の高さが際立った作品ですね。ピントは機体に合っていますが、海の波状まで表現できる解像感は申し分ありません。

α7R III,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 400mm,F6.3,1/2500秒,ISO400

上の作品も、高い描写力で見たままを描き切っています。航空自衛隊に所属するブルーインパルスのアクロバット飛行を撮影したもので、「コークスクリュー」という技を捉えました。一機がネジのように回って煙をつくり、その真ん中をもう一機が抜けていくので、まさにこれから煙が広がっていくところですね。煙を主役にした作品で、夕日に染められた煙は少しオレンジがかっています。この微妙な色合いも表現できるのだから、αのシステムはさすがです。冬の14時くらいに撮影していますから、色温度も出てくるタイミング。その辺りもしっかり再現しています。飛行機は小さく写っていますが、機体のディテールがわかるほどの高解像です。

ブルーインパルスを拡大すると、機体のカラーリングまでも鮮明に描写されていることがわかる。

広いダイナミックレンジが
保護色による微妙な色の違いを忠実に表現

――このヘリコプターはよく見ると紺色ベースに複数の色が使われているのですね。

α7R III,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 400mm,F22,1/250秒,ISO400

航空自衛隊の浜松基地で、救難機の訓練を撮影したものですね。救難機は災害派遣でも活躍していますが、本来は戦闘機などから脱出したパイロットを助けに行く役目を担っています。そのため、空や海の色に溶け込むような保護色が採用されていて、下から見上げた時は空に溶け込む水色、戦闘機など上から見る時は紺色、と2色のグラデーションになっています。日本の海や空の色に合わせて微妙に色を変えているわけです。よく見なければ黒い塊で黒潰れしやすい被写体ですが、α7R IIIはダイナミックレンジが広いので微妙な色の違いも表現できました。 動いているヘリコプターを撮る時は、上で回っているローターブレードの動きにも気を配ります。動き過ぎるとブレて見えなくなってしまうし、止めてしまうとプラモデルが空に浮かんでいるようなつまらない写真になってしまう。上の写真はちょうどいいスピードで撮ることができました。動きをコントロールできるよう、僕はたいていシャッタースピード優先で撮影します。ローターブレードの動きをちょうどよくするには、1/125秒か1/250秒くらいで撮るというセオリーがあるので、僕もそこをベースに少しずつ変えながら撮影してベストの1枚を選んでいます。

高速で飛ぶ戦闘機も的確に捉える
高精細AFは奥行がある被写体にも強い

――スピードの速い戦闘機を撮る時の撮影スタイルを教えてください。

基本、手持ちで撮影します。右左だけでなく上下も微妙に動きがあるので、一脚を使っても被写体を追うことができない。しかも戦闘機は音速に近いスピードで飛びます。機体の後から音が来るくらい速いので、AF性能が高いほどうまく撮れる確率が上がります。

α7R III,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 400mm,F14,1/3200秒,ISO400

上の作品は米軍の戦闘機F-16です。猛烈に速いので、そのスピードについていけなければ撮ることはできません。今回、フォーカスエリアはフレキシブルスポットを使いましたが、AF性能は申し分なし。全部にカチカチと的確に合いました。このほか、少し引いて撮るようなシーンではロックオンAFも使用。こちらもピントの食いつきがよく、高速で空を飛ぶ戦闘機をしっかり追い続けてくれました。 また、奥行があるものに対してのAFが強いことにも驚きました。百数十メートルの物体の端から端まで、奥行感を出して撮影してもすべてにしっかりピントが合う。歪みがあっても、奥行があってもピントが合うところは、さすがαという感じでした。 F-16は半逆光に近い状態で撮影しましたが、機体は黒潰れしていませんよね。翼周辺の減圧により生じる飛行機雲の一種である「ヴェイパー」もきれいに出ています。機体を浮き立たせるために少しアンダーで撮影しましたが、結果的に雲も立体的に表現できてよかったです。 実は僕にとってα7R IIIは、初めて使うフルサイズミラーレス機。だから最初はEVFも不安材料のひとつでしたが、いざ使ってみるとまったく違和感なく使うことができました。あまりにも自然に使えたので拍子抜けするほど。デジタル一眼を使っているかたは気になる部分だと思いますが、そんな心配は不要です。

ブルーインパルスを上手に撮るには
動きに瞬時に対応するカメラが不可欠

――ブルーインパルスの撮影では、ずっとカメラを被写体に向け続けているのですか?

基本はそうです。基地の上空で演技をしますが、広いところでは10kmほどの範囲を飛び回るので、遠くから狙いを定めておいて引っ張ってきて、自分の撮りたいところに持ってきてから追いかける、みたいな感じです。

α7R III,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 276mm,F7.1,1/2500秒,ISO400

上の作品もその方法でロックオンAFを使って撮影しました。これは1人で操縦する機体ですが、撮影時は来期のパイロットの研修期間に当たっていたようで、1機に2人乗っている機体もあります。ブルーインパルスは3年単位で人事異動がありますからね。後ろに乗っているパイロットはいわば研修生で、現役ブルーのパイロットが前の席で操縦しています。研修生は後からパイロットの動きを見て勉強しているシーンですが、航空祭でも見ることができます。高解像なレンズで撮った写真だからこそ、撮影後にもこうした発見がありますね。

ブルーインパルスを拡大すると、パイロットの様子まで見える。

――ブルーインパルスのアクロバット飛行を上手に撮るポイントを教えてください。

動きを予測して反応することが大事です。ですから、予測した上で、その動きに合わせて動いてくれるカメラでないと飛行機を捉えることすらできません。レンズの焦点距離や性能、シャッターの操作性などが根本的に違うので、コンパクトデジタルカメラやスマートフォンのカメラではかなり厳しいでしょう。

僕の個人的な意見になりますが、飛行機を撮る人にとってαは非常に向いているカメラです。AF性能やレスポンスの良さも理由のひとつですが、軽さもそのひとつ。今まで使っていた同等の性能のカメラと比べたら、冗談抜きで重さが1/3くらいに感じます。「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」 は意外と短くコンパクトにまとめられているので、取り回しも良かったです。「振り回しやすい軽さ」と「取り回しやすい大きさ」。これも戦闘機撮影では重要なポイントになります。 ブルーインパルスが登場する航空祭やイベントは屋外で行われるため、バッテリー性能も気になるところです。僕はRAWデータで撮っていますが、64GBのメモリーカード2枚分は1本のバッテリーで足りました。丸1日撮影するとゲージはかなり減りますが、途中でバッテリーを換えることなく撮影できたので安心してガンガン撮れますよ。

レンズを選ぶワクワク感を久しぶりに堪能。
今後も多彩なシーンを撮影して実力を試したい

――菊池さんにとって今、αはどのような存在ですか?

もう、ワクワクが止まらないカメラですね。思い返せば、僕のカメラマン人生は父親が持っていたカメラからスタートしました。当時は中学生だったので欲しいレンズが買えず、父親が持っているレンズを使うしかなかった。だから、「お年玉をもらったらこのレンズを買おう」とレンズを揃えるワクワク感がありました。今まさに、そのワクワク感を久しぶりに味わっている感じです。レンズのカタログを見て、あっちを買おうか、こっちにしようかと悩んでいる自分が当時の自分と重なってとても懐かしい。今回ミラーレスカメラを初めて手にした僕にとって、αは白紙のゼロベース。白紙だからこそ何色に塗っていこうかと楽しめるわけです。

――次にαで撮影に挑むならば、どんなシーンや被写体を撮りたいですか?

いっぱいありすぎて迷いますね(笑)。とにかく、もっといろいろ試してみたいです。巨大な被写体でいうと、全長200メートル超えの護衛艦。こういう大きなものを撮った時のピントの奥行感も知りたいところです。 自衛隊員が3〜4日、ずっと山にこもって行動する「レンジャー訓練」にも持って行きたいですね。僕は何度か同行させてもらったことがありますが、まるで一緒に訓練しているような過酷な状況です(笑)。朝昼晩、夜中までずっと歩き続けて、川があれば腰まで水に浸かって渡らなければいけない。そんな状況で悩まされるのが重くかさばる機材です。軽量化するなら、α7R IIIはまさにうってつけ。さらに神様はイジワルなもので、期間中1日は雨を降らせますからね。今回の撮影で暑さに対する強さは証明できたので、今度は雨が降る、ホコリも舞うという状況で撮ったらどうなるのか、期待を踏まえて訓練に持って行きたい。耐久性とシーンを切り取る能力がどこまでのものか、ぜひ試してみたいです!

「乗りものニュース」では、菊池カメラマンのこのほかの作品も紹介しています。ぜひご覧ください。
https://trafficnews.jp/publicity/sony_a7r3_1912

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