商品情報・ストアデジタル一眼カメラ α α Universe

「α1」で創るスタジオポートレート
〜自然光編&ライティング編〜
フォトグラファー 八木淳 氏

α Universe editorial team

フォトグラファーの八木淳氏がCP+2021にてお話しいただいた内容や、発表作品をαUniverse記事用に再構成。 最新のフルサイズミラーレス一眼「α1」で、このセミナーのために撮り下ろした作品を紹介しながら、スタジオポートレートの極意を語ります。

八木 淳/フォトグラファー 1977年 宮城県生まれ。 2001年 都内スタジオ勤務。 2003年 富田眞光氏に師事。 2006年 渡英。 2007年 帰国後から本格的にキャリアをスタート。 Beautyを中心にファッション、ポートレート、スティルライフなど幅広いジャンルを手がけ、活躍の場も広告、雑誌、ムービーと多岐にわたる。 2019年6月、初の個展「Y-EN」「A sense of Hong Kong」を開催。 http://www.atsushiyagi.com Instagram: https://www.instagram.com/photographer_atsushi_yagi/

シズル感や動きを出したい撮影で
試してみたいと思った「α1」の連写性能

みなさん、こんにちは。カメラマンの八木と申します。私は2007年からカメラマンとして活動しておりまして、広告案件や雑誌案件の仕事をメインに撮影をしております。なかでもビューティーフォトの割合がとても多いです。使用するカメラは状況に応じて変えていますが、ビューティー撮影ではソニーの「α7R IV」の使用頻度が高いです。

「α7R IV」は秒間10コマの連写速度、リアルタイムトラッキング、リアルタイム瞳AFといった高いスピード性能が備わっていること、さらにビューティー撮影では重要な肌のキメ感やコスメの発色など、描写力の高さが魅力となっています。ただ、物撮りでシズル感を演出したり、ヘアの動きを出したりしたい時は、「もう少し連写速度が欲しいな」と思っていました。そんな時に発表されたのがソニーのフラッグシップモデル「α1」です。

今回、この「α1」と「G Master」を使って、自然光とライティングの両方でスタジオ撮影を行いました。実際の撮影風景や作品をお見せしながら、私の撮影手法やカメラの性能、インプレッションなどをお伝えしたいと思います。

自然光撮影のテーマは「逆光」と「モノクロ」。
シルエットをイメージした仕上がりに

まずは、自然光のみでの撮影をしましたが、この日はちょうど大雨で予想以上に暗く、環境は最悪の状態。しかし、だからこそカメラ性能が試されるシチュエーションと言えます。

自然光の撮影では、逆光を生かしたシルエット写真をモノクロに仕上げることをコンセプトにしました。意識したのは、光の入りかた、光の回しかた、モデルの立ち位置、カメラポジションなどです。 逆光をメインとした環境ですが、少し光を回したいと思ったので下の写真の一番奥にある差し込み窓に白い布をかけて、レフ版効果で光を延長するような感じにしました。このようにして光をつくりながら「シルエットイメージ」を念頭に、モデルをアンダーめに撮影したいと思ったのです。

今回は少し光量が足りなかったので上の写真のように白い布を使って撮影し、顔を少し明るく見せることでまた違った印象に仕上げる工夫もしています。

(*セミナーの映像より作品を切り出したものです)

今回はモデルに踊ってもらったり、ジャンプしてもらったりと動きのあるシーンも撮影したいと思っていたので、秒間30コマの高速連写で瞬間が撮れる「α1」が大いに性能を発揮してくれました。連写時もデータの転送速度が速く、シャッターも軽快に切ることができます。また、5010万画素で解像度も十分です。ソニーならではの広いダイナミックレンジで情報量も豊富ですから、今回のようにアンダーに写すような場合でも現像時に引き上げて素材感を出すことができる。結果、とても満足のいく作品に仕上げることができました。

秒間30コマの高速連写が捉える
体の動きと光が織り成す一瞬の美しさ

(*セミナーの映像より作品を切り出したものです)

上はモデルが回転しているところを撮影したものです。コマ送りのように写真を撮ることができるので、正直、セレクトに困るくらいの撮れ高でした。大きく写し出されている作品は、私の好きなカットです。その直後に写した作品とは微妙な差ですが、ファーストインプレッションが良かったこちらを選びました。表情や手のブレ、衣装のドレープ感や光の入りかたによって「動き」というものが印象的に表現できていると思います。

(*セミナーの映像より作品を切り出したものです)

上はジャンプのシーンです。連写した中から7枚セレクトしましたが、自分が選んだのは大きく写し出された作品になります。体のしなやかさを一番感じることができますし、動きにも躍動感がある。全体的な「美しさ」を優先してこの1枚を選んだ感じです。 ここで紹介した作品はどちらも秒間30コマの高速連写があるからこそ撮れた作品です。秒間10コマと比べると3倍も撮れるので、秒間10コマのカメラでは次のカットまでの2コマが抜け落ちてしまうことになります。これは非常に大きな違いです。この2コマが加わることによってセレクトの幅が大きく広がりますから、より自分の意図した作品を選べるのが「α1」の最大の強みと言えますね。

ライティング撮影では髪の動きを表現し、
高速連写のフラッシュ同調を体感

自然光で撮影した後、ライティングでも撮影してみました。 フラッグシップ機である「α1」は、メカシャッターでは世界最速レベルのフラッシュ同調速度1/400秒、さらにα初となる電子シャッターでのフラッシュ同調も可能にするという大きな進化がありました。また、ストロボ撮影で高速連写をしてもブラックアウトしないので、今まで撮ることができなかったシーンにも挑戦できるようになっています。 ライティング撮影では、電子シャッターによる秒間30コマの連写性能を試してみたかったので、スタジオビューティーフォトならではのヘアの動きを撮影してみました。

上はスタジオに組んだライティングになります。背景はグレーバックで、左側の丸いライトはオパライトになります。これはヘアにハイライトを打つために入れているものですね。メインライトはモデルの左側から当てているため右側はシャドウになりますが、黒く落ちてしまう部分をハイライトが上げてくれる。その効果でハイライトからまたシャドウに落ちて、丸いオパライトが入る、といった「光の波」をつくることができます。 個人的には一方通行のライティングはあまり好きではないので、常にこういった光の波を意識してストロボを組むようにしています。そして間にある傘はメインライトがサイドから当たっているので、逆側のシャドウの濃さを調整するためのライトです。よくカポックなどのレフ板を立てる人も多いと思いますが、ビューティーフォトでは影の微調整ができるようにライトを入れることが多いです。

秒間30コマで捉える髪1本1本の動き。
有効約5010万画素はトリミングも自在

今回はモデルの左右から風を送り、髪が動いている瞬間を秒間30コマの高速連写で、フラッシュ同調で撮影しました。現場は今まで経験したことのないような、いい意味での違和感がありましたね。いつもはある程度のテンポでフラッシュがシンクロしますが、今回は秒間30コマの連写なのでずっと光りっぱなし。ストロボの光の中で撮影しているような環境でした。

では撮影した写真をお見せしたいと思います。こちらが最終的にセレクトした1枚です。まさに秒間30コマという高速連写だからこそ捉えられた一瞬ではないかと思います。

α1,FE 24-70mm F2.8 GM 70mm,F8,1/200秒,ISO100

ヘアの動きをメインにこのカットをセレクトしましたが、ヘアの動きとは関係なく、他にも素晴らしい作品を撮ることができました。下の写真で大きく写している作品は、実は髪の毛が持ち上がっているので、連写だからこそ撮れた髪のボリュームのように感じますね。

正直、「α7R IV」の秒間10コマで十分だと思った時もありましたが、今回撮影してみたことによって「α1」の秒間30コマ、圧倒的な連写速度、スピード性能、さらに高速連写に対応できるフラッシュ同調、これができるカメラの進化は本当に素晴らしいと思いました。一連で撮影した秒間30コマの写真を並べてみると、非常に細やかな動きをライティング撮影でも撮れることがわかります。コマを素早く送ると、まるで動画のように見えますよね。 また、画質に関してもまったく問題なく撮影することができました。最近はWebの仕事も増えてきているので横位置で撮影することが多くなってきていますが、使用用途によっては縦位置にしたいなということもあります。そんな時でも有効約5010万画素という高解像であれば縦位置にトリミングしても高画質を維持できる。広いダイナミックレンジで階調も豊かなので、いろいろな媒体で使用できると思います。

距離感を変えられるズームレンズを選択。
リアルタイム瞳AFで合焦はカメラ任せに

自然光でも、ライティングでも、使用したレンズは「FE 24-70mm F2.8 GM」1本のみです。自然光撮影ではモデルとの距離を調整しやすいこと、フットワーク、軽さを重要視してこの1本を選びました。今回のように動きのある撮影では単焦点レンズを使わずにズームレンズを使うのがベターです。自分の場合はモデルさんとの距離を変えながら撮ることが多いですからね。そうするとモデルさんの腕の入りかたや顔の歪み、パーツ感など、写真の印象がまったく変わります。さらに焦点距離が変わると背景の入りかたやぼけ感も変わってくる。ですから広角側と望遠側を切り換えながら撮るのも面白いと思います。

また「G Master」レンズならではの優れた解像度や、カメラのAF性能を最大限に発揮できるところもポイントです。とくにAF性能は申し分ないパフォーマンスでした。先ほどもお伝えした通り自然光撮影時はかなり暗かったのですが、モデルの顔もあまりよくわからない中でもAFで瞳を捉えつづけてくれました。通常、こういった環境ではAFのパフォーマンスは落ちるものです。しかし、「α1」はしっかりとピント合わせてくれる。激しい動きをしていても瞳に素早くフォーカスしてくれたので、本当に頼もしいカメラだと思いました。

自然光撮影では逆光だったので、黒のシチュエーションの中でどれだけ瞳AFが効くか、踊っているような動きのあるシーンではどれだけAFが追随してくれるか、そういったチャレンジも軸としてありました。これだけ精度よく追ってくれればフォーカスはカメラ任せにでき、自分はモデルの表情や構図に集中できるので、とても素晴らしい機能だと思います。 ライティング撮影では仕上がりのシャープ感も、このレンズを選んだ理由のひとつです。個人的にはピントの山が広い印象。ヘアの動きや髪の毛一本一本のディテールを写したいと思っていたので、このレンズを使うことでシャープ感を出すことができたと思います。

上の拡大画像を見ていただくとわかりますが、ピントの山が広いので奥の目にもしっかりピントが合っていて、肌のキメ感までしっかり捉えています。こういったピントの深さがあるのでジュエリー撮影でも使用できそうです。例えば、目にフォーカスしていても、ピアスにもピントが合っていますからね。後から「商品にピントが合っていないから合成してください」とクライアントに言わせないくらいのピントの深さやシャープ感があります。

ブラックアウトフリー連写や測光モードなど
現場で役立つ便利な機能が満載

ここからは「α1」を実際に使ってみて、便利だった機能をいくつか紹介したいと思います。まずはファインダー。約944万ドットの解像度による視認性の良さ、さらに連写時のブラックアウトフリー。これによって構図がとてもつくりやすくなりました。スタジオでライティングして連写撮影をすると完全にブラックアウトして真っ黒な状態になってしまい、モデルさんがどこにいるのかも自分の勘に頼るしかない状況でしたが、これがなくなったことは自分にとってとても重要でした。 さらにリフレッシュレートが240fpsに設定できるようになったのもいいところ。とても滑らかな印象になり、条件の良いところであれば肉眼に近いような感覚で映像を見ることができます。動きのあるシーンでもコマ送りのような感じになることなく滑らかに動いてくれて、リアルに目で見ているような感じです。 自然光での撮影ではモノクロに仕上げることを決めていたので「クリエイティブルック」も便利でした。クリエイティブルックで「BW」に設定すると、ファインダーで見ている画をモノクロ表示にしてくれるので、とてもイメージしやすかったです。モノクロ以外にもいろいろなモードがありますので、撮る側のイメージができているのであればかなり便利な機能だと思います。

αの機能で個人的に好きなのは「測光モード」です。この機能から「ハイライト重点」を選ぶと、ファインダーに写る画を白飛びしないように制御してくれます。スタジオの環境はどうしても暗いので、モデルにピントを合わせやすいようにアイランプという照明を入れることがあります。そうするとモデルは明るく写るけれど、後ろは暗いまま。モデルと背景との光量の差が大きいと、顔の肌色が白飛びすることがありますが、この測光モードを「ハイライト重点」に設定すれば白飛びせずにファインダーで構図や画を確認できます。 私はよく使う機能をカスタムしてファンクションキーに割り当てていますが、測光モードもクリエイティブルックも、すぐに設定を変えられるようにファンクションキーに入れています。おかげで撮影中でも探す時間が省けて、効率よく撮影することができました。

写真の可能性や撮る喜びを体感できる「α1」。
今後は商品が主役の動画撮影にも挑戦したい

今回は「α1」でのスチル撮影に特化してお話ししましたが、最近は動画案件のお話をいただくことも多いです。そんな時でも「α1」なら8K撮影ができますし、その他にも優れた動画性能を持ちあわせているので、今後は動画撮影も試したいと思っています。高いクオリティを必要とするスチルも動画も、「α1」が1台あればどのような撮影でも対応できそうですからね。

以前に短編のビューティー動画は撮ったことがあるので、今後はぜひ商品を主役にした動画も撮ってみたいと考えています。物撮りの場合、照明はとても繊細です。写真ではレタッチで調整が可能ですが、ムービーではライティングの調整がシビアになります。きれいに仕上げるのが難しいジャンルになるので、ハイスピードや物撮りの動画撮影を8Kでトライしてみたいと思います。 ソニーのフラッグシップ機「α1」を現場で実際に使ってみて、本当に素晴らしいカメラだと改めて感じることができました。自然光でもライティングでも、「α1」の卓越した性能やカメラの可能性を少しでもお伝えできたなら嬉しく思います。「α1」を使うことによって、見たことのない瞬間を撮影できたりしますから、ぜひみなさんにも手に取っていただき、写真を撮る喜びや感動を体感していただけるとうれしいです。私も「α1」を使って、写真の可能性や喜び、感動を味わっていきたいと思います。

記事で紹介された機能の詳細はこちら

記事で紹介された商品はこちら

ワンクリックアンケートにご協力ください

記事一覧
商品TOP
デジタル一眼カメラαの商品一覧を見る
最新情報をお届け

αUniverseの公式Facebookページに「いいね!」をすると最新記事の情報を随時お知らせします。

閉じる