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この強烈なハイスペックは何をもたらすのか?
ソニー「α1」徹底討論とどまることなく進化する
“αワールド”を3名が熱く語る

デジカメ Watch掲載記事の転載

3月19日に発売されたソニー「α1」は、フルサイズミラーレス一眼カメラαシリーズのフラッグシップモデルだ。ミラーレスが主流になった現在、フルサイズの中では業界で初めて「フラッグシップ」を謳ったモデルとなる。有効約5,010万画素の高解像でありながら、ブラックアウトフリー*1での最高約30コマ/秒*2のAF/AE追随高速連写、120回/秒*3の演算能力、鳥の瞳認識にも対応したリアルタイム瞳AF*4、さらにはαシリーズ初となるフルサイズの8.6Kオーバーサンプリングによる歪みの少ない高画質8K動画記録……など、圧倒的なスペックが盛り込まれた期待の製品となっている。 デジカメ Watchではそんなα1をテーマに、αに詳しい3名のプロによる座談会を実施。座談会に参加したのは、元アサヒカメラ編集者の猪狩友則さん、写真家の大村祐里子さん、同じく写真家の桃井一至さん。 業界最先端のα1の圧倒的スペックが表現にどのような変化をもたらすのか。さらにはα1をフラッグシップとしたαシリーズの魅力はどこにあるのか。話は「αワールド全体」へと及んだ。

*1: 電子シャッター使用時に有効です。シャッター速度が遅くなると、画面表示の更新が緩やかになります。 *2: 連続撮影モード「Hi+」時。シャッタースピードが1/125以上の場合に有効。AF-Cモード時はシャッタースピードが1/250以上の場合に有効ですが、装着レンズ、撮影モードによって最高連写速度が異なります。非圧縮RAW、ロスレス圧縮RAWでの撮影時は、最高20枚/秒になります。また、装着レンズによってソフトウェアのアップデートが必要になる場合があります。 *3: シャッタースピードが1/125以上の場合に有効です。装着レンズや撮影設定によって異なる場合があります。 *4: すべての動物が対象ではありません。人、動物、鳥ではモードの切り換えが必要です。シーンや被写体の状態によってはうまくフォーカスが合わない場合があります。また、動画撮影時のリアルタイム瞳AFは動物と鳥には対応していません。

α1(装着レンズはFE 35mm F1.4 GM)

これまでになかったミラーレスカメラの“フラッグシップ”

――まずはα1発表の際に感じた印象を教えていただけますか?

猪狩友則さん(以下、猪狩): ソニーはいままでラインアップにヒエラルキーをつくらず横に展開していました。高解像性能が際立つα7Rシリーズ。高感度・低ノイズ・広ダイナミックレンジが特長で動画にも強いα7Sシリーズ。スピード性能に秀でたα9シリーズ。横に並んだそれぞれが尖っていて、上下がなかったわけです。それがα1登場で変わりました。ここにきて初めて、明確な“上”を位置づけた印象ですね。 大村祐里子さん(以下、大村): いままでのすべてのシリーズを明確に超えた、全部盛りのαが出てきた感じ。 桃井一至さん(以下、桃井): 業界で最初に35mmフルサイズのミラーレスカメラα7を2013年に出して、そのままその世界をリードしていますよね。 猪狩: フルサイズミラーレスカメラのフラッグシップ機という意味では、業界初になるのかな。 桃井: α1のすごいところは、“1”という数字を使ったところ(笑)。コニカミノルタ時代のα一桁は9、7、3といったナンバーを使用してきて、AF一眼レフカメラで“1”は使っていなかった。2006年にαを引き継いだソニーも9、7を採用していましたが、ここにきて“1”。ソニーの明確な意思を感じます。

桃井一至さん

猪狩: そういうモデル名って、カメラでは重要ですよね。 ――α1のスペックで一番すごいと思ったことは? 猪狩: 世界最速のフラッシュ同調速度1/400秒のメカシャッターでストロボ撮影が可能なところかな。この機能自体はいろんな要素が組み合わさってできたものだけど、これで撮影が変わるな、という印象を受けました。

猪狩友則さん

桃井: ハイスピードシンクロではなく、普通に1/400秒でストロボが切れる。現場で使うスペックとしては大きいですよね。 大村: 私もびっくりしました。「現場で助かるな」という感想です。ハイスピードシンクロだとどうしても不自然になりがちですし、ストロボへの負荷も大きくなりますし。あとは約30コマ/秒のブラックアウトフリー連写。これにも驚きました。10秒程度しか撮影できる時間がない仕事もあり、そんなときは撮れれば撮れるだけ助かります。そういう場合は音も出せないので役立ちそうです。あとはもちろん、スポーツ報道など動体撮影で。 ――実機に触ってみていかがでしたか? 大村: EVFを覗いた時の感じがいままでのαで一番好きですね。

大村祐里子さん

桃井: これまでも使っている分にはさほど不満がなかったし、機種を変えてもそれほど変化を感じませんでした。でも、α1のEVFは違う。本当にきれい。暗いところで見てもきれいでした。 猪狩: EVFのドット数は約944万ですね。しかも240fps駆動は世界初。良いEVFは撮る気にさせますから重要です。

約944万ドットのOLEDを使用したEVF。240fpsのリフレッシュレートを実現したことで、動く被写体をさらに追いやすくなった

――桃井さんには連写を試していただきましたが、いかがでしたか? 桃井: 連写テストはいつも同じ場所で撮影するのですが、連写中のAFの安定感は抜群です。1コマ目だけピントが合い、あとはAFが追随しないカメラも世の中にはありましたが、α1だと当然そんなことはありませんし、バッファメモリも多く、快適でした。しかも全コマで失敗する感じがしない。 猪狩: もう失敗をカメラのせいにできないのか(笑)

作例:連続撮影モード「Hi+」

撮影:桃井一至

桃井: いままではAFエリアの使いこなしが肝になっていました。場面に合わせて変えたり。それがいまはAFエリアをあまり気にしなくてもよくなってきています。ワイド設定でも合いますね。速くなったり精度が良くなったのもあるのでしょうけど、より滑らかになったように感じる。 大村: そうですね……AFに関してはテクニックを駆使するというより、自然な感覚で合わせるのに近くなっています。被写体に近寄ったときなど、いままではスポットに切り換えていたところをワイドのままでシュッと合ったり。一瞬迷ってから合う、という具合だったのが変わりました。 ――鳥にも対応したリアルタイム瞳AFも試していただきましたが、いかがでした? 桃井: 小さな鳥でも、その瞳に合っていました。滑らかに追いかけてくれて、捉えたら離さない感じです。

作例:鳥に対応したリアルタイム瞳AF

α1,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 400mm,F8,1/1000秒,ISO800
撮影:桃井一至

猪狩: ソニーのリアルタイム瞳AFは、ロックしたらそのまま滑らかに捕捉し続けるのがすごく気持ちいいですよね。α1はさらに最大で処理能力が従来比約8倍になったというBIONS XRの力も効いていると思います。 ――有効約5,010万という画素数についてはいかがでしたか?

α1は新開発の有効約5,010万画素メモリー内蔵フルサイズ積層型CMOSイメージセンサーを搭載する

大村: 私はトリミングの必要がある仕事が多いので、有効約6,100万画素のα7R IVを使っています。α1の画素数はα7R IVより画素数が少ないとはいえ約5,010万あります。仕事で使う分には重すぎず、ちょうどいいと感じました。 桃井: 画素数と高感度のバランスが大事なんだよね。その点α1は暗い場所で撮影してもきれいだし、絶妙なバランスだと思います。 ――どういう人が有効約5,010万画素・約30コマ/秒の連写を使うと思いますか? 猪狩: 画素数と連写性能というこれまで相反していた要素をどちらもカバーしています。守備範囲がここまで広いと「誰に必要か」というより、全員が対象になり得そうです。 大村: 有効約5,010万画素はトリミングできる十分な解像があるので、どんな層の人でも連写しておいて後から理想の構図に仕上げられるのは大きいのではないでしょうか。実際に私も、仕事でもとりあえず撮っておいて、あとからここを使う、というのは多いです。そういう意味でα7R IVを使っていましたが、α1でも同じことができそうと感じます。 猪狩: そういえば、α7R IVが出た時も「画素数が多くて連写ができるカメラ」という印象でした。α1はより、「みんなもうこれ一台でいいのでは?」というカメラですね。 桃井: 確かにこれで全部賄える。値段を考えなければね(笑) 猪狩: あと、フラッグシップといえばボディが大きいのが相場ですが、α1は今までの大きさをキープしている。これだけのものを大きくせずに小型でまとめた。そこもいいですね。

デバイス内製の強み

――ソニーはイメージセンサーをはじめ、多くのデバイスを内製しています。そこに強みを感じますか? 大村: αは進化の速度が他のメーカーより速く感じます。そこはさまざまな内製の良さが出ているのではないでしょうか。 猪狩: 今回のEVFパネルも自社製でしたよね? こういうのを真っ先に搭載できるのは社内で作っているからでしょう。内製でも劣っていてはだめで、いまソニーが他をリードできているのは間違いなく優れた内製のデバイスを使っていることがひとつのキーになっていると思います。 桃井: ミラーレスカメラの時代になってから、明らかにデバイスが勝負の分け目になっています。最新のものが優位に使えるのは大きいでしょうね。 猪狩: デジタル一眼レフカメラの時代、デバイスといえばイメージセンサーとエンジンの組み合わせで、それは画質の話でした。ミラーレスカメラの時代になってAF、連写、ホワイトバランスなど、デバイスがカメラを形作る要素により大きく関わってきている。デバイスが自社で作れてそれぞれの部署が噛み合う、これが有利に働いている気がします。α7S IIIからタッチパネルでメニューが動かせるようになりましたが、あれもXperiaの部隊との連携の結果と聞いています。

動画ニーズの高まりにも応える

――現在、イメージングの世界は静止画だけでなく、動画の占める割合が大きくなっているといわれます。その実感はありますか? 大村: αを導入するきっかけはまさに動画でした。「動画も撮れるスチルカメラ」ということで導入したのが最初です。私自身、αの進化とともに動画をやってきた感じがあります。 桃井: ミラーレスカメラの存在自体がもともと一眼レフカメラとビデオカメラの間にあるものというイメージでした。ソニーはもともとレンズ交換式のスチルカメラより、ビデオカメラで定評のある会社。そういう意味では動画はお家芸だったともいえますね。 猪狩: いま、ミドルレンジのビデオカメラが少なくなりましたよね。みなスチルカメラの延長線上のようなカメラ、ミラーレスカメラに置き換わった印象です。 大村: ズーム倍率とか、ビデオカメラでないとできないこともありますけどね。でも画質面や短時間の撮影時間に限った場合、ミラーレスカメラに勝るものはないのではと思います。 桃井: 静止画と動画、両方できるのが大きいのかもしれない。ビデオカメラではきれいに静止画は撮れないから。

動画記録ボタンは背面上部に配置された

大村: 確かに、静止画・動画の両方を必要とする仕事が多いです。あと、αはサイズが小さくてジンバルに載せやすい。ここも結構大事ではないでしょうか。カメラを4時間持ったままのときもあります。小さくて軽いのは本当に助かりますね。いまα7Cも動画の仕事で使っていますが、小さなレンズとの組み合わせがすごくいいです。最近は一般の方で動画を撮りたい、写真をやるんだけど動画も撮りたいという人が増えてきた印象があります。そのときに聞かれるのが「αがいいの?」。 ――動画のAF性能はいかがですか? 大村: ほぼ人物しか動画では撮らないのですが、顔・瞳認識を信頼しています。撮影中、自分がモニタリングできない仕事のときでも、後で確認すると、ちゃんとピントが合っているのです。AFについてはかなり安心感を持っていますね。 ――動画といえば、αのバッテリーの持ちはいかがですか? 大村: α7 IIなどの第2世代までは、正直いって電池の消費が早かったです。第3世代になってから十分になりました。 桃井: モバイルバッテリーからの給電が可能になったのも大きいですね。移動中に充電できるのはありがたい。 ――α1の動画機能はいかがでしょう。 大村: 8K 30pはもちろんですが、4K 120p 4:2:2 10bitもすごいと思います。普段は30pや60pで撮っていて、スローが必要になりそうなときに120pにしていますが、それが4Kで撮れてしまう。

α1の動画記録方式。8Kでの記録が可能になった

桃井: 8Kが身の回りで普通になるのは先の世代の話でしょう。その時でもα1は現役で使えるわけですね。 猪狩: だいぶ前に発売された製品でも使える、そういう意味では先進機能が入っているのはいいと思います。今後も続いていく規格や技術を先取りしておくのは安心感につながります。 ――α7S IIIと同じく動画でアクティブ手ブレ補正が使えるのも、α1の特徴です。 桃井: ジンバルは大仰になりがちなので、ボディだけで手ブレ補正が完結するならありがたい。 猪狩: 思うにα1は、通信社の人たちが「静止画と動画を一緒に撮りたい、だからジンバルなしでも撮れるようなカメラが欲しい」といった要望に応えたカメラではないでしょうか。そういうのは多分短い動画なので、本体のみで撮れた方がいい。ただ、ジンバルを使うことは、動画撮影時の持ちやすさとセットになっている面もありますから、すべての撮影がジンバルなしになることはないでしょう。 ――αには専用のマイクやグリップが用意されていますが、これらについてはいかがですか? 大村: ガンマイクは高価だし、一般の方はどれを買ったら良いのかわからないと思います。なのでソニー純正品は安心感があるのではないでしょうか。自分も最初はわからなかったのですごくいいラインアップだなあと思いました。MIシューで接続するECM-B1Mはケーブルレスでマイク単体での充電も必要なく便利です。 猪狩:「またソニー専用のアクセサリーか」と思ったのですが(笑)、「これで大丈夫ですよ」、「ばっちりですよ」という位置付けのアクセサリーは分かりやすいのであってもいいですね。

システム全体で広がる“αワールド”

――そういったシステムの強みについてはいかがでしょうか。 桃井: フルサイズミラーレスカメラでレンズはいま一番多いよね。さらに他社製を含めると圧倒的。マウントもAPS-Cとフルサイズで使えるし。Xperia PROはαと接続することで、HDMIの直接入力が可能になりますよね。

Xperia PROはαとHDMIで接続して外部モニターとして使用可能なほか、αをライブストリーミング時の外部モニターとしても利用できる

大村: 外部モニターをつけて動画を撮影することはありますが、重いんですよ(笑) 猪狩: Xperia PROのすごいところはHDMIで入力できてそのままライブストリーミングができることでしょう。さらに5Gミリ波への最適化など、将来を見据えているところはすごいと思います。そういえばα1のサイズに有線LAN端子が入っているのはすごい。 桃井: HDMI端子もフルサイズ。ミニやマイクロだと細くて、力がかかると傷むことも。ケーブルの入手もフルサイズだと簡単。

α1が搭載するHDMI端子はミニやマイクロではなくフルサイズだ

――α7S III、α1はCFexpress Type Aが採用されました。この流れについてはどう思いますか? 猪狩: 他のカメラメーカーとの兼ね合いもありますが、いまのボディサイズを維持するならType Aが良いのでしょう。あとはSDメモリーカードがどうなるかですね。 桃井: SDメモリーカードは値段のこなれ方もあるしデファクトスタンダードなので、いまのところ対応は必要でしょう。

CFexpress Type Aに対応したデュアルスロットを装備

猪狩: α1は両スロットでCFexpress Type Aが使えますよね。UHS-IIが片方のスロットのみという時期がありましたが、デュアルスロットで片方に制限があるのは使いづらいので良いと思います。 ――大画面・高画質なブラビアで写真家の作品を鑑賞する「Creative Gallery on BRAVIA」も昨年始まりました。 Creative Gallery on BRAVIA https://www.sony.jp/ichigan/a-universe/gallery/ 桃井: カメラとブラビアの連携は以前から提唱されていましたが、ようやく整った感じです。αを続けてきて、ようやく日の目をみたわけですね。

フラッグシップの技術が他のαに降りてくる?

――α7S III、α7Cときて、フラッグシップのα1が追加されました。いまのαの勢いを感じますか? 猪狩: 今の環境では間違いなくナンバーワンでしょう。当初は苦戦している印象でしたが、第2世代でボディ内手ブレ補正が搭載されたことが大きかったです。その頃にプロが使いはじめて、一般層へのシャワー効果も感じられました。 桃井: 私は式典などの撮影があるため、音が静かというメリットで第2世代から導入、その頃は市販のマウントアダプターを使って、他社製レンズでαを使っていました。 猪狩: そういう人多かったですよね。サードパーティにレンズの情報を公開したのも結構強いと思います。 大村: いままでもそうでしたが、よりはっきりと目的別にαを選べるようになった気がします。小さいのがいいならα7C、動画ならα7S III、全部入りならα1。どんな層も受け入れられるのがいまのαではないでしょうか。 桃井: 操作系が上から下まである程度揃っているのもいい。もっとも、ここに至るまで紆余曲折あったわけですが…… 猪狩: 変えたとしても、その後に出る機種はそれに揃えられていますよね。 大村: CP+で「フルサイズのαもすごいけど、この小さいのもすごいね」とα6400を触っている方がいたのです。α6400はリアルタイムトラッキングをα9の次に搭載して、APS-Cのαにも新しい技術が入る可能性を見せてくれました。同じように、α1のスペックや技術が他のモデルにも降りてくることがこれから楽しみです。

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